嘘ついてごめん、本当は晃ちゃんが大好き──。

雪の褥に赤い椿

yuki no shitone ni akai tsubaki

雪の褥に赤い椿
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神11
  • 萌×217
  • 萌10
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
156
評価数
42件
平均
3.8 / 5
神率
26.2%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
二見書房
シリーズ
シャレード文庫(小説・二見書房)
発売日
価格
¥619(税抜)  ¥669(税込)
ISBN
9784576131719

あらすじ

政界のプリンスと謳われる矢神を密かに慕っていた秘書の朝加。
けれど矢神に縁談が持ち上がり、秘書としての居場所も失ってしまい……!?

父の顔も知らない朝加は真冬の海で母に見捨てられたところを名家の御曹司・矢神に助けられた。それから身の程知らずと知りつつ心密かに矢神を慕う朝加は、せめてもの恩返しに国会議員となった彼の身の回りを世話する秘書になる。けれど朝加にとって夢のような蜜月は、矢神の縁談が決まったことで終わりを告げ──。居場所を失った朝加に残されたのは「裏切り者」としてその身を堕とすことだけで……!?

表題作雪の褥に赤い椿

矢神晃史 幼なじみ/名家の御曹司で代議士 30歳
朝加真臣 矢神議員の私設秘書 25歳

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数3

人知れず身を挺して相手を守る

けなげな受けが登場する話、老舗旅館の御曹司で代議士先生である矢神と
その旅館で仲居をしていて、息子である朝加を捨てて男と逃げた母親のせいで
居場所をなくしてしまった朝加は旅館の女将の温情でそのまま旅館で住むことを
許され、家族と同じように育ててもらう。

矢神は朝加を実の弟のように可愛がり、議員になった矢神を支えるために私設秘書になり
矢神の初選挙を応援しようとしたときに敵陣の罠に係り、金券ばら撒きや性的暴行を
合意の乱交のように写真を取られ矢神を当選させたくない陣営から朝加は脅され
結果的に矢神が選挙区で前回は当選出来なかった。

比例で議員になったものの、朝加は前回の敗因が自分にあったと悔やみ、
身内に裏切り者がいることを感じ、自ら囮のようになって矢神のスパイ行為をする。
それは敵を欺くには見方からという手段で、矢神には言えない思いを持っている
朝加の報われない恩返しみたいな感じで切ないのです。

それに自己評価がかなり低いのですが、実は周りにはなかり認められている存在。
朝加が矢神を思うように実は矢神も相手を思っている。
ちょっと浅はか過ぎる朝加続きの行動ですが、矢神を思えばこその選択の数々。
矢神を守るために犠牲になるのですが、そこに待ったをかけるのが矢神と愛犬。
この愛犬も忠義もので、それでもその死が朝加に本当のことを言わせるきっかけになる。
実は愛犬話も裏があったりしてほっとしました。

政治の選挙を背景にしていて、かなりシリアスで切ない内容ですが、
相手を思っての行動がすべてみたいな作品でした。
それに最後の最後で朝加の本当の父親が見つかるのですがその相手も皮肉でした。
はじめから終わりまで政治家がらみのお話ということです。

7

焦れったくも温かい恋物語

能登地方を舞台にした、年の差幼馴染の恋物語。
主人公の不憫な境遇など
華藤作品らしいメロドラマ要素もありながら、
攻の受に対する情愛や、愛犬ダイスケとのエピソード等がそうしたドロドロした部分を払拭し、全体としては大変優しい、読んでいて心が温かくなる作品でした。


父親の顔を知らず、男好きの母親にも邪険にされる朝加(受)。
旅館で仲居の息子として働く彼の心の支えは
旅館の息子で、
いつも自分を助けてくれた年上の幼馴染・矢神(攻)だけであった。
それから13年。
朝加は、代議士となった矢神の私設秘書として働いている。
過去に自分がレイプされ情報を盗まれたせいで
矢神が選挙で負けたことを悔やみ、
矢神の政敵と寝て有利な情報を掴もうと暗躍するが…。


朝加(受)はとても健気で、矢神のことが大好きです。
矢神の夢のため、捨て身で尽くす姿が本当にいじらしい。
いつもは矢神に「選挙の鬼」と辟易されるほど厳しいのに
二人きりの時は昔のまま「晃ちゃん」と読んだり
生まれ故郷の大阪弁が出たりと、
矢神にだけ気を許している姿が愛しいです。

矢神(攻)は、続きひたすら優しく格好良い。
朝加に想いを寄せているのに、大事すぎて
泣かせたくないという想いが先行して手を出せなかったり、
代議士になった理由が朝加のためだったり、
外見だけでなく心の隅々までイケメンw
しかし、実直なだけでなく政治家として強かな面もあり、
清濁併せ持つ魅力的な人物として描かれています。
矢神も、朝加にだけ気を許し、その存在に癒されていて
二人のときはくだけた口調になるギャップが素敵でしたv


老犬ダイスケとの絆をはじめ、
じーんとくるエピソードは色々ありますが
個人的に一番好きなのは、朝加が成人したときの話。
旅館の仕事で成人式に出られなかった朝加のため
二人だけでお祝いしてくれた矢神。
朝加が「小鼓の音を聞きながら眠りたい」と言ったら
本当に夜通し、手を痛めるまで鼓を叩き続け――
優しすぎる矢神にキュンとくるし、
翌朝、怒りながら手当する朝加も良いし…こういうのに弱いですw


すごく純愛で、結ばれるまで焦れったい二人でしたが
そのジレジレ感にすごく萌えました。
でも、ようやく二人が結ばれて、初めて抱き合って…その後の幸せな後日談があった方が、読後のカタルシスはグンと上がったかな。
(そういうのがあったら、迷わず「萌×2」評価にしていたと思います…w)

6

相手を守りたいがゆえの

互いを想う健気な気持ち。
相手を守りたいと強く想うばかりにすれ違ってしまう二人。
代議士と地元の私設秘書。生い立ちを含めた身分差もある設定に、よくあるよね、と思いながら読み進めて見れば、
そこには作者さんの独自性をやはり見てとる事ができて慨視感は払しょくされ、能登の景色と共に冬の寒さを感じます。


真臣は矢神の地元の私設秘書として嫁のように尽くしているのですが、二年半前矢神が初めて出馬する時に選挙妨害の犠牲になっているのです。
それらの証拠を相手方に握られているために、矢神の不利になってはいけないと彼等の言うことを聞く振りで密かに情報を流したりして裏で矢神を裏切っている。
でもそれは自分の、でっち上げとはいえそうした矢神に不利になる証拠が次回の選挙の妨害策として出た時に、自分が全てかぶればいいと思う矢神を思っての事。

ただひたすら一途に代議士となった矢神の為になりたい、それは彼が好きだからこそ。
でもその気持ちは伝えてはならない。

矢神は健気に議員で頑張ってほしいという真臣の要望に応える為に魑魅魍魎の住む永田町で闘い、地元に帰ってくれば真臣に癒される。
続き
真臣が議員として確固たる力を身につけるために縁談を受けてほしいと思っているなら、それを受けてもいいと。
矢神も真臣を思っての事なのです。

本当は二人好き合っているのに、矢神の夢は真臣の夢、真臣の夢は矢神の夢、その建前の為に二人とも心を隠している。

真臣の生い立ち、母親の仕打ちや男たちに与えられた悲惨な過去、何より寂しさを全部温かさで包んでくれたのは矢神であったと、そういう過去もこの話のカラーを作り上げている部分です。
日本海の冬、冷たい海、浪の華、雪の上に落ちる椿の赤、真臣の色の白さと紅い唇と頬。
そんなものが欲にまみれた現実の世界と対比した、切なげな清らかな二人の想いを演出しているようです。

秋田犬の混じった飼い犬のダイスケが、その描写とムクさんのイラスト共にちょっとキュン萌えしますv
また矢神の所属する政党が自由民政党ということで、作者さんの過去作品『恋愛派閥』の主人公が名前だけですが登場します。
受けの瑞希は強面の幹事長に(!)攻めである共和党の高透は副代表に(!)二人とも出世してましたよw
そんな部分に思わずニヤっとできます。

主人公達は良いのですが、真臣を酷い目に合わせた男達や黒幕の政治家がショボイ色ぼけジジイだったのにちょっとガッカリですが、欲に目のくらむ男というのはこういうものかもしれない、それにしてもそれに真臣が苦労させられていたことを想うと不憫で仕方ないですね。
雰囲気と世界で魅せる姿は圧倒出来ですが、萌×2まであと一息!・・・かな

10

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