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最愛竜を飼いならせ 暴君竜を飼いならせ 10

saiai ryu wo kainarase

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表題作最愛竜を飼いならせ 暴君竜を飼いならせ 10

竜嵜可畏,18歳,T・レックスの遺伝子を持つ竜人で大学生
沢木潤,19歳,私立竜泉学院大学一年で可畏のパートナー

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大人気恐竜BLシリーズ、
可畏と潤が選んだ家族の最終形!!

自分たちの血をを引く少年ミハイロを、
惜別の念で皇帝竜ツァーリの元に帰した潤。
いますぐにでも、もう一度我が子に会いたい──
想いを募らせる潤の元に、ツァーリから
「エリダラーダに来て、ミハイロに会ってほしい」
との招待が届く。あくまでも潤一人に限定した
誘いに、可畏は焦燥と苛立ちを抱え……!?
【初回限定ペーパー付き】

作品情報

作品名
最愛竜を飼いならせ 暴君竜を飼いならせ 10
著者
犬飼のの 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
暴君竜を飼いならせ
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010248
3.7

(105)

(52)

萌々

(19)

(6)

中立

(9)

趣味じゃない

(19)

レビュー数
18
得点
363
評価数
105
平均
3.7 / 5
神率
49.5%

レビュー投稿数18

ここで「愛してる」は止めて!!

暴君竜シリーズ十作目。

最終決戦とある通り、この巻でツァーリとの対決にひとまずの決着がつき、シリーズとしてもとりあえず一区切りとなるそうです。
ちなみに、暴君竜シリーズはまだ続くそうなので、ファンの皆さんご安心下さい。

で、前作ですが、ツァーリの元に帰してしまったミハイロ少年。
今回はそこからの続きで、我が子である彼との再会を望む潤達。
そんな彼等にツァーリが出した条件。
それは、潤と子ども達だけでエリダラーダを訪れる事でー・・・と言った感じになります。

前回ですが、潤と可畏はそれぞれの立場や考え方から気持ちの面でズレが生じて、二人とも大変悩んだし苦しんだんですよ。
や、受け史上主義で潤がとにかく大好きな私は全面的に彼の味方だったけど、それでも可畏の苦悩にはグッと来るものがあった。
いつものように絶対的な強さを誇る格好いい可畏では無く、弱くて情けない可畏だったけど、前より更に好きになって。

で、今回、そんなこんなで苦悩した分、一回り成長していい男になった彼が見られるのです!
そう、暴君竜復活なのです!

えーと、詳細は省きますが、色々辛い状況の中で、可畏はひたすら我慢するしかなかったんですよ。
ツァーリの脅威に、我が子や潤への愛情。
自身の感情をグッとこらえて、潤を送り出すしかなかった。

これ、もう読んでて辛くて仕方なくて。
二人の願いが我が子を取り戻す事と共通なだけに、ここで家族がバラバラになってしまうと言う、その現実に。
もう前作から引き続き、ずっとずっと苦しい。
苦しいのですが、ここで可畏がやってくれるんですよ!
そう、しつこいけど、暴君竜復活なんですよ!

や、これな、ただ単に開き直ったとも言えるけど、ここからの可畏の行動に、思わず「よっしゃあ!」と拳を振り上げたくなっちゃって。
そうなのよ。
二人は離れちゃダメなのよ!
例えどんな状況でも、絶対一緒じゃなきゃダメなのよ!!と。

ちなみにここから、潤と可畏と子ども達。
そしてツァーリとミハイロが共に過ごしてみてと、展開としてはとても穏やかなものになります。
共に過ごせなかったこれまでの時間ー。
戸惑いつつも、我が子であるミハイロと交流を重ねてゆく潤達の姿が、丁寧に綴られて。
とても優しい決着が来て、ああ、良かったね、みんな!と。

と、すっかり油断した所で、驚きの展開が来ます。
完全に油断しきってただけに、横っ面を突然張り飛ばされたぐらいの衝撃を受けましたよ。
マジで。

う~ん。
私は前作のレビューで、ツァーリをこき下ろしたんですよね。
気持ち悪いと散々。
それが今回、あれ、やっぱりいいヤツじゃん?と、ちょっと見直した。
見直したら、やっぱりクソじゃねーか!的な。
彼の驚きの狙いが明らかになりますが、こいつ、やっぱり自分しか愛してないと思うんですよ。
いや、ミハイロに対する愛情は確かにあると思うんだけど、それでもこう言う事をやるってどうなの?と。
親として、絶対やっちゃいけないと思うんですよね。

また、ここでの可畏がとにかく格好いい。
そして泣かせる。
派手なバトルをぶちかましてくれますが、絶対絶命のピンチ時の、彼のモノローグに涙が出ちゃいそうで。
もうさ、ここで「愛してる」は止めて。
普段は大好きなセリフだけど、この場合は絶対フラグだから止めて!みたいな。
えーと、一応、フラグじゃなかったのでご安心下さい。

最後になっちゃいましたが、結末としては受け入れられる方、ダメな方、両方に分かれると思います。

実は以前、「どんな結末でもそのまま受け入れる覚悟はしていました」と言うレビューを拝見して、目から鱗が落ちたんですよね。
どこで読んだか思い出せなくて、探しても全然見つからないけど。
とりあえず、その言葉に感銘を受けた私は、二人が選んだ結末なら、そのまま受け入れようと読む前から決めていました。
これだけ散々悩ん迷ってぶつかって、その上で二人が出した答えなんだからと。
でもそれが無くても、私はこれで良かったんじゃないかと素直に思います。
全てが丸く治まってはいないけど、とりあえずはハッピーエンドで。
とても素敵なラストだと思います。
こう書くと最終巻みたいですが、ちゃんと続くんですけど。

最後になっちゃいましたが、犬飼先生。
お忙しい中、こんなに早く刊行していただいてありがとうございました。

15

このシリーズが好きなので敢えて

暴君竜シリーズ10冊目にして一区切りを遂に読了!
とても楽しみにしていました。

神評価はまさに10巻お疲れ様でした、先生大好きって感謝からですが、
自分の感想としては、ちょっと9巻までとは違う感想です。

読んでいて、どこか違和感というか、少しモヤモヤが抜けませんでした。
どこに対してモヤモヤなのか自分で考えてみると、

1)ミロくん中心に話が進む
2)やはり無理矢理に産まされたこと
3)可畏が仲間外れ感
4)ミロくんが倖に執着

この4つが自分にはモヤモヤしてしまったのだと思います。

1)ミロくん中心に話が進む
これはどうしても第3子が存在したので、どう解決するかで仕方ないとは思いますが、
過程を考えると可畏との子ではないので、それほどミロくんに感情移入ができなかったこと。
またミロくんのキャラが感情があまり表現できない状態なので、
それもあって余計に家族とは思えず、そのミロくん中心な話だったので、ということ。

2)やはり無理矢理に産まされたこと
これは先に述べたように、まさにその通りってこと。
自分の中では可畏との子とは認められないので、
家族って言うと、可畏が反対にかわいそうになってきて。。。
なので、「3)可畏が仲間外れ感」に繋がっていきます。

4)ミロくんが倖に執着
なぜにミロくんは倖にばかり執着するのか。
その理由がイマイチはっきりしないのもモヤモヤ。
(最初にコンタクトが取れたからだけでは薄い)
慈雨が可愛そうと思ってしまって。
多分これは倖が潤に似てるから愛さずにはいられないってことを
意図したいのかなと思うのですが、それなら潤に執着して欲しかったかなと。
それだとすんなり納得出来て、ミロくんが愛おしく感じられたかも。

上記がどこかモヤモヤしてしまった所です。
多分、このモヤモヤはミロくんが成長し、
可畏を父親として、慈雨を兄として尊敬し、
愛する気持ちが出てくるシーンと、
潤を母親以上な、または、倖を兄以上な気持ちが芽生えるシーンがあれば、
自分の中で消化できそうです。

ツァーリ? 
正直あなたはもう違う伴侶を見つけなさい(笑)
モデルくんがいるじゃないのよ!彼にしなさいよ!


と言っても、犬飼のの先生のこのシリーズは、今回の感想を含めても大好きです!
大好きなんです!!!!

細かい心理描写に、家族愛。
可畏と潤の成長物語が丁寧にそして切なくエロく展開しています!
そして、それにさらに色を添えてくださる笠井あゆみ先生の素晴らしいイラスト!
毎回本当にやばいです!

最後になりますが、犬飼のの先生、一区切り10巻までお疲れ様でした。
そして、素敵な作品を有難うございました♪
また彼らに会える時を楽しみにしています☆

*特典は紙書籍(店舗共通)と電子共に、それぞれ違うSSペーパーが付いてきます。
どちらも必読もの!

14

家族とは

可畏がこんなに素晴らしい成長を遂げるだなんてシリーズ一作目から誰が想像したでしょうか。目眩がするほどイイ男になって…。まあ、そうしたのは潤と潤に対する愛なんですが。

2人が悩んで出した結論をどうのこうの言うつもりはありません。こうするしかなかったんだろうなと思いますし。個人的には今後どうするのかな!という楽しみの方が大きいです。

いやーしかし面白かったなあ。この作者の方は
、こうくるか!という展開を書くのがとても巧みな方で今回もそうでした。引き込まれてしまいます。
お楽しみの恐竜バトルですが、悲壮感ただよう潤とは違い双子ちゃんのまるでプロレスを見てるかのような反応が可愛かったです。大好きで誰よりも強いパパが負けるわけないと信じて確信しているからこそのあの無邪気さ。緊迫感のあるシーンなのに和みました。

シリーズは一区切りということですが、まだ続きそうで安堵しました。よかったよー。最高のシリーズを追いかけられる喜び。

11

可畏好きだ〜!

大好きなシリーズなので待ち焦がれていました。
読む前にシリーズが一旦一区切りという情報が入って来たので、じっくりと舐めるように文章を読みました。

思えばあれだけ傲慢で凶暴だった可畏が潤を愛するようになって、更に双子が産まれた事でこんなにも人間的に成長するとは、シリーズが始まった当初は想像も尽きませんでした。
今作でも彼の葛藤と潤と子ども達を思う気持ちに、何度ジンと来たことか!

犬飼先生のあとがきを読むと、シリーズの続投が決まる度に作品に変化を加えていったようなので、なるべくしてなった今回の結末のように感じました。

私は熱烈な可畏推しなので読みながら何度、心の中でツァーリの暗殺方法を考えたか分かりません。笑

だからこそ可畏が今の自分の実力を見極めて、子ども達と家族の1番の幸いを考えた選択に感動しました。
何も諦めた訳では無いのです。忘れがちですが可畏も潤も恐ろしい事にまだ10代なんです。

慈雨や倖やミハイロに至ってはまだ産まれたばかりです。幼い彼等があれだけの力を持っているならば、新時代の竜人世界をまとめ上げる担い手にさえなり得るのです。
今回の双子の活躍した場面にワクワクして、ニヤニヤ笑いが止まりませんでした。

エリダラーダの化石のような皇帝に変わり得る三兄弟には明るい未来しか無いと思いました。
その時には可畏も経験を積んで更に頼もしいパーパになっていると思うし、潤ももっと逞しくなっていると信じています。

それから最後にリアムが学園にやって来る理由にクスッとしてしまいました。ドレイクにお灸を据えるくらいに彼も逞しくなってれば良いと思いました。

10巻で一括りといってもまだまだ続くそうなので、これからも楽しみに待ちたいと思いました。

とりあえず番外編が載る「小説Charaキャラ vol.44」の販売を楽しみに待ちたいと思います。




11

ツァーリが変わるキッカケが出来たのではないかと思います

評価低いレビューが多くてびっくりしたので、久々にレビューします。
(めっちゃネタバレなので、未読の方は要注意です!)






話の流れ上、どう転んでもスッキリ大団円とはいかないですし、落としどころとしては最善だったと思います。

あのまま、ミロくんが一緒に日本で暮らしても、結局、いつまたツァーリがすべてを手に入れようとしてくるか、可畏も潤も気が気じゃない生活になると思うんです。
だからといって、ツァーリを殺してしまうのは、ミロくんの心を傷つけるので論外ですし。

ミロくんがツァーリの元に残ったからといって、可畏や潤の不安は無くならないと思いますが、私たち読者には分かることがあるのではないでしょうか。
それは、ミロくんを怪我させてしまったことで、ツァーリに起きたであろう心の変化です。

ツァーリは、愛する我が子を手に入れて歓喜したのも束の間、自分の目的のために平気でミロくんを利用するような、人の心が分からない人です。潤を苦しめることになってしまったミロくんの気持ちなんて、ちっとも顧みてません。
潤にも、愛してると言いつつ、潤の意思や感情を完全に無視して行動し、それを何とも思わない傲慢な男でした。

でも、ミロくんに大怪我をさせてしまったことで、1巻で可畏が潤を殺した(と思った)時と同じことが、ツァーリに起きたのではないでしょうか。

親に生き埋めにされ、愛に飢え、弱味を見せられず、暴力で周りを支配していた可畏。
千年の孤独を生き、恐怖で恐竜人世界を支配しているツァーリ。

ツァーリの気持ちも分かると、可畏も心中で語っていますが、ある意味、似た者同士の二人なんだと思います。

シリーズを通して、潤と出会ってからの可畏の変化が楽しみな作品でした。
潤を大事にするために自分の欲求を押し留めたり(2巻で、潤の母親の渉子さんを殺さずに、頭を下げた時は感動した~涙)、潤の気持ちを理解しようと努力したり、それでも衝動を抑えきれずに行動してしまい、後で深く落ち込んだり…。

楽観的かもしれませんが、ミロくんを怪我させてしまったツァーリの様子からすると、ミロくんが側にいることで、可畏が辿った道を、ツァーリもまた辿って行くように思います。
ミロくんは潤譲りの深い愛情を持っているようですし…。

電子版のSSで、ツァーリの元に残った理由をリュシアンに聞かれて、ミロくんがうまく言葉にできなかったシーンがありましたが、あれがまさにミロくんを象徴しているように思いました。
幼さ故に自分の心境を説明できないでいましたが、潤が可畏の孤独に寄り添ったように、ツァーリの孤独を感じ、ツァーリを癒したいと思ったのではないでしょうか。

こんな事態になった分岐点はどこだったのか、と可畏が自問自答し、過去は変えられないと自分に言い聞かせる場面がありますが、本当にそのとおりで、過去を変えられない以上、いまの時点での最善を手に入れたと思います。

潤に出会って可畏が変わっていったように、ツァーリもミロくんとの生活を通して変化し、この少し歪な家族のかたちも、幸せになるための通過点だったと思える日が来ると思っています。

11

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