SS付き電子限定版
大好き、安定の小中先生。
今作ものっけから読みやすいです。
文章運びが軽やか。
受けのリュトも軽やかw
勢いとノリで生きている騎士見習い。
代々騎士という家柄に似つかわしくない雑な会話に笑えますw
とにかく愛すべきキャラのリュト。
いちいち言動がまっすぐで笑っちゃう。
惚れ薬騒動やブタ栗鼠との恋バナ談議は大好きなシーン。
北沢きょう先生の絵はもともと好きだけど、今作がダントツ好みだったかも♡
リンゴとアケビのかわいさ、セフィラスの美男子ぶり、最後のまぐわい中のリュトの乳首が最高です♡
騎士資質の魔術師願望の王子 x 魔術師資質の騎士願望のリュト
どちらも、才能の無いものねだり。
どうしても、憧れの騎士になりたい華奢なリュト。でも推薦状を誰からももらえない。
策を練り、王子の居城に忍び込んで王子に推薦状を書かせようと企むリュトは、本当は魔術師資質。
忍び込んだら、へっぽこ魔術しかできない、美男王子が悪戦苦闘中だった。
王子が出したリュトへの推薦状を書く条件は、魔術の指導だった。
次第に恋仲になっていく二人。文調は、ギャグコメ。
陰謀や困難を二人は協力しあって、乗り越える。
筋はよくある王道ものだけど、二人のやり取りがテンポ良いので読みやすい。
待ち時間などの合間に読む本にピッタリだと思う。
でも、イマイチ萌えきれなかったのは、受があまりにもオバカちゃんだから。
ペットの豚栗ネズミのほうが賢いなんて・・。
いくら美貌で美しい体躯でも、あんまり鈍感だと、つまらない。
騎士や魔術が出てくるBLを読むのが初めてでしたが、こちらの作品はとても読みやすく、一気に物語に引き込まれました。
騎士を目指すリュトは、騎士になるための推薦状を書いてもらうため、街から離れた城に住むセフィラスの元に行く。
セフィラスは魔術が使いたくて必死に訓練するが全くへっぽこ。
剣の腕はイマイチなのに魔術の才能があるリュトと、魔術はへっぽこだが剣を持たせたら天才的なセフィラス。二人共無いものねだりだが、それを教え合うようになり。。。
無いものねだりなんだけれど、そのままではなくて互いに相手の事を考えながら教えて、身に付けていく過程が凄く面白い!!
地位もあるだろうに、気付けば同等として接している姿も微笑ましくて、特にセフィラスがブタ栗鼠と筆談出来るようになったときの喜び様がとっても良い!
リンゴとアケビも可愛いだけの存在ではなく、良い味を出しているキャラでした。
小中先生は、物語に引き込む描き方がとても天才だなぁといつも思います。
最後の歴史の1ページ的な書き方が、私は大好きです。
魔術師の才のある騎士見習いと剣術体術の才のあるへっぽこ魔術師がお互いに教えあって夢をかなえる話でした。
<あらすじ>
体格に恵まれず騎士としての能力の足りないリュト(受け)は騎士になるために必要な推薦状を貰うあてがありません。人一倍騎士になるための努力をしてきたリュトはなんとしても騎士になるため、推薦状を書いてくれる相手を探して奔走します。
姉からの情報で隠遁している王子がいることを聞き、最後の手段として現王の叔父・セフィラス(攻め)のいる城へと尋ねることにするのです。
はたしてそこにいた王子は、剣技に優れているのに魔術の研究をしたいへっぽこ魔術師でした。
魔術の才はあるのに騎士になりたいリュトにセフィラスは魔術を教えてくれたら推薦状を書くと約束します。
それから二人はお互いの得意分野を教えあうことになるのです。
タイトル通り「ないものねだり」でお互い才能のある方へ進めば大成できるのに、自分がなりたいものになろうと足掻いている二人です。
セフィラスがリュトに嫉妬して「魔術師になればいいのに」というとそっくりそのまま返されてしまって、お互い譲れないものがることを再確認するのが面白かったです。
初めは普通に教えていたセフィラスでしたが、全くついてこれないリュトが人一倍努力していることを知ってからはがらりと態度を変え、教え方が悪かったのではと考え直してくれます。
騎士としての鍛錬は体格に恵まれないものは志願すらしないことから(リュトは家が騎士の家系だったから)体格の良い人間のための鍛錬方法しかなかったのを、リュトの体格に応じた剣を与え鍛錬してくれるようになりみるみる上達していきます。
リュトは両親はじめ5人いる兄姉すべてが騎士という騎士家系で、騎士が最上の職業であり魔術師を馬鹿にしているような家で育ちました。
そのため、早くから魔術師としての才を認められていたにもかかわらず、そちらに進むことができず、どうしても騎士になりたいと思うようになったのです。
初めは騎士になりたいという想いだけで突っ走るただの脳筋でした。
が、セフィラスが今までの鍛錬は小柄なリュトには向いていなかっただけだと、鍛錬方法を変えたことにより、自分の魔術授業も同じことが当てはまることに気が付き、魔力の少ないセフィラスにもできるように指導方法を考えたり、応用したりとちゃんと考えられる子なのだと思いました。
ただ、思ったことを口走ってしまうところはあまり変わらなかったようですが。
リュトは城の使用人が老夫婦だけだと知ると、力仕事を手伝ったり彼らの負担を少しでも減らそうと動く姿が好感は持てます。
推薦状を貰ったらとっとと王都に帰るつもりでしたが、自分が帰った後の彼らの仕事の負担を考え、魔術を使って楽に生活できないかと考えたりと人の好さが現れています。
そして薪割など体力を使う仕事を王子自らしている姿にリュトも王子が優しい人であることに気が付くです。
王子が魔術を発展させようと奮闘しているのは、人々の暮らしやすいように魔術を役立てたいと思っていることがわかってからはリュトは王子を尊敬するようになります。
騎士になるときは自分が信用に値する相手に仕えるようにという王子のアドバイスに、王子の騎士になりたいと思うようになるのです。
王子のちょっとしたいたずらで王子への気持ちに気づくリュトやそれを受け入れるわけにいかない王子の切ない展開になるところですが、王子が王位継承がらみの政変に巻き込まれることによってそんなことを言っていられなくなってしまいます。
絶対絶命のピンチに一人しか逃げられないとわかった時、お互いが決して相手を置いて逃げないという状況に、二人で笑って最期を覚悟するシーンはちょっと感動ものでした。
最後は怒涛の展開で、やっとやっと二人が身も心も結ばれた時はほっとしました。
二人のその後がおとぎ話のような形で語られていたのが印象的でした。
でも、できれば二人のその後をもう少し読みたかったです。
理屈詰め王子×脳筋アホの子な騎士見習い。
二人を足して割ればちょうどいいんじゃない?みたいな性格が真逆な凸凹コンビなので、やり取りが笑えました。
王子は蘊蓄好きで理屈っぽい。
それに対して騎士見習いときたら、どこの少年漫画の主人公ですか?みたいな「っつしゃー!!しゃー!!」というやかましい掛け声とともに、気合い上等!で生きてる脳筋アホの子。
だけど、どちらも宝の持ち腐れ状態の残念な二人という点で共通しています。
剣術に長けているのに騎士には見向きもせず、へっぽこ魔術に取り組み続ける王子。
稀有な魔力を持ちながら魔術師にはならず、いつまでも上達しない剣術に取り組み続ける騎士見習いのリュト。
そんな二人が出会って、互いに魔術と武術を教え合い、補い合うようになります。
最初は脳筋アホの子だったリュトが、王子と一緒にいるうちに少しずつ考え深くなって成長していくところが良かった。
ただただ「騎士になりたい!」と脊髄反射的に考えていた彼が、次第に「騎士」とは何かというところを考え始めて、答えを出していくんです。
そして若くして森の奥に隠遁していた王子が、リュトに出会ってからの自分の変化に気づき驚くのだけど、その際に「お前はどんな魔術を使ったのだ?」と言うところが、小中先生、お上手!お見事です!!って思いました。
攻めも受けもどっちもいいキャラだったなぁ。
ただの考えなしのアホの子ではなく、とーっても努力家なリュト。
リュトから「根暗」と言われつつも、次第にポロポロとかわいいところが覗き始める王子もとても良かった。
北沢きょうさんの挿絵、特に攻め様が素敵でそちらも楽しめました。