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誰がお前なんかと結婚するか!

dare ga omae nanka to kekkonsuruka

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表題作誰がお前なんかと結婚するか!

藤丸レン、「Balalaika」CEO兼デザイナー
椿征一、婚活中の私立高校の数学教師29

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校教師の椿征一は、婚活パーティーで軽々しくプロポーズする派手な金髪頭の藤丸レンに呆れていたが、同じヘヴィメタル・バンドのファンだと知り意気投合する。気づけば泥酔し親友への秘めた想いまで喋っていた。藤丸はそんな椿にキスしプロポーズする。ろくに抵抗できないまま抱かれてしまった翌日、藤丸がウェディングドレスブランド『Bararauka』のCEO 兼デザイナーで、椿の親友の仕事相手だとわかり――。

作品情報

作品名
誰がお前なんかと結婚するか!
著者
千地イチ 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778127374
4.2

(106)

(59)

萌々

(30)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
14
得点
449
評価数
106
平均
4.2 / 5
神率
55.7%

レビュー投稿数14

素直になれない事情持ち

千地イチ先生の主人公は、ほとんどが地味。
この作品の主人公も、真面目な地味系。

高校教師の椿征一は、高校教師。
片思いの北斗が結婚すると知り、傷心。
婚活パーティーで、プロポーズしまくる藤丸レンと、推しのヘヴィメタバンドで意気投合、泥酔してベッドイン。藤丸は椿にプロポーズ。
翌日、藤丸の部屋で目覚めた椿は、北斗の訪問に驚く。
『Bararauka』のCEO兼デザイナーで、北斗の仕事相手だと知り、驚く。

北斗の依頼を断れない椿が、レンの生活の面倒を見ることになる。
レンの寂しい生い立ちを知り、どんどんレンが気になり、構いたくなる椿。

色々あって、二人な相愛の仲になり、椿の要望通りのプロポーズをするレン。
最後まで、素直になり切れない椿が、面白かった。

0

胸が苦しくなりました

「あれ?これ、千地イチさんの本じゃん」と気づいたのが先月末。
どうもタイトルと斜め読みしたあらすじがしっくりこなかったんですよね。
読んだらもう夢中になっちゃって。

いや、あらすじにちゃんと書いてあるんですよね。
『泥酔し親友への秘めた想いまで喋っていた』って。
ここをねー、ちゃんと読んで匂いをかぎ取ればよかったんですけどねぇ。最近アンテナの感度が悪くなってきたのかもしれません。

何が良かったかって、椿征一という男はね、高校時代に自分の窮地を救ってくれた北斗という人気者の同級生と友人でいる為に必死で勉強をし、身なりを整え、人当たりを考え、おまけに料理までも覚えちゃうんですよ。
それまでは、人の陰に紛れる様な目立たない生徒だったのに。
ただ自分を救い上げてくれた北斗の側にいて、彼に徹底的に尽くすために生きてきたの。29歳になるまで。
おまけに椿は自分がゲイである自覚がないのよ。
北斗から結婚式での友人代表スピーチを頼まれて、自分では気づかずに投げやりになって藤丸とそういうことになった時に指摘され、初めて気がつくんですよ。これが失恋であることに。

この『鶴の恩返し』感とでも言うか、自分の世界のほぼすべてが『大切な人』のためのものになってしまう感じがたまらんかったんですよ。
椿は北斗の為に無理をしているの。
その無理をすること自体は喜びではあるんです。でも、苦しくなるの。
不可抗力で藤丸と一緒に婚活に行くようになって、自然体でいる楽さを始めて知ったりするんですね。

このお話で私が「素晴らしい!」と思ったのは、そこまでやった椿の想いがきちんと報われることなんですよ。
それは『恋』という形ではないのだけれど。
それがあって初めて、椿は次に進んで行けたんだと思ったんです。
「北斗がダメだったから藤丸に」って言うんじゃなくね、自分がやって来たこと全てが『良い悪い』を超えて自分のものとして蓄えられるって言うか。
私はそのシーンで泣きましたよ。
ああ、いい話だなぁ……

3

素晴らしかった…

タイトルにつきます。素晴らしかった……
二人の感情の動きや恋していく過程が、これでもかと丁寧に書かれた純度の高いラブストーリーでした。文章がキラキラしてた…

デザイナーでCEO、婚活、プロポーズ、ヘビメタなど……目に入りやすい設定は多いですが、私は二人の日常の描写に惹かれました。
想いってこういう何気ない生活の中で、二人にとっては特別な瞬間を積み重ねて、育まれていくものだよな…なんて柄にもないことを心から思ってしまいます。

また攻めの藤丸レンが……こんな純粋で真っ直ぐな男が世の中にいるのかと…!
温室で育ってきたような男ではないのですが、彼の飾らない、そのままの言葉には心を撃ち抜かれます。
車の中で椿さんに言ったあのセリフ……!読んだ瞬間、一旦本を閉じて放心したあと、部屋中転がり回りました……やられた…

迷ってないでもっと早く読んでおけば良かった…そしたら特典とかも色々あったのにな…悔しくて発狂しそう…
どんな形でも、この二人にまた会えたらとてもとても嬉しいです。

4

割れ鍋に綴じ蓋

面白かったです。
途中まで椿の頑固さに気が滅入りかけましたが、レンの前向きな姿勢が小気味良かったです。

椿に言われた恋愛について真面目に考えてどんどんレンは良い男になっていきます。それに対して椿は親友の北斗を好きだった時から成長しなくて、勝手に誤解してた時はハラハラしました。レンを好きだと確信してから住む世界が違うと臆病になって迷走してます。レンがちょっと気の毒になりました。

椿の誕生日にレン自らが作ったスーツを贈り、高級ホテルで夜景の見える席でディナーを食べて、衆人環視の中で赤い薔薇の花束と指輪を渡して「俺と結婚して下さい」でニヤニヤしてしまいました。
椿にはそれくらいしないと素直にならないと思います。

2

お前は本当に結婚したいと思っているのか!

レンは仕事の為に、椿は好きな男を吹っ切るために婚活パーティに参加していて、多分その先の現実的な結婚生活は求めていない。最悪。

レンは初っ端から椿にプロポーズし続け、でも椿は「好き」から始まる恋愛を経ての結婚にこだわっているので相手にしない。
椿はレンの前では素でいられるし、北斗への想いも知られているので、ピッタリの相手だろうにくっつかない(北斗はいい男なので、スピンオフが読みたいけど、女性と結婚してしまい残念)。
結局、体の関係が早すぎた以外は、出会いから嫉妬や告白や色々普通に恋愛していたようだし、よりお互いの想いに気付けたんじゃないかと思う。
レンが最後の方で「恋愛はやっぱり面倒くさい」「だから俺の恋愛は一度きりでいいし、それは全部、あんたに捧げる」と言ったのが印象的。このセリフで神評価に。

BLでプロポーズのシーンが良く出てくるけど、現実ではせいぜい養子縁組なので、早く法律が同性婚を認めるといいね。

2

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