Sakura0904さんのレビュー一覧

ひだまりが聴こえる コミック

文乃ゆき 

障害に重点を置かず、一つの恋愛作品として向き合いたい

 何の前知識も入れずに読み始めたので、途中まで勝手に難聴の航平が受けになるのかなと思っていました。徐々に言動とか2人の雰囲気から、「あれ、逆か」と気付いたのですが、改めて読むと体格的にも普通に太一が受けっぽかったです(笑)。線の細い絵が儚い青春とマッチして、表紙のイメージが壊されることなく読み進められました。

 障害という題材を扱う作品の場合、障害者の諦めからくる卑屈さや、健常者の押し付けが…

5

おいたが過ぎるわ子猫ちゃん コミック

緒川千世 

萌え所をしっかり抑えたラブコメ

 緒川先生の作品は『カーストヘヴン』ほど突き抜けていなくても、どことなく闇や静けさを感じさせるものが多いですが、こちらは珍しくラブコメに徹していました。結論から言いますと、緒川先生の描かれるラブコメも素敵!受けの弓太に若干の流されやすさは感じたものの、攻めの越郎とは長い付き合いでもありますし、元々好意の芽みたいなものは既に心の中に持っていたんだろうなぁと感じられたので気になりませんでした。

1

ごめんしたって許さない コミック

博士 

受けと攻めの相性が抜群

 受けの健太郎が決してなよなよはしていないんですが、とにかく田舎で生まれ育った故の純朴さ、根っからの優しさが溢れ出ていてとても可愛かったです。青森弁については全く知識がないので実際の言葉と違和感がないのかどうか分かりませんが、知らない私からすると彼の純朴さに拍車がかかってより好感が持てるものでした。絵に描いたような大学デビューを果たし周りに乗せられるまま行動してしまう彼を流されやすいととることもで…

1

PET契約 コミック

座裏屋蘭丸 

愛があるかどうかに関わらず濃いエロを読みたい人は是非

【ピュアイズム】
 座裏屋先生が最も得意とする余裕もあって落ち着いているけど遠慮なく想いをぶつけてくる攻めと、強気に抗ってみせるも絆されやすい受け。『眠り男と恋男』『コヨーテ』の攻め受けにも通じるものがあると思いますが、やはりオムニバスなのでしっかり前後を掘り下げられる訳ではなく、世界観に深く浸ることはできませんでした。あくまで導入といった感じです。

【Pet契約(表題作)】
 弟の薬代…

1

ポジ(表題作 「メシアシリーズ」) コミック

はらだ 

はらだ先生はコメディも独特

 構成は『メシアの厄日』シリーズ(『変愛』に収録)の続編と、初登場の『宇宙のもずく』がメインになっており、おまけとして『変愛』シリーズ番外編が収録されています。

【メシアの〜】シリーズ
 タチ専だった青年がネコに調教されてしまった前作の続きがとても気になっていたところ、今作でしっかりとオチをつけてくれたので大満足でした。相変わらず冴えない風貌の攻めではありますが、言動の全てにおいて受けより…

1

好きなひとほど コミック

はらだ 

下剋上好きに読んで欲しい

 短編集でないはらだ先生の作品で、最も一般的なBLっぽく、読みやすい且つ萌えられる箇所もたくさんある作品ではないかと思います。『やたもも』1巻も割と読みやすいですが、あれはビッチ受けが苦手な人は手に取りづらいと思うので、はらだ先生の作品を初めて読むという方にはこちらをオススメしたいですね。

 リバ表現も含んでいますが、読後はほぼリバだったことを忘れるくらい攻め受け固定の印象しか残らないので、…

1

俺と上司のかくしごと コミック

嘉島ちあき 

受けの印象の変化が素晴らしい

 次はこうなるんだろうなという予想をことごとく覆す、予想外のパターンが続いたのがとても良かったです。部下の御門が上司の姉崎の弱みを握り下剋上的展開になるのかと思いきや、彼も飄々とした性格なのでそう簡単にひれ伏すこともなく。逆に御門も弱みを握り返されて、互いに口止めする結果となるとは思いませんでした。姉崎がモブレされる時も、あまり悲壮感が漂うことはなく、かなり強気な態度を崩さなかったのも斬新でした。…

1

誤算のハート コミック

緒川千世 

濡れ場での雰囲気の変化が萌える

 表題作のメインは硬派で淡白そうに見える攻め烏童と、女子とつるみ遊んでそうな受け三城。烏童の女除けとして付き合うことを三城が面白半分で提案し、烏童に甘やかされながらわがままに過ごしますが、いざ濡れ場になると攻められることに慣れてないのか遊んでいるという噂が信じられないほど蕩けてしまいます。それでも終わったらすぐ帰るところに、彼の最後の意地を感じましたが。烏童は淡々としていて三城に言われるがまま振る…

1

エスケープジャーニー コミック

おげれつたなか 

表情に目を奪われる

 ストーリーとしては青春と男同士であることへの悩みが絡んだBLもので、特に新しさはないのですが、おげれつ先生の美麗な絵によって描かれる主人公2人の表情が素晴らしいという点に尽きると思います。受けの直人が人当たりのいい奴なので、笑えるポイントも散りばめられています。でも太一との関係に内心悩み続ける直人の繊細さに共感せずにはいられません。

 直人と気持ちが上手く噛み合わず、中盤で太一が暴力を振る…

3

やじるし コミック

はらだ 

短編でも余韻はばっちり

【やじるし(表題作)】
 大学の同級生で、パシる攻めとパシられる受け。飲み会で1人でいるところに声を掛けてもらったのがきっかけで攻めに惹かれる受けですが、気持ちを伝えた途端パシリや性欲処理の道具としていいように利用されてしまいます。最後まで攻めはクズのままですが、無理矢理犯された受けが泣きながらそれでも好きと伝えた瞬間に、心が揺れ動いた攻めの表情が見れたので満足です。

【ひきずる音】
 …

4
PAGE TOP