おまけ付きRenta!限定版
コロナ禍真っ最中に描かれた作品ということで、当時の世情が色濃く反映されていました。たった数年前はこんな世の中でしたね。マスクを外せる日が再び来るのかどうか、不安だった。気軽に友人を誘って遠出できないことがストレスだった。飲食店が潰れたり、政府や客の要求に右往左往したりするのを見るのが辛かった。私たち、本当によく耐えました。
バーを切り盛りする響と、客として通い始めた尚人、そして、バーのオーナー征司。三角関係ではあるけれど、響と征司がお互い深く干渉しない関係性なのは最初から見てとれて、尚人が入ってきてもこれからどうするんだろう、という不安や背徳感は一切ありませんでした。ほぼ恋人だけど、相手が別の人に惚れたらすぐ解放してあげられることを互いに悟っている、ふわふわとした関係性。一方、本人たちもそうだと思うけれど、尚人と響の相性がよいことは初期の段階で直感でき、この2人はそういう仲になるのが自然だろうと思わせてくれるんです。一穂先生の繊細なプロットやキャラ作りに、ymz先生の絵がしっかりハマったからでしょうね。こういう作品は貴重です。コロナ禍の窮屈な日々の中で、あとは2人が収まるべきところに収まるのをただ静かに見守っていたような気持ちでした。読んでいて心地のいい作品でした。
今思い返すとあの頃はそうだったよな…としみじみ思います。
お仕事状況や生活も変わり大変でしたよね。
みんな切羽詰まってました。
バーの雇われ店長の響。
オーナーの征司の「愛人」って、恋人じゃないの?どう違うの?既婚者?その辺が分からないままでした。
常連客の尚人がこんな時期でも1人でお店に通ってくれて。
彼の目力や言葉に色々ハッとさせられる響。
征司のことが好きなのか愛人の義務感なのか最初から曖昧な感じで。そんなところに尚人がズイッと華麗に割り込んで来て…。
あんな曖昧な尚人の言葉で愛人やめちゃって大丈夫なの?とも思いましたが、違うんでしょうね。自分でやらなきゃいけないことをやってもらってきたり、考え方が違ったり。
いつか来る日が来たってことでしょうか?
みんな価値観の違いとか倫理観や正義感のズレがパンデミックで浮き彫りになったのかな。
コロナのせいで誰もが行き場のない気持ちを抱えて生きていたど真ん中の頃のお話で、
作品の登場人物たちがそれぞれに現実と向き合いながら暮らしている様子がとてもリアルだったなと思います。
響は恋人がいるけれどバーの常連・観月と仲良くなっていきやがて気持ちが傾いていくような展開になるけれど、そこには三角関係的なドロドロはなくて。
ままならなくなった日常を真っ直ぐに進んだ先に待っていた、淡々とした答えだったように思いました。
そもそも征司と響の関係は恋人同士ですがお互いに深くまで踏み込めていないのかな?という距離がはじめからあった気がして。
その正体が一体なんだったのかハッキリとはわからなかったけれども、観月と関わっていくうちに動いた響の心がすべての結果だったのかな、と。
自然にできた歪は誰も責めることができないのがなんだか悲しかったです。
恋愛の部分も印象的ではあったのですが、あの頃の鬱々とした日々を思い出す場面がたくさんあってとても苦しくなってしまったけれど。
一番大変だった日々を乗り越えられた彼らが幸せでいてくれたらいいなと願ってしまうような作品でした。
バー「ブルーモーメント」の店長の多田響(30歳・受け)、バーの常連客で明るいワンコ系の観月尚人(28歳・攻め)、バーのオーナーで合理主義な日比谷征司(40台・攻め)の3人の、近づくことをためらう世の中で、今、誰を想うかを考える、切ないトライアングルラブです。ちなみに、響と征司は5年来のイイ関係にあります。
参考までに書くと、コロナ禍(2020年辺り?)の世の中の様子や心情がしっかり描かれています。
今作は三角関係ということで、結末は言わないように感想を書こうと思います。
28歳と30歳と40代の三人なのですが、恋愛面で激しい修羅場になったりとかにはならず、それぞれがいい意味でも悪い意味でも大人で、考えて行動をしていたと思います。むしろ、距離や立ち位置を理解しているからこそ身動きが取れない、そんなはがゆさがありました。
そして、三人ともそれぞれに個別にしんどいことが起こるのですが、その時、誰といたいのか、誰を思うのか、それぞれがそれぞれに対する心の距離や体の距離、そのままならない変化を感じました。
響が一緒にいたいのは
5年来の付き合いで会えば甘えさせてくれる、中々会えない恩人でもある年上オーナーの征司か
最近どんどん気になる存在になってくる、年下のバーの常連の尚人か
三角関係にピリオドを打った彼のあのセリフが、とても印象的で切なくて大好きでした。そして巻末の小説の後日談がじんわり心に染みました。
実は作中では「新型コロナウィルス」という病名は1度も登場していないんです。でも、2022年を生きている私たちは、冒頭の数ページ、何なら1ページ目を読むだけですぐに「コロナ禍」を思い浮かべることができるんです。でも、このレビューを書いている今でさえ、作中とは状況が大きく変わっていることからもわかるように、この感覚は、段々ずれが出てくると思うんです。だからこそ、5年後、10年後とかに読んだら、また違う感想、印象を抱けそうなお話だな、と思いました。
もしかしたら、あまりに現在進行形過ぎて、共感しすぎて辛くなるかもしれない、と、不安を胸にドキドキしながら読みました。
現実逃避には向かないかもですが、私的には、今、読めて良かったと思える作品です。
分冊で読んでたにも関わらず紙本買ったのですが、値段高くて吃驚しました。
最近はこういうのをテーマにしていなくてもマスクをしている漫画多いので、今作が特別という感じも無くなりました。
収束したと思ったらまた感染者が増えるの繰り返しなので、もうパンデミック以前を思い出せなくなりつつあります。
個人的になりますが今回のコロナ流行で一番人生観が変わりました、幸い自分はそこまで生活に大きな影響は出なかったのですがそうでも無かった方も多い。
人々の表情や外出時の空気が目に見えて変わっていって、今作でそれを追体験してやや辛い。