愛に執着するあまり、心がすれ違う男たちのたどり着く結末は・・・!

HOME (新装版)

HOME (新装版)
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神18
  • 萌×26
  • 萌6
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

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レビュー数
9
得点
135
評価数
37件
平均
3.8 / 5
神率
48.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
シリーズ
Holly Novels(小説・蒼竜社)
発売日
価格
¥900(税抜)  ¥972(税込)
ISBN
9784883863891

あらすじ

片思いしていた男が死んだ。篤は男が育てていた姉の子供を、彼と思い引き取って育て始める。少年は篤にまったく打ち解けなかった。
やがて子供は大学生にまで成長したが、愛した男の面影は見えなかった。
篤は自分の役目が終わったことを感じ、結婚して身を固めようとするが・・・。
書き下ろし20~30ページ!
木原音瀬、衝撃の問題作!!
(出版社より)

表題作HOME (新装版)

片想い相手の甥 黒田直己・18歳
弟の恋人の甥を引き取った会社員 青木篤・33歳

その他の収録作品

  • HOME 2
  • HOME others
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数9

所々に散りばめられた育て子(攻)の狂気と、衝撃の展開。

想いを寄せる男の甥を育てる受様のお話です。
余談ですがこういう設定大好きです。

読み進めて思ったのは、直己(攻)と篤(受)は似通った部分があるのかなーと。想いを秘め過ぎて、器用な表現がまるでできていなくて、長い時間をかけてふたりはこの結末へと動かされていったような…。

序盤、篤が直己に対して度々恐怖するシーンですが、私も読んでてリアルに何度かブルッてなりました。後ろから抱き締めてきたり、ニヤリとするシーンとかに直己の狂気やらが垣間見えてて、すごく引き込まれました。

読了後は、無意識に何度もため息が出ました。是非、未読の方には予備知識を仕入れずに読んでいただきたいなと思います。

1

篤、逃げてー!超逃げてー!!

最近の木原作品を読んでからだったので、こういうものをベースに今の作品が出来上がったのかと感慨深いものがありました。

正直、今の作品に比ると小品といった印象で、展開もいつものパターンです。この追うもの・追われるものの立場逆転パターンは、木原作品ではもうお約束なのでしょうか。

ずっと好きだった人に双子の兄(?)と付き合っていると聞かされた時に、篤の心は一度壊れてしまっていたのかもしれません。
その辺のエピソードは篤がかわいそうで、伊沢と隆に憎しみを覚えました。いくら篤がおとなしくて自己表現できないと言っても、隆が無神経すぎる。生まれた時から側にいる相手の気持ちもわからないなんて、人の気持ちをほんとに考えない子なんだな、と引きました。でも、周囲はみんな隆を評価するんですよね。なのでますます自己表現できなくなる悪循環。かわいそう。この双子カプの対比は、リア充vsぼっちみたいで篤が不憫すぎました。
で、この不憫な篤にはぜひ幸せになってほしいと思うのですが、これまたヤンデレ攻にほれ込まれてあえなく引きずり込まれてしまうのです。
直己(攻)の性格がかなりやばく、何考えているのかわか続きらないあたりはヤンデレなのかサイコホラーなのかもはやわかりません。
篤も最初は抵抗するのですが、もともとメンタル耐性低いのに打撃が重なり、弱ったところを浸食されてしまうのです。これまた可哀相。

唯一篤を救おうとしてくれるのが友人・立原です。
ほんとにまっとうないい友人で、篤が変な方向に行かないように一生懸命頑張ってくれるのですが、差し伸べた手をことごとく篤自身に裏切られていくという報われないお方でした。どんどん深みにはまっていく親友の姿を見守るのは辛かっただろうなと思います。
メンタル弱かった子が自ら沼に飲み込まれてゆくのを助けられないもどかしさ。読んでいて、「なんでこれ立原とくっつけてあげないんだろう…」と木原さんの鬼っぷりにガクブルでした。

後日談「other」では、二人の仲の良い様子も見られるものの、やっぱり直己は性格破綻したままで、「篤、これでほんとによかったのか?」と心配が拭えなかったです。

1

夏に読みたい

夏の夜に読みたい、ちょっと怖い話。

人間って、言葉を介さないとなにも伝わらない。
どんなに愛していても、どんなに憎んでいても、
自分の心の中で思っているだけでは、
それは、何もないのと同じ事。

お互い、自分自身の心の中で思っているだけで、全く言葉にしなかったために、無駄にすれ違うお話。
木原作品って、意思の疎通、意志の不通で、勝手に自分を不幸に追い込むパターンが多い気がする。
だから、主人公がどんなに自分が不幸だと嘆こうと、それは自業自得でしょって、
それに、最後はちゃんと、どんな形であれ「分かちがたい番」に落ち着いて、本人達は納得して一緒に暮らすようになるので、途中がどんなに痛くても平気で読めるのよね。

1

こんなはずじゃなかった……!!!


読了したあと無意識に呟いてしまっていました…。ほんとに何が起きたか理解できなかった…これはわたしの認識が間違っているんじゃないかとラストは何回もページを戻らせたほどです。

歪んでる。
人生の狂い方が尋常じゃない。
篤と直己の思いの交錯が心千切れんばかりに伝わってきて、痛くて、重くて苦しくて切なくていろんな感情が芽生えました…
何でそうなっちゃったの……

もっと幸せになれる方法はなかったのか…
切ない切ないBLが大好きなわたしでも、2人のハッピーエンドを望んだほどです。2人にとっては最高の結末なのかもしれないけれど、第三者からしたらその歪んだ愛の気持ち悪さといったらない…

しかしそれがいい。木原先生しかできないだろうこのあり得ないストーリー展開!先が全く予想できないのはいつものことですが、これほどまでに濃い作品があるでしょうか。

最初の強姦まがいのことから始まり、事故、川に落ちたりアル中になったり…ほんと詰め込みすぎですって…
読んでいて苦しくて苦しくてたまらなかったです。整形。まさかとは思いましたけど。そんな形に行き着いてしまうなんて。


続きこの本に出会えてよかったと思うのと同時に、この本を超える、何物にも言い表し難いこの感情を、味わわせる作品が他にあるでしょうか?!三日寝込みたいほどに辛いです、今。


そして功労賞を与えたいです立原。彼は本当に最後までいい人なんだから…!逆に彼が歪んでしまうんじゃないかと思うとハラハラしました。彼には幸せになって欲しい……!!

3

な・なんでこうなっちゃうのだろう・・・

最後まで衝撃を受けっぱなしでした。
イタタタタ・・・。でも甘い。読み終わった後は呆然とするのみ。魂の抜け殻。
只今 心臓が尋常ではない速さで打っております。高速ドキドキが止まりません。
(普段よりも脈数がものすごい速い数となっています)死にそう。
木原先生独特の感性な世界をたっぷり浸ることが堪能出来るニクイ作品です。

愛する人の為にアナタは自分の顔を整形できますか?

怖いです。主人公二人のドウシヨウモナイすれ違いが生んだ悲劇作です。片方が一方的に悪い訳では決してありません。どっちもどっちな鈍い二人なのです。お互い相手を想う愛の気持ちが強すぎて それに繋がるもどかしい行動が やがてゾワゾワと背筋が凍っていく愛の為への整形へと繋がって行きます。
『家族』がこの作品のキーワードです。主人公二人が欲しくて堪らなかったもの。
題名の『HOME』とは何か? 家族の繋がりなのか それとも恋人の繋がりなのか。
執着愛がもたらす愛の儀式なのだろうか。
最後はハッピーエンドなんだけど 二人は幸せなんだけど 埋められない何かがきっとまだこの先の二人には有る様な気がしてなりません。続き
それほどまでにこの作品 衝撃が襲います。
ホラーがお好きな方にぜひ!お勧めです。




0

言葉もなく…

言葉もなく分かりあい、理解しあうのは至難なんですよね…とにかくこの2人互いに言葉が少ないし、不器用すぎて2人は愛を知らなすぎる。上手くいかないんですよホントに。直己が何を考えてるのかわからなくて悩む篤。そして、父の劣等感に苛まれて苦しむ直己。2人とも耐えがたい悲しみを背負っています。

互いに知らぬ間に傷つき、傷つけられて気付かない。想いも届かない。
木原さんの作品ってほぼそうなんですが「キタキター」っておもったら見事に突き落とされるんですよね。そのスリル感がいつもたまらないですw
今回も、何年も一緒に暮らしてきてやっとこさ2人に光が見えたと思ったのに一瞬にして光が閉ざされました。互いにまた闇に陥って、また海の底でもがく。何度も同じ過ちを繰り返す。読み手としても息ができないくらい苦しくて切なくてじれったくて…なんとも言えない衝動に駆られました。

最後に直己が選んだ道…すさまじかった。理解しがたい、でもそれが直己が選んだ道であり、篤を想ってのこと。

ラストの番外編あってよかったです。ホントにホントに救われたし、2人らしい生活が垣間見えて安心。

4

直巳の切なくもいじらしい愛の形

 この作品を買う前、いろいろレビューを見てどんなものかと思っていたけど、読み終わって直巳がいい!
 もう切ない、いじらしい、収まるところに収まってよかったねって感じだった。
 途中もう出口のないところをぐるぐるしている時は、苦しくて息がつまって辛かったけど、アルコール中毒に主人公がなったような感じの時に直巳があらわれるところからもう、ああやっと二人に希望の光らしいものが見えたねと思い、キュンキュンした。
 最後の直巳の働く大学の生徒の視点で書かれた作品は、二人のその後が見られてよかった。
 ちゃんと社会の中で生きている直巳に安心した。
 この作品も読後、自分が浮上するのに苦労した。
 ズシっとした作品を木原先生は本当にうまい。落ちるとこまで落ちた後、最後の方の浮上感、今回も脳内麻薬が出っぱなしだった。

3

糖分補給に向かないどころか、糖分を奪われかねない話

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
施設行きになるはずの子供を、好きな男の甥だからという理由だけで引き取った主人公。
BLではさほど珍しくないそんな材料も、作り手が変わればこうも腹にもたれる一品となるのだなと妙な感心をしてしまった1冊。
少しずつ食い違った思いが縺れ、やがて歪な愛を編み出してしまう。
ホラーというか一種の悲劇なのですが、この本はBLだと思わずにむしろ一般の小説を読むぞ~という心構えでいた方が、素直にその面白さを味わえるかもしれません。

登場するのほぼ3人。
好きな男の甥を引き取り育てている篤と、篤に引き取られた直己、そして友人の篤を心配する立原。
コンプレックスがあったり、やや屈折していたりするけど、特にこれといっておかしな人達ではありません。
ただ共通しているのは、3人とも自分の思いに少し固執しすぎていることでしょうか。それぞれの思いが独りよがりなんですよね。
何がいけなかったのか、どこで間違ってしまったのか。誰かが特別悪いわけではないけれど、せめてこうしていれば…と観客の読者は思わずにいられないのです。
本当にもどかしい。

篤と直己は、続き立原が言う通り合わないのだと思う。
性格や価値観が違うから合わないのではなくて、愛されたがりというベクトルが同じだからこその噛み合わなさ。
自分を認めて愛して欲しいという欲求が強い二人は、手を伸ばされることを待つばかりで、自分から手を伸ばすのは下手っぴな似た者同士です。これまでの人生で望んだ愛を得た経験がないから、愛し方が全く分からない。
そりゃあ上手くいかないよ。

なのになぜこんなにも執着し合うのかと考えた時に思い浮かぶのは、タイトルの「HOME」という言葉です。
HOMEというのはいつでも帰れる場所、いわば心の拠り所を指しているのだと思う。言い換えれば、アイデンティティを支える土台のようなもの。
それは惜しみなく注がれる愛情であったり、自分を肯定して受け入れてくれる場所のことであったり。たいていは家族の存在がその役割を果たしてくれるのです。
でも、二人には家族がいても、そういう意味でのHOMEはありません。

同じ容姿でありながら、友人も親も好きになった人ですら自分よりも双子の弟を好きになる。そのことに傷付き続けた篤は、根深い劣等感を抱き続けています。
比べられたくないと思いながらも、反面、誰よりも弟と比較してなお自分を選んでもらえることにこだわっているのが透けて見える。
その空虚の中にするっと入り込んできたのが、直己という「弟よりも自分を選んでくれる存在」なんだろう。
だからこそ、いくら他人に好意を寄せられようと友人に合わない相手だと言われようと篤は、自分にとって直己は特別でたった一人の存在なのだと執着するのかもしれません。

そして直己にとってもまた、篤はたった一人の存在。
篤のように自分を選んでくれたからという理由ではなくて、単純に、直己にとっての家族のような存在が篤しか残らなかったからじゃないかな。(直己視点がないので勝手な推測ですが)

要するに、篤と直己の人生にはお互いしかいなかったという点で、これまた合致するのですね。
この二人の互いへの執着は、他の作品と比べて恋に浮かされている熱度が(私的に)感じられないのですが、恋情の果ての執着というよりも、自分の居場所を求める切実さが勝っているように感じたからかもしれません。
結末だけを取り上げるならホラーじみた壮絶な執着ものなのですが、その根底にあるのは、群れからはじかれた寂しい者同士がどうにかして寄り添おうとする痛ましくも健気な話に思えました。
他者からどれだけ歪な執着に見えようとも、そりゃ手放せるわけがない。
自分にとってたったひとつのHOMEだもんなぁ…。

担当さんに「二人の関係にダメ押ししましたね」と言わしめた書き下ろしは、怖いような切ないようなほっとしたような、何とも言えない後味でした。結構好き。

他の絶版ものも、ぜひぜひぜひぜひ新装版で出して下さい。

8

木原さんは心のホラーのスペシャリストだと思う

やっと、絶版だった作品が新装版で出て嬉しいーー!!
そして、何と旧版になかったラストその後の二人の様子が第三者を主人公にして語られる『others』が入っているのです。
新装版の醍醐味は、こうしたその後が入っていることですよね。
多分、旧版のままのラストでもきっと二人の未来は予想できるものだったかもしれませんが、それを裏付ける、不器用なままだけど、きちんと心が通じ合っている幸せな二人を見ることができて、本当ほっとさせられました。

しかし、正直怖かったです!!
そしてとても痛かった。
とてもとても切なくて、涙がボロボロ、、主人公・篤と自分が同化してしまい身を切られるようなひと時を体験しました!!
木原作品なんだから当たり前なんだけど、コールドシリーズとかその他の痛い作品の色んな痛い要素が詰めあわされたような・・・
だから余計にうちのめされちゃうんですね。

この篤と直己、何となく似た人なんです。
欲しいモノを欲しいといえずに、不器用な事をしてしまう。
ボタンの掛け違いではなくて、歯車の噛み合いがうまくいかなくて
相手の気持ちが通じたと思えばすぐにすれ違い、
続き
追いつかない追いかけっこをしているような~
それは、本当は愛とぬくもりが欲しいのに素直に言えない、
その気持ちを自分の中に抑圧してためてしまう、
どうやって表現したらいいのかわからない。
だから傷つけあってしまう。

それは、直己の生い立ち、
篤の双子の弟と、本当は片想いをしていた弟の恋人へのふっきれなかった想いのせいでもあるのですが。
それがあるから、それを何年も抱えたまま過ごしてしまったから溝をいつまでも埋めることができずにすれ違ってしまうのです。
二人とも真面目で不器用過ぎる!
篤の友人・立原が篤の為に良かれと思ってすることは、彼の正義だ。
それは篤を救いもするけれど、ある時は篤も直己をも傷つけて苦しめ、そのすれ違いを深くする。
彼の言った言葉で、直己が傷付き、篤が壊れかかってしまうが、立原は決して悪くはないのです。
彼の言動は、ある程度の常識人のする当たり前のことだと思う。

人が人を追い詰めて、壊れてしまう様は、
その生立ちやトラウマがあるにしろ、一番怖いものだと思う。
木原さんは、こうした心のホラーを最上級の表現で魅せる人だと思う。
でなければ、こんなに痛く、苦しくなるはずがない!
本当、復刊してくれてよかった、ありがとうと言いたいです。

6

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