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身代わり花嫁は月下に愛を誓う

migawari hanayome wa gekka ni ai wo chikau

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表題作身代わり花嫁は月下に愛を誓う

壬氏,23歳,幼い頃に迷子の所を助けてくれた青年
李伶偉,17歳,秘伝の染色技術を持つ李家の末っ子

その他の収録作品

  • 甘い褒美は宴のあとで
  • あとがき

あらすじ

独自の染色技術を持つ李家の末っ子・伶偉(リンウェイ)は失踪した姉の代わりに、皇太子の妃候補として性別を偽って後宮に入ることになった。職人の子である自分が妃に選ばれる可能性は限りなく低く、すぐに里に帰れると考えていた伶偉。だが幼い頃迷子になった自分を少女と勘違いして助けてくれた青年に宮中で再会、彼に心惹かれてしまい……?

作品情報

作品名
身代わり花嫁は月下に愛を誓う
著者
野原滋 
イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344845220
3.6

(35)

(9)

萌々

(11)

(12)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
7
得点
125
評価数
35
平均
3.6 / 5
神率
25.7%

レビュー投稿数7

毒草を取り扱って染色する一族の受け。

表紙が完全に女の子なので避けていましたが、これはアリだなと読んで納得。

というのも、大抵の身代わり花嫁モノって、相手国までの道中はベールだの被ってごまかしたり、異様なほどの恥ずかしがり屋と触れ込んでできるだけ周囲と喋らないで済むようにしたりと、できるだけベールに包んで包んで、人々の目から遠ざける傾向があると思うんですね。

ところがこの受けは、各地から集められた花嫁候補達と共に、20日間にもわたって花嫁修行を受けなくちゃいけないんです!!!
しかも男子禁制のエリアで。
これ、辛いわー…って思いました。
ただでさえ皆、妃になる気満々でお互いに何かと牽制しあい、事細かにチェックされ、視線が矢のように突き刺さるような中で20日間も過ごさなくてはいけない。
女の私でもご遠慮申し上げたい。(妃候補に一生指名されることはないけれど)
1mmでもまさか男?と思わせるような何かがあってはNGなので、あの表紙なんだなと。

ちょっと残念だなと思ったのが、妃候補として受けを宮殿に呼び寄せた理由。
攻めが結婚に全く乗り気でない様子に父である皇帝が業を煮やして、強引に妃選びをすることを決めてしまったんですね。
で、観念して妃を選ぶことをなった際に、そういえば七年前に出会った少女(受け)はどんな風に育ったかなと興味をそそられて指名しただけで、絶対にあの娘が妃に欲しいと思ってたわけではないというとこになんかガッカリで。

ワガママ読者で申し訳ないのだけど、そーいえばあの娘程度ではなく、絶対にあの娘を妃にしたい!みたいなほうが好きなんです。
もっとも七年前に攻めと受けが一緒に過ごしたのはほんのひと時なので、記憶に残っていただけでも幸いなのかしら……。

0

身代わり花嫁もの

野原滋さん、好きな作家さんで優しいお話など何作か読んだことがあるのですが。

うーん。身代わり花嫁もの。姉の代わりに。
萌えるはずなのになんでだろう。もう途中から読めなくて飛ばし読みしてしまいました。

初めから中華風の名前の読み方を全然覚えられず。
清く正しく美しい主人公には好感が持てます。
しかしもう身代わり花嫁もの鉄板すぎて。

宮中に上がってからの妃候補たちのバトルの中ではからずも目立ってしまう主人公。
幼い頃に助けてもらったあの方が実は…。
もうあるあるすぎて読めませんでした。

本当にごめんなさい。
もう身代わり花嫁ものは自分の中で当分封印します。
新鮮な気持になれた頃にまた読んでみます。

3

契兄弟の正妻

皇子の花嫁(第一夫人)に男性が選ばれたというお話。

優れた機織りと染色技術を伝承する李家に生まれた姉弟
恋人と駆け落ちした姉の代わりに、花嫁選びの儀式に参加した弟伶偉。
儀式中に起きた事件から、主人公の祖父の代で起きた冤罪の真相が分かる。
・・ライバルの同業者;宗家の仕業だった。
皇子が選んだのは、伶偉。めでたしめでたし。

---この小説は、色々調べ所満載で面白かった---

▶機織りと「青衣」
著者がどこまで調べたのかはわかりませんが、小説の中で、伶偉が婚儀で青い衣装を着ています。

中国の古書で「機織り技術」+「青衣」と言えば、機織り技術を教えた黄帝の娘「妭姫」の事を指します。
妭姫は当時の身分で最高位を示す禁色の青い服を常に着衣されていた御姫様だったそうで、古文書には「青衣女人」と書かれています。目が眩む美女だったそう。
山海経「青衣をきている人がいて、名は黄帝女魃」「有人衣青衣,名曰黄帝女妭」
機織り技術を持って末裔が日本に渡来したらしくて、奈良・東大寺「お水取り」の逸話に「青衣女人」の話が有ります。
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▶作品中に、登場した花。伶偉は、染色に使う植物に詳しい。
チキ 毒草 染料
恭竺 毒草 染料
芍薬 薬草
薔薇
茉莉花 ジャスミンはツル性の低木だけど、ツルの仕立てで高さを出しているんでしょうか。作品の中で、「茉莉花の樹の下」で待ち合わせをしています
植物の李は、スモモ。
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李姓 :「嬴(えい、みつる)」に由来。
老子は、祖先が理官(司法官)の職であったので「理」を姓とし、それがのちに「李」となった。
嬴姓→二つの文字「皇」と「帝」から新たに「皇帝」という言葉ができる。
始皇帝の「嬴(えい)」姓の末裔は日本に渡来して、神社に祀られています。名前を失念。
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★アジアの同性婚
この小説にあるように、富裕層で同性婚が実際にあったのか調べると、昔の中国(日本にもあったかもしれない)に地域によって認める風習があり、第一夫人(正室)が男性だった事例もあったそう。産児制限的な意味合いがあったんじゃないかと推測。
参考に読んだ資料によると、キリスト教の浸透によって、今ある「普通」が作られていたようです。
だとしたら、ジェンダーレスの意識改革は、宗教改革でもあるんですね。壁は厚くて高いようです、キリスト教から見たら、BLはどんな存在なのでしょうか。気になります。今も、昔のキリスト教の概念でいう「自然に反する罪」的なものなのかな?

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★「明清時代の福建省南部では男性同士の恋愛感情をともなう義兄弟関係「契兄弟」が、また湖南省や広東省では「行客」「契相知」などと呼ばれる女性の同性愛的な姉妹関係が存在した。」
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同性結婚:「契兄弟」「契児」結誼について読んだPDF:
セクシャル・マイノリティの暮らしやすい社会を求めて―同性婚、ドメスティック・パートナー制度を通じて―若尾 史人
「「欧米などキリスト教社会では、同性愛は「自然に反する罪」とされ、嫌悪されてきた歴史がある・・」
---
萌2

0

ハラハラした展開

伶偉が後宮で出会った壬氏が誰なのかは読んでいて直ぐに気がつくと思います。

姉の春燕の代わりに皇太子妃候補として後宮に入った伶偉は健気の一言でした。

伶偉は控えめで芯の強い子でした。妃候補の女人の醜い争いばかりだったので、余計に性格の良さが分かりました。皇太子(旭宇)が伶偉に惹かれて行くのが、必然だったと思います。

旭宇が伶偉が弟の方だと知っても気持ちが揺らぐ事が無かったのと、宗の暗躍に早くから気がついて調べて地盤固めをしていたのに毒殺されそうになったのがちょっとだけ引っかかりました。
伶偉の捨て身の行動が無きゃ助からなかったし、宗を追い詰めるきっかけも逃したと思います。

無事に解決してからの初エッチだったので、物語が丁寧に書かれていて面白かったと思います。

ただ個人的に中華風の名前は覚えるのが苦手なので萌でした。

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まもるために必死

先生買い。受けがええ子やったけど、めっちゃ惹かれるかと言われると?だったので萌にしました。野原先生お好きな方でしたら、安心しておススメできます!本編260P超+後日談16P+あとがき。

1歳年上の姉の春燕と両親とで織物、染色を生業とし生計をたてている伶偉(りんうぇい)。とても素晴らしい織物を仕立てていて皇帝に献上していたこともあったのですが、祖父の代の時に事件に巻き込まれ、以降はなかなか引き立ててもらえません。ある日、春燕に「皇太子妃候補として都に来るように」との皇帝直々の書状が来たのですが、間もなく出発という日に春燕は姿を消し・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
春燕(姉、とんずらしちゃう)、宋天佑(豪族)、宋花琳(妃候補)、黄静麗(妃候補)、皇帝ぐらいかな。

**攻め受けについて

攻めはスパダリ、こいつだ!と思ったら一途さんのように思います。清く正しい皇帝になるんだろうなと思いますが、強烈な個性というかアクというか、そういったアクセントは無いかなという印象。

受けは天然無垢、素材はいいけどそんな着飾ってる暇ないわということと、姉の代わりで来てるんで目立つと大変なため地味目にお過ごし。芯が強い良い子さんで、こちらの方は大切なものを守るために強烈に強かったので印象に残りました。健気というより、必死に闘った!です。

受けさんはこれから「国を護る」ということをきっちり学んで、旦那様をしっかり盛り立てて行ってくれるとよいなと思った、安心して読めるお話でした。

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