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『背中を預けるには』 待望の番外編集が登場!
『背中を預けるには』では、グラヴィスとレオリーノの物語の脇役であったたくさんの男たちも、この番外編集ではそれぞれが主人公のポジション。本編では語り尽くせていなかった、別の角度からアプローチする『背中を預けるには』の世界を思いっきり堪能しました( ´∀`)
『背中を預けるには』本編もなかなかに緻密な描写でしたが、なるほど。本編の3巻のボリュームで、全てを分かった気でいたのは私の完全なる思い違いでした。読めば、既に読み終わったはずの本編をまた読み返してみたくなる一冊です。
戦いが全て終わった現在の平和な世界となり、もう危険とは無縁な世の中になったはずなのに、今を生きる者たちの背景には、未だしっかりとあのときの壮大な戦いの過去が見え隠れしています。
過去があって未来がある。過去をしっかりと受け止め、今を生きる者としての務めを最大限に果たそうとする男達は、別の意味での戦いに向けて歩み出している……そんな思いのする読後感でした。
基本的には、物語のその後…アフターストーリー的な意味合いの強い番外編集ですが、この物語に深く関わる主要脇役たちの視点から語られるエピソードの集合体となっており、人物紹介としての意味合いも強いです。
グラヴィスとレオリーノに対する様々な思いがそれぞれの立場から語られていると同時に、また驚きの新事実公表の場として、楽しさやワクワク感の強い内容ばかりでした。レオリーノに求愛していたユリアンはどうしただろうかと思っていたら、そこにもバッチリ触れていましたし、ヨセフのルーカスへの想いも掘り下げられていました。
が、ヨセフに関してはディルクも無関係じゃないみたいだし、というかテオドール……あのお堅い侍従の恋愛エピソードが、めちゃくちゃ濃いぃ。。。主人公の2人よりテオドールの存在感が際立っていました。相手はあの人とは、驚きです。
みんな近いところで恋愛フラグ立ちまくりで、なんというか……全員集まるとカップル大集結になってる和気藹々感がホッコリ。
これが平和か……( ´∀`) なんと素晴らしい世の中になったものだと、胸に込み上げる多幸感に浸り続けました。
個人的には、レオリーノの溺愛兄たちのエピソードがツボ。それにプラスして、父のエピソードが加われば最強です。ここん家の家族の話が面白すぎて、大貴族なのに貴族貴族してない親しみやすさがとても素敵で好印象しかなかったです。
愛する者が隣にいて、信頼できる侍従や仲間や家族に見守られながら日々を過ごしているのだなと思うと、これから先レオリーノの幸せはほぼ約束されたも同然でしょう。
終始嫌な気持ちにならずに読める番外編集、めちゃんこ最高でした!
外伝も楽しみです。
人物紹介に載っている脇キャラ全員分の個別ストーリーが載っていてびっくりしました!
▼ブルングウルト協奏曲
ヨセフの傷、レオリーノを守っての名誉の負傷というのは分かっていましたが、まさか8歳にして長兄オリアーノより戦えて俊敏で大人2人殺していたとは思っていなくて。想像を超える強さ...!
甥っ子に会いに行くお話は、グラヴィスのレオリーノ過保護甘やかしっぷりに拍車がかかっている様子が伺えた。
またレオリーノを失うかもしれない不安が過保護にさせているらしいのですが、可愛くて仕方ない様子が溢れていて、2人が幸せそうで何より。
甥っ子と初対面したレオリーノの様子にデジャブがすごいぞと思っていたら、エリナが「カシュー家は兄弟子供のことになると、少しおかしくなりますの」と言っていて噴いたww
▼運命の男達
・エッボの話
彼、世帯を持っていたんですね...優しくていい男なので内面をきちんと見れる女性と幸せなご縁があったことが嬉しかった。
でも、失くしてばかりの人生で...隊長隊長とイオニアとレオリーノを慕う意味がこのお話を読んで理解出来た気がします。おかえりなさい。
・マルツェルの視点の話
グラヴィスとイオニアをどうしたらいいのか分からなくなり王妃に訴えてしまった結果、山岳部隊に派遣させることとなりイオニアを死なせてしまったテオドールと、傍観してしまったマルツェル。
あれ?マルツェルとテオドールってデキてたっけ??
・カイルの話
カイルの能力と自分の出生の記憶についてのお話。
手袋を常に付けている時点で発動条件は素手なのかな?と思ってたけど、小さい頃は無条件に色んな記憶を見せられて嫌な物を見てしまっていたということで想像以上に可哀想だったし、大きくなって色々理解できるようになってからは更に辛い目にあう重苦しい立ち位置で...いつかカイルに幸せが見つかるといいな。
・アウグストの話
レオリーノが嫁いでしまいマイアに嘆き続けていたアウグスト。
そこに突然レオリーノが現れる。
アウグストのキャラ崩壊が加速してる気が。笑
密約の上でカイルを王にしたはいいけど、この先どうするんだろう?という読者の疑問に少し答えをくれるお話でした。
そして、カシュー家及びブルングウルト側もグラヴィスの知らない秘蜜を持っている様子で......ファノーレンの箍ってなんでしょう。気になる....!
・サーシャの話
美人との噂だったサーシャの妻サラが訪問。
あのレオリーノでさえ口をぽかんとさせて惚ける程の絶世の美女だそうで!
サラがサーシャのことを「人間に興味がない夫」と言っていたのには驚いた。
医療で沢山の人を救ってきたし、温和で面食いでレオリーノに甘いお茶目な人って印象で、サラのことだって、美人だと惚気ける愛妻家、人に興味がない認識が私には全然なくて。
既成事実を作られてから今のように変わったってことなのかな?
・テオドールの話
学生時代を懐かしむ面々での酒の席。テオドールがレオリーノに丸くなっていて感慨深い。
エッッやっぱりマルツェルとテオドール想いあってた…!!本編でも語られてましたっけ?!
・フンデルトの話
「ヴィーのプフラウムの実を吸わせてください」「...…なんだと?」に笑ってしまったwww
・キリオスの話
美しくて希少なものが大好きなキリオスは純粋な賞賛でレオリーノの美貌を褒め称えていたのだが、護衛役をクビにしろと指示されてしまい一一一。
相変わらず個性的で憎めないキャラ。
・ユリアンの話
記憶を操られてレオリーノを襲ったあの日から正気に戻って冷静になっているのかなと思ったら、未だに熱烈に愛してた。
きっと死ぬまでレオリーノが胸の中に居続けるんでしょうね...。
・ヨセフの話
ツヴァイリンクでの戦いの裏側、ヨセフとルーカスサイドの様子が伺える。ヨセフってちょっとイオニアと通ずるところがあるんだよなぁ...ルカヨセコンビなんかいいなぁ~と読んでいたら…エッッ!本当に?!?
ヨセフの恋が始まった!!
・ディルクの話
実家の両親の元にレオリーノを連れていく。イオニアであることを告白するのはやめたけど、暁の光が差す菫色の目を見たら察してくれるんじゃないかと思った通り...読んでいて目頭が熱くなった。
ディルクはやっぱりヨセフが好きな様子。ヨセフがルーカスに恋してることにも気づいていた。
多角関係大好物!
・ルーカスの話
ヨセフの初恋が始まったと思ったら速攻でへし折り案件。恋の終わりを受け入れないといけないのだから養子になんてなりたくないよね。
でも、レオリーノを傍で守ると誓ってるのも本心で絶賛葛藤中。
そんなことは知りもしないルーカスはヨセフの態度を訳が分からんという様子で、変わらずイオニアに心を捧げてる。
なんて苦い初恋だ…。
▼ベルグント夜想曲
ベルグント兄弟のモテっぷり。
イオニアが赤毛と暁の光が差す菫色の目と綺麗に筋肉の付いたしなやかな体から醸し出す色気で人を惹きつけるというのは今までもよく出てきたけど、そもそも顔が整ってるんだよ!と。
いくら目の色と髪も色が鮮やかでも顔の作りが並だったらここまでにはならないし色気がダダ漏れたりもしない!
よく似た顔のディルクも、性技がきっかけかもしれないけどそもそも容姿がいいと思う!
▼宰相と侍従
マルツェル×テオドールの19年越しの成就の睦愛がそれはもうガッツリと!レオリーノとグラヴィスの濡れ場以上のボリュームで!
テオドールってクーデレならぬクーめそだったのか!しかもMだったのか...!(理由に納得)
そしてマルツェルは紳士で優しいけどSだった…そうだったのかーっっ!!!
SはサドでありサービスのS...なんという性癖の合致。
そして電撃婚……!
色々衝撃のWギャップイケおじアダルディカプでした。
背中シリーズ本編3冊が半端では無いほどシリアス炸裂。
こちらは、イオニアやレオリーノに関わる男たち目線や、抱腹絶倒ものも。
にしても、レオリーノの父親、兄3人はとてもレオリーノを過保護すぎます。
父親アウグストはレオリーノの良き父親。しかしながら、レオリーノの母親マイアには尻に敷かれています。
レオリーノとグラヴィスの婚礼については、未だに大反対したり、兄たちまで職務放棄してでも、ブルングウルトに戻る、と言い出す始末。
レオリーノが可愛い余りに・・・
あと、レオリーノの側近フンデルトたちに夜伽の方法を聞いたり・・・本当に笑います(笑)
『ブルングウルト協奏曲』はブルングウルト家の男達のレオリーノに対するそれぞれの溺愛っぷりが面白くて終始笑ってしまいました。
次兄ヨーハンがレオリーノ過激派と書かれていましたが、レオリーノの家族はもれなくみんな過激派に見えました(笑)
『運命の男達』ではエッボの異能持ち故の悲しい過去の出来事がとても切なくて、11歳のエッボが誰も責めず素直に現実を受け入れる姿が健気すぎて思わず抱きしめてあげたくなってしまいました。
王太子カイルの過去のお話もとても胸が苦しくて、いつかなんの憂いもなく自由に生きられるようになって欲しいと心から祈ってしまいました。
サーシャの妻サラとレオリーノの伴侶愚痴大会にドギマギする周囲の男達の描写や、閨事に熱心なレオリーノに猥談を持ち掛けられ狼狽えるフンデルトとエミリヒのお話は本当に可笑しくてクスクス笑いながら楽しみました(笑)
『宰相と侍従』では、テオドールとマルツェルの濃厚なお話がとても読みごたえがあって、甘いシーンもレオリーノとグラヴィスとは違った大人な絡みが面白く、まさか結婚まで話がいくと思っていなかったので予想外の展開に驚きました。
イオニアとグラヴィスへの罪の意識を抱えた者同士の想いが19年越しに溶け合い解放されこれからも一緒に背負っていく誓いにはとても心を揺さぶられました。
本編でも魅力的だった他キャラクター達のそれぞれの人生や想いを新たに深く知ることができて、ますますみんなのことが愛おしく大好きになりました。
せなあずの世界観を更に深く楽しみたい人には大満足な番外編だと思います。
もう一つ番外編もでているようなので、急いでそちらも読みたいと思います!
レオリーノとグラヴィス、レオリーノの家族、グラヴィスとレオリーノに仕える人達、王と王太子…色んな登場人物を掘り下げた本編前後のお話達。笑えるお話や、辛く苦しいお話まで、バラエティ豊かに楽しめます。
1.ブルングウルト協奏曲 レオリーノとグラヴィスの結婚に関するレオリーノの家族達のてんやわんやなお話。ひとりひとりに焦点が当たってるので、父上母上兄上全員好きな私には嬉しい楽しいお話でした!
2.運命の男達 エッボ、マルツェル、カイル王太子、父上、サーシャ先生、テオドール、フンデルト、キリオス、ユリアン様、ヨセフ、ディルク、ルーカス、それぞれひとりひとりに焦点を当てたお話。
ユリアン様、カイルさまは可哀想で辛い…。幸せになって欲しい。お気に入りはフンデルト。老侍従とレオリーノが可愛いです…!サーシャ先生も可愛い。グラヴィス殿下の珍しい照れが見れます!
3.ベルグンド夜想曲 イオニア達の可愛いけれど、ちょっと寂しい雰囲気のお話達です。イオニアの学生時代のお話がもっと読みたくなりました。
4.宰相と侍従 テオドールとマルツェルの話。
アダルトなカップルにめっちゃ萌えました…!穏やかで聡明なのに意地悪Sなマルツェルと、普段はピシッとしているのに対マルツェルには上手く転がされちゃうMなテオドール。罪悪感と赦しのお話なのですが、2人の関係の変化とマルツェルの手口とえっちにひゃー!と悶えました…!1番好きなお話です。この2人で一冊欲しい…!
あと、各キャラの年齢身長などのプロフィールが載っているのですが、男性のみです。母上も欲しかったなー。全体的に全員身長高い!そしてレオリーノの秘密(ではないのか?)がさらっと書かれていました。なるほど!そういう事だったのか!とびっくり。本編ファンの方には是非読んでいただきたいです!