イラストあり・電子限定ショートストーリーつき
この本をよんでいるうちに、先日経験したわたくしごとを思い出しちゃったんで、まずそれについて書きたいんです。前置き的な部分が長くなっちゃうんですけど。
私、お仕事がらみで、利害の異なるAとBの間を仲裁、と言うか、調整をしなきゃならない事になりました。で、先日Aの人と『それぞれの言い分をどこまで妥協できるのか』というお話をしている際に『勝ち・負け』という言葉が口から出ちゃったんですね。『妥協する点の多い方が負けで、少ない方が勝ち』っていう意味だったんですけれど。そしたらAの人から「Fさん、仕事は勝ち負けじゃあありませんから」と苦笑されちゃったんです。
「いや、勝ち負けだよ」ってあたしは思うんです。
口には出しませんがね、大人なんで。
「人生のほとんどが勝ち負けで説明できるんだよ」って。
そんな私は、このお話の明臣に激しく共感しちゃうんですよ。
相手に惚れさせたい。
相手が大したやつであればあるほど勝ちたいから。
明臣も英汰も大企業の御曹司。
生まれ育ちが良いだけではなく努力家で、コミュ力も半端ない。
で、自分の力を自覚している。
だからこそ『努力と勝利が合言葉』なんです。
勝たねばならんのです!
ふたりの意地の張り合いがとてつもない可笑しみを生み出すことや、最終的に子どもたちの機転で元鞘に納まるなど、古き良きアメリカンコメディを踏襲しているなぁ、と思います。読んでいてとても楽しいし、笑える。
それだけじゃなくて、私、笑いながら結構考えちゃったりもしたんですよ。
ジェンダーについて、考えたのね。
なんでそんなことを考えたかと言えば、やっぱり男性同士だから。
『受ける』方が『守られる者』という常識が、この物語世界の中でも存在しているんです。
明臣は英汰に守られたい訳じゃない。
でも、アルファがリーダーの特性を持つ者ならば「守りたいのだろうな」と察することができるほど、明臣は聡明なのです。お話の途中で「華奢なオメガの方が良いのかな?」なんて思ったりもして、傷ついたりもします。
でもそんな弱気を自分の矜持で振り払い、突進し続ける明臣……
これはある意味、いじらしいよ。
常識が求めるものとは違った意味で、可愛いよ。
そして最後に気づくのは「この人になら負けてもいい(ただし、時々)」。
これって『愛の発見』ってことだよね。
強気受けがお上手なアクタさんにピッタリのお話だと思いました。
いやー、面白かった。
はじめましての作者さんです。
なんというこじらせ。
あとがきにあるように、何度も「おまえらもっと話し合えよ」と言いたかったか。
明臣、まず父の言葉をちゃんと最後まで聞きなさいよ。曲解しちゃってその後の人生ものすごく遠回りしてからに。
高すぎるプライドに素直になれず、英汰相手に勝手にどんどん可愛さ余って憎さ百倍になって。
英汰、ちゃんと伝えなさいよ。こちらも言葉足らずというか、つまりそういうことなんだよみたいに省略しちゃって。
こじらせて言葉も足りず新婚初夜や二人目の妊娠出産の場面は見ていて辛かったです。
なぜ明臣はそこまで破滅へ突っ走るのか。臆病でプライドが高くて仕方ないなあ。
子供たちがとっても可愛くてキューピットで。
冒頭のオメガに終盤に引っ掻き回される事件も必要でしたね。
もう明臣が意地を張って。確かにエベレストのようなプライドを持つ資格があるんですがねえ。英汰も努力の仕方が本人に伝わってなくて伝える気もなくて。
もうこれからはちゃんと仲良くしてね!
オメガ受けが弱々しくなくて、子煩悩で、意地っ張りのこじらせまくりで新鮮でした。
外商の杉田さん!どこまで仕事するの!
優しいオメガバースの世界でした。
初読み作家。
すれ違いの積み重ねで、お互い素直になれない。
利口な娘が鎹になって、再婚させようと頑張る。
頭が良いけど、性格がどこか幼くて親になり切れないオメガの明臣。
表に出さないけど、明臣に振られたトラウマ持ちのアルファの英汰。
考えすぎて、妄想に振り回されて、すれ違う二人が凄く面白かった。
あんまり面白かったので、他の作品も読んでみたいと思うほど。
あらすじ的にケンカップルか???と思いきや、攻めは受けにベタ惚れで受けはプライドの高いツンデレな両片思いカップルだった。
攻めが「受けは自分を好きじゃない」を前提に行動していたり気を遣いすぎて全部が空回りしたり誤解に繋がっていくのがもはやコントだった。
お互いに初恋で一途に童貞同士だったのに本当に焦れったい道のりでした。
スパダリアルファが初夜まで童貞なの萌えますね。
初デートで童貞には刺激が強いとか言って湯上りの受けが直視できなくなってる攻めが可愛かった。
やっとこさ思いが通じ合った時に二人して顔をくしゃくしゃにして泣きながら抱き合ってるシーンも良かった。思いが通じて泣く攻めが性癖なのでたすかる。
運命の番で結婚して子供も二人もいるのに両片思いの末離婚してしまう二人
ある意味タイトルまんまの二人が出会い結婚して分かれて再び結ばれるまで
本人も周囲もアルファと思って育っていていたのに突如Ωだと判明する
…と言うのはある意味よくあるパターンだと思うんですが
このお話でちょっと違うのがこのアルファだと思っていたΩ君は大人になってもほぼアルファ的能力と外見を保っていると言うこと
これは斬新でとてもよかったです
また永遠に繰り返される両片思いのすれ違いも
オメガ君がなかなかすごいいじっぱりなんですが
それは彼がオメガであると知らされた時オメガだけどアルファには負けないと言う矜持を強く持ち
その意思を持ち続けているからこその意地の張り方だったり鈍感さだったりするので
ちょっと鈍感すぎるところも目を瞑ってあげます(鈍感と繰り返したくなるくらい鈍感君です)
アルファはアルファで全力でオメガを愛しているのにこっちは言葉が足りない
でもオメガな彼を人として敬っているからこそ
一途に相手を想っているからこその言葉なのでこっちも仕方ないんですけど通じない!
というか言葉足りなすぎる!
どこまですれ違うのかを楽しむがこの本の楽しみ方かもしれません
そして攻✖️攻的なお話が好きな方にもお勧めいたします
個人的にはαだと思っていたのにΩと知った時のΩの父の言葉と態度が秀逸だったと思います
又子育てものの親ができた親で子もできた子というパターンが苦手なんですが
こちらは親が子に愛は有るけど子の方がしっかりしているというところも良く
子育てものが苦手な私も嫌味なく読めました
個人的にはご飯のことを知ってショックを受けるアルファの件が好きです
きゅんきゅん
ギュンギュンというより楽しさが上回ったのでこの評価にさせていただきました
面白かったです