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再読。
「友達じゃいやなんだ」で、桁外れのおぼっちゃまとして描かれていた九石薫が受けに!ということで楽しみにしてたんだけど……。
萌えが少なかったなぁ……。
幼馴染ものだけど、すれ違い期間が長いので、まだすれ違い続くのか……と思ってしまいました。
もちろん読んでる側は勘違いゆえの両片思いだとわかるんだけど、すれ違いっぷりをニマニマしながら読むコメディではなく、シリアスめいた雰囲気(注:あくまで小林典雅作品比であって、本当のシリアスではない)が漂っているので、すれ違いっぷりを楽しめないというか。
私の大好きな攻め視点だし攻めの苦悩は蜜の味派なのに、匠馬が悩んだり悶々としててもあんまり萌えず……
なんでだか自分でもわからない。なんでだろ??
庶民攻めと超セレブ受けという点でも、「棒投げ橋で待ってて」のほうがさらにぶっ飛んでて好きだなぁ……。
出会いは生後8ヶ月、という筋金入りの幼馴染のふたりの、すれ違いを超えて初恋が実るまでのお話でした。
本編も面白いのですが、本編後の「御曹司の新妻日記」が特に素晴らしい!
途中、わたし何を読まされてるんだろ?ってくらいに、ガチな♡ふたりだけの世界♡が目の前で繰り広げられているかのように伝わってきます。
読みながらあきれ半分、でもこの徹底的なあまあまさに幸せをお裾分けしてもらった嬉しさ半分。
最後のページまで規格外の御曹司ワールドに笑わせてもらいました。
財閥由来の、規格外の御曹司である九石薫。
その広大な自宅の敷地内のほんの片隅に、九石家の使用人である両親をもつ藤平匠馬の家があります。
幼馴染として一緒に過ごすうち、それぞれのなかでお互いへの恋心が育まれていき、問題なく両思いになるはずなのです。
が、言葉の捉え方が違ったり、好きな人を勘違いしてしまったことで、近づいたり離れたり、片思いで青春を過ごしてしまいます。
まず、想像以上にぶっ飛んだお金持ちネタがいちいち面白いです。自宅の豪華絢爛さだったり、世界との人脈だったり。
また、幼い頃ふたりは誘拐されてしまったことがあり、匠馬は小指に後遺症が残ってしまうのですが、幼いながらに匠馬が薫を守ろうとしていたことを薫の両親に信頼され、小中高と薫のミニSPとなってほしいと懇願されます。
ご両親はそんなふうにちょっと変わったというか、浮世離れした考え方や行動や、薫を過保護に溺愛するようすには、びっくりさせられっぱなしです。
匠馬はもともと生まれながらに心身ともにポジディブでたくましさがあります。
ミニSPとして活躍できるように武道も習って、薫にはとてもかっこいい幼馴染、憧れの部分も大きくて、そんな匠馬への恋心を薫はかなり幼いうちから自覚していたように思います。
たいして匠馬は中学生のときに自覚していますが、きっかけがヤキモチで、薫には別に好きな人がいるのだと勘違いしてしまったために、ここからだんだんと溝が深くなってしまうのですねー。
薫はちょいちょい頑張ってアピールしているのがいじらしいのですが、匠馬の思い込みはなかなか激しく。
薫が好きな人(匠馬の叔父さん)と両思いにならないように、心にもないことを言う匠馬の行動は裏目裏目に出て、匠馬に告白しようと頑張っていた薫を傷つけ、大学に入る頃にはほぼ連絡をとらないほどになってしまいました。
それでも、将来九石家に仕えて薫の役に立てるようにと、あらゆる資格をとる匠馬ですが、いっそ側にいられないのならばと、宮古島で就職することにし、ついに本当に離れる時がきてしまいました。
でもここでまた、薫ならではのぶっ飛んだ作戦が始まります!
いきなり送りつけられてきた薫のYouTubeチャンネル。日替わりでたくさんの女性と婚活する様子に、匠馬は怒りの電話をかけてしまい、その勢いで告白、そしてその勢いで宮古島までチャーター機でやってくる薫…!このスピード感は、金で時間を買える者ならでは。
ようやく両思いになれたふたりは、あまあまラブラブタイムin宮古島、突入です。
もちろんふたりとも初めてなのですが、薫が誘う誘う!めちゃエロな幼馴染にがっつく匠馬でした。
薫はぽやっとしているように見えるけど、すごく根性があるし、匠馬を想う気持ちを支えにして、傷ついても折れない心を持っているところがすごいです。
本編後のお話は、先にも書いたとおり、とにかく付き合いたての、何をしても「好き♡チュッ♡」みたいなやりとりが延々続いています。
卵一つで繰り広げられるバカップルディナーは、クソどうでもいいやりとりがひとつひとつ面白く、小林先生の力量にひれ伏すばかりでした。
実家に帰省してそれぞれの両親への挨拶をすることになり、また細かく面白いことばかりあるのですが、とくに薫があらかじめ匠馬のご両親に便箋60枚に想いをしたためた手紙を送っていたっていうのが薫らしくて良かったです。
そして新婚旅行先が、かのティオランガ(密林の彼の)とは!
スピンオフだけではない作品のつながりで嬉しくなってしまうから、こうして小林作品どんどん読んじゃうんですよね。
ページ数200程度なのでけして長くないお話なのですが、面白い人々に出会えて楽しい満足度の高いお話でした。
小林典雅先生の安心安定のラブコメ♡
ふふっと笑いながら読ませて頂きました(≧▽≦)
受け様はセレブ中のセレブの御曹司、薫。
そんな薫の幼なじみ、匠馬が攻め様。
8ヶ月の赤ちゃんの時からずっと一緒に過ごし、幼稚園からは薫のミニSPとして、いつでもどこでも1番近くに居続けてきた匠馬。
どうみても両片思いなのに、匠馬の思い込みで結構なこじれ方をしてしまった2人の恋がようやく成就するまで。
庶民である匠馬視点なので、薫のセレブぶりに一緒におののいたり感嘆したり、笑うしかなかったり。
もうここまでのセレブぶりを見せられると拍手しかないですよ。
セレブな薫ですけど、いいとこのお坊ちゃんらしくおっとり品よく、な感じなのに、匠馬への"好き"な気持ちが働く時だけ、強い気持ちを見せてくれるのが可愛かったです。
恋人同士になったら、遠慮なく素直に好きな気持ちや嬉しい気持ちを見せてくれるのも可愛い。
これはきゅんきゅんですわ~(≧▽≦)
書き下ろしでは、想いが通じあった初夜の翌日からのお話で、脳内お花畑で嬉しさを噛み締めている匠馬に笑っちゃう。
"初めてにしてはつつがなく営めた"のお言葉には吹き出すかと思いました。
うんうん、健全な男の子でいいぞ(`・ω・)b
告白のやり直しも甘々きゅんきゅん。
その後のドタバタハネムーンとの落差にちょっとついていけなかったですけど。
どうせならハネムーンも垣間見たかったです(*^^*)
イラストは須坂紫那先生。
子供の時から現在までの2人の成長ぶりが素敵。
「友達じゃ嫌なんだ」に出てきたクラスメイトの九石薫と、その幼なじみで九石家に仕える一家の息子、匠馬とのお話。
ちなみにCPは匠馬×薫。
両片想いの、これでもかっ! というくらいのすれ違いラブではありましたが、最後には薫の御曹司パワーで匠馬へ強引に押し切って両想いに。
途中、攻めが真面目で堅物すぎるせいで、受けちゃんはだいぶ悲しい思いをしたし、攻めも攻めで叔父と受けとの関係を誤解していたエピソードは、読んでいて悲しかったです…。
が、攻めへの「好き」の想いが強すぎて、様子のおかしいストー○ー並の執愛を、告白前それ以後と、高等遊民的権力をフルで発揮させる展開はとても面白かったです。
このネタでほかの作家様が書けばだいぶ重苦しい展開になりそうですが、ビタミンBLとして定評のある典雅先生が書くからこそ、受けが変人になりすぎず、面白く読めたのだと思いました。(重苦しい変人ストーリーも大好物ですが)
このシリーズは、まだまだ興味深い経歴の登場人物が何人かいるので、3冊目、4冊目とか期待してもいいのでしょうか。
今後の動向が楽しみなシリーズです!
実に小林典雅先生らしいお話でした。そして珍しい攻め視点のお話でした。いつも思うのですが登場人物の会話が脳内で早口で再生されるという、不思議な才能を持った作家さまだと思います。
内容的には拗れに拗れた両片思いのお話なんですが、当て馬という程の人物は登場しておらず淡々とお話が進むので切なさが足りないと思いました。
誤解から匠馬が薫に対して酷いことを言ってても、余韻のない文体のせいかアッサリとシーンが流れてしまうのが難点だと思いました。なんだかんだでギクシャクしていてもお互いが1番だということが分かっているので萌が足りないんです。
小林典雅先生の作品は大好きなのですが、今回の作品はハマらなかったです。スピン元の作品も読んでますが、一年経っていないのに既に印象に無いので自分のレビューを読み直したのですが何となくしか思い出せなかったので未読でも楽しめると思いました。
ただ出来るなら薫視点の書き下ろしであれば良かったかなと思いました。匠馬よりぶっ飛んでるので面白かったと思います。