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動物、植物、人間ではない者などがたくさん描かれた作品でした。どれも美しくて眺めているだけで嬉しくなりました。
終戦後の日本の時代設定なのに、言葉を話せるカエルやこの世の者ではなさそうな托鉢僧が出てきたりします。子供の頃に読んだ海外の童話のように、現実と空想の世界が入り混じっています。主人公達に何か悪い事が起きたり、攻めが受けを虐めるというネガティブなお話では無いので読みやすかったです。
二人に共通するのは戦時下に求められる活躍を出来ず、生き残ってしまったことに申し訳ない気持ちを持ち続けていること。
戦争の悲しい部分を可愛いファンタジーで包み、悲惨さを感じさせないARUKU先生ならではの作品です。
比較的最近の(と言っても2022年12月)ARUKUさん著作なのに意外とレビュー数が少なく、それに反して神判定率がやけに高いのが気になり、手に取りました。
他著作と比べて少し読むのに時間がかかってしまいましたが、読んで良かったです。
告白シーンとタイトル回収でとても感動しました。
<良かった点>
・主人公(受け)がめちゃくちゃ良い子なんですよ・・・。
初給料のたい焼き8匹中、7匹を近所の人たちにあげて、残った1匹を2人で分けるのに頭の方を相手にあげるような子です。
読んでて本当に心が洗われました。桃里くん、ありがとう。
・猫とカエルが可愛い。
<モヤった点>
・最初、庭で起こる不思議な現象は脳障害による妄想や幻覚?と思ったんですよ。
ところが、結局これはファンタジーですか?原因は分からないままでした。そこはハッキリしてほしかったな・・・。
・名前が個性的すぎて感情移入しにくく、なおかつ記憶に定着しにくい。
(なんかサラスパが食べたくなったし、名前見るたびに鳥羽に空目してしまい、○郎さんの顔が浮かんでしまう)
・受けが女性っぽくて、「ぷう」とか「すん」とかちょいちょい言動がぶりっ子なのがイヤ。
でも男女だったら成り立たないストーリーなのでおまけの☆4です。
知らない単語がたくさん出てきて勉強になりましたし、白という漢字の成り立ちも知れました。
相変わらずBLってためになるわぁ…。
剣吞(けんのん)でゆうきまさみさんを思い出したのは私だけではないはずw
創作行為や生きていくことそのものに対する元気と勇気をもらえました。
これからも必死にあがいていこうと思えるような、そんな作品。
あなたも私も、皆この世に生を受けたのには必ず意味がある。
大竹直子さんの「蒼究の十字架」を思い出しました。
色彩豊かで美しいです。
本編はモノクロですが、果物、葉っぱ、青空、虹、花、虹羹、絵の具、夜空、月、炎、血…などの描写から多彩な色が見えてくる気がしました。
戦後、生き残った者同士が惹かれ、躊躇や葛藤ありながら少しずつ距離を縮めていく。
桃里が絵を描く楽しみと自立を両立させようとし、桃里を全面支援したい烏羽はそれを押さえられつつ力になろうとする。
そんな日常の中、豊かな庭で起こる不思議な出来事と2人の恋が重ねて描かれていくのがよかったです。
2人の出会いも感動的でした。
役に立てなかった命、この先どう生きていったらいいのか。
桃里が兵隊さんを毎日励ます姿がやさしくて。
烏羽はさぞうれしく生きる力をもらえただろうなとわかりました。桃里に恩返ししたくなるのは当然だなと。
桃里の戦死した友人の
「描いてくれよ この世界は命と引き換えに守る価値があったと思える絵を」
は重い言葉ですね。
たくさんの命によって守られた世界。
それを描く。
桃里には使命ができたし、烏羽は全面支援しなきゃとなるし、色彩豊かにもなる。タイトルにも説得力が出る。
床下や蛙が喋ったり、不気味なお坊さん、伯母さんの幽霊、庭が海になったり、不思議なことが起こる屋敷。
烏羽と桃里は実は死んでいて、あっちの世界の出来事なのかと思いましたが、そうではなく
2人が戦死した人たちとつながっているから、あの世のものが表れるのではないかなと感じました。
あの世とつながっているから桃里のキラキラが物質化して烏羽に当たるのかもしれませんね。そう思うと楽しい(余談ですが、来迎図や極楽浄土は極彩色で金銀珠玉が散りばめられているそう。金と銀!)
桃里「愛されてる感じがして嬉しいから泣かないよう 笑っちゃうんだよ」と泣いている ← かわいい
烏羽 "激きゅん" ← かわいい
2人ともかわいい。
出会えてよかった、一緒になれてよかった、ずっと一緒に生きて下さい、と思いました。
ちなみに、烏羽が無愛想、無口、男前で好きなタイプなのでより楽しかったです。
烏羽の黒(紺?)の浴衣姿が似合うし、ヘキなのでたいへん喜びました。ありがとうございます。
戦後間もない時代、青年実業家×画学生だったが肺病を患って病院にいた身寄りのない青年とのお話。ファンタジー要素もあり。
個人的に、肺病で学徒動員に行けず、病院で療養し生き延びた受けが、学徒動員に行って亡くなってしまった同級生たちとお盆で再会し、絵を一緒に描こうよって誘われるシーンに、全まりあげはが泣きました。(全米が泣いた風に…)
あと戦火で助けられなかった伯母さんと家の階段ですれ違ったシーンでも(全まりあげはが、以下略)。
もしかして2人亡くなってる設定かと思ったけど、そうじゃないっぽい不思議で可愛い感じがARUKU先生って感じでよかった…(目尻を拭いながら)
やっぱりARUKU先生の世界観…最高すぎる。
好き…♡
戦後間もない日本が舞台のお話ですが、床下や蛙が喋ったり、庭が別次元に繋がったりする等のファンタジー要素もあります。
血や怪我、戦争で人が亡くなる描写もありますので苦手な方はご注意下さい。
身寄りのない桃里に烏羽が住む家と金を用意してくれるところからお話が始まります。
烏羽が何故桃里を支援するのかは終盤になるまで明かされません。
この理由を知ってからもう一度読み返すと烏羽の桃里への底知れない愛を感じて感慨深いです。
死と隣り合わせだった二人がこれからを生きていくハッピーエンドで、とても良いお話でした。
局部はほぼ描かれていない作風のため、修正もないです。
夢魔の悪戯で行われた烏羽と猫の桃里のえっちがとてもえっちでした。
本物の桃里とのえっちは桃里が笑うのであまり色気を感じませんでした。
どきん、ごくんといったオノマトペが吹き出しになっていたので、慣れるまで戸惑いました。
キャラのセリフに違和感を感じるところがあったのは残念でした。