やさしくされたら、好きになっちゃいます

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ひとつ屋根の下、きみと幸せビストロごはん

hitotsu yane no shita kimi to shiawase bistro gohan

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表題作ひとつ屋根の下、きみと幸せビストロごはん

円城一虎,ビストロHANAの雇われシェフ
御子柴芽,恋人を追って上京した元百貨店員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

てくれた。

銀座木挽町の路地裏――知る人ぞ知る本格フレンチの名店、HANA。

謎めいた過去をもつ、無愛想だが根はやさしい一虎と人情味あふれる常連さんたちに支えられ、茅は見習いギャルソンとして生まれ変わっていき…。

作品情報

作品名
ひとつ屋根の下、きみと幸せビストロごはん
著者
淡路水 
イラスト
白崎小夜 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784815532383
3.6

(25)

(3)

萌々

(15)

(3)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
87
評価数
25
平均
3.6 / 5
神率
12%

レビュー投稿数7

人情味の溢れる周囲のキャラが素敵

美味しい料理とともにゆっくりと恋愛が育まれていく話でした。BL本だけど恋愛だけでなく、近所の人たちの悩みを解決したり、人情味の溢れる話があって面白い。
江戸っ子っていいな、この街に行ってみたいな。
そしてこのお店に行って食事をしてみたいなと思わせてくれる作品でした。

0

ほっこりするご飯が食べたくなる

恋人だと思っていた男に騙され捨てられた元百貨店員の芽と
訳ありシェフの一虎の出会いと恋の物語

ボロボロになって傷ついた芽がたどり着いたフレンチの名店で優しい味に癒され立ち直っていく様子に読んでいて励まされます。

サブタイトルの料理名が魅力的で、お話の中でシェフが作って芽が食べたり試食したりしてそのおいしさを語る場面ではとても食べたくなりました。

一生懸命でまじめな芽がご近所さんや常連さんに愛されながら成長していく姿に思わず応援したくなります。

1

くぅぅ〜、いいお話!!

派手さはないけど、期待していた以上に良かった。
銀座のビストロが舞台なので、料理がとにかく美味しそうで困る〜!!
そしてワインが飲みたくなって困る〜!!!

ちなみに銀座とはいえ、木挽町というかつて職人街だった地域なので、下町風情が漂うところなんですね。
ビストロの常連客さんである町内会の人々があたたかくて人情溢れる人ばかり。
かといってお節介すぎず、人の事情に無断で踏み入ることを良しとしない素敵な大人ばかりで、粋だと思いました。
泥臭くないなんとも小粋な大人の集まりは、さすが銀座の住人って感じで。

消えた恋人を追って、北海道から上京した青年・芽が主人公。
恋人に騙されていたことを知り、おまけに無一文となって途方に暮れていたところを、雇われシェフの一虎に拾われて住み込みで働くことに。

自分に自信がなく接客も不慣れだった芽が、町内の常連さんたちに「豆柴ちゃん」「豆柴ちゃん」とかわいがられて、少しずつ成長していく姿がいいんです。

そして訳ありっぽい一虎の意外な過去。
今の寡黙でだけど優しい姿からは想像もできない過去の一虎は、本人が「黒歴史」と自嘲するだけあって確かにイキってるとしか……。
だけど、そんな自分を恥じ真摯に反省したからこそ、今の一虎がいるのも事実。

私が一番好きなシーンは、店の元シェフでもありオーナーでもある花岡が、一虎の作ったオニオングラタンスープを食べて「ここでたくさんの人に僕の料理を愛してもらって‥‥」と語るあのシーン。
なんか泣きそうになりました。

それにしてもオニオングラタンスープ、大好きなのでめーーちゃくちゃ食べたくなる……。
煮込み料理や、赤ワインが飲みたくなる秋に最適なお話だと思います。

3

幸せは美味しいごはんから

今回はフレンチビストロの雇われシェフと
北海道から上京してきた元百貨店販売員のお話です。

仕事を辞めて上京した受様が攻様と出会い新たな幸せを見出すまで。

受様は昨年大学を卒業し、地元北海道では大手の百貨店に入社します。
新人研修から徹底的に接客を叩きこまれ、紳士服売り場のオーダースー
ツの部署に配属されます。

その部署は社内でも力を入れている花形部署で、採寸から顧客管理まで
覚える事が多い上に、顧客とのコミュニケーション力が必須なのですが、
受様は元々も人見知りで気弱な性格で努力だけでは上手く対応できず、
上司からも同僚からも疎ましがられるようになります。

そんな中で取引で東京から北海道にやって来たという小さな商社を営む
男性客に初めて採寸したスーツを販売します。男性客は出来上がったス
ーツの引取時にはフルオーダースーツを仕立ててさえくれ、親しく接す
るようになり、出会ってから1ケ月後には口説かれて付き合うようにな
ります。

ところがそれから3ケ月、受様が頼み込んで招待状を用意した百貨店の
特別販売会の後から連絡が取れなくなります。その上販売会で損失を出
した同僚が己のミスを受様に擦り付け、受様は反論もむなしく退職に追
い込まれてしまいます。

それでも退職で時間ができた受様は勇気を振り絞って恋人を探すために
上京したのですが、教えられた自宅の住所に住まいはなく、名刺を頼り
に会社を探しますが会社も彼も見つかりません。

いっそ就職してじっくり探す事も考えますが、土地勘もなく住所もない
受様に就職先を探す事は難しく、求人雑誌ですぐ金を得られそうなもの
は胡散臭い求人ばかりです。

上京して1週間、そろそろ飛行機代を除いた残金が心許なくなり、食事
もままならないまま、地図アプリを頼りに歩き回りますが、徒労に終わ
ってしまいそうです。

そんな時に受様の鼻がふといい匂いを捕えます。それは小さなビストロ
から漂っていて受様は吸い寄せられるように入り口に向かいます。店の
窓の「アルバイト募集」の張り紙を見ているうちに受様は無意識にドア
を開けていたらしく、若いシェフの呼び声で店内に入ることになります。
このシェフこそが今回の攻様になります♪

その店は攻様が1人で切り盛りしているらしく、常連との会話も淡々と
こなしつつ、料理を手掛けていました。受様の隣の女性客は骨付きの鶏
もも肉を食べていますが、とても美味しそうです。

受様の饗されたハンバーグはシンプルに見えつつ付け合わせとのバラン
スも良く、見ているだけでも涎が貯まりましたが、あまりにも美味しく
て最後の一口を食べ終わった受様が残念がってついた溜息を攻様が
「おいしくなかったのか」と勘違いしたほどでした。

「美味しすぎてもったいなくて」と慌てて言い訳する受様に攻様は光栄
だと笑って言い、その気さくな笑顔に励まされて受様は恋人の名刺を差
し出してその会社を知らないかと訊ねますが、攻様はじっと名刺を見る
のみです。

すると隣に座っていた女性客がその名刺を摘まんで覗き込みます。そし
て受様に「あんた騙されてるわよ」と衝撃的な事を言われてしまいます。
受様のような尋ね人を聞かれたのはもう5人目くらいで、もし金を貸し
ていたならたぶん詐欺だと言われてしまうのです!!

果たして受様にとって初めての恋人は詐欺師だったのか!?

仕事を失い恋人を追って上京した受様が、昔ながらの人情が残る下町で
名店の味を引継ぐ攻様と出会い、大切な人を得て再生する物語です♪

受様は攻様達の話に貸した金は勉強代だったと忘れると言いますが、
電車の中で飛行機代も掏られていて、人出の足りない攻様の店で住込バ
イトに雇ってもらう事になります。

そして常連客の悩みを解決したり、受様を騙した詐欺師や攻様に店の明
け渡しを迫るオーナーの息子と対決したりします。そんな様々な出来事
を通じて受様は攻様の優しさに慰められ、励まされて立ち直っていきま
す。

一方の攻様にも理不尽な噂話に傷付いて働いていた店を辞めた過去があ
り、失敗しても傷つけられても一生懸命に前を向こうとする受様の健気
さを守ってあげたいと思うようになるのですよ。

そんな2人を攻様の料理を愛する常連客達もまた温かく見守り、2人が
恋人同士になるまでとっても楽しく読めました (^O^)/

淡路先生は物語の世界感を丁寧に作り上げられる上に、描写描写にリア
リティ臨場感があり過ぎて、 受様や攻様の置かれた状況や心理への共鳴
感がとても高い作家さんだと思います。

前作「星屑コンフィズリー」でも美味しそうなお菓子にお腹が刺激され
続ける目にあいましたが、本作も本格ビストロが舞台とあって饗される
メニューが実に美味しそうで私も客になりたい!! と思ってしまいました♪

1

美味しそうな料理にお腹がすきました

淡路水先生の作品では「星屑コンフィズリー」が大好きです。
あちらも読んでてお腹が空いてしまいましたが、こちらの作品は夜中に読んでて空腹に悩まされました。


町の素敵なビストロのイケメンシェフの一虎が、無口なのにとても頼りになって芽が好きになってしまうのに「うんうん、分かる」と共感しながら読んでいました。

また構成と章ごとのタイトルが捻られていて上手いんです。
章の中で起きる事件や出来事と料理が上手く絡み合っていて、さらに料理の描写がとても美味しそうなんです。

登場人物も確かに多いけど、一虎や芽を見守る町の皆さんは魅力的で暖かい人が多くて読んでてホッコリしました。

その中で芽を騙した詐欺師と店のオーナーである花岡の息子だけが最低でしたけど、ギャフンとまでは行きませんでしたがそれなりの結果に落ち着いたので一応納得しました。


一虎が芽と恋人同士になってから遠慮が無くなったようで、別人になったかのように甘やかして可愛いって連呼していました。

ただ最終章でくっ付いたので、2人のラブラブなシーンは少ないです。途中の章でも一虎が芽を大事にしているのは分かりましたが、従業員としてなのか気持ちが傾いて来ているのかはハッキリと書かれてはいません。


初就職時に酷い目にあったトラウマなのか生来の性分なのかは分かりませんが、芽がやたらと遠慮して物分かりが良すぎるのに読んでてイライラしてしまったので神にはなりませんでした。

あれだけ一虎に言われても人間って変われないのね…

1

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