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表題作セラピストは眠れない

代理出張ホスト:外村泰地
歯医者が苦手:碓氷志乃

あらすじ

外村泰地が代役を頼まれた仕事は出張ホスト。
渋々出向いた先には整った顔立ちをした年上の男・碓氷志乃が待っていた。
外村は碓氷に値踏みされ務めを果たすよう命じられるが、役に立たないうえに説教までして怒らせてしまう。
しかしなぜか専属契約まで結ぶことに。
外村は碓氷が放っておけず、碓氷もまた外村が気になるようで…。

作品情報

作品名
セラピストは眠れない
著者
砂原糖子 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344812079
3.5

(38)

(7)

萌々

(12)

(13)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
127
評価数
38
平均
3.5 / 5
神率
18.4%

レビュー投稿数13

お人好しドノンケ×変わり者

「受けが攻めを買うシチュエーションが書きたくて作ったお話」とあとがきにありましたが、攻めがドノンケなんですね。
なのに男娼として受けの元へと派遣されてしまう。

この経緯がなんじゃそりゃ?というか、元凶である後輩の三好のダメダメっぷりというか三好の思考回路が異次元すぎました。
(同じ砂原さんの「バーテンダーはマティーニがお嫌い?」の手島を思い出しました。生まれながらのトラブルメーカーなんだけど、こいつがいたからこそ、攻めと受けが出会えた……みたいな)

ドノンケゆえに最初は碓氷相手にピクリとも反応しなかった外村と、変人枠といっても差し支えないほどの碓氷。

お互いに好感度ゼロからのスタートして両片思いになっていくんだけど、これはBL読者といういわば神視点だからこそ両片思いだとわかるけど、当事者たちからすれば成就の可能性はゼロパーセントとしか思えない状況が続くんですよ。

そもそも碓氷は、相手の気持ちどころか自分の気持ちすらわかってないし!

碓氷は変わり者ではあるけれど根は素直ゆえに、恋を知って以来、そのまま思ったことを素直に吐き出してしまうようになるんですね。
そこがかわいいかったです。

1

ほんとに変なツン受け

お人好しの攻めがひょんなことから出張ホストを引き受けてしまったが、訪れた先に待ってたのは全く理解できない美人ゲイだったー

というトンでも設定ながら、受けがあまりに個性的すぎて面白かった。
ホストはお金で体の関係を売るお仕事だったんですが、受けはただの性欲処理として思っていない。キスもなし、服を脱ぐのに何の羞恥も感じない。
そんな人間関係を知らない受けに説教してしまう臨時出張ホスト、外村。
1回限りの関係のはずが、なぜか度重なるご指名、そしてついには専属に。

次第にほだされ、な設定はよくあるのですが、”人よすぎでしょ~”な近所の人気者お兄さんの攻めと、エリートだけど天然ツンすぎてコミカルになってしまっている受けとのカップリングが一風変わっていて大変楽しめました。
受けの志乃さん、とってもカワイイです。

下町ほんわかものにツン受けをのせた独特のテイストの中に、当て馬登場しつつ、若干のすれ違いもありつつ、安心のハッピーエンド。決してコミカルな作品ではないのに、志乃さんの言動が予想できなくて吹き出すことしばし、でした。

最後は動物園デート。毛のある動物が嫌いな志乃さん。でも外村とならどこでもいいって、あまあますぎ。お幸せに~



1

タイトルだけが惜しい!

人情派のノンケ攻×トンチンカンなゲイ受。
正反対な二人のやり取りに思わずふっと笑ってしまう。

ノンケの外村が次第に碓氷に惹かれ始め、
だんだんと暴走気味になっていく過程が楽しい。
冷静だった碓氷の感情が波立ってきて、
そのことに自分で戸惑う様子が本当に可愛い。

小さなキュン!がたくさん積み重ねられていて、
それぞれの恋心が育っていく過程をじっくり楽しめます。

ちなみに初めて読んだ砂原作品がこの本で、
クセがなく読みやすい文章、感情移入しやすいキャラと丁寧な心理描写に、
久々に安心してハマれそうな作家さんに出会った!と思った記憶があります。


(以下ちょいネタバレ)
個人的に、高架下の長屋住まいという外村家の描写が、すごく魅力的に感じました。
(単に高架下とか貧乏萌えの気があるからかもしれませんが…)
ちょっと不便で貧しいけれど温かい家から、
外村の人柄や度量の深さが伝わってくる気がします。

小さなことですが、二人の名前がすごくしっくり来てたのも良かった。
そのせいかお互いの下の名前を呼ぶシーン、妙にどきどきしました。
碓氷が「たいち」とたどたどしく言うのが可愛くて、読みながら足をジタバタ。

唯一気になったのは、タイトルがしっくりこないこと。
レビュー見て、皆さんやっぱり気になってたのね…と思いました笑。
セラピスト~のくだりは確かにお話の重要ポイントに繋がるキーワードなんだけど、
メインの二人に関するキーワードではないんですよね…。
その点でタイトルとしてはやっぱり違和感を感じてしまいました。

2

面白かった~

砂原さんの作品を読みたくなり、
あらすじを確認せずに購入しましたが、なかなかのヒットでした。

実直な男と恋を知らず人とうまくやれないズレた男の
組み合わせが何とも面白かったです。

外村は、後輩の代理で出張ホストをすることに。
派遣された先では、知らない男と関係を持とうとするお客の碓井に
説教してしまうのですが、その後も指名される。
碓井は人とうまく付き合えないし、
エチはたまったものを解消するものでしかないと考えるような
醒めた男です。そんな碓井なら本来は、うっとおしく思うはずの外村と
会うことを楽しみにするようになっていきます。
碓井は、外村を出張ホストを仕事としている男と勘違いしているし、
外村は、碓井は違う男に片思いしていると思っているし、
誤解があるのですが、2人だからこその、
すれ違いを最後まで楽しむことができました。

不器用な碓井が人間ぽくなっていく過程もたまりません!

ただ、タイトルがあまり内容に合わなかったように感じました。
そこだけ残念でした。

1

変わり者、恋に惑う。

碓氷は不思議系というか価値観がおおいにズレまくっている。
外村はお人よしでわりと常識人タイプ。
全くタイプも価値観も違うふたりが、お互いに惹かれあっていきます。

外村は弟分・三好に頼み込まれて、骨折した三好の穴埋めに出張ホストをすることに。
その客が、何もかも金で解決すると本気で思ってる碓氷だった。
最初は契約上の関係だったけれど・・・。

性的なことをするのも、ものすごく事務的で単なる性欲処理だったのが、気持ちの入ったセックスへ変化したあのシーンはほんとドキドキしました。
そして、外村の葛藤!
碓氷は今までまともな恋愛関係を築いてこなかったので、一歩恋愛関係に踏み込んだらもうなんというか純粋な一面が見えてきて、普段の変人っぷりとのギャップが!色っぽかった。
「君は歯痛だ」というセリフはなんとも碓氷らしくて印象的でした。
碓氷としては精いっぱい外村がとっても気になることを表現したつもりなんですよね。

本筋とはちょっと離れますが、三好が人としてちょっとだめすぎるのに悪びれずのうのうとしているのが気になったw
幼馴染に、ン百万円無心するとか。嫁が妊娠してるのに、ウリ専でバイトとか。どうかしてるぜ!
いつトンズラするのかな…と思ってたけど、そんなことはなかった。ちゃんと改心できるのだろうか。

3

センチメンタルジャーニー

他の方のレビューを読みますと
わりと受カワイイヨーな意見多のようですが、
個人的には、ド・ノンケだった攻が受に落とされていき、最終的に辛抱たまらん!!と、バウワウw興奮している様にいかんせん萌えました。
まったくそんな気なかったのに、徐々に心が変化していく様子が描かれているゆえに~な感慨(●ノ∀`)゚o。アヒャャ
攻のハァハァに乗せられて、思わず自分もハァハァしてしまう罠。

というか、なんにしても代理とはいえ出張ホストまで引き受けてしまう攻っていったいどーなのよとw
ある意味、別の客も取らされて、力かなわず・・・とかあほな展開を妄想してしまいました。
ま、まじめだからこそ・・といえばそうなのですが。

また、心の変化といえば
お金ですべて解決すると思っていた受の気持ちが変化していくのも
またよかったですね。
前半、「あれしろ」「これしろ」といっていた内容を
気持ちが変化したことで、恥ずかしがったり照れたり。
これまた可愛い。
照れられると余計でも意地悪したくなるきもち・・わかります!
まぁ・・そういうプレイはなかったわけだけども

なんにせよ、最後まで気持ちよく読ませていただきましたv
それはそうと、、私タイトルからして精神科系の話かと思ってましたがそうでもなかったですね。

3

設定とか好みのはずが

どうも合わなかったのか、まったく萌えなかったし、もう内容も忘れています。ただ、わたしは砂原さんと金さんのペアには相性が悪いので、それもあるかもしれません。

0

恋を知っていく男

砂原さんの描く、一筋縄では口説き落とせない受けがすきです。

弟分の怪我に代わり、出張ホストの代役を引き受けてしまった外村。てっきり女性の相手かと思えば、訪ねた部屋にいたのは容姿端麗な男性・碓井。
美人なのに無愛想、年上なのに手のかかる碓井。男娼と客という関係ではなく世話を焼き始めた外村が、少しずつ碓井に惹かれていき、碓井も徐々に気になり始めていく……というお話。

碓井は温度も抑揚もない、人間味のない人物です。性行為に恥じらいという概念が欠如していて、あくまで「処理」という考えを持っています。男娼相手に右とか左とかもっと上とか、細かい指示を出します。ムードも何もありません。
しかしその碓井が、外村に(気付かないうちに)恋をして、どんどん恥ずかしがっていくんです。この段階にきゅんとします。濃密になっていく行為の空気、熱っぽさ、艶っぽさ。最終的にはぐずぐずにされてしまう碓井でした。

お互い想い合っているのにすれ違う、変人な受けなのに、切なくなるところはぐっと胸に迫るものがある。ラブコメだとしても、じんわりくる要素をしっかりと書いてくれる作家さんです。
挿絵もよかったです。火傷がないか外村に手をじっと見つめられ、おとなしくじっとしている碓井の表情が、絶品です。

3

連続キュン!

 「萌」にしようか「神」にしようか迷いました。
 でも、キュンの数が半端じゃなかったので、自分的に「神」に。泣いたりすることはなかったんですけどね。

 人間的感情が欠如した碓氷が、外村によって徐々に恋心に目覚めていく(しかし自覚はない)のに、萌えました。
 外村自身も碓氷に惹かれてゆき、エロがどんどん濃厚に。二人の距離の縮まって行く様に萌えたんだろうな~。

 そして、超個人的萌えが……。貧乏萌え! ボロアパートとか、大好きなんですよ。金持ちすぎるのは苦手で(碓氷は金持ちですが)、庶民的な感じがたまらん。砂原先生は「貧乏萌え」らしいので、是非とも庶民的なお話をバンバン書いて欲しいですね~~。

4

変人受けが可愛い

いやはや、面白かったです。
一見クールビューティに見える受けの変人っぷりが楽しくて仕方なかった。それに振り回される攻めが可哀想で可愛くて。
代役として出張ホストすることになった攻め。そこで出会ったのは、情緒の欠片もない美貌の変人。キスも愛撫もないテコキと前立腺マッサージを要求され、すぐさま帰される。色気の欠片もない性欲処理です。
攻めがゲイではないと知った受けは、「ゲイじゃないなら惚れられてトラブルになる心配もないし、病気になる心配もない」と、専属契約を結ぶ。
会ううちにお互いに惹かれていくんですが、相手の気持ちを誤解してるから、二人とも言えないんですよね。砂原糖子節すれ違いの妙をたっぷり味あわせてもらいました。
エロも萌えました。
最初は恥じらいもなく脱いでアレコレ指示してた変人受けが、惚れると恥ずかしくて何も言えなくなるのが可愛かった。少しずつ濃くなっていくセックス、物語の進行に合わせて必然性があって濃くしていってるんだよね。
たまにセックスシーンだけぽこーんと浮いてエロエロしてるような小説もありますが、必然性があると読むのが楽しくなりますよねー。

3

身体と心で知っていく愛

同じくドラマCDが発売されたので、友達に小説を貸して貰いました。
受けは冷たい印象でお金さえあれば何でも出来ると淡々としている人で、攻めは真面目で面倒見の良い人。性欲処理の道具として攻めと触れ合うのですけど、段々お互い想い合い、受けも徐々に可愛くなっていく様は見ていて、顔が綻んでしまいました。
誘い受だけど、愛される意味を徐々に身体と心で知っていく姿が本当に可愛い。
攻めの方が受けが好きで好きでしょうがない!こんな悲しい関係は嫌!と自分の気持ちに正直なので爽快。この作品のキーワードは、やっぱり「はいた」?
ただ、このタイトルは合っているのか……?

1

題名はこれが適切なんでしょうか? 

究極の誘い受け?お金を払えばなんでもできる?おかしな投資顧問会社社長の碓氷さんと、今時珍しい好青年な外村くんの、あれこれ食い違いながらも心温まるいい作品になっていると思います。

立ち居振る舞いがロボット的な碓氷さんが、歯医者が大嫌いだったり(歯医者さんとのやり取りは、外村くんを診察台の側に呼びつけスーツを握っちゃったことよりおかしかった)、本能のままに行動してしまったりと可愛い部分(基本、屁理屈を言う子供ですね)もあり、さらにたまに眼鏡美人。

碓氷さんが一つ一つ、恋とか人を好きになるとか愛するとかを覚えていって、やっと人間らしくなって、「あー、良かった良かった」と読後感もよろしいです。あと、株のこととか内職のこととか、また新しいお仕事を知ることができました。

一つ腑に落ちないのが題名で、最終的に言いたいことはわかるんですが、「セラピスト」にする必要があるのかな?っと思いました。もし題名がしっくりきてたら、神評価でもよかったかも。

2

変わり者の美人受

今月(2008年9月)、この作品のドラマCDが発売されました。
それを記念し、再読してみました(笑)

お人好しの外村が、可愛がっていた弟分に泣きつかれて引き受けた出張ホスト。
渋々出向いた先に待っていたのは、年上の男・薄氷志乃。

単なる契約関係で出会った二人が、いつしか惹かれ合い……というお話ですが。
受の薄氷が一風、変わり者(笑)

それは薄氷が育ってきた悲しい環境に、原因があるのですが。
人の機微に疎く、どこかズレている。幸せも何でも、お金で買えると思っている人。
そんな薄氷の前に全く違う価値観を持った男、外村が現れます。

全く違う価値観を持った二人が、徐々に気持ちを近づけていくじれったさ。
しかも薄氷は自分が恋をしているのかどうかさえ、分らない(自覚がない)。
両片思いでじれったい描写を書かせると上手い砂原さん。
今回もせつなくて、ドキドキです。
『君は歯痛だ』という台詞が個人的に印象に残り、好きです。

4

この作品が収納されている本棚

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