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傲嬌(ツンデレ)太子と愛のない婚姻

tsunndere taishi to ai no nai konin

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表題作傲嬌(ツンデレ)太子と愛のない婚姻

連理、月季に嫁した九天玄女
月季、天帝に冷遇される第一皇子の王太子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

冷徹な天族の太子・月季は弟を巡り魔王太子と争う大事件を起こしていた。この醜聞をもみ消すため、天帝に高位の女神である連理との結婚を命じられる。迎えた新婚初夜、花嫁を義務的に抱こうとするが股間には不自然な膨らみが…? 蓮理は月季と結婚するため美しい顔を利用して女だと偽っていたのだ。怒る月季は廃妃にしようと画策するが歳も霊力も上の連理はものともしない。さらに「そなたの身体を可愛がる権利がある」と強引に快楽を与えられて…。

作品情報

作品名
傲嬌(ツンデレ)太子と愛のない婚姻
著者
砂床あい 
イラスト
石田惠美 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778136376
3.5

(12)

(2)

萌々

(4)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
41
評価数
12
平均
3.5 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数4

攻めの良き雄っぱい、ありますよ!

昨年発売された「百華王の閨房指南」のスピンオフ。

男装の麗人かと思いきや実は雄っぱいがすごすぎる九天玄女×天帝の第一皇子の再会婚姻BL。

歳の差は祖父と孫くらい。


千年前、凶神である太歳星君を封印するために、受けは攻めとともにその任務を任された。


任務遂行後、攻めは千年もの間、ずっと受けのことを想い続け、過去問題を起こした受けに輿入れしたい人物はいないだろうと思われていたが、そこへ攻めが名乗り出て、、、



初夜で閨に入るまで攻めが男だという事実に気が付かなかった受け。
冒頭から2人の仲に亀裂が入ってしまい、ハラハラした展開でしたが、反発しつつも徐々に夫夫らしくなっていく過程がとてもよかったです。

また、最後の額外篇の多幸感もよかったです。


あとこの作品のなにが良きかというと、攻めの雄っぱい。
そしてパ○ズリ。
それからなんと言っても、石田惠美先生の本文挿絵の1枚の攻めの昂りが、とにかくすごかったです。


これだけでも見る価値ありと思います。

私はスピンオフ元も読んでいましたが、この1冊だけでも十分楽しめる内容でした。




0

愛を知らぬ太子が迎えた花嫁は

今回は九天玄女と天帝の第一皇子のお話です。 

愛を知らぬ受様に嫁いた攻様が受様の唯一の伴侶となるまで。

受様は実母が父帝の寵愛深い懐妊中の側妃に毒を盛って
廃后の末に処刑されてた為、第一皇子ながら
父帝から冷遇されています。

受様は罪人の子であろうと気概と矜持まで失うまいと
いつか汚名を雪いで功績を挙げたいと願っていました。

そのため凶悪な質の太歳星君が巫山に現れた際
西王母の副官の九天玄女とともに封印に尽力しますが
その戦いはまだ若い受様にはあまりに荷が重く
九天玄女に介抱される結果になります。

それから千年の月日が経ち
父帝は西王母から九天玄女を東宮妃と打診され
いずれ帝位を継ぐ受様が後継を作るのは必然と
受様は従順に受け入れるのです。

格式に則った婚礼は3日間に渡ります。
夜も更けると受様は通過儀礼として洞房に入り
早く終わらせて休みたいだろうと事務的に
花嫁の帯に手をかけて褥に押し倒した受様でしたが

花嫁の下腹部あたりに不自然な違和感を覚えた結果
妻となった九天玄女が女装の男神と知るのです。

怒りに青ざめる受様に花嫁は
「そなたと添い遂げるために結婚した」
「気持ちに偽りはない」と言いきります。

知らぬまま男神を娶った受様の未来とは!?

既刊「百華王の閨房指南」のスピンオフ続刊で
既刊の受様の異母兄である王太子の受様と
西王母の副官を務めた攻様の中華神仙ファンタジーです♪

ネタバレOK派なのであとがきから読みましたら
既刊同様本作も中華ドラマのあるあるネタ満載との事で
ワクワクで読み始めました。

この男花嫁が今回の攻様になりますが
攻様を拒絶して出ていこうとした受様に
「初夜に失敗したと噂になる」とか
「男と結婚したと知れて威厳が保てるのか」とか言って
腹黒策士ぶりを発揮して萌ツボを激押しされました♡

攻様は自分で女だと偽った事はないそうで
受様は両性具有だという噂のある西王母の意図すら
疑ってしまいます。

攻様的には1000年前の出会いで受様に心惹かれ
受様の妻の座は欲して得たものなので
拒絶にもめげずに押せ押せで受様は大迷惑ですが

受様は生真面目な質であるために
攻様に約されてしまうと破る事ができず
イヤイヤながらも従う事となるのが楽しいです。

そういうやりとりが軽快でコミカルですが
実母の罪故に誰にも愛されない受様の孤独に
受様に継承を望む父帝の圧力と
受様だけを欲する攻様の情愛が絡まり合う中

1000年前に封じた太歳星君が再び現れた事から
攻様が男神とバレてさらなる修羅場へと発展、
攻様が受様の唯一の伴侶となる大団円まで
たいへん楽しく読ませて頂きました (^-^)/

単巻でも読めない事はないですが
既刊を読んでいると深読みできてより楽しいと思います。

0

スピンオフとは知らず

シリーズものもとい、スピンオフ作だったのですね。
そうとは知らずに読んでしまったのですけれど、スピンオフ元作品が未読でも楽しんで読めました。
こちらだけでも読めそうかなとは思います。ただ、主人公・月季の異母弟とのエピソードがちょっと気になるものだったので、やはり前作を読んでいた方がより楽しめるかと。

中華風作品あるあるなのですが、導入部分では名称その他もろもろの読みに苦戦しました。
あだ名ではないですけれど、日本語読みではない呼び名がいくつもあるものですから「これなんだっけ…」となってしまうこと数回。
中華神話の改変ものとのことで、用語ももりもりです。
つっかえたのは序盤だけで、読み慣れさえすればあとは楽しむだけ!でした。

月季よりも強く、年齢も何百歳か年上の妻・連理の一途で健気な執着愛と、言葉と体で拒否しつつもなんだかんだでツンデレになってしまう月季の不本意だった婚姻が描かれています。
女神だと思っていたら男神が嫁いできた上に、なかったことにしようにも、もう逃げるに逃げられない状況なわけです。
正直、序盤は世界観についていくのがやっと。
でもこの設定はすごくおいしいぞと、読み慣れるにつれて2人の関係がどう変わっていくのかを追うのがすごく楽しいんですよ。
タイトルにもあるように、月季に連理への愛はないんです。
愛のない婚姻。女かと思いきや男だった妻。
そして自分よりも何枚も上手で、嫌がらせをしてもなかなかめげない。
威嚇をしてキャンキャン鳴く生き物と、それを広い心ではいはいと見守る大きな生き物の図を楽しむお話なのかなと思っていたんです。
それが中盤から少しずつ、すごく自然に寄り添い合うようになっていくではありませんか。
これはもう、連理のキャラクターが聖母のようだったからこそでしょうね。本当に一途で健気で嘘がない。
今回は攻めの連理の方が好みのキャラクターだったかもしれません。良い妻なんですよー!
2人の出逢いから結びまでの期間が1000年とちょっと+神話的な世界…と、ややスケールの大きなお話ではありますが、描かれているものはストレートな恋愛模様です。
夫夫の信頼関係が強固になっていく過程が焦ったくもピュアで楽しめました。

そして、最後の最後に砂床先生のあとがきでふふっと笑ってしまいました。こんなに面白くて知識量がすごいあとがきは初めて…好きです。

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理想の嫁

『百華王の閨房指南』のスピンオフ作品で、紅琰の異母兄・月李が主役のお話になります。
オリジナルに当たる前作は読んでいた方が、今作のストーリーが入ってきやすいと思いますので、先にオリジナルを読んでおくことをオススメします。


弟大好き重度のブラコン月李が、父である天帝の命により超年上の正妃・九天玄女(連理)を娶ることから始まる婚姻弾。トチ狂った月李にもついに春が…と期待していましたが、最初からそう簡単に話は進みません。幸せで甘いのは終盤までお預けで、前半はしょっぱい塩味がメインです。

というのは、女性と思っていた妻がまさかの男。しかも自分を押し倒すほどの強者。しかも避けても冷たくしても諦めないしつこさに辟易する月李の姿が前半部を占めます。しつこさと一途さの紙一重な奥方に、うんざりしながらも次第に気持ちが傾いていく月李の気持ちの変化に注目です。
 

月李に惚れこむ連理のブレない真っ直ぐな恋心を"陽"とするなら、月李の連理への態度はブリザード級に冷たい"陰"。陰と陽の恋のバチバチバトルの応酬は、"大人"な連理と"子ども"な月李の態度の落差が何とも滑稽です。
月李の子どもじみた意地悪な態度はムカつきますね〜…器の小せぇ面倒くさい男です。(閨房指南の時に既に分かっていたことですが 笑)

でもそんな月李を深く慕う連理の健気さは絶品です。月李には勿体ないほどの器量良し、まさに理想の嫁!何百年も1人の男に恋をしてきた姉さん女房の一途な想いは胸を熱くさせました。


前作では分からなかったけど、月李の生い立ちを考えれば彼が捻くれた性格になる気持ちが分からなくもないんです。父である天帝に母を処刑され、自身は父に疎まれて育ってきたせいでしょうね、人の愛し方が分からないっていうか不器用というか。イケすかねぇ王太子だと思っていた印象が違って見えてくると、物語全体の景色も違って見えてきます。
月李の気持ちや態度の変化は注目ポイントですが、月李の救済物語の側面も備えていることにもぜひアンテナを張りながら読んで欲しいなと思います。


中華神話系の世界観が楽しいシリーズ作品です。ファンタジーならではのワクワク感を味わいつつ、黒髪長髪の美麗な主役2人の容姿にうっとり溺れること間違いなしです。
最悪な結婚生活から始まる物語が、真の愛を得てかけがえのない存在となっていく夫婦の物語を見届けて下さい^ ^
  

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