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表題作真紅の背反

アレクサンドル,イリヤと敵対国の幹部候補
イリヤ・シュレゲール,ドイツ国防軍陸軍中尉

同時収録作品 真紅の背反

クラウス,ドイツ国防軍臨時司令官
イリヤ・シュレゲール,ドイツ国防軍陸軍中尉

あらすじ

この美しくも淫らな人が自分だけのものになればいい
幼き日に再会を約束した年下の抵抗組織の幹部×上官に身も心も支配されている美しき将校

絶対忘れない、また会おう――。少年時代、旅先で偶然出会った兄弟との約束を胸に秘め、ドイツ国防軍陸軍将校のイリヤはパルチザンへの潜入捜査を試みる。しかし皮肉にも再会を誓ったアレクサンドルは敵組織の幹部候補だった。彼の兄ドミートリィの非業の死に関わったイリヤは、復讐心と愛憎に囚われたアレクサンドルに激しく犯される。しかしイリヤの肉体は潜入を命じた上官のクラウスによってすでに開発され、今なお支配されていて…。

作品情報

作品名
真紅の背反
著者
和泉桂 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576200576
3.5

(31)

(5)

萌々

(11)

(12)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
106
評価数
31
平均
3.5 / 5
神率
16.1%

レビュー投稿数7

間男クラウスの存在が強!

美麗な表紙に惹き込まれて手に取りました♪
幼き日々の出会いと未来への再会の約束が、こんな悲劇的な再会になってしまうとは…時代背景を上手く組み込んで物語が動いていて、読んでいて彼らは幸せになれるのだろうかと不安に感じましたが、ちゃんと幸せになれて良かったです(๑´∀`๑)

間男・クラウスがこんなに印象が強くてイリヤとアレクサンドル2人を掻き乱しているのが、いいスパイスになっていました。
最初はイリヤの全てを肉体で支配している悪い奴だと最低だと思っていたのに…最後のアレはズルいなぁ…憎めないキャラじゃないですか。

面白かったです!!

0

上官副官軍服とパルチザン、ミリタリー欲が満たされる

舞台であるww2時代の歴史が大好きなので一気に読んでしまいました。

当時の民族的アイデンティティ、アプヴェーア上層部が反体制派だったことまで絡められており、創作物として扱いづらいであろう時代にもかかわらず細かな描写が光っています。
軍服は各々で仕立てていたというのも史実ですので、間男さんの毛皮のコートというディテールの細かさにもぐっときました。
金髪美人と軍服の組み合わせも最高です……

パルチザンのサーシャと国防軍人イリヤのハッピーエンドでしたが、どうにも食えない間男クラウスの存在感が際立っていてそれもまた良かったです。
上官と副官の密な関係性が大好きなので、本命二人と同じくらい心惹かれる組み合わせでした。
通行証を与えたクラウスの憎めないキャラもとても好きです。

後書きで「歴史ファンタジーとして書いた」と述べられていたように、歴史物要素は詳しくなくても楽しめるようになっていて、物語の本筋はハッピーエンドで終わります。
しかし、M/M作品のような重苦しさのある歴史物としてのBLもぜひ読んでみたいです。
軍服、軍人、ミリタリー欲が存分に満たされると前置きした上で、この作者様によるさらなる歴史物BLに期待してしまいます。

余談ですが、参考文献で有名タイトルが挙げられておりしっかりと調べられた作品であることにも感動しました。

2

相反する想いを抱えて

今回は東欧の地下レジスタンスとドイツ国防軍陸軍中尉のお話です。

幼い誓いを大切にしていた2人が大戦下で巡り会い、敵対者として憎悪
しつつも、再びお互いの手を取るまで。

受様は実業家の父が旅先から連れて戻った赤子です。その後父は今の
母と結婚して妹が生まれますが、目に障害のある妹にかかりきり、厳格
な父も受様にはひどく冷淡でした。

ある年に一家は妹の眼の治療を受けるために、隣国ウィーンに滞在する
ことになります。とはいえ、両親は妹にかかりきりで、受様は残された
ホテルで暇を持て余していました。

そんな時に知り合ったのが、ウクライナから旅行に来たという兄弟でし
た。この兄弟の弟こそが後の攻様になります♪ 攻様達と知り合って以降、
受様は楽しい日々を過ごせるようになります。

しかし受様一家は一足早く帰国する事となります。受様は兄弟に土産物
屋で買った銀のメダルを渡し、15年後の夏にこのホテルで再会しようと
約束して別れるのです。

輝かしく夏の日を思い出していたその年の冬、受様は眉目秀麗ながらも
猛禽のような鋭い瞳をもつ名門貴族の青年と知り合います。青年は両親
の遺産を食いつぶす放浪者だと名乗り、受様一家と親しくなります。

受様は何度も家を訪れるようになった青年から様々な影響を受けるよう
になります。そして14才の夏休みに彼の別荘に招かれます。受様は青年
と2人きりで過ごせる事を無邪気に喜びますが、青年は受様の魂は自分に
近いと受様を強引に組み敷くのです!!

青年を恐れながらもその手を離せなかった受様は秘密を抱える事となり、
数年後に華やかな礼装で訪れた青年によって士官学校へと導かれます。
受様は自分は生涯彼から逃れられないと悟るのでした。

彼はその才知によって今や国防軍臨時司令官である大佐となり、中尉と
なったある受様は彼の指揮の下、攻様の故郷であるウクライナへと招集
されます。

地下の広大な採掘跡に潜むバルチザンの対抗は根強く、受様はその殲滅
作戦に投入されるための着任でしたが、受様についた早々、バルチザン
の医師となっていた攻様の兄を拘束することになり、結果彼の命を奪っ
てしまうのです。

受様はせめても攻様だけは救おうと誓い、ドイツ軍人である事を隠して
パルチザンに接触を図ります。

果たして受様は今度こそ誓いを護れるのか!?

恐怖により抑圧されたナチス・ドイツの席捲する世界大戦下を背景に、
幼い頃の約束を支えに生きてきた2人が、敵対する組織に所属する者同士
として再会することによって始まる歴史ファンタジーになります♪

受様は出生から自身に対するトラウマを抱えており、そんな受様に目を付
けた青年貴族によって更なるトラウマを植え付けられて彼の駒となる抱き
人形と化すことになります。

策略に嵌った受様は彼の手から逃れる事ができないままに踊らされ、彼が
支配するウクライナのオデッサでレジスタンス活動をするパルチザン殲滅
の潜入捜査を命じられるのです。

片や攻様は大学生という隠れ蓑を被りつつパルチザンのメンバーとして活
動していました。厳しくなる戦況に兄もパルチザン入りを決意しますが、
その結果、ドイツ軍により不慮の死を遂げる事となります。

攻様は兄の死に攻様が関わっている事を知り、ロシア人のジャーナリスト
として接触してきた受様への復讐の機会を窺いながら、何も知らないよう
な素振りを装うのです。

それぞれが戦争を終わらせたいという気持ちは同じなのに、それぞれが
属する国の違い、家族との仲間との関係が敵対関係を生み、それぞれが
自分の信じる勝利を目指して策を練り、罠を仕掛けます。

受様を捕えている腹黒大佐の思惑がなかなか見えず、彼に踊らされる受様
と攻様の関係もなかなか進展せず、ハラハラが止まりません!! 和泉先生ら
しい壮大な世界観と国や軍の利権が絡まり合った展開で、楽しく読ませて
頂いきました (^O^)/

ただ個人的には受様が流されすぎで詰めが甘すぎる感じがしてあまり好み
じゃなかったです。受様には攻様より凛々しくあって欲しいのですよね。

複雑な情勢と利権が絡まる中、受様も祖国のために軍部を欺きますが、
それも可愛いものと泳がされてるし、それぞれの思惑がわかった最終局面
でも結局は受様を可愛がってた大佐と受様に惚れてた攻様によって何とか
なった感が否めず「萌」評価としました。

円陣さんの軍服イラスト及び絡みシーンの色っぽさは絶品でした♡

1

クラウス推し

表紙買い。攻め受けは今一つ?だったのですが、当て馬?ヒール役?のクラウスがめっちゃ好きだったので萌にしました。彼のお話を読みたい・・・本編280P弱+あとがき。シリアスよりな話がお好きな方向けかな。

1943年、黒海に面したオデッサは、ナチス・ドイツ&ルーマニアの連合軍占領下にあり、アレクサンドルはパルチザンの資金面担当として活動を続けていましたが、ある日同じくパルチザンに参加していた兄ドミートリィが海から死体であがります。その兄の墓を訪れると、昔知り合ったイリヤに似た後ろ姿のドイツ軍人を見かけ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
クラウス(イリヤの上官&開発者)、ドミートリィ(攻めの兄)、タラス、ボリス等、パルチザンの仲間少々、ヴェローニカ(受けの妹)ぐらいかな。

**以下内容に触れる感想

「年下熱血よりパルチザンさん」と「既に開発されまくった美人軍人さん」の再会ものと言えばよいかな。お話はさらっと読めてしまったのですが、何より気になってしようがないのが、クラウス。「なんなんこの腹黒満点ショタ好き、あんたは光源氏か!」という方。

イリヤを開発した方がクラウスなのですが、円陣先生の挿絵の効果もあってか、「何考えてんだかさっぱりわからん腹黒」にしか見えないです(誉め言葉)。
最高です。お願いですから、この方の戦後の人生を読ませていただきたい・・・「イリヤがいなくなって呆然としたところに、イリヤを彷彿とさせる方と出会う」でも、「まったく違うタイプの方に出会う」でもよいので、このクラウスが振り回されるお話を読みたいです!(攻めざまあ大好き)

肝心の攻め受けですが、攻めが割合単細胞、良く言えば熱血純情まっすぐ青年でして。幼い頃に出会ったイリヤを一途に思っているのはよいのですが、個人的にはクラウスの方が3段ぐらい上に感じました。イリヤは薄幸美人さんに分類されるかと思いますが、クラウスによってド淫乱な様子を見せるところが私はあまり好きではなかったです。どちらかというと、歯を食いしばりながらクラウスに抵抗し気絶しながらいっちゃうぐらいの美人さんの方が好きだなと思いました。

私としては攻め受けより、腹黒クラウスをおススメしたいです・・・

3

色っぽい軍服美人

軍服は乱されてこそ素晴らしい…という先生のインタビューを見てすぐ欲しくなり購入。第二次世界大戦中のサラサラ金髪の美しいドイツ人将校の受けが主役です。歴史ファンタジー楽しいです。実際の地名の写真とか見てイメージ膨らませられて。今回の舞台となったオデッサのカタコンベという地下基地も「こんな所かあー」とネット写真で見ました。

でもこのお話はクラウスという軍の上司の間男が強い存在感を出してます。何しろ攻めよりも受けへのエッチ回数とかねちっこさのシーンが多いですから。一回り位年下の受けを14歳の時にかどわかして性的に支配してその後愛人にするって…犯罪者レベルの変態なんですが、円陣さんのイラストでは男前すぎるのです。罪なイラストだ(笑)

受けは唯一の美しい思い出を共有していた幼馴染みの年下の攻め(ウクライナ人)に敵として再会したため、憎しみをぶつけられながら激しく陵辱されます。受けが敵地に潜入するスパイというエロい設定ですから。昼は年上の上司に抱かれ、夜は年下の幼馴染みに抱かれ…と細身の受けの体が持つのか?というエッチの激しさが見どころです。

エロエロ歴史ファンタジー、堪能しました。

5

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