Sakura0904さんのレビュー一覧

ワンダー・ボーダー コミック

上田アキ 

後味の悪くないNTR

 萌える要素とストーリー構成がしっかり両立している良質な作品でした。寝取られ、浮気ものと聞くと、ドロドロした雰囲気を想像してしまいがちですが、そこまで重たい空気を纏った話ではなかったです。寝取る方の攻めである和秋が、彼女と付き合ったまま、しかも相手の洋春にも男がいるのに手を出してしまうのは確かに最低かもしれません。でも言葉が足りなかったり少し一般的な感覚とズレているために洋春とすれ違ってしまっただ…

2

カッコウの夢(下) コミック

ためこう 

表紙の彼を好きになること間違いなし

 大どんでん返しが凄まじい下巻、お見事でした。もちろんBLとして萌える部分も多々あったのですが、まずはストーリー構成に拍手を送りたいです。上巻が攻めの本命である白島、下巻がセフレである瀬野という表紙だったのも、しっかり意味があったんですね。

 上巻では昏睡状態だった白島が目覚め、瀬野に白島の人格が入っていたなんてことは嘘だとバレてしまいます。だとしたら瀬野の演技が凄過ぎますよね。狂気を感じる…

2

終わらない不幸についての話 コミック

緒川千世 

兄弟でこんなにも違うんだなぁ

 相手の理想と自分がかけ離れているのを理由に、端から好きになることを諦めてしまっている烏童兄を、真っ直ぐさやひたむきさで溶かしてくれる清竹、まさに破れ鍋に綴じ蓋だなぁと感じたカップルでした。『誤算のハート』で「俺もあんな風に愛されたいなァ」と弟カップルを眩しそうに見て呟いていた彼がとても印象に残っていたので、しっかりその恋愛模様を描いてくれて満足でした。ただ、予想していたよりもかなり捻くれた性格に…

1

ひだまりが聴こえる コミック

文乃ゆき 

障害に重点を置かず、一つの恋愛作品として向き合いたい

 何の前知識も入れずに読み始めたので、途中まで勝手に難聴の航平が受けになるのかなと思っていました。徐々に言動とか2人の雰囲気から、「あれ、逆か」と気付いたのですが、改めて読むと体格的にも普通に太一が受けっぽかったです(笑)。線の細い絵が儚い青春とマッチして、表紙のイメージが壊されることなく読み進められました。

 障害という題材を扱う作品の場合、障害者の諦めからくる卑屈さや、健常者の押し付けが…

5

おいたが過ぎるわ子猫ちゃん コミック

緒川千世 

萌え所をしっかり抑えたラブコメ

 緒川先生の作品は『カーストヘヴン』ほど突き抜けていなくても、どことなく闇や静けさを感じさせるものが多いですが、こちらは珍しくラブコメに徹していました。結論から言いますと、緒川先生の描かれるラブコメも素敵!受けの弓太に若干の流されやすさは感じたものの、攻めの越郎とは長い付き合いでもありますし、元々好意の芽みたいなものは既に心の中に持っていたんだろうなぁと感じられたので気になりませんでした。

1

ごめんしたって許さない コミック

博士 

受けと攻めの相性が抜群

 受けの健太郎が決してなよなよはしていないんですが、とにかく田舎で生まれ育った故の純朴さ、根っからの優しさが溢れ出ていてとても可愛かったです。青森弁については全く知識がないので実際の言葉と違和感がないのかどうか分かりませんが、知らない私からすると彼の純朴さに拍車がかかってより好感が持てるものでした。絵に描いたような大学デビューを果たし周りに乗せられるまま行動してしまう彼を流されやすいととることもで…

1

PET契約 コミック

座裏屋蘭丸 

愛があるかどうかに関わらず濃いエロを読みたい人は是非

【ピュアイズム】
 座裏屋先生が最も得意とする余裕もあって落ち着いているけど遠慮なく想いをぶつけてくる攻めと、強気に抗ってみせるも絆されやすい受け。『眠り男と恋男』『コヨーテ』の攻め受けにも通じるものがあると思いますが、やはりオムニバスなのでしっかり前後を掘り下げられる訳ではなく、世界観に深く浸ることはできませんでした。あくまで導入といった感じです。

【Pet契約(表題作)】
 弟の薬代…

1

ポジ(表題作 「メシアシリーズ」) コミック

はらだ 

はらだ先生はコメディも独特

 構成は『メシアの厄日』シリーズ(『変愛』に収録)の続編と、初登場の『宇宙のもずく』がメインになっており、おまけとして『変愛』シリーズ番外編が収録されています。

【メシアの〜】シリーズ
 タチ専だった青年がネコに調教されてしまった前作の続きがとても気になっていたところ、今作でしっかりとオチをつけてくれたので大満足でした。相変わらず冴えない風貌の攻めではありますが、言動の全てにおいて受けより…

1

好きなひとほど コミック

はらだ 

下剋上好きに読んで欲しい

 短編集でないはらだ先生の作品で、最も一般的なBLっぽく、読みやすい且つ萌えられる箇所もたくさんある作品ではないかと思います。『やたもも』1巻も割と読みやすいですが、あれはビッチ受けが苦手な人は手に取りづらいと思うので、はらだ先生の作品を初めて読むという方にはこちらをオススメしたいですね。

 リバ表現も含んでいますが、読後はほぼリバだったことを忘れるくらい攻め受け固定の印象しか残らないので、…

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俺と上司のかくしごと コミック

嘉島ちあき 

受けの印象の変化が素晴らしい

 次はこうなるんだろうなという予想をことごとく覆す、予想外のパターンが続いたのがとても良かったです。部下の御門が上司の姉崎の弱みを握り下剋上的展開になるのかと思いきや、彼も飄々とした性格なのでそう簡単にひれ伏すこともなく。逆に御門も弱みを握り返されて、互いに口止めする結果となるとは思いませんでした。姉崎がモブレされる時も、あまり悲壮感が漂うことはなく、かなり強気な態度を崩さなかったのも斬新でした。…

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