【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
積んでいてやっと読めました。
相変わらずな2人ではあるけれど、やはり少しずつ変化はあって。望む望まないは別として。その辺の描かれ方にリアリティを感じます。
一緒にいられればそれでいい、いつまで一緒にいられるのか、何かがあった時2人の関係はどうなるのか…日常の中で降りかかってくることがある。それを慎也と春彦がそれぞれの立場で考えるのがおもしろいです。
コロナ禍で春彦が慎也(漫画家)の日々の過ごし方を見て不規則な仕事の仕方が良くないと思うのが意外でした。あれだけのオタクで漫画家をリスペクトしているなら理解がありそうだと思ったのですが、パートナーとして見るとまた違うんですかね。
恋愛ではあるけれど、ずっと生活を描いているような作品ですもんね。
東野が彼をひたすら待ち、来てと言われたら死ぬ気で休暇を取り会いに行く…健気でめっちゃ応援したくなりました(前作からそうですが)。
その東野と彼が指輪を交換して式や披露宴まであげて本当によかった。
家族のことや世間体などにとらわれず開き直ることができてよかったと心から思いました。
「話せば長いふたりの話」その後を描いた番外編同人誌に加筆修正して一冊になったもの。
いわゆる続編ではなくて、一つ一つの短いエピソードとか、野々宮の同僚ゲイ・東野さんのスピンオフ的ストーリーも収録されています。
中には絵柄がラフなものもあったり、同人誌らしさ満載。
元の「話せば長い〜」は別れ話を切り出すところからスタートしたけど、もはや同居のペースもつかみ、ラブは充実しています。
そこからの、出会いの頃を思い出したり、これからの人生をぼんやり考えたり。
ハルが怪我して一気にパートナーシップのこと考えたり。
…と、この2人はほのぼのしてます。
それより、こっちで注目なのは東野さんの恋愛事情。
お相手は世界を飛び回って東野さんを孤独に待たせてる年下カメラマンの西村さん。
タワマンにネコ2匹と静かに暮らす東野さん。ちょっと可哀想。
でも愛があるから覚悟しちゃってるのかな。
西村さんの方も愛はしっかりあるんですけどね。
何より、お2人はリバなんですって!最高‼︎
そして、後半はコロナ禍が背景となった日常の描写。
西村さんは海外に行けず、ハルは在宅でテレワーク。
パーティも食事会もみんな延期、ソーシャルディスタンス。
そうだったね〜、2020〜21年は。
…って笑って言える人もまだ言えない人もいるだろう2024年ですが、確かに好きな人とは一緒にいたいよね。
攻めも受けもかっこよすぎない、良い意味でとても現実味のある2人の日常をまた読めてとても楽しかったです。漫画家だけどまだ売れているわけではない慎也。証券会社勤めのエリートだけど、家にはフィギュアやエロ漫画がたくさんあって、垢抜けないオタクのハル。お互いのことは大好きだけど、生活リズムやお金のかけ方がまったく異なることで喧嘩になることもしばしば。そういう相手と合わない所もひっくるめて好きでいられる、理想のカップルだなぁと思います。ハルの同僚の東野も、フッ軽な恋人の愚痴を言いながらもなんだかんだ相思相愛で、こういう関係も素敵ですね。
日常系BLなのかな。
めくるめく恋愛やセックス中心ではないし、大きな出来事や事件もなければ、ふたりの間のスパイスになる当て馬もいない。ただそれだけの話だけど、だからこそほんわかと幸せに浸れる物語です。
でも実際はわたしたちと同じようにちょっとしたことに思い悩みながら生活をしているんですよね。
オタクのあるあるも読んでいて楽しいし、同僚のハイスぺ生活もおもしろい。
隣に住んでいそう。友達になれそう。そんな人たちの生活を覗かせてもらっている感じです。
BLだけでなく、漫画やエンタメ作品になかなか取り上げづらいこのご時世、コロナ禍でのふたりの話も読めます。
ああ、わたしたちはふたりと共に生きているんだと嬉しくなります。
数年後に読み返したときに「あんなこともあったなぁ」とふたりの話と自分の話が思い出される素敵な作品です。
