ボタンを押すと即立ち読みできます!
幸せで、優しくて、真摯な、 そんなオメガバース。
BLなんですけど、しかもオメガバースなんですけど、それ以上に先生というお仕事描写や生活感がとっても良かったです。
高校の卒業式でスクールカウンセラーの保美に告白して振られた三年生だった大路。
保美に救われて小学校教師になって初めての入学式で1年生の担任になって。
なんと!そこのスクールカウンセラーが保美で!という再会。
悪い人がいない世界観、ささやかで穏やかな日常、精一杯な大路、優しい保美。可愛い生徒たち。バース性のままならなさもあり。
すれ違いもありましたが、その切なさも優しく描写されてて。
学校の先生達が本当にこんなふうだったらいいだろうなあと思わされました。
絹代も可愛くて可愛くて!
ある作家さんがおススメしていて気になったので読みました、初めての作家さんです。
学生の頃スクールカウンセラーが本当は好きだったけど"あれは転移性恋愛だ!"と気持ちを誤魔化しているαの新任の先生と、αの高校時のβのスクールカウンセラーが今回同じ小学校のスクールカウンセラーになった。って所から始まる話です。
1、2話を読んでいる時は、オメガバーズの話題が殆ど出てこないのですが、
3話から普通の世界でも突然出てくる発情システムと、それによるαΩのそれぞれの葛藤や苦悩、後半保美先生のβとしての苦い思い出が描かれていて、ちゃんとオメガバーズでした。
小学校が舞台だからか、Ωの子が発情した後でも子供たちの関係がギスギスにもドロドロにもならず、穏やかなままでよかったです。
メインカップルがαとβだとよく見られてる"うなじを噛んでも意味がない" "番になれない" という話もありません。でもお互いに人として信頼関係を築き好き合っていく過程が丁寧に描かれていてとても良かったです。
オメガバーズだと結構エロが多い作品が多い気がしますが、作中事後はありますがキスだけです。それでも満足感がありました。
話をメインに読みたい方にお勧めします。
オメガバースであることを何度も忘れるくらい、良い意味でオメガバースらしさが少ない作品でした。カーストを感じることもなく、子供たちはΩの子の真似をして首輪を付けたりするほど柔軟。でも、ヒートとそれにあてられるαというシーンもあったり、けっしてこの世界において簡単な問題ではないことも示されます。そんな絶妙なバランスの上で、お互い小学校教諭である大路と保美の関係性の再構築が、子供たちとのほのぼのしたやりとりと共に丁寧に描き出されていました。2人ともとても良い人なのだけど、私のBL脳に刺さるようなタイプではなく萌評価に落ち着きましたが、優しく穏やかな雰囲気に自分も揺蕩っているような、良い読後感を味わえる作品でした。
αとしてどう生きればいいのか悩んでいた高校時代の大路は、スクールカウンセラーの保美に悩みを打ち明けることで救われていた。
卒業と同時に告白するも、玉砕……。
そして新米教師として赴任した先のスクールカウンセラーはかつて自分を振った相手で……という、再会ストーリー。
新米教師が新一年生を担任するなんてまずありえないだろう(友達の子供はそうだったので皆無ではないけど)というツッコミはさておいて、新一年生のわちゃわちゃ感、学校でのあれこれが微笑ましくて、嫌な人が誰一人として出てこない優しい世界で癒されました。
家庭訪問とか、夏休みのプール教室とか、学芸会とか、全校生徒揃っての運動会とかコロナ前後から我が子の学校では一切無いこともあり、妙に懐かしさも感じました。
αとβという組み合わせもあまりないので新鮮。
αの先生ということでΩの生徒の突然発情にヒートになりかける描写に空恐ろしくなりましたが、このオメガバースプロジェクトの世界観はα用の抑制剤がないみたいなんですね。
他のオメガバースだとαにも抑制剤があったりする世界観なので、ええっ?!と驚きました。
大路は何とか耐えしのいでたけど、あらためてオメガバースって残酷だな……と思いました。
やたらΩが虐げられているとかそういう描写は一切ないけれど、自分のなかで制御できないモノがある恐怖というんでしょうか。
あんなに好青年な大路の「こんなときだけαなんだな」という言葉がググッと突き刺さったし「めっちゃ怖かった」がほんとうに可哀想で……。自分が自分ではなくなる恐怖というのかな。
そしてオメガバースってΩの苦労は描かれることが多いけれど、αはαなりに苦労するんだなぁ(αとして望まれる役割や立ち位置と、本人の希望との折り合いなど)とかあれこれ思いました。
だからこそ保美の言葉には、かつても、そして今も救われたんだなぁと。
そこの見事な回収が良かったですね。
保美が運命のつがいとかではなく、あくまでオメガバースの世界観ではモブになりがちなベータというところも良かったです。
ゆっくり丁寧に進み、小学校でのお仕事ぶりが楽しく描かれていてよかったです。
オメガバ設定について、あとがきに書かれていたようにやさしい世界で安心しました。
生徒がΩの初めての発情期になった描写は迫力あって少し怖かったけど、大路の心理がよく伝わってきました。
大路がαゆえの悩みとか、それがあっての高校時代に保美先生との出会いが恋になったので、オメガバ設定が活かされているんですね。
(オメガバでなくても十分おもしろいのでは…と思ったのですが、バースの要素がしっかり組み込まれているので納得しました)
保美が表情には出さないけど、ぼやんとした顔のコマがいくつかあり、大路のことでそうなっているんだなとわかるのがいいです。
そして大路に手を握られた後の保美の動揺っぷりがかわいかった。
ずっと悩みがちな大路なので、さらっと保美から告白するのもよかったです。
保美の家族や犬ちゃんに懐かれる大路の図も微笑ましかったです。