• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作掌の花

黒塚菖蒲・美容サロンチェーン経営・27歳
宇都木聡介・弁護士・27歳

あらすじ

エリート弁護士・宇都木聡介の元に依頼人として現れたのは、高校時代の元同級生で、ネイリスト兼実業家の黒塚菖蒲。相続トラブルを抱えた菖蒲のために、聡介はしばらく彼の家に同居することになる。華道の家元の息子で絶世の美少年だった菖蒲とは、かつて身体を慰め合った仲だった。大人になっても壮絶な色気を含んだ菖蒲の手は、爪先を朱色に染めて淫靡に聡介の身体を求めてくる。戸惑いながらも愛撫を受け入れてしまう聡介。その執着は年月と供に肥大し、強い独占欲を孕んでいるとも知らずに――。

作品情報

作品名
掌の花
著者
宮緒葵 
イラスト
座裏屋蘭丸 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
掌の檻
発売日
ISBN
9784344844841
3.8

(52)

(22)

萌々

(13)

(8)

中立

(5)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
12
得点
191
評価数
52
平均
3.8 / 5
神率
42.3%

レビュー投稿数12

練りこまれた罠 鍵は「菖蒲鳥」

今作の鍵は「菖蒲鳥(ホトトギス)」の托卵。

前作の「掌の檻」のあとがきにあった「おでん屋 恐るべし」
・・宮緒先生の細かい法知識は、大学で法科を専攻していたから?やけに詳しい
・・と思ったら、あとがきにちゃんと取材をした、とあった。

椿と似た美貌、頭脳派サイコパスの菖蒲。
愛情が深い粘着気質の攻が布陣する執着地獄に、
お坊ちゃま気質の受の宇津木が、墜ちていく経緯がゾクゾクするほど面白い。

読者=第三者だから面白いけど、当人の立場なら、
知らぬ間に罠に落ちて気付いたら、とんでもなく恐怖だし、心が壊れると思う。

宮緒worldのどんでん返しが癖になる。
ゾワゾワしてとても面白かった。

0

攻めにいろいろ詰め込み過ぎ

 執着攻めを欲している人にはぴったりな作品だと思うのですが、そこに受けを崇拝しているという要素が加わると、私はやはり苦手なのだなと再認識させられました。特に宮緒先生のそういう攻めは、スピンオフ元でも感じたけれど、リアリティがなくて。こういう作品に現実味を求めるのはナンセンスだとも思うけれど。

 複雑な家庭環境に加え、和装にネイルをしている美貌の男というだけでも飲み込むのが精一杯なところに、受けへの執着が頑是ない幼稚園児みたいで萎えてしまいました。濡れ場で使う幼児言葉や、時折顔を出す取って付けたような関西弁に笑ってしまいそうになったり。BLにおける中性的なキャラがあまり得意でないため、余計目についたのかもしれません。そこに関しては完全に個人の好みの問題です。せめて言葉選びだけでももう少し年相応な感じだったらなぁと思いました。

3

安定の執着攻め

今回も宮緒先生お得意?の安定の執着攻め。
掌の花は掌の檻のスピンオフ作なのですが、
これまた檻とは違った質の悪さで受けを囲う攻めです。
選択肢を相手に与えているようで実は与えていないんだけど
本人は自分が選んだことっていう意識だから
逃げるっていう選択肢すら持たぬまま
ズルズル抱え込まれてしまう闇。

綺麗な攻×体格のしっかりした受が大好物なので
座裏屋先生の挿絵は最高でした(^∇^)
特に後半の背面座位!!
確か小説の挿絵は基本編集さんがページ指定するみたいなことを何処かで見かけたことがあるんだけど、ほんと握手したい気持ち。
宮緒先生×座裏屋先生のタッグ、見事なエロスでした。

0

やっぱりイケメン無罪

三行感想
> 攻めの心がない
> 受けが終始息切れしてる
> イケメン無罪✌三✌('ω')✌三✌大勝利✌三✌('ω')✌三✌


普通に感想
前作「掌の檻」が良かったのでそのまま買って読んでみました。
試し読みの感じでもポロッと京都弁が出てくる美人攻め最高だな!って感じだったので期待もありました。
が、あんまり前作攻めよりも可愛げがないように思えました。
好みの問題だと思いますが、前作攻めと今作攻めなら前作攻めの方がまだ可愛いかった。
いやよく考えたら受けと話す際はやたらとキャピキャピしてて前作よりも可愛い感じでしたけど…。何故でしょう。やっぱり好みの問題ですかね。
前作攻めよりも人の心が格段になさそうな点も問題かもしれません。

受けは前作にも出てきて、前作受けが前作攻めにゾッコンになるキッカケになった感じの人です。
正義の人という感じで、良い奴なんだと思います。(考えてみれば前作受けもなんやかんや結構良い奴)
ただ、話のほとんどで攻めの美貌と手にハァハァしてます。常に息切れしてる。
良い奴なのと、あと攻めの顔が良いのでなんだかんだ攻めを許します。

攻めはサイコパスです。
前作攻めが「なんかクスクス笑いながら蝶の羽むしってそうな奴だな」みたいなキャラだとしたら、今作受けは「受けの気を引くために、他人に命令して虫の死骸を自分の靴箱に詰めさせてそうな奴」です。
宮緒先生はたまにそういう攻めを書きますが、それにしても心がない。
周りがカスなのも関係して、サイコパスに磨きをかけてるような人です。というか周りがカスだからこそ、得してる。
受けの前で可愛こぶって、なにもかも自分の意のままに操って、「好き」というよりも「執着」の方が似合う攻めです。
受けに自分を選ばせて、受けに自分がいかに可哀想な生い立ちか分からせて、受けの言質をとって……みたいな策士。
多分受けは将来的に色々考える時があると思うんですが、攻めの可哀想な生い立ちや、自分が攻めを選んだという「責任感」みたいなもんで雁字搦めなんだろうな…と思いました。あと攻めの顔と手が好きですし。
色んな意味で安心できないCPです。
(最後らへんに受けが攻めを助けるシーンがあるんですが、攻めのモノローグ読んで「アッやっぱこいつ心ねぇわ…」って思いました)


まとめ
愛ってなんなんだ…?ラブとは……?みたいな漠然とした不安が胸中をかすめますが、
清々しいほど心がない攻めがお好きな方は是非。
あと攻めの美貌にハァハァしてる受けがお好きな方にもおすすめです。

3

赤い爪で白い花を愛でる男

「掌の檻」のスピンオフ。
椿雪也と数馬CPにお節介した宇都木さんのターンです。「掌の檻」から順番に読むことをお勧めします。

レビューも多いので感想だけ。
攻めの菖蒲(あやめ)が「掌の檻」の攻め・雪也のキャラとかぶってる。
そこが既視感につながって、惜しくてたまらない。
菖蒲の妖しい魅力や、宇都木を絡め取っていく手管はとても面白いはずだったのに、「掌の檻」が先にあるお陰でインパクトが薄くなってしまう。
かといって、こちらを先に読むのは根本的に違うでしょ?
なんで同じタイプを持ってきたんだろうと思ってしまう。
また終盤、宇都木が菖蒲の兄達に拉致られて殺される?の危機なんかは、もうリアリティなしで正直シラけた。
シラけつつも、これからどんな風に風呂敷をたたむのかを見納めるために読みました。
菖蒲が想像よりもずっとワルだったのはとても良かったと思う。
全てがわかった上で、宇都木は菖蒲との生活・愛を選ぶわけですが、宇都木ももっとワルに染まって、菖蒲の共犯者くらいまでハラをくくれば良かったんだけど、弁護士さんとしてはずっと善人で。
でもここが宇都木の美点であり、菖蒲が惹かれ続ける理由だと思うのでこれで良かったのかな…
中立寄りの「萌」で。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP