一度フラれた親友と、恋人になんてなれるわけない!?

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表題作親友だけどキスしてみようか

登永清光,15歳→26歳,アマチュア社会人サッカーチームのホペイロ
宮坂侑志,15歳→26歳,スポーツ傷害専門医院勤務の理学療法士

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ケガでプロの道を断たれるアスリートを
少しでも減らしたい――そんな想いで
理学療法士になった侑志(ゆうし)。四年目にして、
社会人サッカーチームの専属に大抜擢!!
ところが、顔合わせに現れたマネージャーは、
高校時代の親友・清光(きよみつ)――
好きすぎるあまり勢いでキスして、
一方的に距離を置いた、初恋の相手だった。
気まずい侑志とは裏腹に、純粋に再会を喜ぶ清光は、
なぜか積極的に近づいてきて!?

作品情報

作品名
親友だけどキスしてみようか
著者
川琴ゆい華 
イラスト
古澤エノ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199009990
3.5

(70)

(18)

萌々

(28)

(9)

中立

(7)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
14
得点
236
評価数
70
平均
3.5 / 5
神率
25.7%

レビュー投稿数14

よかった!!

読むのは2作目の作家先生です。
読んだ一作目は「宵越しの恋」。

小説ってシリアス激重が多くて、読むのにエネルギーが要るので頻繁に読む気になれない……でもがっつり読み込めて没頭できる小説を読みたい……というジレンマを抱えつつ読んだ本作、いやーちゃんと落ち着くのかヒヤヒヤしたけど、、、総じてよかった!!

再会系ではあるのですが、攻め様・清光さん、侑志さんに向く恋愛感情を最後ギリギリまで自覚できないという……ドッキドキでしたよ、このまま博愛男に諦める侑志さん見ることになったらどうしよう!?!?ってね……
自分を好きでいてくれる侑志さんの気持ちが心地よいとか言い出した時には傲慢自分勝手攻め(私の軽い地雷)を覚悟しましたが。。。最後は覚醒してくれてよかったです!!
いやー、拓海さんは自ら手を挙げたとはいえ、当て馬二人使ってるようなもんですからね、贅沢すぎよ清光さん。

清光の振る舞いにはドキドキしましたけど、侑志さんの一途の極み感とか、二人が心酔しきったエッシーンとかすごくよかった!!
侑志さんはゲイじゃなくて「ある一人(清光さん)しか好きになったことない」ということなんですね。おかげで終始清光さんの行動に踊らされてて微笑ましいやらですわ。でも清光さんに迷惑かけないようにとか嫌われないようにとか、ほんとに一途でね……健気すぎて泣けてきたわ

エッシーンの方はですね、肌を合わせてる(ほんとに合わせてるだけ)の段階から二人とも気持ちよくなってるのがすごい伝わってきて何でかこちらも暖かみを感じてしまうエッシーンでした。読んでてあんなに幸せなエッシーンも珍しくない??私がそういう気分だっただけだろうか。。。


前作もそうでしたが、思いが通じてからのほっこり幸せ描写が幸せですごく読んでて楽しい小説でした。
他の作品も見てみたいと思います!!

0

じれったい

挿絵買いです。

初恋再会モノなのですが、とにかくじれったくて
私はやきもきしてしまいました。

清光はサッカー一筋で生きてきた人間だから、恋というものを知らなくて
そんな清光に恋をしていた侑志は、告白するつもりじゃなかったのに
ちょっとしたきっかけがあって清光に告白します。
そこで色々とあって二人は高校卒業後に疎遠になります。
その後も侑志はずっと清光のことが好きで8年後二人は再会します。
そしてー…。

この二人はレオと拓海がいなかったら
絶対にくっつかなかっただろうなぁ…。
特に、拓海があれこれ裏で手をまわしてくれたから
二人は再会することになるし(これについては清光が必死だったこともあるけど)
その後二人で話し合うようにと助け舟出してくれたのも拓海だし。
ほんと…拓海がいなければどうなっていたことか…。

清光は恋愛したことがなかったから仕方ないのかもしれないけど
とにかく色々とひどくて笑ってしまいました。
侑志も健気だけど頑固で、あーもう!ってとてもじれったかったです。

親友から恋人に変わった後の、二人の初めてのお話も書かれているのですが
今までがスローペースだった分、ここもスローペースで、
それがこの二人にはすごく良いなと思いました。


じれじれした恋のお話を読みたい人にはおすすめの作品です。

1

「焦れ」が萌

川琴ゆい華先生の作品を読むのは、二冊目。
ゴールが見えているのに中々進まない
「焦れ」が萌・・と、姐さんたちが書いてます。

川琴作品の魅力は、焦れる悶えが魅力。だから、進捗テンポが遅い。
著者の進捗リズムに合わないと、本をぶん投げたくなる。

でもその衝動を抑えて、サーっと読み
その後に再読すると、リズムに合わせやすくなっているので、
 川琴作品は、サッと一読+じっくり再読、をしたら味わえると 私なりの読み方を会得。

この作品も、本当は、とっくに相愛になっているのに、
主人公が恥ずかしくて逃げ出してしまったので、
8年後の再会まで恋の火種だけになって埋もれてしまう。
再会しても、主人公がまた逃げまくるので、スッキリ落ちない。
言い訳の巻き添えを食った人達に、物凄く迷惑をかける主人公。

こういうすれ違いをゲーム感覚で楽しむ作品。
ちょっと読書に待つ体力が必要です。

焦れる恋を今している人には、良い参考書になるかも。
主人公は、物凄く好きな癖に、本人の前では素直になれない。

人気の萌の在りかを探す読書は面白かったけど、我慢しすぎて読後暫く頭痛がした。

1

2人が気持ちを通わせるまでの過程がもどかしすぎました

「お、お前ら早くくっつけよーーー!!!」と心の中で叫びながら読みました。
2人が正式に交際するまでの過程がとにかくじれったいです。
もちろんそれがこの作品の良さなのですが。

受がひたすら攻をはっきりと恋愛的に思い続ける一方、攻は自分の気持ちがよくわからないものの受と離れたくないことだけは自覚している結果、時折受を混乱させています。
側から見ると「攻、もうちょっと自分の気持ちに気づいて!」となりますが、感情にはっきりとした名前をつけるのって実は難しいのかも……?という気持ちも湧きました。

片思いや再会ものが好きな方におすすめです。

1

親友までと親友から。さすが川琴さん!

川琴ゆい華先生!私にとっては読むのがお久しぶりなのですが、そうだったこの切なさ甘さ、さすがです!

初恋のキラキラ、どんどん知るにつれ募る想い、追いかけて追いかけてそばにいたくて、とうとう同じ高校の同じクラスになれて。そして親友になれて。願った通りサッカー部のマネージャーとして支えて。

こちらまで終始ドキドキしっぱなしでした。
親友男子高校生ならではのスキンシップ、食べ物の半分こやら幸せですね。でもこの関係を続けたくて壊したくなくて。誰にも一番そばを取られたくなくて。

攻めの怪我やリハビリや通院に泊まりで付き添ったり、術後断られたのに面会に行く所、攻めの全てを好きでどんなことになっても応援し続ける受けが素敵です。

甘い親友関係から受けの想いが溢れてのキス。
ここからが二人とも辛かった。
親友が離れていく攻めの辛さ。もうそばにはいられない、大好きな人を傷つけることに苦しむ受け。

卒業後も連絡をくれるのに返事をしない辛さ。
高校時代をしっかり書いてくれてありがとうございます!

そして8年後の再会へ。
お互いがお互いに大切に思ってての今の仕事ですね。
勘違いして受けのついた嘘にすごくこだわる攻め。
これはもしかして?と思うもやっぱり男=友達としか考えられない攻め。
拓海曰く恋愛方面はアホの子だそうですが…。

再会してからの親友イチャイチャも良かったなあ。受けも今度こそもう彼女に遠慮はしないと、もう絶対に離れないと強気で。

荒療治で攻めの気持ちがはっきりして。
もう離れたくないずっとそばにいたい=親友からやっと恋愛感情に気がついて。

長い片思いから友達から親友を経てやっと恋人へ。
高校時代の受けの全てはちゃんと今に繋がって報われて動かして実って。
親友で恋人で仲間。時間がかかったけど二人らしいとお互い笑いあって。
良かったなあ、はぁ。

受けはチームのメンバーの聖母みたいですね。
レオやカノちゃんとか出張り過ぎず良い人で良かったです。

この甘酸っぱさ、切なさ、甘さ、そうだった川琴ゆい華さんだ。
長いお話なのに先が気になって読むのが止まりませんでした。

道標や好きダムなどの表現もぐっと来ました。

4

脇役好きにはたまらない

脇を固めるサブキャラに魅力があると、そのお話がものすごく面白く感じませんか。

今回なんというか初々しい、どちらかというと子どもっぽい恋をしているメイン二人に対して、レオと拓海という脇キャラがスパイス代わりになってくれていたと思います。
特に拓海は常に攻めの清光と共にいたので、二人の関係を二人以上に良く見ていた人物として重要なポジションにいます。
また挿し絵で見る拓海(レオもですが)、ものすごく格好良くありませんか?いいんですか?ありがとうございます。という感じです。
未読の方にはぜひ確かめていただきたい。

ストーリーは割愛しますが、悪人もいませんし、お仕事内容含めてたのしく読めました。

4

憧れに潜む恋心

今回は社会人サッカーチームのホペイロと
スポーツ傷害専門整形外科医院の理学療法士のお話です。

サッカーを通じての憧れが恋心となった受様の恋が実るまで。

受様はサッカー大好きな少年でしたが、そのサッカーでも勉強でも目立つ事
なく、可もなく不可もないという平凡な少年でした。

そんな受様が憧れた選手が同じ年の攻様です。受様が攻様を知ったのは小3
の時、彼の所属するサッカークラブチームとの練習試合でした。

最初は彼の容姿とストライカーとしての積極的なプレイスタイルを含めて
かっこいいなと思っていましたが、対戦相手としてだけではなく、誰に対し
ても礼儀正しく、年下の面倒も見る様子を垣間見てもっと好きになります。

彼と友だちになりたい、彼の姿やプレーをもっと近くでずっと見ていたい
と思った受様は、攻様が学費免除でスカウトされた強豪校に受かる為、
地道に死ぬほど勉強して合格します。

そして幸運にも同じクラスとなり、同じくサッカー部にマネージャーと
して入部します。実は受様は中2の初めに怪我をして1年程サッカーができ
ない時期がありました。その間は皆のサポートをしていた事が案外性に合
い、裏方がいかに重要かも知ったのです。

攻様はそんな受様を「海外のポペイロみたいだな」と評し、試合に出て
いなくてもユニフォームを着ていればチームの一員という信条を抱く彼と
部活仲間としてもクラスメイトとしても仲良くなっていくのです。

攻様は人懐こいキャラで適度に周囲のノリに合わせるタイプですが、私生
活はかなりトイックです。そんな攻様がたまに参加するカラオケで受様は
攻様が好きだと知ったロックバンドを聞きまくり、ファンクラブにも入り、
さらに攻様と近づいた結果、受様は自身の気持ちが憧れの域を超えている
事に気付くのです♪

受様は攻様への気持ちが恋と気付いてから今までの自分の全部がスッキリ
しますが、何かを変えたいとは思いませんでした。そんな中、攻様が練習
試合中に負った足首の捻挫から靭帯断絶と半月板損傷という大怪我を負い、
受様がリハビリを手助けした事から、2人はさらに距離を縮めていきます。

高3になった受様は医療福祉専門校を進路に定め、攻様はサッカーを軸と
した進路を断って大学受験を選択します。受様は推薦入学、攻様の私立大
学に合格し、卒業まで残すところ3週間となった受様は久しぶりに攻様宅
に泊まりに行くのですが、たまたま見た恋愛映画の流れで攻様にキスして
告白してまうのです!!

結果、受様は攻様への気持ちに偽りはなくても、仲を壊したくなくて友情
を取ることにする受様でしたが、高校を卒業して離れても受様は攻様への
恋を手放す事ができず、攻様からの連絡を徐々にフェードアウトしていく
ようになります。

そうして受様は今、スポーツ傷害専門整形外科医院の理学療法士として
4年目の春を迎えていました。攻様と疎遠になっても忘れた事はなく、
受様は秘かに攻様のフェイスブックとツイッターと彼が就職した会社の
社会人サッカーチームのインスタをこっそりとチェクしています。

攻様がそのチームの裏方として尽力しているのを知っていたからなのです
が、何とリーグ昇格を視野に入れたチームのホペイロの熱心な希望により、
傷害治療やケアの充実の為と専属契約の話が持ち上がり、院長は受様を
担当として抜擢するのです。

そのチームのホペイロこそが攻様であり、2人は久しぶりの再会を果たす
のです。受様は消えていない恋心を再認識する事となりますが、攻様に
はチーム公認の彼女がいたのです。

攻様への恋心を捨てられない受様の未来とは!?

サッカー少年だった受様が攻様という憧れの少年に出会い、親友となり
ながらも離れ、再会を経て恋を実らせるまでの恋物語になります♪

サッカーをベースとしたスポーツ少年同士のお話ですが、サッカーを通じ
て育まれた友情が高まりあって恋になるのではなく、受様の憧れが増し増
ししての恋のお話なので、すれ違いというかジレジレを楽しむ感じです。

わりとこの2人のような設定では受様のほうが恋に気付かないとか無自覚
だったり、プロとして大成していく攻様への恋で受様が悩むという展開が
多いかなぁと思うのですが、本作は怪我での挫折はあるもののスパダリ系
な攻様が超ニブチンいうのがミソで楽しかったです♪

スポーツの世界ってある意味、同性だらけだから同性である相手への興味
とか独占欲が友情以上だと気付くのって難しいのかな。誰よりも仲がいい
→誰よりも親しい→誰よりも好き≠彼だから好き♡にはなかなかならない
ところに萌えます。

受様は結構最初からファンというより、ストーカーだしね♡

そんな無自覚な攻様がどうやって受様への恋を自覚していくのかにワクワク
し、受様が攻様の公認彼女との仲にハラハラしつつも恋心を捨てられない
様子にドキドキさせて頂きました。

また怪我をした事が転換期となった2人がそれぞれの進路を悩み、考えて
職業を選び、立ち位置を変えていく展開も面白かったです (^-^)

3

焦ったいのが良かった

受けの侑志の長い長い恋のお話でした。

一度は諦めようとして連絡手段を経ったのに、再会しても変わらない恋心に気が付いてしまうのです。

マネージャーを彼女と誤解してしまったりするのですが、侑志の意地でも関係を聞いたりしないという気持ちに共感してしまいました。

清光の侑志に対する執着に間違い無く好きだからだろうと思いつつ、恋愛の好きかハッキリと分からない事にとてもジレジレとして悶えました。
 
当て馬になってくれた拓海の働きが素晴らしかったけれど決定打はレオでしたね。
レオも爽やかで良い男だった。

お互いが大事過ぎて失いたく無い気持ちの強いCPでまとまるまでがとても時間が掛かりましたが、初エッチがイヤらしくてとても萌えました。私の好みドンピシャでした。

焦ったくて丁寧な作品を読みたい方にお勧めします。

5

友だちで仲間で…

今作はタイトルで即買いでした。親友ものが好きすぎて、素材の味付けや盛り付け方で作家様の解釈や親友萌えポイントを読み取ったりするのが楽しいです。しかも、二人の高校時代をしっかりと描いてくれている本作は、DK萌えにはたまりませんでした。

冒頭の一行で掴まれたのは久しぶり。高校生にしてはモノローグでチョイスされる抽象的な言葉が大人びていて、侑志がお勉強のできる子だという裏付けなのかな?しかも彼の聡い性格をよく表していて、それが恋愛ではあだとなってしまい、自爆の道を突き進んでいくのです。

恋をすると自分の感情というか、萌えでいっぱいになっちゃって、明らか変なモードに入ってる。気持ちを抑えていても周囲にはバレバレだし、相手に嫌われたくないから諦めようとしたり、その実相手も自分のことを好きなんじゃないかと期待したり…。

そういう片思いのグルグルが高校生1生から8年後まで丁寧に描写されています。なんたって小3からずーっと清光のことを思い続けている侑志を応援してあげたくなってしまって、みっともなくたって大丈夫だよー!って最初の一行目から沿道で旗振ってました笑

電車の中で清光の耳に欲情するシーン。作家様の性癖が光っていて萌えますよね♡

好きになったら相手のリサーチに抜かりがなく、とことん付き合ってあげる尽くし系キャラ(別称ストーカーともいう)を、変態スレスレのラインで描いてしまうところが魅力です。その重すぎる侑志の愛をしかと受けとめた清は、自称脳筋でよかったのかも笑

恋愛パートで萌えたい読者なのでそこばかりに触れてしまいましたが、二人は元サッカー少年。プロを目指していた清光がケガで苦しみ、彼をサポートしていきたいとトレーナーの道を選んだ侑志が、社会人になってからも仕事で関わりあっていくことになる、お仕事BLとしても楽しめます。

エッチは最後に二回ありますが、9割方、心の動きや人間関係の描写に費やされた後に持ってこられた分、濃く感じました。ひゃ〜。初めて繋がる時ってやっぱり萌えますね〜!

一緒にいて楽しい、ずっと一緒にいたいっていうシンプルな気持ちがどうか消えないように…なんてこの二人に心配は無用かな?親友で仲間で恋人って最高です!

レオがまた素敵なキャラなのになぁ〜。受けの思いの強さを証明してくれた彼にも誰かいい人見つけてあげて欲しいです。

あとがきで気になったことなのですが、再会ものの過去シーンって求められていないのでしょうか?むしろ、そこがわたしにはおいしいところなんですが…。

本作は高校生編と社会人編の両方ガッツリ楽しめて読み応えがありました。古澤エノ先生が手掛けられた、きれいでカッコいい男子たちの挿絵も、読後に何度も見返してはニヤニヤしてしまいます。

5

忘れられなかった

焦れ焦れするお話だろうなと思っていましたが、予想を超えてなかなかくっつきませんでした。焦れったいお話が大丈夫な方限定でおススメです。書き下ろしの本編290Pほど+あとがき。高校生から社会人までのながーいながーい恋物語。

小学3年の時に見知って以来憧れだった清光。同じ高校に入るべく必死に勉強し無事合格、めでたく一緒のサッカー部に入部しすっかり仲良くなれた侑志(ゆうし)。マネージャーとしてしっかりフォローし超信頼してもらえる大親友になったのだけど・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
拓海(二人の親友、同じ高校サッカー部→海外プロサッカーへ)、レオ(社会人サッカーチームのストライカー)、相原(♀、攻めのSNS上の彼女役?)ぐらいかな。クール拓海好きだわ。

++攻め受けについて

受けさん、高校卒業と同時に連絡絶ったのに、社会人になって仕事で再会したら再燃しちゃって。「そんなに忘れられないんなら、もっと早くになんとかしようと思わなかったのか?」と、気の短い私は思ったりもするのです。とにかく穏やか系統、自分の恋心をとても大切にしていた方。こういうじっくり派に一度変身してみたい。

攻めさんは純粋サッカー大好きスポーツ少年がまっすぐそのまま大人になったような方で、恋愛関係は全くクソ鈍感(としか思えない)。悪い方でないし、モテるであろう超爽やか好青年だと思います。なんだけど、色々我慢して忘れようと努力している受けさん寄りで読み進めたため、「このクッソ鈍感野郎!」と少々腹立たしく感じました。そんな鈍感野郎なのに、当て馬出てきた時は「俺んだ」的態度を垣間見せて、「思わせぶりな態度すんな」と思う気持ちも。

受けさんはひたすら攻めさんが好きなので、最後はめっちゃめでたしめでたしだし、仲良さげな二人の様子(甘いだけじゃなく、本当に大親友という感じの仲良さ)を読むと、「間違いない、これは一生このまま二人で生きていける」と思うんですけど、そこにいたるまでの攻めさんのあまりの鈍さに超じれったさを感じた1冊でした。

7

うーん

長い長い初恋のお話でした。
相手のふとした仕草や一瞬から憧れの気持ちを抱き、それは恋心へと変化する。
受けの学生時代からの一途な片想い、社会人となってからの再会ものと、王道設定の作品です。

あとがきで川琴先生も書かれていますが、BL作品としては珍しいスポーツを絡めたもの。
今作はサッカーがテーマ。
用語や用具の名前に、もしかしたらウン?となってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そちらはさらっと読んでも大丈夫です。
重要なのは2人の焦ったい初恋のお話ですから。
サッカーがお好きな方はちょっぴりにやりとしてしまうかもしれません。
そちらに関しては新鮮で楽しめました。
が、少々辛口評価となってしまいました。
高評価が多い中恐縮ですが、こんな感想もあるということで。

学生時代編、社会人編と半々くらいの分量で描かれています。
再会ものって、出逢い編が短かったり、またその逆もあったりする事が多いなと感じるのですが、今作はどちらも丁度良いバランスで描かれています。
ただ、正直に言いますと、受けにも攻めにもあまり萌えなかったんです。

学生時代は、これは受けである侑志の片想いや、清光への恋心を隠して友人として居ようとする姿に健気さや切なさを感じるんだろうなあと思いつつ、執着っぷりがなんだかストーカーのようで、少しやり過ぎにも思えてしまったのです。
故障を抱えた傷心の清光のリハビリに懸命に付き添う侑志という、ここの2人の姿に萌えよりも純粋に青春ものっぽさや友情としての良さを感じてしまったのも大きかったのかも。
この時代の清光はスポーツ少年らしくて良かったなあ…
清光を追い掛けてどこまで行くんだ…?と思っていた侑志が、清光の故障をきっかけに自分の将来の道をしっかりと考えて進路を決めたり、清光からユウと呼ばれる度に嬉しくなる侑志はとっても良かったですし可愛らしかったのですが。
そんな中での、何気ないきっかけからのキスと告白と、柔らかな拒絶、徐々にぎこちなくなってしまう2人と、高校を卒業してから疎遠になる流れ。
この辺りでやっと切ないな、と感じた気がします。
でもなぜかすらすらと読めてしまうのは川琴先生の文章が読みやすいからなのかな。
青春ものとしては面白かったんです。

月日は流れ、社会人編へ。
大人になるに連れて疎遠になる同級生や友人とはよくある話で。
連絡を絶ったものの、もうここまで恋心を捨て切れずにあたためたまま月日が経てば、あとはどう再会してくっつくのかが楽しみじゃないですか?
私はここで、清光が一体どんな男になったのかと期待をしてしまったんですよ。
大学で再び故障をしてしまい、選手の道は諦めたものの、サッカーに関わる仕事を選択した事は嬉しく思えたのです。
ただもう、鈍感を通り越して無神経だし、想像力が足りていないし、子どもっぽく誠実さがない人間にしか見えなくて。
もー、残念すぎた。学生時代ならまだしも、社会人になってもこの感じは駄目だった。
自分の事を無条件に好いてくれている、安心感や依存出来る存在が欲しかっただけのように思えてしまったんだなあ。
超絶長い間初恋を拗らせている侑志には申し訳なさすら感じてしまうのですが、魅力が全く分からないまま終わってしまって本当に残念でならない。
学生時代の清光が好きだったというのは分かるのです。
でも今の清光も好きなの?大丈夫?なんて思いつつ、侑志が幸せならもうそれでいいか…?と読み終えました。

うーん、今回はちょっとメイン2人が合わなかったです。
私はまっすぐ誠実に好意を伝えて来るレオくんを推したい。
そして、サッカー以外でもナイスアシストをした拓海にMOMを捧げたいです。
この2人の方が魅力的に感じました。
どちらもサブキャラクターには惜しい男前じゃないですか?

余談ですが、清光のホペイロという職業。
日常会話ではまず使いませんし、あまり馴染みのない言葉かもしれません。
馴染みのある言葉ですと、マネージャーが1番近いかなーなんて思いつつ、正しくは用具係でしょうか。
日常的に使用する用具の手入れは勿論、その時々のプレー環境や選手に合ったスパイクを選んだり、監督や選手やスタッフが心地良くプレーに集中出来るような環境を完璧に整えサポートする、とても重要なお仕事です。
彼らが居るのと居ないのとではかなり差があるのでは?
こんなに重要なお仕事は出来るのに、なぜ他が残念だったのかが本当にわかりません…

10

爽やかな焦れ恋が楽しい♪

焦ったーい!でもキュンキュンする♡
元サッカー少年たちの爽やかで焦れた恋模様を描いた作品です。

プロサッカー選手を目指していたものの怪我により夢を絶たれた清光と、15年以上ものあいだ清光一筋の侑志。
本作ではそんな彼らの出会いから別れ、再会、結ばれるまでを描いています。

両片想いでありながらスレ違う激ニブ清光にモヤモヤし、侑志のあまりの一途さに胸打たれます。
一度は離れて、それでもなお忘れられなくて……
清光の怪我をきっかけに理学療法士を目指すあたりも、侑志の健気さと献身さをうまく表していると思います。
でも、実はそれは清光も同じだったのかなと思うんです。
高校時代にサッカー部のマネージャーとして尽くし、怪我をした清光に寄り添ってきた侑志。
その侑志を見てきたからこそ、プロを諦めた清光は選手のサポート役に回れたんだと思う。

出会ったこともそう、そして会えない空白の時間も二人に考える猶予を与え、その先の人生に大きな影響を与えたのでしょう。
遠回りしたけど、きっと無駄なことなんてなかったんだろうな。

サッカーを軸に、それぞれの人生を自分の足でしっかり歩く二人が再会し、支え合い・愛し合う関係に成長していく姿が素敵でした。
最後までコミカルな友だちノリも楽しかったです^^
脇役のレオと拓海がまたカッコよくて、この二人が恋愛に発展したら……なんて、勝手に妄想してます(笑)

4

切ない10年愛

10年どころか小学生の頃から受けは強いサッカーチームにいた同学年の攻めに憧れていて、同じ高校に入り親友ポジを手に入れた後に恋心に気づいたけど高校3年間その気持ちを隠して友達の域を超えないようにしていた…切なくて大好きな設定です。

始まりは受けが攻めに接近したのもかなり計画的でコメディータッチですらあったけど、途中で攻めがケガをしてからはかなりシリアスな展開。全身全霊で攻めを密かに愛する受けの健気さには感動したし、好きなバンドのライブに一緒に行ったりイヤホンを2人で半分こしたり高校時代の青春萌えシーンはとても良かった。

しかし8年後に再会した攻めがちょっと残念な人でした。スポーツマンや社会人としては立派でも恋愛面では鈍感でお子様すぎるというか、悪気なく無神経な所のある人でした。受けがどんな気持ちで高校卒業後連絡を絶ったかというのを理解してない。真剣に自分への思いを打ち明けてくれた人に向かって「付き合ってみよう。ホテル行ってみよう」みたいなノリでモヤモヤしました。自分から好きとは言わないのに自分をずっと好きでいてほしいとか…子供か!

でもまあ最後に受けの思いは実り幸せそうだったので良しとします。川琴さんの地に足のついたごく一般の男の人同士のラブストーリーの雰囲気は大好きで作家買いして間違いはない方だと思います。

7

甘酸っぱくも切なくて、キュンキュンしてしまう

こちら、初恋再会ものになります。

サッカー部のエースで親友である清光。
同じサッカー少年として彼に憧れていた侑志ですが、共に過ごすうちに、それが恋へと変わるんですね。
やがて、想いを抑えきれずにキスして告白してしまいますが、その気まずさから、徐々に疎遠に。
そして八年後ー。
ケガでプロの道を絶たれた清光を見ていた侑志は、そんなアスリートを少しでも減らしたいと、理学療法師になっています。
そこで、社会人サッカーチームの専属となりますが、なんとマネージャーが清光でー・・・と言うものです。

こちらですね、超王道のスレ違いものになるんですよね。
主人公である侑志視点で、二人の出会いから親友として過ごした高校時代、そしてキス事件に、切ない別れ。
で、今回の再会と綴られる。

いや、個人的に初恋再会ものは三度の飯より好きなんですけど、今作はまさに、その黄金パターンと言えると思うのです。

そもそも二人が気まずくなってしまったキス事件なんですけど、ちょっとしたエロ話から、清光が「侑志とだったら(キスを)出来るかもしれない」と言い出した事が理由なんですよね。
「侑志はきれいだし」と。
で、気持ちを抑えきれなくなった侑志は、キスした上に告白してしまった。

で、この経緯があっての、二人の再会。

侑志ですが、すごく一途で不器用なんですよ。
彼はたくさん傷ついた後に、恋心を封印しようと決意する。
でも、清光に会えば、どうしても愛しさが溢れてきてしまう。

えーと、再会した清光ですが、何故かグイグイ距離を縮めてくるんですよね。
そんな彼との時間に、戸惑いつつも喜びを隠せない侑志。
彼の一緒に居られて嬉しいと言う健気な心情が、丁寧に綴られてまして。
もうこれが、甘酸っぱくも切なくてキュンキュンしてしまう。

また、こちら侑志視点ではあるんですけど、清光が明らかに、侑志に対して特別な感情を抱いているであろう事が分かる。
何かと逃げ腰の侑志を、ちょっと強引なくらいに誘い出し・・・てな具合で。
実はですね、再会した侑志ですが、自分が未だに恋心を引き摺ってる事を気付かせまいと、恋人がいると嘘を付くんですよね。
すると明らかに清光は動揺しと、これは絶対、友達の反応では無いな!?と。

ちなみに、侑志はやたら一途で健気なんですけど、反対に清光は「これだからノンケは!」と言いたくなる無神経さを、ちょくちょく発揮してたりします。
高校の時の「侑志ならキス出来そう」に始まり、再会してからも。

これな!
ノンケが無神経な言動でゲイを振り回すのは好きじゃ無い為、若干イライラしたんですよ。
が、読み進めるうちに彼の本当の姿が分かってくると、もう仕方ないかと。
いやね、彼は気がきくし男前だしとても良い攻めなんですけど、こと恋愛に関しては、超鈍いアホの子だったのです。
あっ、自分でも自分の気持ちに気づいてなかったか!と。
それなのに、独占欲とか本能のみ、先に来てたかと。
まぁ、これはこれで萌えるから、良しとしてやろうと。

それにしてもこの二人、何年かかって恋を成就させるんだよと、最後は笑いたくなっちゃいましたよ。
いやまぁ、自分達で言ってる通り、これが彼等のペースなんでしょうね。
二人のスローペースな恋に「じっくり付き合ってやろうじゃないの!」って姐さんは、ぜひお読み下さい。

15

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