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表題作蜜月契約 〜ラスベガスの恋人〜

アレクシス・ゲラール,29歳,演出家で元ダンサー
片桐寅安,26歳,カジノのピットマネージャー

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ラスベガスのカジノでディーラーを務める片桐の運命は、ショー演出家のアレクシスとの出会いで狂わされた。カジノで莫大な金を手に入れたアレクシスは、「幸運を招いた女神」と片桐を夜の相手に指名してきて…!?

作品情報

作品名
蜜月契約 〜ラスベガスの恋人〜
著者
ナツ之えだまめ 
イラスト
山田シロ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041045695
3.2

(20)

(0)

萌々

(8)

(9)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
61
評価数
20
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

自分の生きたいように生きる

久々に小説を読みました。
甘めの小説が好きなので、受けの子が女の子っぽいことが多いのですが、今回の「とら」は終始「普通の男」で、男らしすぎず、筋肉マッチョでもなく、ナヨナヨもしていない、どこにでもいる普通の男でした。
身長175㎝体重65㎏という日本では、平均より少し高いのかなっていうくらいの体格。そういう所もツボでした。
普通の男がラスベガスに行き、恋をした。恋をしたのは世界的に有名な人だったけれども。←ここがラスベガスっぽくて良いですね。
アレクシスがとらを気に入った瞬間はわかるけれど、いつから恋に変わったんでしょう。最初から気に入っていたのかな。
アレクシスの気持ちの変化はわからないけれど、とらの気持ちがどんどん魅かれていく様子がわかって、とても良かった。
オールドレディがアレクシスの事をとても気に入っていて語るシーンも素敵でしたね。彼がどんなにすばらしいダンサーなのかが伝わってきました。

そして、まさかアレクシスの足が治っているとは思いませんでしたよ。
びっくりです。
トラブルから彼の復帰がかなったわけですが、これはオールドレディがとらに語った結果、とらがアレクシスの背中を押したからなんですね。

こっそりと日本に帰るシーンは日本人らしいなと思いましたが、無事に再会できて良かったです。
ヴィンセントの事も気になりますが。
魅力的なキャラクターがたくさん出てきて楽しかったです。

0

舞台が非常にゴージャスです!

ラスベガスのカジノを舞台にした、ゴージャスな物語です。

受けは日本人で国家公務員なのですが、上司の不興をかいラスベガスに出向を命じられました。国営カジノ解禁に向け覆面視察という事で、実際にカジノでピットマネージャーとして働いています。過去に付き合っていた家庭教師の男から裏切られたせいで心に傷を持っていて、すこし諦観気味ですが、情に厚く、温かみのある人物です。この受け視点で進みます。

攻めは太股の筋肉断裂で舞台を降りた元ダンサーで、今は絶大な人気を誇るショーの演出家です。地位や富、名声と全て手にしていますが、怪我で踊れなくなった事で満たされない思いを抱えています。
この二人が受けの働くカジノで出逢い、恋に落ちます。

落ち込んでいる攻めをたまたま見かけた受けが放っておけずに、ミネラルウォーターのペットボトルを差し出すのですが、そこからツキがついて大勝ちした事から「幸運を招いた女神」として受けをかなり強引に手に入れます。受けが逆らえないのをいい事にして、自分付きのアテンダントにしてスイートルームに強引に住まわせるんですね。そして受けが仕方なく流されてベットインになります。

ツキを呼んでくれたという事だけで、攻めがここまで受けに執着して惚れ込むというのが、どうも動機として弱い気がして不自然に感じます。そして受けも、いくら上司に言われたからと言って、こんなにあっさり流されて寝るだろうかと腑に落ちません。ここがちょっと引っかかりますね。

この後は男前な受けが絆される形で心を通わせていき、元通りの体では無い事で舞台に立つことを恐れている攻めが、受けに活を入れられて舞台に戻ったりと、受けと出会った事で前に進む事が出来るんですね。
逆に受けは、攻めが舞台に立った事でケジメをつけ、日本に戻ります。ここで、日本に戻る必要は無かったんじゃないかと、また引っかかりますが。その後は予定調和のハッピーエンドが待ってます。

そんな感じで気になる部分もありますが、舞台がラスベガスなだけに非常にゴージャスな非日常感を味わえます。スイートルームにリムジン、プライベートジェットと、セレブに愛された受けのシンデレラストーリー的な物を楽しめます。そしてラスベガスの描写がすごく細かく丁寧で、実際に観光している気分になれます。

エッチは、やや強引に持ち込んだ初回から、一貫して甘々です。言葉攻め傾向のある攻めと、素直にして欲しい事をねだって甘える受けが、相性抜群です。あれだけ素直に欲しいと言われたら、攻めがメロメロになるのも当たり前ですよね。回数も多く、非常に満足しました。( ´艸`)

全体的に、気になる部分もありますが、とても楽しく読めました。

5

元ダンサー×公務員

ラスベガスのカジノに出向中の国家公務員、寅安(受け)は、カジノの客の元ダンサー・アレクシス(攻め)に水をあげたのを機に「幸運の女神」だと執着されるように。アレクシスがカジノで勝ちすぎた金を回収するようカジノから命じられ、ともに時を過ごすことになるが…。


カジノの描写はなかなか面白かったけど、いまいちよくわからない話でした。
まず受けと攻めとの出会い。攻めががっくりうなだれてるところを見た受けが、水を求められて持って行ったところ大層喜ばれ、そのあと攻めがカジノで30億円大勝ちしたために受けを「幸運の女神だ」、「俺の恋人になって」という展開です。
でも、なぜ攻めがうなだれてたのかがわからない。カジノで負けたせいだと受けは思ってるのですが、本当にそうなのか、それとも仕事関係のゴタゴタでダメージを受けていたのか説明がない。
あと受けと会ってからカジノで大勝ちしたので受けを「幸運の女神」認定しているのだけど、金を儲けられたから受けをラッキーアイテム代わりにしてるの?
そして受けを恋人にしたいのは受けがラッキーアイテムだから?

かなりページが進むと、攻めの仕事の悩みに受けが背中を押したり、両想いでいちゃいちゃしたりといった金銭運以外の幸運も運んでくるのですが、最初の時点ではカジノの勝ちだけです。大金儲けてラッキー! なのが拝金主義で萌えない。なのに結果的にはわざと負けて勝ち分ゼロにしてるし、高収入の仕事をしているから大金は不要みたいなこと言ってる。
大金は必要なかった模様。じゃあなんで「カジノで勝たせてくれた受けが幸運の女神」なの? と納得いかなかったです。
あと攻めの名前がカジノホストの名前になってる箇所があってガッカリ。名前の間違いはダメですね…。

関係ができてからの展開は結構好みだっただけに、余計に残念でした。
あともう少しストーリーがスッキリしていればよかったな。公務員設定とか、受け攻めそれぞれの家庭の事情やら、情報量が多すぎてそれを無理やり文庫のページに収めるのはちょっと無理があった。

2

ダンサーの再生物語

片桐寅安(受け)は日本の上級国家公務員でしたが、上司からの縁談を断ったため、ラスベガスへ1年間の研修名目で体よく左遷されてしまいます。そして現在、ディーラーを経てピットマネージャーになりました。
日本に帰るのをひと月後に控えたある日、元ダンサーで今は演出家のアレクシス(攻め)が思い悩んでいるのを見て声をかけます。水が欲しいというアレクシスに、出来心でたまたま持っていた水を渡すと、そのあとアレクシスは大勝し、寅安を勝利の女神と呼び、恋人だと言いだし、自分のアテンダントとしてそばにいることを強要します。
カジノホストのヴィンセントに昔の恋人をネタに脅迫された寅安はしかたなくアレクシスのアテンダントとして傍にいることにします。

話の最初の展開がよくわかりませんでした。何故アレクシスがあの場で思い悩んでいたのか、カジノで大勝し寅安を勝利の女神とあがめていたので負けがこんでお金に困っているのかと思っていたら、実は凄いお金持ちで、当たった三千万ドルも彼にとっては年収よりちょっと多いくらいだったとネタバレされて。アレクシスの琴線に触れたものは何だったのでしょう。ホテル側に圧力をかけてまで口説いてくるのも変な感じがしました。何故ならその時の彼の悩みはお金のことではなかったと思われるから。
また、いくらカジノホストが「NOと言わない」をモットーとしていても従業員に実質売春を強要するなんてそんなことあるんだろうか。
その上、寅安がヴィンセントの脅迫に屈した理由も理解できない。
自分を裏切り、他人を信用できなくなった原因になった元恋人。それも子どもができて結婚したのに浮気していて妻にばれそうで困っていて、このまま要求をのまないなら元恋人は子どもと二度と会えなくなる。ってそれ脅迫になるの?そして、そんな自業自得のクズ男のために要求を飲むって、全く共感できない。そんなやつ破滅してしまえと思うのは私の心が狭いからでしょうか。

アレクシスと一緒にいることを決めてからの話は良かったと思います。
彼にほだされる形で愛するようになり、ダンサーとして活躍し太腿の筋肉断裂で引退を余儀なくされ演出家に転向したアレクシスが本心の笑顔を見せていないことに気がついた寅安は、アレクシスのことをよく知るため今までのデータを読み、彼が実は何を望んでいるのかを理解し再生させるまでが描かれていました。

その後はある意味予想通りの展開で、「ラスベガスのことはラスベガスに」の法則通りにします。でも、嘘をついてまでアレクシスと離れる必要があったのだろうか?と思うし、アレクシスも寅安の伝言を鵜呑みにするなんて、彼は寅安のどこを見ていたのか。
命がけで守ろうとしていたところも目の前で見たのに。
出会ったばかりで強引に自分のものにしたのとのギャップが凄くて。寅安の行方を探すこともしてないなんて、ヴィンセントを使ったときの情熱はなんだったんだろうともやもやしました。
正直読み終わりは複雑でした。離れるにしても、他に何か違う展開はなかったのか。最初と最後の展開の不自然が無ければ、挫折していたダンサーの愛と再生の話という良い話で終わったと思うのですが、最初と最後の私にとっては納得できない展開に、どうもすっきりしませんでした。

2

名前萌え

なんと言っても、このお話の萌は名前でした!
受けの片桐寅安。彼は国家公務員でありながら、ラスベガスに潜入するという。おぉ、それは事件の香り?と思ったら全くそういうのではなく(笑)
そこで出会い、ウン十億勝ってしまったジョーカーで攻めのアレクシス。

アレクシスが「とら」「とーら」って呼ぶんですよね。
これが気に入ってしまって。大正物語かと思いきや思いっきり現代が舞台なのに。キラキラネームが闊歩している世の中、なんだかギャクにかっこええ!と思っちゃいました。そしてアレクシスが呼ぶ時がかわいいんですよね。まるでネコちゃんが呼ばれているような(^^)

そして、ベガスでのいっときの夢としてアレクシスとの逢瀬を寅は置いたまま、帰国します。それから数年、、、来日したアレクシスと再会を果たし、過去ではなく思いは続いていたのだと再認識した二人。

ハッピーエンドの最後は読了感が良くて、幸せになって欲しいなと思う二人でした。

0

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