• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作満月に降臨する美男

神宮寺諒太
31歳、周の上司
鵜養 周(カグヤ)
28歳、特異体質を持つ地味なリーマン

あらすじ

満月の夜に現れる、夢のように美しい男――
その麗人の正体は、地味で気弱な営業マン!?
誰もが恋するファンタジックLOVE!!

昼は地味で気弱な俺が、満月の晩だけ人を
虜にする美男に変身!? 特異体質の秘密を抱え、
しかも憧れて入った会社は倒産寸前――
万事休すな営業マンの周。そんな周が慕うのは、
経営立て直しの任に就いた上司・神宮寺だ。
大胆に辣腕を振るう一方で、俺なんかの
意見にも真摯に応えてくれる――周がほのかな
想いを抱き始めた矢先、なんと神宮寺が周の
別人格である“カグヤ”に一目惚れしてしまい!?

作品情報

作品名
満月に降臨する美男
著者
久我有加 
イラスト
柳ゆと 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010354
3.8

(32)

(9)

萌々

(12)

(10)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
123
評価数
32
平均
3.8 / 5
神率
28.1%

レビュー投稿数13

泣けた...満月の美男ファンタジーであると同時に、胸熱のお仕事もの。

はーーー...周(あまね・受)が必死に自社の看板商品
「なおちゃんのおやつ」を守ろうとする姿、読んでいて思わずほろり。。
涙しました。

満月の日のみ、誰もが振り返るような美男に姿が変わるー

そんな”狼男”ならぬ、満月の美男ファンタジーであるこちら。

久我先生の作品をこのところ立て続けに読んでいますが、
関西弁が全く出てこない作品、新鮮でした。
おなじみの関西弁はこの作品にはありませんが、
でもでも、とんでもなく深くて胸熱、骨太のお話だった…!

久我先生の書かれる年上スパダリ攻め、大好きです。

主人公・周が勤務するのは、老舗の駄菓子製造会社。
経営が危うく、傾きかけた会社を救うため入社してきた新専務が、
今作品の攻め・神宮寺です。

大胆な改革を進めながらも、周など平社員の話にも耳を傾ける。

ほのかな恋心を抱き始めた矢先、満月の夜、
周の別人格である”カグヤ”が働くバーに偶然神宮寺が訪れ、
カグヤに一目惚れしてしまったようでー

と続きます。

”満月の夜の変化”は、終わりあるもの。

この変化の終わりには、”カグヤが消える”のか?
それとも、”周”が消えてしまうのか?

カグヤにも周にも惹かれている様子の神宮寺に、
真実はバレてしまうのか?バレるとしたらいつ、どんなタイミングで?
その時の神宮寺の反応は?

と、ドキドキハラハラする要素、満載。

変化の終わりが訪れた時の、その見事な結末には
「なるほど〜!」と思わずうなりました。

濡れ場は少ないものの、最っっ高に官能的で淫らで甘くて濃厚です…!

スパダリ・神宮寺の瞳の奥に宿る情欲の炎。
カグヤとして快楽を知った体でありながら、
同時に周として何も知らないまっさらな体を持つ、新たな”周”。

そんな周の乱れ蕩ける様は、文字を追っているだけで
腰にくる描写で、読んでいる自分も足元から蕩けました..


…と!そんなファンタジー要素も、二人の恋愛模様も
とんでもなく素敵ではあるのですが!!

それより何より、先述のように老舗の駄菓子会社を舞台にした
”経営立て直し”戦略の攻防、「お仕事もの」としての面に
心を揺さぶられました。

「なおちゃんのおやつ」の製造し中止が神宮寺の口から
発表された際の、周の熱い語り。

うまく語ることはできなくても、決定を覆すことはできなくても、
その言葉から伝わってくる周の情熱、思いに胸打たれました。

と同時にまた、神宮寺の言った
「それは会社としてのアイデンティティじゃなくて、
君のアイデンティティじゃないのか」

という一言の鋭さよ...

周の一言にカッとなって出た一言とはいえ、
痛いところを突かれたー

と、周と共にぐっ、と息を呑みました。(そして悔しくてちょっと泣いた...)

二人(三人)の恋の顛末とともに、
経営立て直しに挑む駄菓子製造会社の行く末はー!?
という点でも、読み応えたっぷり、満足度五つ星!の一冊でした。

二人のその後、番外編が見たいなあ...と切に願いますが、
もうそれは叶わないのですね( ; ; )

これから先、御本を読み返して反芻しながら、
心の中で二人の”その先”に想いを馳せたいと思います。

久我有加先生、こんなにも素敵で胸熱なファンタジー×お仕事ものを
送り出ししてくださり、本当にありがとうございます・:*+.

0

なんか、もやる……でも駄菓子絡みは面白かった。

普段は地味で冴えないリーマンなのに、満月の時だけ老若男女を骨抜きにするレベルの絶世の美貌男カグヤに変身してしまうという特異体質を持つ周が主人。

ぶっちゃけ、どちらの人格も好ましいとは思えなかったんですよね……。

普段の人格・周は、特異体質を知られないため友達付き合いも避けて……という仕方ない事情を抱えているとはいえ、やたら後ろ向きで僕なんか……みたいな感じでなんかイライラさせられる。
満月ver.のカグヤは、自分の魅力に1000%の自信があるイケイケ男って感じ&入れ食い状態の俺、イケてる!みたいな感じで性にも奔放で、自信満々なところがかわいくない。

で、攻めは満月時のカグヤに一目惚れしてしまい……。



ネタバレで申し訳ないのですが。





カグヤよりも周をLOVEっていうのが、ピンとこず。

え?そこまで好きな気配あった?!
それよりあんた、めっちゃカグヤにご執心だったじゃん!!と思ってしまい。

さらにわたしが微妙だなぁと思ってしまったのが、童貞処女の周とビッチのカグヤが共存しての初エッチ。

ビッチになったりウブになったりする様子に忙しそうだなぁ……と思ってしまいました。

それと攻めに申したい。

カグヤへの想いとは決別して、周を愛したんじゃないの?

なのに、別人だと思ってたカグヤのビッチっぷりも喜んで愛でてるところがなんか嫌だなぁ…と。
これが同一人物だと事前にわかってたら、どっちも愛してるよ!も納得できるんだけど、カグヤは別人だと思ってたのに一人で二人分美味しいみたいなの、なんか嫌。

でも、零細企業の駄菓子製菓会社を立て直そうとするところは読んでて面白かったです。
小さい頃のお隣さんが駄菓子屋さんだったので、小銭を握りしめてあれこれ悩んだなぁとか思い出しました。

それとギムレットに絡んでレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」が出てきたところがあり、あの小説が好きなので嬉しかったです。


0

設定は面白いんだけど…

本当に、設定は面白いと思いますよ。でも他の方のレビューにもあるように、(特に攻めに対して)モヤモヤしてしまう人が出てくるのも仕方ないかなぁという感想です。
以下、そもそも論というか、IFだったり物語の根幹に触れてしまうので、未読の人は回れ右でお願いします。




ちゃんと伏線のように「カグヤ」という名前、「モーント」というバーの店名、と序盤にヒントを出しているのだから、攻めが自分で気づく、という展開に持っていけばよかったのにな~と思います。
でもその為には、ちゃんと満月にだけ変身するという設定を生かし、はじめは月イチ以下でしか接触出来ないだろうし、数年単位の時間が必要になるでしょう。
月イチでしか会えない「カグヤ」と、毎日仕事で接していく「周」とで攻めの気持ちが揺らいで逆転していく様を無理なく描けたと思います。
しかしそれでは「老舗駄菓子会社の再建」が間に合わなかったのだと思います。こちらは急を要する問題で、ちんたら何年も描けていられません。

なので暴論ですが、「満月に変身する男」の話と、「老舗駄菓子会社の再建」の物語を、それぞれ別の本で描けばよかったのではないかと思ってしまったのですよね。

0

ラストが…

オチについて賛否レビューが付いていますが、わかる……という感じでした。
めちゃくちゃネタバレです。



人格の統合自体は良いと思います。
ただ、統合の仕方や、その後の主人公の様子がなんとも……。

そもそも、カグヤと周が同一人物に思えないんですよね。
周りの大人たちは同一人物だと主張しているのですが、統合後の「周がベースでカグヤがちらほら」発言がもう別人認定してるよね? と思ってしまいました。

ただ、ラストにかけての、カグヤっぽい発言をしてしまう周とか、周の仕事について考えてしまうカグヤとか、二人が少しずつ近付いて行くところは良かったです。
もう一人の自分を受け入れる流れになるんだろうなぁと思いました。
が、最後の最後にバチバチッと一瞬で混ざりあってしまうんですよ……。
しかも性格がめちゃくちゃカグヤに引っ張られてる。

相手の男も、見た目はカグヤに一目惚れをしたけど、周の心根に惚れて周に告白したんですよね……? それで良いのか……?

もっとじわじわ歩み寄って(実際そんな流れだった)、いつの間にか一つになっていたら受け入れられたと思います。
これを受け入れられるか否かで周と付き合えるか否かが変わるのかもしれませんが(笑)

2

着地点に言いたいことはあるけど

お話の設定や完成度や着地点は神です。
読み終わった直後の今、着地点に混乱しており素直に良かったね〜!と言えない状態です。

タイトルとイラストに怯まずぜひ読んでほしい作品です。それだけは確かです。

両極端な周とカグヤ。足したらちょうどいいのに…と思ってました。

本当に一冊読み応えがありハラハラドキドキとともに、周の切なさや変化にどうなっていくの?とグイグイと読めました。
周の特殊な設定とそのせいでの今の人格。でも新しい上司の神宮寺はちゃんと認めてくれて。こんなにイケメンでモデルか俳優みたいなハイスペエリートなのに。
だけどカグヤに出会った彼は…。

最後の着地点がやはり気になって。
神宮寺の言い分に納得はするけど、うーん。なのと周とカグヤのその後もうーん。
さらにエッチも、うーん。

会社の立て直しや国民のおやつや駄菓子屋の存在意義などもとっても良かったです。
人情的な部分や都会的な部分も、色々盛りだくさんでした。

着地点について言いたいことがあるけど、それを言うとネタバレになってしまうので書けません。でも言いたい…。

0

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP