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溺愛攻め、健気な無垢受け、相思相愛と書いて名倉和希と読むくらいの勢いで今回も安定でした。
全3巻、番外編1巻の2巻目です。
いつもは、紳士的な攻めが多いように見受けられますが、今回の攻めは粗野で自由人気質。でも、受けの前では溺愛おじさんってのが大変美味しかったです。
粗野っていっても、野生の美って感じです。
前回の竜は将軍に愛でられるでは、竜が受けでしたが、今回は攻め。
白竜と番った場合と一般的な竜人と番った場合、その違いが見れて面白かったです。
また、3巻では2人のその後が見れます。
シリーズものの醍醐味ですよね。
やっと読みました。せつないという言葉になかなか手が出せませんでした。
アランがエリアスを表現する言葉が、どんどんエスカレートしていくのが、アランの気持ちを代弁してて良かったです。
薄幸な王子エリアスと自由な竜人アラン。
初めて会ったときからお互い好意的でしたね。
アランは人間にも慣れていたし、エリアスは可愛くて子供のように見えたし。
エリアスも竜を狩る気はなかったし、アランは美しい黒竜であり人の姿は逞しく憧れるほどの男ぶりで。
二人の交流もアランのエリアスへの気遣いも心あたたまるものでした。もうエリアスはここでアランと暮せばいいのに!帰らなきゃいいのに!
どんどんアランがかいがいしくなって、エリアスもわりと平気で裸をさらしたり抱きしめられたり。
アランがエリアスの城での扱いを変えようと城に降り立った時から流れは変わり…。
無事にアゼルの元へ辿り着き…。
アゼル達のその後が読めて良かったです!
厚遇してもらえ傷も癒え。
二人の求愛の仕方も良かったです。
アランは辛抱たまらずキスマークをつけちゃって。エリアスはなぜうっ血してるのかわけがわからず。
エリアスはアゼルの提案で笛の音で想いを伝えることに。
もうエッチがなかなかないから、やっとキターですよ。
しかもエリアスは可愛いわ敏感だわイヤイヤ怖い助けてとアランを悩殺するし。アランもどこのオヤジだ?な台詞で。もうエリアスがくっそ可愛い!ってアランが頑張っちゃって。
今後の身の振り方、国交や母のこと、アランとエリアスの寿命もみんなうまくまとめて。
はぁ〜こりゃ溺愛だわ。
城の外の世界を知らなかったエリアスと、エリアスによって孤独を知ったアラン。
愛する人と繋がるのがこんなに特別だと知ったアラン。
もうとにかく良かったね!
でも前巻ほどはインパクトがなくて。
久しぶりに読み返しましたが、やっぱりスピンオフ元の「竜は将軍に愛でられる」の方が好きだなというのが正直な感想です。
前作では、受けのアゼルが身内から見捨てられていて、唯一優しくしてくれたのは占い婆だけ……というのが、読んでて心痛んだ箇所だったんですね。
そしたら、このスピンオフの攻めのアランは、そのアゼルの叔父さんだというじゃないですか。
何だよ……アラン。
一人で孤立していた甥っ子アゼルに、何故手を差し伸べなかったの?と思ってしまった。
ここがスピンオフの難しいところですね。
前作でアゼルの孤独を際立たせるために、「身内からは見捨てられていて、優しくしてくれたのは占い婆だけ」としていたので、結果的にアランが甥っ子を見捨ててた男みたいになってしまった。
「優しくしてくれたのは占い婆と、普段は人里で人間に扮して暮らしてるけど、たまーに竜人族の村に帰ってくるアランおじさんだけだった」みたいにしておけばなぁ。
その時は「アランおじさん」なんて登場する予定もなかったから仕方ないんですけどね。
アラン曰く、占い婆がアゼルの事を気にかけていたから、あえて傍観するにとどまっていたと言うけれど、なんか苦しい言い訳なんですよね。。。
寿命問題も、前作で残された竜人は悲しみのあまり気が狂うみたいな設定にしてしまったので、エリアスが90近くまで生きたとしても、その後アランは一人で20年近くは生きなくてはいけないんですよね。
アランはあまり気にしていないようだけど、私は結構気になります……。
途中で、ランドールとアゼルが出てくるところが嬉しかったです。
竜から人間に戻る際に全裸になってしまうアゼルに、タッと駆け寄って全裸を隠そうとするランドール。
前作でもそこが好きだったので、相変わらずですねーとニヤニヤしまくりでした。
前作の「竜は将軍に愛でられる」は、竜人王の末王子のアゼルが登場。
今もザルゼード王国に居る設定のアゼル。
この物語の竜人は、前作の竜人アゼルの叔父にあたる、竜人王の弟アラン。
アランは、ザルゼード王国に敵対するコーツ王国の王子、エリアスと会う。
前作と違うのは、竜が成人。
人間のエリアスは、見かけが華奢で発育不全の19才、父親に期待されていない末王子。
エリアスは、老いても強欲な父王から竜人狩りを命じられる。
エリアスに同行する隊の隊長は、勝手に龍退治を仕組んだ悪党。物資を横流しして私服を肥やしている狡い奴。
山奥でアランは、隊長から単独で竜人狩りに行くように命令された。(一人で行って死んでしまえ、ということ)
エリアスは崖から落ちて足をくじいてしょんぼり笛を吹いていたところを、アランに助けられる。
黒竜のアランは、弱弱しく可愛らしくて清純なエリアスが憐れになって、放っておけなくなる。
・・・竜人のアランが、弱弱しいエリアスに一目ぼれ。
黒田屑 さんの丁寧なイラストは、海外の童話の挿絵のような雰囲気で、前作より綺麗。
面白かった。
前作『竜は将軍に愛でられる』は未読でしたが問題なく楽しめました。
でも、その後の様子や二人のラブラブっぷりを読むとそちらも読みたくなりました。
小国の王子エリアスは音楽を愛する母思いの優しい第9王子。
けれど父である王の望む「力で支配する騎士」ではない王子は疎まれ顧みられることはなかったのです。
そこへ使えない王子と思われているエリアスを利用して私腹を肥やし武勲を立てようとした貴族の策略で竜狩に行く羽目になることからこの物語りが始まります。
異様に竜に執着しその力を利用して他国を侵略することだけを考え治世も民もそっちのけのしょうもない王とそんな王におもねる貴族ばかりの貧しい国をなんとかしたいと思う王子の葛藤が新たな道を開くことになります。
弱く非力な王子がそれでもなんとかしたいと頑張るところがいいです。
竜狩などしたくはないけれど、側妃である母の身を思えばいくしかない状況。
一人で秘境に追いやられたところで笛の音に惹かれた黒竜アランに出会います。
アランは龍神族の王弟ながら、人里近くに暮らして気まぐれに日雇い仕事をして人間社会を眺めるのを楽しむ変わり者なのです。
そのまま国を出てしまえばいいのに国民や母のことを思えば放り出すわけにもいかず、好意を持った相手を王に差し出すことも、離れることもできない王子の苦悩。
引き裂かれる思いが伝わってきて胸が締め付けられます。
エリアスが弓で撃たれ時のアランの我を忘れた動揺に執着心の恐ろしさを見ました。