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新たな難題に、潤と可畏が親の覚悟を試される──!? 大人気暴君竜シリーズ第9弾! !
「暴君竜」シリーズ9作目になります。
前巻で最大の危機を乗り越えたと思えた二人。
今回、多くの姐さんが懸念していたであろうあの事が、現実となります。
えーと、ストーリー自体も、潤を手に入れるべく再び二人の前に姿を見せるツァーリと、緊迫のものなのです。
彼の巧妙な罠や、潤に対する異常な執着。
そして、可畏が恐れていた事が現実となる。
これね、あまりに切ないし心が痛くて。
これまで様々な出来事を経験して、二人は絆を強くして、互いに深く理解して信じあえるようになった。
ただ今回、そんな風に互いが互いを思うからこそ、苦しくて仕方ないと言いますか。
こう、辛くて心が荒れた時でも、それを気付かれないように一生懸命振る舞う可畏。
可畏の肩にかかってるものって、すごく重いんですよ。
いつ潤が浚われ、家族がバラバラになるか分からない今の状況。
一瞬後には、今の平和は崩れ去るかもしれない。
それでも、日常の中で強い自分を演じている。
またこれ、潤もそんな彼には気付いてるんですよ。
気付いてるんだけど、可畏が守ってくれるから安心して、何も心配してない自分を演じる。
どれほど神経が張り詰めた状態でも。
なんかね、あまりに過酷な状態でありながら、尚も相手を思いやり続ける二人に泣けてきちゃって。
こう、安心してただ笑顔でいて欲しい、そして、幸せでいて欲しい。
だからこそ、互いの為に懸命に踏ん張る二人に、涙が出てきちゃうと言いますか。
またこちら、今回新キャラが登場します。
えーと、多くの姐さんがヤキモキされたと思いますが、彼に関しては驚きの事実が分かります。
で、彼の登場によって、かつてない深刻なスレ違いが二人の間に起きてしまうんですよね。
私は最初、「可畏のアホー!」と、めちゃくちゃ腹が立ったんですよ。
いやだって、潤を深く愛してれば受け入れられるはずと。
ここで、彼の存在を愛しく思う潤だからこそ、可畏も愛したはず!と。
ただな~。
今回、可畏の弱さと言うのが語られる巻なんですよ。
読み進めるうちに、心が痛くて心が痛くて。
いや、1巻からすごく成長したとは言え、可畏は18歳の青年なワケです。
心に傷を抱えた。
それでも、ここまで精一杯踏ん張って来た。
そして、それが決壊してしまった。
これね、可畏ですが、起こっている事実にじゃなく、自分の弱さに苦悩すると言うのが何より切ないのです。
情けなくて未熟な自分を認めるって、すごく惨めだし苦しいよね。
可畏のような性格なら尚更。
でも、そんな可畏の姿を見て、幻滅するかと言うと真逆。
より、彼が愛しくて仕方なくって。
また、そんな彼の弱さを知る事により、更に絆を深くする二人にとにかく感動で。
いや、最初から素直に話し合ってれば良かったじゃんてなもんですが、何てったって可畏ですよ!
ここまで追い詰められなきゃ、こんな情けない本音はさらせなかったと思う。
潤は潤、可畏は可畏で弱さを持っていて、だからこそ、分かりあえるし深く愛せる。
えーと、事態の解決自体はして無いんですけど、二人の関係が大きく変わったこの事に、とにかく胸がいっぱいで。
号泣しちゃいましたよ。
新キャラの事も含めて。
バトルがあって、格好いい可畏が見られてと言った巻では無いので、これまでのような派手で華やかな暴君竜を望む方には物足りないかもしれないです。
でも、主役二人の心の揺れが丁寧に描写され、彼等の関係性が更に深まったターニングポイントととも言うべき素晴らしい巻だと思います。
あともう一つ。
今回のキーパーソンであるツァーリに関して。
私はツァーリの事、実はそれほど嫌いじゃなかったんですよ。
孤独な彼が、潤を狂おしいほど求めてしまう。
その心情に共感しちゃったと言いますか。
なんだろう。切なくて仕方なかった。
が、今回、こいつが一気に気持ち悪くなっちゃったんですよね。
私がツァーリに対して萌えたのは、あくまで潤に対する強い思慕の一点だったワケです。
それが、潤に対する思慕では無かったと気付いてしまった。
ヤツが愛してるのは、自分でしかなかった。
なんかね、終盤のエピソードを読んでると、理解不能と言うか気持ち悪くて気持ち悪くて。
何なんだろう、こいつ。
ひょっとして皆様とっくに気づいておられて、今さらこんな事を言ってるのは私だけかもしれないですけど。
ちなみに、繰り返しになりますが、前回から引き続き事態の解決自体はしてないです。
ただ、早めに十作目を出していただけるようなので。
もう今の二人なら、何でも乗り越えられると思う。
今回、書影が出た時から心がざわついた方も多かったのでは。
私は、俺様・強気設定ながらにすんごーい健気攻めでもある可畏がかわいい。だから、今回可畏の表情が物語るでき事が、できるだけ可畏にとってツライ事で無ければ良いと願っていたのですが。そうは問屋が卸さない(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
できるだけボカしたつもりですが、ネタバレしているかと。以下、ご注意を。
潤の誕生日会から話が始まり、慈雨と倖の昆布ダンス笑っちゃいました。相も変わらず可愛すぎなツインズ。
さて、そんな楽しい誕生日の終わりに現れたのが可畏の父、クリスチャン。
不吉フラグかと思いながらも、前作ではその存在がとても心強かったから、私は信じてしまっていました。
……クリスチャンを簡単に信じちゃダメなんだってば!ですよねーー。うっかり。
そして、さらにその後、皇帝竜であるツァーリがエリダラーダから出てきて…と続きまして、最っ高に面白いです!!
読めない展開に心躍らせ、可畏の潤への強い想いに、苛烈なまでの愛に、ドキドキしっぱなし♡
ただ、私には、その後の展開がなんとも辛かったです。
作品タイトルの少年竜であるミハイロくんの存在が、この一冊ではあまりにも切なかった。
今作だけで判断できるものでも無いので、きっと今作以降にたくさんの幸せが訪れると信じているのですが。
あとがきによりますと、次巻10冊目には早めにお目にかかれそうです。
どうかミハイロくんに対して、切ないと思わずに済むところに着地して欲しいと願うばかりm(_ _)m
個人的にミハイロくんのことを思うと辛くて、萌2と迷いもしましたし、レビュー書くのにもすごく時間がかかりました。作品を読み返したり考えたりしながら、可畏と潤の後悔を思い、やっぱり神だと決めました。
今回は、いろいろ分かっていても可畏にも譲れないことがあって、潤に腹を立てて罵倒して。
そして、結局自分を責めてひとりで苦しんでしまう。そんな可畏が哀しくも愛しい。
可畏に寄り添おうと理解をしようとする潤も愛しいし、そのふたりの関係は、たまらなく愛しい!
ツァーリが怪しい思惑をのぞかせたところでさて、次巻。
楽しみにしています♬
待ちに待った最新刊です。
ネタバレ無しで読もうと思いつつも、レビューをチラッと読んでしまい、先生が読み終わるまで見ちゃダメと仰っていた口絵2枚目も見てしまいました。
そして今回は可畏の試練の回なのだろうと、覚悟を決めて読み始めたのです。
潤の誕生日での愛情溢れる姿は、良き夫で良き父親の何ものでもありませんでした。
幸せそうな潤と子供たちの様子に、ニマニマしてしまいました。
そしてクリスチャンが現れてからの2人のすれ違いに、潤と可畏のそれぞれの気持ちになってギューと胸が締め付けられてしまいました。
潤が可畏にキレた辺りは「ああ2人は夫婦なんだな」と、夫婦だからあそこまでお互いに喧嘩出来るのだとしみじみしたのです。
ミロくんの登場に合わせてタイミングよく蛟が現れたのも良かったです。彼のもたらした真実で2人がお互いに向き合うきっかけとなりました。
もう何年も読んでいるのと、2人が親として立派なので年齢を忘れがちですがまだ成人もしていないんですよね。
最終近くの可畏視点になった時は彼の思いにウルッと来てしまって、潤じゃなくてもやっぱり可畏好き♡と思ってしまいました。
可畏の成長にファンとして感動しました。
それに比べて…老人の妄執というようなツァーリが憎らしいけど哀しく思えてしまいました。
きっと犬飼先生だから見事な決着を付けてくれるはず!と信じて10巻を待ちたいと思います。
キャラ文庫
少年竜を飼いならせ
犬飼のの/笠井あゆみ
面白かった!前作の布石が回収されるも想像以上の展開だった。
家族4人の誕生日会は幸せそのもので、可畏と潤のイチャラブが素敵だし、慈雨と倖も個性が強くなってて可愛い。けど、そこからが怒涛の展開で…絶対不可侵権を巡っての可畏と潤の対立はどちらの気持ちも解って胸が痛かったし、潤への愛を公言するツァーリの強かさと不気味さにゾッとした。少年ミロの存在は‥潤の立場も難しいし、倖との関係を考えると慈雨も心配。可畏の怒りや葛藤に納得で、あの答えを出した可畏が健気だし潤への愛の重さを感じた。今後どうなるのか、ツァーリの動向が気になる。
本作でもっと暴君竜シリーズが好きになりました。竜人の可畏と人間の潤、そもそも考え方が違う2人が愛してるからこそ、互いに寄り添おうとする姿に毎回感動します。次作も楽しみです。
「暴君竜」シリーズ9作目も、面白かった。
マンネリ化して面白くない という書評が他所にあって、でもチルチルの姐さん方は益々面白いと絶賛・・賛否二分化しているのか?・・・と、凄く気になって電子書籍販売2/5まで待ちきれず、紙版買いました。
気になる箇所の感想
9巻も、不安要素を残すハピエンの異類婚姻譚。勧善懲悪の定番型。
雛形に沿う構成を、マンネリと評してはイケナイと私は思います。
構成のひな型に沿って展開する方法でも、毎号ダブらないシナリオを生み出している点を評価するべきだと思う。複数の連載を抱えていながら、アイデアが尽きないなんて天才かもしれない・・と私は評価しています。
少年竜
「マッドサイエンティスト」の仕業 ・・クリスチャン。
この人は、研究対象の検体としてしか潤や孫たちを見ていない非情な人。
8巻の健康診断で見つけて、コッソリ潤ちゃんの卵を取り出そうと、隠していた!
なんとなく8巻最後辺りで匂わせていたので、驚かないけど。
ツァーリの巧妙な罠ではなく、クリスが仕込んだ罠。
トっプは辛い
抱える世界が大きいと、責任も重くなる。可畏の望=世界を制覇する為に、統治者としての清濁併せ呑む度量と覚悟を試される巻だった。
可畏とツァーリ、二人の遺伝子を持つキメラがコッソリ誕生していたことを可畏と潤が知る。倖と慈雨と同じ、複数の父系の遺伝子を持つ、潤の第三子に当たるツァーリに似た男の子。
悩んだ末、絶滅危惧種の王として可畏は許容する。可畏、偉い!
・・でも前例を作ったら、潤が拉致されるたびに父不明の卵を産むことが続きそう。
ツァーリは不気味
念願の子を得たのだから大人しく引っ込んで育児していたらいいのに、スッキリしない。 ・・我儘と野望にまみれた竜人に成り下がっているみたい。
ツァーリの今後の改心が有るか、次巻に期待します。
そろそろ内容的に主人公が十代を越しそうなので、次巻辺りで完結になるんじゃないかな。続いて欲しいけど。
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補足:
犬飼先生はSFに凄く関心が高い人だと思う。遺伝子についても良く調べていると思います。最近の学説だと、遺伝子はとても活発に動く反物質、と言えば分かりやすいかな。
※キメラ/血液キメラ:=過去に体液の交流を持つ相手のDNAが母体に残る。
複数の遺伝子を持つ子供が生まれることが解明されています。
★この学説で物語を考えるなら、輸血で潤君は稀に見る進化を起こしたって事になるみたい。