Sakura0904さんのレビュー一覧

はるのうららの コミック

三崎汐 

一度立ち止まって、自分と異なる視点を想像してみよう

 まさに春がぴったりのすごく可愛いタッチなのに反して、内容は結構重め。BL漫画では性に葛藤するキャラクターが登場する作品も少なくありませんが、こういう視点で描かれる作品は初めて読んだような気がします。性に限らず、自分の「普通」と他人の「普通」の基準は違うこと。これを常に念頭に置いて人と会話することって本当に難しいけれど、けっして忘れてはならないことだと思いました。

 あくまでBLなので、スト…

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Call me,Call. コミック

梶本レイカ 

どうかこの2人を守って欲しい

 梶本先生の作品は『高3限定』『コオリオニ』と闇が深過ぎるものから先に読んでしまっていたので、この作品の爽やかさ(※梶本作品比)に本当にこのまま幸せを掴む2人をただ見ていてもいいのだろうか、とそれこそ巣我のようにびくつきながら読み進めていました(笑)。でも、梶本先生のこういう雰囲気の作品、いいですね。前述した作品達はどうしても痛々しい描写や読む人を選ぶ壮絶な展開などに焦点を当てられがちですが、この…

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HEARTY コミック

吉田ゆうこ 

恋で迷ったらこれを読み返したい

 計算し尽くして受けに近づく攻めの描写から始まったので、可愛らしい絵のタッチに反して殺伐とした展開になるのかな?なんて思いましたが、読めば読むほど攻めも受けも愛おしくなっていくような、温かい作品でした。ナルシストというほどでもないけれど、自分をクールに演じることが癖付いてしまっていて、計算外のことが起こると脆さが見えてしまう本間と、人の善意を疑いたくないのにどうしても信じきれず、人を好きになること…

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ライアテア コミック

崗田屋愉一(岡田屋鉄蔵) 

頑固者達の魂の再生

 自分の拘りや生き方を守り抜いたり、長年夢を追求し続けたりする頑固な男2人の物語。最後はもちろんBL展開になるのだけど、それまでの2人の歩み方も格好良くて、男じゃなくてもこんな風に生きたい、こんな風に生きられることを忘れたくないと思わせてくれるような、人間の美しさと可能性の描かれた作品でもあったように感じます。南国の暖かい島ならではの開放感も、多分に作品を盛り上げる要素になっていましたね。同じスト…

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狂い鳴くのは僕の番 ;β 2 コミック

楔ケリ 

2人の心情にオメガバースの真髄を見た

 高羽×烏丸の時からそんな明るい話ではなかったですが、ここで最も深く暗いところへ来たというか、オメガバースによって生み出される感情の交錯の切なさがこれでもかと溢れ出しているような印象でした。鵜藤が脇役だった頃は、彼がスピンオフ作品のメインになった場合、烏丸達とは対極の明るく爽やかな恋愛をするんじゃないかなんて思っていましたが、とんでもないですね。むしろ、ページを捲るごとに辛さが増していく。すれ違い…

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恋の話がしたい コミック

ヤマシタトモコ 

1つひとつが印象深い恋の短編集

◆恋の話がしたい(表題作)
 雰囲気とモノローグと、2人のやり取りがとっても素敵な作品でした。自分が恋愛には向いてないと思い込んでいる美成。まさかの展開で好きになった年下の真川と両想いだったことが分かり、付き合うことになるのだけど、いろんな場面でついネガティブ思考を発揮してしまいます。その思考のせいで居酒屋に置き去りにされたりもした真川ですが、美成の行動は全部自分を好きだから、嫌われたくないから…

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みっともない恋 コミック

森世 

なんだかんだでそんなに後味は悪くない

 これは評価が二分されるのも納得の作品。ザ・バッドエンド集というような後味が悪いものばかりを集めた作品ではありません。4作品中、本当にバドエンの雰囲気だったのは1つだけでした。ただ、どの作品も途中の展開やプレイがエグかったり特殊だったりしたので、読む人を選ぶだろうなぁとは思います。森世先生の可愛い絵で、ディープな短編を楽しみたいという方にはオススメです。地雷が多いという方は十分お気を付けください。…

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きっと、幸せな結末 コミック

麻生ミツ晃 

誰かに大切にされる尊さが沁みる

 まさしくこれぞ麻生先生という雰囲気そのものなんですが、しっとりした空気感の中になんだかずっと甘さも感じられるような気がして、この作品が好きだなぁと感じました。私が今まで読んだことのある麻生先生の作品だと、ストーリーはとてもしっかり練られていてたくさん引き込まれるシーンがあるものの、やはりキャラクターの辛さや切なさなどの感情が勝ち過ぎて、良い作品だけど萌えは少ないかなというのが正直な感想だったんで…

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花恋つらね 3 コミック

夏目イサク 

最後の惣五の笑顔に全部持っていかれた

 源介が惣五への恋愛的好意を自覚するのにはもっと時間がかかるかと思っていましたが、意外とすんなり認めましたね。多分、長年惣五のファンをやっている中で、源介にとっては惣五への憧れと好意は常に紙一重だったんじゃないかなと思います。役者としての在り方を尊敬しているだけでなく、女形の時も本来の姿の時も惣五の見た目を昔から綺麗と感じていたわけですし、そこに1つでもきっかけが加われば、簡単に恋に変わってしまう…

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花恋つらね 2 コミック

夏目イサク 

惣五のいじらしさに萌える

 1巻では私は歌舞伎の世界に慣れるところから始まったんですが、この2巻で源介と惣五の関係に一気に引き込まれたような気がします。惣五の表情に見惚れたり、はっとさせられたりすることが何度かありました。自分の感情にすごく真っ直ぐで、思わず寄り添いたくなるなぁと。源介の「惣五の一番になりたい」という言葉は、あくまで歌舞伎役者の最高の相方としてという意味。それを恋愛的意味に捉えてしまい、自分の誤解を知った時…

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