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表題作王を統べる運命の子①

ユリヤ・ルジ,25歳,第1貴族・王の剣候補者
リオ,16歳,記憶喪失の戦争孤児

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

戦禍の残る貧しい国境の街に、
王都から遣いがやってきた!?
国王を守護する「七使徒」選定のためらしい。
白羽の矢が立ったのは、
三年前の記憶を失くした孤児のリオ。
仕事もろくに貰えず、その日暮らしの俺がなぜ!?
呆然とするリオは、黒衣の魔術師ユリウスと、
王都を目指す旅に出るが…!?
色褪せた辺境から、鮮やかな大海へ──
激変する運命と恋に翻弄される
ドラマチック・ファンタジー開幕!!

作品情報

作品名
王を統べる運命の子①
著者
樋口美沙緒 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009822
4.3

(145)

(92)

萌々

(26)

(17)

中立

(5)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
15
得点
620
評価数
145
平均
4.3 / 5
神率
63.4%

レビュー投稿数15

こんな面白いなら早く教えてよ〜!

1巻を読み終えて、なんでもっと早く読んでなかったんだろうという感情がまず湧いてきました。

ちるちるの簡単なあらすじを読んでも正直全然食指が動かなくて、まぁこの短文で動くというのも難しい話かもしれないですが…。いや面白いのはわかってたんです、だって樋口先生だし。
樋口先生お得意の閉鎖された空間に集う若い男たち描写大好きだから、まさかあるとは思わなくてここまで読んでなかったの本当に惜しいことをしたって気分です。
パブリックスクールシリーズ、虫シリーズのような閉ざされた世界で生きる男たちってなんでこんなにワクワクするんですかね。絶対そういう展開ってあらすじに書いた方がいい。上のシリーズ好きな方は絶対テンション上がる第1巻でした。

個人的にすごいと思ったのは手紙にセスの訃報がワンテンポ遅れて書かれていたシーン。
一度導師様からの手紙は読み終え、大蜘蛛のシーンに行ったのでまだ生きてるんだ、と読者にも思わせてからのズドンって感じ。流石だなーと思いました。
きっとセスの死は訪れてしまうのだろうとフラグ立ちまくりで思ってはいましたが、その衝撃をリオと共に受けられて小説の面白いところはこういうところだよなーとなりました。

けれど1巻の終わりで鞘に決まったので、2巻からはまたガラリと変わるんでしょうね。
もっと学校のような空間で生きるリオ達見たかった。
でもすっかりこの物語に1巻で心を鷲掴みにされたので、最終巻まで一気に駆け抜けたいと思います!

1

新しい世界に飛び出し生きる意味を見つけていく

今まで野良犬扱いされてきて、自分の意思よりも他人の意思に従ってきたリオが、王の七使徒の一つ「鞘」候補に選ばれ、これまでいた狭い世界から飛び出し新しい世界や新しい人との出会いによって、気持ちに変化が生まれもがき苦しみながらも成長していく様子がとても丁寧に描かれていて、心がギューッと締め付けられました。

王都に着いてから登場する様々な選定候補のキャラクターたちが個性豊かで、今まで身分差に心無い態度をされ続けてきたリオが、それぞれの性格や考え方に触れ少しずつ心を通わせあっていく過程がおもしろかったです。

なにも知らないリオが鞘候補に選ばれて選定前の準備として初めての相手を自分で選ばなければいけないという設定がおもしろくて、ユリウスがダメならどの人がいいんだ・・・とリオと一緒に思わず悩んでしまいました(笑)
シシエの力の入った実践的な授業もなかなかなもので、読んでいてかなり背徳感を刺激されました。

個人的にアランはなかなか気になるキャラクターで、はじめはなんだかいけ好かない印象だったのですが、ストーリーの後半リオを身を挺して助ける場面や、リオに何か言いたげな含みのある怒りをぶつけてくる描写が、なんともミステリアスで憎めない魅力的な存在になりました。

大切な友とのツラい別れを経験し、生きる意味を自ら見出し大きな覚悟を決めたリオが、今後王の鞘としてどうなっていくのか続きが楽しみです。              

3

これでまだ始まったばかりとは驚き

この1巻は全体を通して謎・謎・謎です。

押し寄せる伏線に脳内処理が追いつかず、この物語は着地点は何なんだろう、とそればかりが気になって仕方がなかったです。
場当たり的に気になる出来事、ワード、展開があって、その時はよく分からなくてモヤモヤする場面もあるけど、ストーリーが進むと少しだけ線として繋がっていく不思議。線といってもうっすい線です。これがいつしか濃い線に変わっていく頃にはストーリーの全貌がお目見えしているのでしょう。

今はまだハッキリと明確にならずとも、今後の展開に期待できる嬉しさをしっかりと感じました。


ようやくリオが「鞘」として生きる決意や目的が見出せたところで1巻が終わりました。
リオが「鞘」候補として王都に向かい、鞘として生きる道を自分の意志で決定するところまでに1巻まるまる使うとか……どんだけ濃厚なファンタジーストーリーなんだとブルっちゃいましたわ。

リオの運命(さだめ)とこの国の未来がどう関わるのかが大きな軸だと思っているのですが、まだまだ足を踏み入れていません。
「鞘」になることを受け入れて、ようやくスタートラインに立ったところ。2巻からがむしろこの壮大なストーリーの幕開けとなりそうです。


1巻はリオの成長という大きな意味を持つ内容でもありました。
自分のしたいことややりたいことをいつも誰かの意見で流されるままに決定してきた彼が生まれ変わる。それがこの物語が進む第一歩で重要な局面です。

2巻への期待を大いに感じる終わり方に、すぐさま続きを読まねばと心がアセアセしました。
ザッと見て、2巻の方が1巻より評価値が高めなこともあって期待が押し寄せています…!!

リオを取り巻く環境がちょっとしたパブリックスクールっぽい雰囲気もあり、様々な使徒候補者たちとの関わりもまた見どころの1つです。
特にユリヤとの関係はどうなっていくのかが気になりますね。

謎めいたこのストーリーの真実が早く読みたいです!
そんなワクワク感から神評価にしました。

2

BLで泣いたのはこれで3度目


BLでめったに泣かない私ですが、これはもう泣いてしまいました。

しかも現在3巻まで発売中の中の1巻めですよ!?
す、末恐ろしい…。
というのも、泣いたことが3回あるうちの2作は樋口美沙緒先生の作品なのです。

また、樋口美沙緒先生の中では比較的、読みやすかったです。

先生の中では珍しいファンタジー作品で、異国のお話なので登場人物がカタカナ名で主要な人物が7人以上登場します。
いつもなら「これ誰だっけ…?」とページを往復することが多いのですが、なぜだか今回はすぅ~っと覚えられたんです!!

登場回数も多いからなのか、覚えやすい名前なのか…。
とにかくキャラが立っていてすごく良かったです。

エロは最後のみなので、初心者にもオススメできます。

まだまだ謎の多い一巻。
推測を立てながら読めるので本当に楽しかったです。

1

失った記憶を取り戻すにつれ苦しむ主人公が気の毒

主人公のリオには、過去の記憶がない。思いだそうとすると頭痛がする。
リオは、どうやら国を滅ぼした魔女と関係があるらしい。

著者にとって、リオは苛めがいあるキャラなんだと思う。

段々を自分の素性を知るにつれ、悩むリオ。
大切な友人が病死したことを知ると、生きる意味を喪失してしまった。自死を考えるリオ。
ユリウスの夢を見て、自分の命を正しく使って死のうと、死に縋る生き方の方向を変える。
自分の命を何かに役立てたいとしか、考えられない。自分個人の幸せを考えられないリオが憐れです。
もう、特攻隊に志願する青年を連想してしまって、可愛そうでしかたない。戦争が永く続くと、そうなってしまうのかな。

この作品を読んで居て、落ちてきそうな涙を何度も堪えてしまった。ホントにばかみたいだと思うのに、作品のファンタジー世界にはいりこむのを止められない。
こんな作品を創作できる作者の構成力、文章力を讃えたいです。

これから沢山の謎解きが待っている?続篇を読みます。

★ちるちるに要望しよう。
投稿欄がある頁にフラッシュ画像を入れるシステム構成を止めて欲しい、誤変換が増えてしまうよね。

1

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