Sakura0904さんのレビュー一覧

溺れる コミック

恋煩シビト 

取られたくない、期待したい、自分を好きになって欲しい

 思春期ならではの複雑に入り乱れるキャラクター達の感情が、非常に緻密に描写されていたと思います。友情、同情、愛情というような、自分でも境目が曖昧な感情を持て余す3人の男子高校生達。簡単に各矢印を纏めると、次郎←馳男←ハチという関係性です。特に良かったのが、次郎が馳男に対して抱いている己の独占欲に気付いても、最後までそれを恋愛感情などと勘違いせずに、友愛のままで通したこと。並のBL漫画だったら、実は…

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みぃはなんにも知らない。 コミック

松本ノダ 

性的倒錯とどろりとした感情の絡み合った濃密短編集

 テーマ付きアンソロジーに描いたものをメインに収録されているということで、1つひとつの短編がそれぞれかなり異彩を放っていて、非常に読み応えのある作品集でした。全部で6CP収録。特殊なプレイや人によっては地雷になりそうな展開なども多く、割と何にでも耐性があるという方でないと読み切るのは難しいかもしれません。レビューは重めだった作品を中心に書きましたが、嘔吐癖のある攻め×失禁癖のある受けの『でちゃうん…

1

眠り男と恋男 コミック

座裏屋蘭丸 

甘い、エロい、しっとりの3拍子

 座裏屋先生作品の中では『PET契約』に負けず劣らずなエロさを誇る作品だと思います。ただし、あちらは愛のない絡みもありますが、こちらは各話短いながらも愛を感じられる話ばかりだったので、エロさと甘さを両方同じくらい楽しみたいという方にはこちらをオススメします。全話魅力的でしたが、私は特に『優しいディナー』と『太陽と秘密』がお気に入りです。

◆眠り男と恋男(表題作)
 仕事仲間のロイスが睡眠時…

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10DANCE 4 コミック

井上佐藤 

惚れた方の負け

 相変わらずキス止まりな2人ですが、気持ち的にはお互い恋も自覚してかなり進歩していると言っても良いのではないでしょうか。どちらかというと今まで振り回してきた側の杉木が、毎回切り替えは早いものの、鈴木の言動に動揺するような表情を見せるシーンも多くなってきていて、スタンダードの帝王のポーカーフェイスが崩れるのはとても見応えがありました。世界で闘うダンサーと国内のみで闘うダンサー、まだまだその差はあるけ…

1

10DANCE 3 コミック

井上佐藤 

私的な感情を見せることが増えてきた

 1、2巻に比べるとダンスの練習や競技会などの描写は少なく、若干箸休め的な印象を受けました。その代わり杉木と鈴木のプライベートな時間での絡みが多く、お互い相手への感情や熱を少しは自覚し、BLとしての糖度は増していたように感じます。杉木が鈴木のダンスレベルを上げるためには自分以外のダンサーも必要だと分かっていながら、彼が自分ではない誰かからダンスを吸収するのが嫌だと思う描写もあり、杉木の強い独占欲が…

1

10DANCE 2 新装版 コミック

井上佐藤 

密かに絡み合う熱視線に期待大

 杉木が海外試合に出場している間のシーンが多いので2人で練習する描写は少なめでしたが、競技で踊る杉木の情熱やそれを生で観る鈴木の熱い視線などが臨場感たっぷりに伝わってきました。ああ、この2人の男性達は今お互いに間違いなく最も興味の対象であり、惹きつけられている存在なんだなぁと。2巻でもキス止まりで共に恋愛的好意を自覚することもありませんが、その種は2人の中で確実に芽吹いているであろうことが強く感じ…

1

めぐみとつぐみ コミック

S井ミツル 

目つきが悪くて凶暴な小鳥を筆頭にどのキャラも愛おしい

 Twitterに冒頭のシーンが掲載された時から単行本化をずっと楽しみにしていました。初めて読んだ時、これはまさに私の性癖に刺さるオメガバース!と衝撃を受けたのを覚えています。死ぬほど目つきが悪くて(最早ほぼ白目)、ヒートは抑制剤を使わず気合でなんとかする超体育会系Ωのつぐみ。このキャラ設定が、Ωとして斬新で素晴らしいんです。そんなつぐみを、きっと本来なら打倒することもできるだろうに、まるで親のよ…

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非BL作品

さんかく窓の外側は夜 4 コミック

ヤマシタトモコ 

しっかりしてきた三角

 三角の自我が、前巻までよりは少し強くなってきているのかなと感じた4巻でした。怖がりなのは相変わらずだし、自分に向けられる他人の気持ちに疎く無防備なところはなかなか直らないけれども、少なくとも本人は自分の意志を蔑ろにして誰かの意のままに動く気はないし、自分の能力は悪用させないという想いは強いみたいですね。自分の芯を確立させようとする男らしい彼も魅力的だと思う反面、何でも受け入れてしまいがちな隙だら…

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非BL作品

さんかく窓の外側は夜 1 コミック

ヤマシタトモコ 

こんなにやらしい除霊があってたまるか

 非BL作品ということでそういう方面にはまったく期待をせずに読み始めたのですが、下手なBL作品よりも余程エロくて萌えるし、腐女子にとって読み応えたっぷりな作品だと思います。公式が非BLだと言うんですからそこに異論を唱えるつもりはありませんが、私の中では限りなくBLに近い作品でした。

 簡潔に話の流れを纏めると、除霊師であり耳の良い冷川と、霊感があり目の良い三角がタッグを組み、第三者から依頼さ…

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くさかんむりに化けると書いて コミック

蔓沢つた子 

受けの性格が新しくて読み応え抜群

◆くさかんむりに化けると書いて(表題作)
 受けのひろむが今までに読んだことのないようなキャラで、絶妙に萌えポイントを突いてきてくれました。根っからのオネエとか女性になりたい男性というわけではないけれども、学費を稼ぐためにオカマバーで働いていた時のオネエ口調が今でも時々出てしまうひろむ。絆されやすく相手に尽くすだけのワンコ系かと思えば、煙草を吸ったり内心上から目線で相手を批評したりする時もあって…

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