Sakura0904さんのレビュー一覧

スピリチュアル ポリス 1 コミック

新田祐克 

気性に惚れる、究極の愛

 新田先生のお堅い職業ものは最高ですね。表紙の雰囲気が柔らかいので穏やかな話かと想像していたんですが、180度違ってかなりシリアスな物語でした。刑事である永妻の生真面目さは最大の魅力。元々の気が優しいので、刑事であるために他人を常に疑わねばならない日々にストレスを感じ、そう感じてしまう自分は刑事に向いていないと気を落とす悪循環。そんな自分の心を癒してくれる盲目の葵に惹かれ気持ちも序盤で通じ合うにも…

0

幸福は君のとなりに コミック

野萩あき 

どれも攻めが甘い

◆幸福は君のとなりに(表題作)
 相手をとにかく甘やかしたい、煩雑なことは全部自分がやってあげても苦ではない、そして、あわよくば自分なしでは生きられなくなって欲しい。そういう攻め、大好物です。大智のすべてを包み込んでくれるような愛、これは絆されても仕方ないですね。一方、甘やかされてばかりの聡も、いつも先を越されてばかりだけどちゃんと大智に返したいという気持ちを持っているので、実に健全なカップルで…

2

wow!嫁に来ないか コミック

キカ糸 

家族兼恋人

 幼稚園の頃からの幼馴染で家も隣という2人。梅一の片想いにはかなり年季が入っています。結構序盤で汐に想いを打ち明けるけれど、そこからが大変。急に関係性が変わって距離感に戸惑ったり、いざセックスしてみようとすると上手くできなかったり、梅一の方は不安定な家庭に影響されたり。勝手知ったる相手ならではの気安さもある一方で、一歩間違えれば長年の関係性にひびが入ることへの不安もあり、お互い探り合いながら新しい…

2

オイシイオトコ コミック

高久尚子 

好きが匂いで溢れる可愛さ

◆オイシイオトコ(表題作)
 焼肉店で働く受けが発する匂いに攻めが惹かれる、というBLファンタジー感満載の作品でしたが、それが気にならないほど2人の掛け合いが面白くハマりました。焼肉の匂いってかなり強いと思うけれど、それに消されないほどの匂いって一体どんな?と気になっちゃいますよね。戸惑う受けに付け込んで攻めが序盤から強引に迫るところは高久作品にありがちですが、一見流されやすいだけに見える受けも…

0

メロンの味 下 コミック

絵津鼓 

気負わずに傍にいる

 淡々と、しっとりと。これはきっと絵津鼓先生にしか描けない物語だなぁと思う。木内の心に沈むもの。中城に出会ってからの木内は一見普通で、薬を見つけなかったら絶対に病気だなんて分からないくらいですよね。きっと鬱病ってそういうものなんですね。元気な日もある。365日四六時中沈んでいるわけではない。でも波が激しくて、沈む時はただ落ち込むというレベルを超えて沈む。日常生活に支障が出たり、好きだったことができ…

5

ひよこと夜と遊園地 コミック

ymz 

どうしたらこの愛を伝えられるのだろう

 あ〜ymz先生のこの空気感! 『ヒゲと鈴としゃぼん玉』が帰って来たような、カップリングは違うけれど、あのほのぼのと笑いとちょっぴり切ない感じが絶妙に混じり合った雰囲気にまた浸ることができて最高でした。マウントとりたがりキヨシのこともとても気になっていたので、こうしてメインで読めて嬉しいです。自信家で何に対しても迷いのない行動が眩しいのだけど、恋愛に関しては与えるばかりで隙がないからか、振られた経…

1

コヨーテ IV コミック

座裏屋蘭丸 

コヨーテの優しげな瞳が印象的

 徐々に決着をつける日が近づいてくる、嵐の前の静けさのような巻。マレーネとリリーの2人に関してはもう、互いの気持ちを疑う余地は1ミリもない信頼関係を築いているので何の不安も感じません。ガーランドとヴァラヴォルフの闘争に対してどんな決断を下すのか。与えられた猶予はもうほとんどないのだけれど、きっとこの2人なら大丈夫だろう、という安心感があります。

 今回はアレン大活躍回でもありましたね。常識人…

5

風待ち休暇 コミック

里つばめ 

予期せぬ出会いからの好転

◆風待ち休暇(表題作)
 都会暮らしで溜まった鬱憤を、まったく景色の異なる田舎で晴らす。誰しも一度はやってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。そうしてやって来た山岡を釣りやBBQに誘いつつ、強引に連れ回すわけでもなく来てくれたら一緒に楽しむ。そんな緩いスタンスで親しくなる年下のアキラの存在が、とても癒しに感じられました。感情の伝え方も素直で、山岡との環境の違いも意に介さず、かと言って不…

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ふたしかな僕たちは、 コミック

さがのひを 

あなたの周りにも偏見を持たない人はいるかも

 商業BLの原点を思い出させてくれるような、瑞々しい青春らしさもありつつ、若さ故の無鉄砲さ、愚かさも描き出した、いろんな要素が詰まった作品でした。序盤で友哉が好きではない人に最後まで犯されてしまうシーンがあり、想像とかなりギャップがありました。それも、いきなり押し倒されて乱暴に強姦されるのではなく、その前に友哉が食事の誘いに乗り未成年にも関わらずお酒を飲んで、相手の家までついていってしまうという拒…

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今宵おまえと 一章 コミック

木下けい子 

どちらにも共感でき応援したくなる

 木下先生の描く、ほぼ同じスペックのリーマン同士の恋愛も素敵だなぁと思いました(攻めの方がスペックが高いことが多い気がするので)。性格も保孝の方は割とずけずけものを言う感じで、惚れた弱みもあるのか陸郎の方は落ち着いていて控えめという印象でした。陸郎は職場でもあまり変わらないようなので、根っからの常識人なのかもしれませんね。

 10年もの長い間、保孝に片想いしていた陸郎。3巻完結のシリーズなの…

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