唯一無二のBL時代劇、第一部完結!!!

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表題作雪と松(3)

松庵,お人好しの医者
雪,元殺し屋

あらすじ

圧倒的画力と比類なき物語力で描かれる唯一無二のBL時代劇、第一部完結‼︎

どうしたもんかね 先生にすげえ会いたくなっちまった……

「おめえさんのものだぜ…?髪の毛の一本一本までおめえさんのものだ…」
元・殺し屋の雪は、お人好しの医者・松庵と、ささやかながら満ち足りた日々を送っていた。
だがある日、往診から戻ってきた松庵から女のおしろいの匂いを感じ取り、家を飛び出して――

孤独で宙ぶらりんの男二人が出会い、いつしか掛け替えのない存在になる。
異才が描く純和風BL、第一部完結。

何気ない毎日こそが、愛おしい

作品情報

作品名
雪と松(3)
著者
高橋秀武 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
シリーズ
雪と松
発売日
ISBN
9784834264395
4.6

(69)

(58)

萌々

(7)

(0)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
11
得点
320
評価数
69
平均
4.6 / 5
神率
84.1%

レビュー投稿数11

深い愛が描かれる最後に泣いた

発売予定の表紙を見て、びっくりしてました。
この「ほら、私をつかまえてみてごらんなさい〜☆」というセリフしか当てはめられないようなきゃっきゃウフフ♡状態の二人はなんだろう?と。
幸せそうで何よりでございます、おめでとうございます、という言葉を送りたくなるようなラブラブ感(死語)いっぱいのこの表紙。

完結編であるこの一冊は中身もそういうもので詰まってました。
先生と雪だけではなく、脇役もみな幸せになってます。

二人の仲はもう盤石といっても過言ではないので、途中で勘違いによるすれ違いなども生じるのですが、犬も食わない何とやら……状態に近くて、仲直りする度にアツい愛と絆を見せつけられているようなご馳走様状態でした。

【第八夜】
女郎屋の主人を診てやったお礼に、女郎を世話されてしまった先生。
頑として女郎を抱かなかった先生だけど、白粉の匂いに気づいた雪が勘違いし、先生を「殺す」と言い出して……

壮大な痴話喧嘩ですが、なんともおアツイ二人。

【第九夜】
ついに一家を取り仕切る親分になったから、二人の面倒もまとめて見たいと佐吉の兄貴がやってきて……。
佐吉は佐吉でいい男だったと思うんですよね。(ちょっと手段が間違ってしまったけれど)

だから二人でガシッと抱き合って(ハグ)魂の交流というか思い出がフラッシュバックしたかのようになっているけれど、致し方ないと思いました。
かつての辰雄(雪)は自分の命を預けるかのように佐吉に惚れていたんだと思うので。

「あの野郎には思い出がどうしようもなくあるだけさ」という雪の言葉が味わい深かった。

【第十夜 前編後編】
「先生のきんぴらごぼうを毎日食べたい」という言葉通り、三食毎食きんぴらごぼうを出す先生。
さすがにウンザリした雪が「飽きた」とこぼしたところ、俺の作る飯に飽きたのか?俺に飽きたか……?と憔然としてしまう先生(笑)
そんな先生を見て「少し頭を冷やしたらいい」と言い放ち家を出ようとする雪が、さらにトドメの一言を……。

先生、死亡。
帰ってこない雪を待ちつつ、生きる屍状態になっちまった先生の姿が哀れだけど、ごめん、笑ってしまう。

【第十一夜】
小作の勘次と奉公中のおきぬちゃんの恋に絡めながら、祝言をあげる二人の姿が描かれています。

で、最後が良かったというか、泣けた。
いきなり明治23年。
江戸から東京に変わり浅草・凌雲閣を見上げる二人の姿が……。

もう先生は完全におじいちゃん。
すっかり背中が丸くなってちっちゃくなってる。
80歳くらいに見える。

で、牛鍋屋で佐吉たちと鍋つついてるんです。
「先生が食いやすいように肉を小さく切ってやりてぇんだ」といって包丁を借りる雪。
愛だわ。

そして、帰り道。
あのいつも通ってた街道沿いのあの道。

雪が先生を背負って歩いてるの。
この姿にもまた涙。

そして、江戸もなくなってしまってこんな日がくるとは夢にも思ってなかったと言う先生に対して、
「なあ先生、昔ってよどこに消えちまうんだろうね」と雪が言うんです。

それに対する先生の返事、そして絵が本当に素晴らしくて、ここで大いに泣かされました。

私はアイルランド民謡の「春の日の花と輝く Believe me 」を思い出しました。
歌詞はアイルランド詩人によるトマス・ムーアによるもので、「若き日の麗しい姿が例え色褪せたとしても、私の心は変わる事なく、愛はなお色濃く私の胸に息づいているよ(超意訳)」ってやつで、ほんと愛としか言えない二人の姿に泣かされました。

この最後にやられた!としか言いようがありません。

10

幸せをしみじみと噛みしめる。

改めて、いい作品だなぁと思う。
時代物だし、華やかさはないし、独特の絵だし、1,2巻とかなり血生臭いところもあるので、読み手を選ぶ作品だと思うけれど、私はこの作品が本当に本当に好きです。時代物はもともと好きでしたが、時代劇さながらの、こんなにも読み応えのある名作に出会えるとは思ってもみなかったので、本当に出会えてよかった。3巻が出るにあたって、また何度も何度も読み返してしまいました。

辛い過去をもちながらも、やっと片割れをみつけて安らぎを得られるかと思いきや、過去の因果に引きずられるように色々なできごとがあり、想いはありながらも、どこか不安定な部分を残していた二人。
そんな二人が、ありのままの等身大のお互いを、なくてはならない無二の存在として心底受け止めて、愛して、生きていく姿が、くすっと笑えるエロを折り込みながらも、しみじみと描かれるこの3巻は、ドラマチックなところは少ないながら、じ~んと胸に響くいい巻でした。

第一部完結ということですが、1話完結のストーリー仕立てだし、身近なできごとを描いたら、まだまだ続けられるのに、もったいないというような気もしますが、ここで終わる潔さも『雪と松』らしくていいかなぁ。
2部はどんな設定になるのか、わくわくしながら待ちたいと思います。

3

圧巻

相変わらず全ページ全コマを引き延ばして飾っておきたいほどの圧巻の美しさ、センスと画力に本当に感動させられます。あの時代に男に生まれた事へのプレッシャーに悩むんだりもしていた雪さんですが、この3巻の雪さんは正真正銘の男でした。
強く、時に人間の醜いところまで見せ、なおかつ美しい!!
そんな雪さんの先生への愛も伝わり、幸せたっぷりの二人が見れてよかった・・。
ヘタレ扱いされている先生も先生で、最後には男気をみせてくれましたし、
サブキャラ達のお話も見事に落ち着くべくところに落ち着いたように回収されて、締めまで綺麗にまとまった素晴らしい作品ではないでしょうか。

そして先生曰く「ちょっとハズした」と言う巻末の後日談は、
まさに理想のハッピーエンドのその先でした!

出会えてよかった作品です。

1

男としての矜持と葛藤、そして…「人」としての解放

あーーーー…良かったぁぁぁあーーー‼
この作品、読んで、本当に良かった!

とにかく惚れ惚れする情緒ある世界!
そしてカッコいい!
「男として」に拘りながらも抱かれる事に抗えず、そして惚れる相手は男、、、
でも、男だから佐吉にも先生にも惚れた訳じゃない
それは「佐吉だったから」であり「松庵先生だった」から
それを勘次さんとおきぬちゃんのヘテロの恋を通して「その人そのものに惚れる」事を示しているのも粋ですね
BLだからと言ってBLだけに拘るのではなく「人間」に惚れる、という愛の在り方を魅せられたような気がします

みんな、ほんとにカッコイイ!

あと、セリフもとても粋で鯔背です!
雪さんが旧友のおしんにちょっかいを出そうとしたお侍さんに対して切った啖呵!
あの流れるようなセリフには気持ち良過ぎてゾクゾクっとしてしまいました!!

そしてまさかの終わり方…!
参った参った。。。
完全にやられちまいましたぜ…!!コンチクショーってんだぃっっ(>︿<。)‼
…いやぃゃ……最高過ぎたょ、ホントにさ!

読み応えしかないお話しでした!
どうぞ、気になった方は読んで下さいな!!ぜひぜひ良しなに~

1

傑作

雪さんが日に日に可愛くなる。ヤンデレ気味の雪さん、髭が生えていてもたまらないキュートさ。あ〜〜〜雪さんと松庵先生はどっちも嫁。
10話の家出回も痴話喧嘩ではあれ雪さんが酷いんですけど、憎めないかわいさ。先生がやや可哀想ではある。

佐吉と共にあったことで辰雄が、雪さんが、生かされていたこともまた事実で。雪さんがそれを否定することはなく、しかしこれからを生きるために松庵先生を選んだことが嬉しい。

「男」になりたかった雪さん。「男」にならねえといかんのですか!?といった松庵先生。かつての雪さんには刺さらなかったかもしれない。松庵先生と暮らしたからこそすんなり受け入れられて、またそのあと雪さんが人斬りで解決しない畳み方もいい。今までの話が繋がって、昔があって今があると。

11話良かった…
佐吉も強く生きたんだなぁとか、いろんな気持ちが渦巻きます。そして1890年と言われると、途端に今に近いような気分になる不思議。
傑作でした。

電子限定描き下ろしイラスト1枚

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