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表題作式神の名は、鬼

羅刹、数百年封印されていた最強の鬼
氷室櫂、八百比丘尼の子孫で陰陽師

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

満月の夜ごと百鬼夜行が訪れ、妖怪に襲われる──その標的は八百比丘尼(やおびくに)の血を引く肉体!? 代々続く陰陽師で、妖怪に付き纏われる人生に膿んでいた櫂(かい)。無限の連鎖を断ち切るには、身を守る式神が必要だ──。そこで目を付けたのは、数百年間封印されていた最強の人喰い鬼・羅刹(ら せつ)!!「今すぐお前を犯して喰ってしまいたい」解放した代わりに妖怪除けにするはずが、簡単には使役できなくて…!?

作品情報

作品名
式神の名は、鬼
著者
夜光花 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
式神の名は、鬼
発売日
ISBN
9784199009587
4.2

(114)

(61)

萌々

(30)

(19)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
14
得点
484
評価数
114
平均
4.2 / 5
神率
53.5%

レビュー投稿数14

伊織のほういい……と思ってしまった…

「不浄の回廊」がとても面白かったので、積んでたこちらを読んでみようと手にしましたが……
うーん、なんか色々詰まっていて正直、疲れてしまいました……。

ただしこれは読み手側である私のキャパ不足のせいなのは明らかです。
ファンタジーものと日常系のどっちかを読めと言われたら、迷うことなく日常系を選ぶ人間からすると難易度が高いというか。
(ちなみに夜光さんの既読作品は「不浄の回廊」「眷愛隷属」「偏愛メランコリック」「君を殺した夜」「ラブシッター」「愛されたくない」と、ファンタジーものであってもあくまで人間同士、もしくは非ファンタジーのばかりです。)

そんな人間にとって、攻めが鬼、しかも予想以上に受けのことを聞かないやつはなかなか手強いというか。
おまけに伊織との思い出とか伊織への想いに断然萌えてしまって、そんな鬼とのあれこれよりも、伊織との同級生ラブストーリーを読みたいとごくナチュラルに考えてしまった自分に気づいて愕然というか。
「鬼」とタイトルに入ってる作品を読んでおきながら、せっかくのストーリーや設定のあれこれをガン無視するかのような自分の感想にガッカリというか……。
あぁ自分はファンタジー大好き人間ではないんだなぁ……と思い知らされたというか。

鬼相手に襲い受けしちゃうような櫂の豪胆さとか好きだけど、ここから先、伊織とくっつく可能性はないし……と思うと勝手に凹んでしまいました…。

0

これからのお話が楽しみです。

 続き物はまとめて一気に読みたいので、最終巻が出るのを待ちに待ってました。
やっと読める〜。

 この1巻で、主要人物は登場してるのかな。
一癖も二癖もありそうな魅力的な人がいっぱいで、ワクワクです。

 まず受け様の陰陽師の櫂。
自分への執着をうえつけて、鬼をボディーガードにしようとしてるしたたかさ。
一か八か的であぶなっかしく、守銭奴であきれたりだけど、非情になりきれない人間らしさや、かわいさがあり、とても魅力的。
とってもステキな人物、というより、人間らしくて、そこがいい、というか。
頑張って〜と応援したくなる人。

 攻め様である鬼の羅刹。
櫂への嫉妬心や独占欲がかいまみえていて、楽しいわ〜( ☆∀☆)
術のせいだけじゃないよね。


 家のお手伝いをしてくれてた伊織は櫂の友人の姿を模した式神だと知って、驚いてしまいました。
子鬼の草太。
何の思惑があるのかわからない陰陽師の那都巳。
櫂の苦しい過去。

これからどう進んでいくのか、楽しみです!
すぐ2巻を読むぞ〜。


 イラストは笠井あゆみ先生。
さすがの美しさです。
口絵で、羅刹の両頬に手を添えている櫂のイラストがあるのですが、うっとりと眺めちゃいます。
心持ち頬を染めている櫂。
ウブだわ〜とにまにまです。

2

世界観が好き

最近、夜光先生の作品ばかり読んでしまいます。
本作もダークファンタジーでありながら、どこかコミカルなキャラたちが面白かったです^^

満月のたびに百鬼夜行に悩まされる陰陽師の櫂。
ボディーガードにしようと力の強い鬼・羅刹の封印を解いた所、
その鬼に翻弄されてしまうというお話。
羅刹のキャラが良くて、怖くてかっこいいのにかわいいという、憎めなくて面白い存在でした。

櫂は美しいですね〜♡
笠井先生の絵がイメージとピッタリでした。
美人なのに、守銭奴で口が悪いというギャップも好きです。

同居人の草太や友人の伊織・千寿、商売敵の那都巳の存在も魅力的です。
読めば読むほどのめり込んでいくストーリーとキャラクターに、やっぱり好きだなぁと思わせてくれます。
今後の展開が楽しみです!

2

単巻じゃない(°▽°)

続きものと知らずに読んでしまった一冊。
読みながら伏線回収されてないし、どうもキリよく終わるにはページが足りなくないか?と思っていたら案の定続きもの!
現在は2巻まで発売中。

攻めの肉体の逞しさは見ての通りである意味素直な鬼。
この逞しさがエロの時に異種ものの醍醐味ですよね。
対して受けは見た目は大人しそうなんだけど、
中々にいい性格をしている(笑)
けっこーうっかりしているところがあり
そこがつっこみどころであり憎めないところでもある。

0

受難だらけの美貌の粗忽者陰陽師

続編が出たとのことで再読です。
個人的に夜光花先生のファンタジー作品や一風変わった設定のお話が大好きで。
今作も陰陽師に鬼に式神と、特殊な設定にも関わらず、3章を読み終える頃には作品の世界観にどっぷりと浸ってしまいました。お見事です。
起承転結が絶妙で、読ませる力が凄い作家さまだと思います。

今作の受けである櫂。
艶めいた美しい容姿を持つ実力ある陰陽師でありながら、細かな事には雑で、口が悪く、金には目がなく、生活力もなく、やることなす事上手くいっているようないっていないような…と、ギャップが魅力的なキャラクターでした。
そんな中身は全く色気のない大人しくない受けが、魑魅魍魎達に襲われがちな自身の身を守らせるために房中術で従えたのが長く封印されていた鬼の羅刹。
この羅刹が典型的な鬼的思考の持ち主なので、これまた素直に言う事を聞くはずもなく、逆に今まで以上に厄介事を呼び寄せる始末。
羅刹に翻弄され、手を焼きまくり、しまいにはあれよあれよと抱かれてしまう櫂の図…というのが今作の醍醐味でしょうか。
1巻では、羅刹に少しずつ人間臭い感情が芽生え始めつつあるところまでしか進展していません。
「嫌いになるぞ」「それは困るなぁ…」のシーンが可愛すぎる。

櫂と羅刹の漫才のようなコミカルなやり取りも読んでいて楽しいのですが、後半で判明する伊織についてのエピソードがまた切なくてですね…
そこから序盤の謎と櫂の寿命に繋がるのが凄い。
序盤から散りばめられていた伏線の回収と、まだ解決していない謎の描き方が非常に上手く、思わず唸ってしまいます。
本当にストーリーが面白い。流石の一言です。

そして、夜光花先生の作品といえばサブキャラクターも非常に素敵ですよね。
櫂の幼なじみで寺の坊主・千寿が良い味を出していて好きです。
面倒ごとに巻き込まれたり襲われかけたりと、ふんだりけったりな状態だというのに、なんだかんだで櫂の事を気にかけてしまう良いやつです。
他レビュアーさまも仰っていますが、笠井あゆみ先生のこんなにコメディ寄りの挿絵は初めて拝見したかもしれません(笑)
何かワケがありそうな伊織や、第1章で不穏な部分があった草太、謎の美形陰陽師もこれからどう絡んでくるのかが気になります。

まだ序章な事もあり、ラブな関係には至っていませんが、既に羅刹が嫉妬や執着のようなものをちらほらと見せているので期待大です。
あとがきによると、次巻ではもう少し親密度が上がる予定だそうなので、そちらも楽しみにしつつ早速続きを追い掛けたいと思います!

3

ちょっとワチャワチャ

まだまだ序章ですね。
陰陽師なのに守銭奴で今時の若者言葉で絶世の美形で主人公に興味津々です。

最初は一人称が3人現れ誰が主人公で誰が攻めか戸惑いました。あらすじを見て攻めは鬼のはずだよな?と。

でも草太も伊織も櫂の思惑を越えて。伊織の正体を知った時には驚きました。
伊織の過去に大きな秘密がありそうですね。

そして羅刹。BLではどんな形で現れても受けを愛して執着するものかと思いきや、術のせいかややこしいことになってしまい。全く期待通りに働きません。
鬼らしくもあれば、そうではないところもあり。
嫌いになるとの言葉に堪えたり、伊織を敵視したり少しずつ恋情が芽生えてるのでしょうか。

一冊でてんこ盛りでしたね。起承転結のどこまで進んだのでしょうか。

さらには最後に能力が上回る陰陽師まで現れて櫂に興味津々で。

今回は紹介的な一冊でしょうか。まだ萌えるかどうか見守ります。

あと、表紙が笠井さんなのに受けが服着てる!キワドイ所を触られてない!

2

伏線が沢山あって続巻にとても期待します!

さすが夜光先生でした。ちょっとだけ読むつもりがあれよあれよと引き込まれてました。

最初は草太目線、次に伊織(式神)目線と進み、ワクワクしながら羅刹はまだなの?って思いながら読み進めました。

主人公の櫂が美しい容姿なのに横暴で豪胆でお金に汚いしで、陰陽師なのにツメが甘くてクールとはほど遠いのも魅力です。

そして羅刹があくまでも鬼の道理でしか動かないのも、焦ったくて面白いんです。

でも後半に変化して来ているので羅刹天になったりしてと期待してます。

まだ続くようですが、草太の将来、本物の伊織の魂魄、不気味な安倍那都巳、櫂の呪いの正体と羅刹との間に愛は芽生えるのかと楽しみがいっぱいです。

早く続巻お願いします!

2

ツッパルのには訳がある

私『よろめきもの』が好きなんです。
おっとりとした美人さんがふらふらしちゃうのがたまらんのです。
夜光さんのお話の登場人物って、あんまりおっとりとしていない人が多い様な気がします(天然さんはいるけどね)が、私の中では『夜光花さま=よろめきの帝王』という認識なんですね。
普段は元気で真っ直ぐな子が、あるいは賢く図太い大人が「ダメ!」と思いつつ、ふらっと誰かに惹かれてしまうシチュエーションがめちゃめちゃ上手いと思うのです。
そして、そこから生まれる三角関係が思いもよらぬ方向に発展していって、見事な、そして美しい大団円を迎える終末に何度感激したことか……

あ、多分続編があるであろうこの巻は『正確には三角関係ではない』ですよ。
ただ、それに近いものがあるし、そういう匂いがするんです。
主人公の陰陽師、櫂は八百比丘尼の血を引くため、満月の夜にはとんでもない数の物の怪に襲われます。幼少の頃から、それを退け生きてきた櫂は合理主義者で守銭奴。そして、とんでもなくタフ!
自分の身を守るため、数百年前に暴れ回ったため封じられた鬼の羅刹に房中術をかけ(つまり『寝ちゃって』)式神として、自分を守らせようとするほどタフなんです。

嫌いじゃないですよ。タフな主人公。
でも、読み進めていく中で「なんでこんな?」と思う様な違和感がある。
後半で解るんですよ。櫂が守銭奴、かつタフでいなければならない理由が。

これがねーっ……切ないじゃん!

ああ、これは良い主人公だ。
とても面白いシリーズになる予感。
次巻が楽しみです。

11

やばい、めちゃくちゃ面白いシリーズ始まったかも。

大好きだった少年神シリーズも、とうとうアナザーストーリーまで終わってしまい、ちょっと寂しくなっていたところに、この作品。陰陽師と鬼ってだけでも期待大なのに、笠井あゆみさんとのタッグ。まず表紙を堪能、にやにや、うきうきしながら読みました。

力関係からいって鬼が主導で見目麗しい陰陽師を振り回していくんだろうなぁ~なんて勝手に想像していたのですが、さすが夜光さん、そんな安易な話とは違う。

陰陽師の櫂は、見た目は日本人形のような美人さんなので、どんな可憐で、上品な人物かと思いきや、そこは夜光作品の受け様だけあって一筋縄ではいきません(笑)楚々としたとは美しさとは裏腹に、中身は基本怠け者だし、守銭奴だし、口は汚いし、そのうえなかなかのビッチ。効率よく自らの命を守るためとはいえ、房中術を使って、力のある鬼を惚れさせて従えようとするなんて…たまんないなぁ~。襲い受け、誘い受け等々、受け様主導のエロ大好物な私としては、めちゃくちゃ悶えました。

一方の鬼の羅刹の方は、快楽といえば、挿れて、出す動物レベルかと思いきや、櫂のご褒美キスを『柔らかい』ってお子ちゃまの感想を述べていたとは思えないほど、着々と愛撫は巧みになってみたり、オネダリを要求してみたりと、櫂を翻弄していく過程は堪らなく萌えます。お互い、まだ自分の気持ちの変化に気づかずに、術に嵌まっているだけだと考えている辺りも、めちゃくちゃイイ。

将来、一波乱おこしてくれそうな小鬼くんや、いわくつきのイケメン同居人(?)、強敵陰陽師まで出てくるし、さらには櫂のタイムリミット設定まであって今後の展開がすごい楽しみ!目が離せないシリーズ開幕です!

12

トホホな主人公の活躍と受難に大変笑いました

夜光先生の作品を全て読んでるワケではありませんが、これだけコミカルと言うかギャグ寄りで、笑えるお話は初めてでした。
いや、かなり規格外な受けが、飛ばしまくりなんですよ!
やる事なす事裏目に出ちゃってトホホな受けが、気の毒ながら面白くて仕方ないんですよ。
「何でだ・・・?」って、目先の損得に流されすぎだからだよ!
見た目は儚げな麗人でありながら、中身は完全に三流芸人じゃん・・・。
いや、一応、誉めてるんですけど。

大筋としましては、先祖が八百比丘尼と言われ、妖怪にその肉を喰おうとつき纏われる主人公・櫂がですね、なんと鬼に身を守らせようと思い付き、封印を解いて最強の人喰い鬼・羅刹を解放する。
しかし、羅刹は思い通りにちっとも動かず、更に次々厄介事を起こして振り回される羽目になる。
そんな鬼をふうふう言いながら制御しつつ、襲ってくる妖怪共と戦い、ついでに陰陽師として依頼を片付け癖の強い依頼人達からお金を巻き上げるー。
と、そんな主人公の活躍と受難を、コミカルテイストで楽しむ作品でしょうかね。


こちら、ラブ度としてはほぼほぼゼロなのに、不思議な事に萌えまくっちゃうんですよねぇ。
何だろう・・・。
攻めといい、「伊織」といい、もうキャラ設定だけで腐心を刺激しまくってくれると言いますか。
人喰い鬼だけあり、人間の常識が全く通じず傍若無人、なのに妙に素直な所もあって憎めない羅刹。
そして、記憶が無く、穏やかで真面目。なのに、櫂に対して不思議な執着を見せる伊織。
今後この三人で、ガッツリ三角関係を繰り広げてくれる確信しかないんですよね。
夜光先生の書かれる三角関係が、死ぬほど好きなんですよね。

あと、実はストーリーがですね、すごく巧妙に作り込まれてまして。
謎が謎を呼ぶと言った形で進むのです。
無邪気で可愛い少年のモノローグに、いきなり「僕は大きくなったら先生を食べようと思う」みたいな、ヒヤッとするセリフが入る。
人で無い少年からは、何故かのっぺらぼうのように見える伊織。
そして、櫂がこれほどまでに、ガメつくお金を集める理由ー。

ラストのどんでん返しで、かなり驚かされましたよ。
いや、伏線はしっかり張られてるんですけど、まさかこう来たかって感じで。
そして、櫂が背負っていたものー。
ただ単に、行き当たりばったりの守銭奴では無かったんですよね。
なんて、不器用な男なんでしょうね、と。

まだ物語としては始まったばかりで、これからが本番って感じですけど。
櫂と、羅刹、そして「伊織」の関係。
今回はご挨拶と言った感じでかましてくれた「安倍那都巳」の狙い。
続きが楽しみで仕方ないです。

ところで、ちょい役もちょい役である河童。
なんか、妙に愛嬌があって、お気に入りになっちゃいまして。
「なんで苛めるんじゃあ」と、情けない顔でボロボロ泣いてるのにトスッとやられちゃったんですよ。
ちゃんと腕を届けに来てと、律儀ですしね。
彼が今後も活躍してくれる事を、大いに期待したいです。
まぁ、毎月魚を届けにくるって約束してたしね。

14

続いたよ

夜光先生×笠井先生なのでマストバイ。むっちゃ好きなキャラで、どんどんどんどん読んでいったら、あれ、終わってないよ・・・?あとがきチェックしたら、「次巻では」とありました。よかった。ということで何巻になるのやらさっぱり?な続きもの、本編250P+あとがき。気になるお話いっぱい状態のままお預け食らっているので萌2にしました。神仏?妖怪?魑魅魍魎?なんでもこい!なぐらい出てくるので、ぴっとでもダメという方はご注意ください。私は怖がりで某シリーズは読めないですが、これは明るいように感じて無事読めました。

一章は鬼と人間のハーフであるサブキャラ草太(子供)視点のお話、二章はサブキャラ伊織視点のお話。三章からいよいよ本編。埼玉の奥地に住む櫂は、偶然山の中で見つけた祠に関する情報を幼馴染から得ます。異様な気を祠から感じたため気になっていたのですが、鬼が封じ込められていると知って、何とか飼いならすことはできないかと考え・・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は、上に書いた草太、伊織以外に
千寿(幼馴染、寺の後継ぎ)、御祓い等の依頼者複数、妖怪魑魅魍魎多数、敵味方不明の陰陽師。

**好きだったところ

受けが「ええええ」と慄くおっかない運命というか人生なんですが、なんとまあタフなこと。うーんめんどくさいから鬼をボディガードにしちゃえ★てなことで、鬼に術をかけて思うがままに仕えさせてしまう。鬼さんは「そうそう言う事全部聞いてられんわ」という態度なので、あーだこーだ交渉するわけですが、「おいおいおいおい命かかってんやろ!!」という状況なのに、どうにも飄々とした様子にしか思えない。そこが面白かったです。強いというかなんというか。

攻めさんはまだワンコになりきってません。しっぽも振ってません。どういうカプになるのか、今一つ読み切れないでいます。ケンカップルになるのかな。そう、やることはやってますが、ちいとも甘く感じられなかったです。甘いシーンはいつか来るのか?

終盤、謎キャラ(イケメン陰陽師)が出てくるわ、伊織の驚愕事実が発覚するわで大変。先生、何卒続きをお早目にいただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。

最後に挿絵のお話を1点だけ!笠井先生の挿絵ってほぼ全量追いかけていると思うのですが、コメディよりの挿絵を初めて見ました!(ムンクの叫びみたいな顔してた!)笠井先生ファンの方、レア挿絵ではないかと思います!よろしければチェックを!

9

小気味好く散りばめられた謎が解き明かされていく。お見事!

夜光花先生の新刊は、鬼×陰陽師の現代ファンタジー。
笠井あゆみ先生の挿絵イメージそのままに、力強い鬼(攻め)と強気な陰陽師(受け)の、強い×強いCPで、個人的にすっっごく好きでした!
強さがベースにあると、ふとした弱さがとても際立つので、そうした描写にコロっと落とされちゃう。落差に弱い私です。

埼玉の山中、古く広い邸宅に住む陰陽師の櫂。
家には櫂の他に、家事を担う伊織という青年と、人間社会に馴染むよう親から育成を依頼された鬼と人間のハーフの小学生・草太が暮らしています。
櫂は妖怪たちの間で、不老不死伝説を持つ八尾比丘尼の子孫と噂され、満月の夜にはその櫂を食べようとする妖怪たちに邸宅を囲まれ、次々と襲われてしまう。
強い陰陽師の力を持つ櫂は、加持祈祷をし、毎回何とかそれを凌いでいますが、そんな生活にもほとほと疲れ果ててきて…。

櫂は山奥の祠に封印された鬼を呼び起こし、自分を守らせることにします。
そして、数百年もの間封印されていた鬼・羅刹を解き放ち、術をかけることに成功し、共に暮らし、守ってもらうこととなるのですが…?

櫂は陰陽師の力を使って、自分の身を守らせるために封印されていた危険な鬼を解き放ってしまうという、目的のためには手段を選ばないような自己中で強引な面もある、強気で少々性格に難のある受けです。
鬼に跨り、自分の中に精液を放たせて鬼の心を自分に向ける術(房中術)をかける…。
羅刹は術にかかって側にはいるものの、完全に制御出来る相手ではありません。
度々命令に背いたり、櫂を食おうとしたり、自由になろうとしたり、櫂を求めて関係を迫ってきたりもします。
愛のない交わりをすると波動が下がるため、羅刹とのセックスは出来るだけ避けたい櫂ですが、鬼である彼に本気で迫られると、その圧倒的な力の差に恐怖をも感じ、受け入れてしまう。
そして、果てることない羅刹に何度も貫かれ、気を失うほどの快感を与えられ、ボロボロの朝を迎える…までがお約束(笑)

強い陰陽師の力で羅刹を従える櫂と、鬼本来が持つ人間を圧倒する力強さでときに櫂を恐れさせる羅刹。
この2人のパワーバランスが絶妙!
食うか食われるかの関係から、どう心が近づき、どう愛し合うようになるのか?と、展開が気になって気になって!

2人の愛の行方やエロティックな関係も大変気になるのですが、陰陽師のお仕事のほうもスリリングで面白い!
陰陽師ものは初めて読みましたが、一時期この職業のことが話題になったのも頷けます。
本来の陰陽師とは違いエンターテイメント化されたものですが、早口で呪文や真言を唱え、不動明王を呼び出し、式神を操り、魑魅魍魎を退治していく様は、いかにも映像映えしそうで、ゾクゾクする格好良さがあります。
主人公が美形の櫂なら尚のこと。

物語にはいくつか謎が散りばめられています。
櫂の寿命の謎。彼が受けている呪いとは?
何度か記憶を失っているという謎めいた青年・伊織とは一体何者なのか?
腹黒な資産家の顧客に浄化を依頼された「ドス黒い瘴気」を放つ箱の中身の正体は、本当にただの河童の怨念なのか?

上記の気になる謎が徐々に解き明かされる終盤。
伊織の話と櫂にかけられた呪いのエピソードがリンクして、切なさをもたらします。

箱の正体についても、序盤に引っかかりを覚えた人物・陰陽師の安倍那都巳が絡んできたりと、とにかく伏線の張り方と回収の仕方が見事でした。
気になった点がすべて、取りこぼしなくきちんと明かされていく気持ち良さ。

さて、完結ものだと思い込んで読んでいましたが、すごくいいところで物語は終わり、次巻へと続くようです。

まだまだ2人の仲は食うか食われるかの駆け引きめいたものだし、伊織の謎も残っています。
伊織と櫂の関係はどう着地するのか。
安倍との陰陽師対決はどうなるのか?
櫂と羅刹は本物の愛で結ばれるのか…?
お互い強いながらも、過去に背負うもののある櫂の持つ優しさや、人間らしい心を垣間見せる羅刹。
その2人の行く末が幸せであるといいな…。

あとがきにて、先生曰く「羅刹にはいい執着攻めになってほしい」とのこと。
執着攻めが大好物な私にとっては最高に期待が高まるお言葉です!ありがとうございます!

途中までは萌2くらいの感覚で読んでいましたが、最後に畳み掛けてくださいました!
ホント今すぐ続きが読みたーい!!!
楽しみに次巻を待ちたいと思います。

12

百鬼夜行の単語に惹かれて

夏だ!ホラーだ!夜光花さんだ!ということで、買ってしまいました。久しぶりのキャラ文庫サイズだと思ってたら、続きものだった。まだ導入部分という感じで色々な謎はまだ解けていません。

主役はサラサラヘアーの現代の美貌の陰陽師。この人は一緒に住む家族もいなくて人ではない者達と共に広い日本家屋で寂しく暮らしている設定ですが、悲壮感は全くなくてちょっとギャグも入ってる変わった性格のヒロイン(受け)です。

濡れ場もあるんですが、襲い受けでイケメンの鬼に自ら乗っかっちゃうような勇ましい人であまり色っぽさはないです。攻めとは正に体から始まった関係性でそこに愛はまだない感じです。

とはいえ話はこれから面白くなりそうでまだまだ気になる部分もたくさんあるので次巻への期待を込めて萌×2の評価です。

4

一筋縄でいかないストーリー展開に圧倒される

夜光さんに笠井さんの挿絵。この時点ですでに最高なのですが、とにかく、めっちゃ、すっごく

面白かった…!

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




主人公は陰陽師の櫂。
彼は子どものころから、月に一度の満月の夜、数多の魑魅魍魎から命を狙われ続けている。理由は、彼の一族は人魚の肉を食べて不老不死になった八百比丘尼の子孫だからだ。だから、彼を喰らう事で、妖力を高めようとする妖たちが櫂を食べようと襲ってくる。

そんな日々に決別すべく櫂が思いついたのは、かつて封印された強力な力を持つ鬼の羅刹をボディーガードにすること。羅刹の封印を解いて、自分のみを守ってもらう事にするのだが―。

というお話。

あらすじだけ読むとシリアスな作品をイメージしますが、実にコミカルな描写でストーリーは展開していきます。

櫂という青年は麗しいビジュアルを持ち、陰陽師としての能力もずば抜けている。
彼の力を見込んで鬼×人間のハーフ(っていうのかな?)の子である草太を預かったりするし、妖を滅する力も本物。

なのでクールビューティーな人物かと思いきや、かなりの守銭奴です。

そして、羅刹を自分のボディーガードにする方法も斬新。
術をかけたうえで性行為をする事で、羅刹を自分に惚れさせる。
羅刹は鬼さんなので、彼の一物はかなりおっきいわけですが、それをもろともせずに行為に及ぶ。

鬼である羅刹が、櫂の思惑通りに自分の味方になってくれるのか。
昔とは違う現代の生活になじむことが出来るのか。

そういったところが、時に痛い描写も含みつつ基本的にコミカルな雰囲気で展開していきます。

とにかく破天荒。
豪胆。

外見のイメージを裏切る櫂という人物が非常にツボに入るのです。

そして、この作品は「鬼にボディーガードをしてもらう」というだけにとどまりません。

鬼と人間の子である草太に加え、櫂の家に住む人物がもう一人。
食事を作り、掃除をし、お手伝いさんのような立ち位置にいる伊織という青年。

記憶を失い、櫂に拾われ、家政婦のようなことをしながら櫂とともに暮らしている。
彼の存在が非常にミステリアスなのですが、伊織という人物はこの作品の大きなキーパーソンでもあります。草太曰く「伊織の顔が認識できず、のっぺらぼうのよう」という描写が、後々大きな意味を持ちます。

とにかくあらゆるところに伏線がまかれ、どういうことなのか知りたくてページを捲る手が止められませんでした。

櫂は陰陽師なので、妖を滅する、というシーンは多く出てきます。
ホラー的なおどろおどろしい描写は少ないですが、(妖を)殺めるとか、出血するとか、そういうシーンは多いので苦手な方は注意が必要かもです。

櫂と伊織の過去、現在、そしてこれから。
羅刹は櫂のボディーガードとして、成長していくのか。

そして何より、羅刹と櫂の恋愛面での感情はどう移行していくのか。
羅刹を自分の思い通りに動かすために櫂は羅刹と性行為をしますが、現段階ではそこに愛はない。羅刹は櫂に術をかけられているだけだし、櫂は羅刹に身を守ってもらう代わりに抱かれているだけ。

そして伊織との関係も。

BLとしてのキモの部分が今後どう展開していくのか非常に楽しみです。

で、笠井さんの挿絵は今回も神だった…。

櫂の、美しいビジュアルに相反するようなお茶目な内面とか。
羅刹のカッコ良さとか。
濡れ場の、綺麗さとかエロさとか。

そういったものがきちんと描きこまれているのは当たり前として、凄いなと思ったのが伊織の描き方。

序盤、完全にモブキャラとして描かれています。
なのに、後半へと移行し彼の秘密がわかり始めた途端に、

イケメンになっとるやん…。
モブキャラじゃないじゃん…。

夜光さんの描く世界観がきちんと描きこまれていて悶絶します。

ちょっと中途半端な終わり方ですが、これ、きっと続編があるよね…?
あるでしょ?

草太もイケメンかつ櫂の優秀な仲間になりそうだし、敵キャラも登場してるし、櫂の数少ない友人の千寿さんといった魅力的な脇キャラもいるし、続編を正座して待っていようと思います。

19

この作品が収納されている本棚

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