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小説


海野先生買いです。
本作品は、年下大型ワンコ攻めがとにかくかわいくて、がんばれ!!とずっと応援しながら読んでいました。
読み終わった後も楽しくとても好きでした。
***
受けの喜一と攻めのスミが、オンラインゲームで出会うところから始まる。
顔は見えないけど、一気に仲良くなり距離が縮まる。
とあることがきっかけで、偶然現実で会う。
スミはビジュ良しで、モデルのような長身。
さらに素直で、礼儀正しい振る舞いができる。実家が老舗旅館でお金持ち、内定ももらっている大学生。面倒見が良く、兄貴分で優しい。
絵に描いたような王子様、スパダリ。
これだけ揃っていると、性格に難ありとか何かありそうなものだが、スミはほぼパーフェクト。
このスミが喜一のことを好きになり、押して押して押しまくる。
当初年齢を中学生と偽って、実は30越えのサラリーマンであるとわかっても、態度や話し方、振る舞いが変わらなかったことが好ましいと言うスミ。
喜一はお金の使い方についてスミに注意する。ダメなことをきちんと正してくれるところもポイントだった。
喜一の好きなところを挙げて、告白するスミが素直で怖いものがなくて、無敵で自信に満ち溢れていて、喜一が圧倒されるような気持ちになるのが、とても共感できた。だってスミ、ほんとにすごいスパダリだもの。
そして、冷静にスミにお付き合いについて再考するように求める喜一。こんなスパダリにいきなり告白されて、戸惑い、もっとイイ人がいるはずと思う喜一の気持ちも私にはとてもよくわかった。
踏み込んで、離れていくのは辛い。
プルドーザーのように攻め込むスミだけど、スミは喜一のことを、とてもよく分析しているなと感心した。
勢いつけて、舞い上がっての告白ではないことはわかる。ここからのスミの頑張りがほんとによかった。
ゲイバーの帰りにヤキモチを焼き、喜一に怒るスミのかわいいこと。怒りながらも、喜一にグイグイくる様子が真っ直ぐで、もう大好き❤︎年下大型ワンコの良さ全開。
そして、スミの素晴らしいところは、喜一の意見を受け入れて、次に生かしているところ。日々アップデートしていて、涙ぐましい努力。年下スパダリ最高!
喜一も、悲しい過去を乗り越えて、ワンコのアドバイスを聞き、自分から人間関係を築く努力をする。
2人とも頑張る姿がとてもよかったです。
じっくり時間をかけて、自分本位にならず、相手を尊重しながら、成長する過程は読んでいて楽しかったです。
最後ももちろん最高でした。もう感無量のスミがかわいかったーー!!
素敵な作品をありがとうございました。
高校生のときに父が亡くなって一人残された喜一は、30歳を過ぎる今に至るまで、友も作らず恋もせず、日々の仕事を淡々とこなすだけの人生を送っていた。
会社の忘年会で当てたゲームを不慣れでありつつも年末休暇にやりこみ、そのオンラインゲームで知り合ったsumiという人に装備や武器やチームで冒険の旅をする楽しさを教わる。仲良くなるにつれて、sumiが大学生だと知り、ますます自分の年齢を言えなくなってしまう、というお話。
喜一が自分の年齢を言うに事欠いて中学生と偽った時には、こちらが頭を抱えたくなったものですが、その後偶然sumiとリアルに遭遇したときに、sumiがまったく動じなかったことやそれまでの喋り方を変えなかった(二人称がおまえ。そして完全なためぐち)ことに違和感を覚えました。
sumiがモデル並みにスタイルが抜群でものすごいイケメンという設定も、出来すぎという意味で違和感をいや増しているかもしれない。
ただ、実家が老舗旅館なのに帰省しても家業を手伝わないことも、前述のように身バレした喜一に敬語を使わないのも不自然ではありましたが、この後の展開を思えば納得できるものでした。
一番の特性である、おじいちゃん子であること。おそらく彼は実家では末っ子で甘やかされている体で疎外感をずっと感じていたのでは。おじいちゃんだけが彼を本当の意味で可愛がってくれたのでは、と思うと、亡くした時の喪失感がとてつもなく大きなものだと分かります。
それを乗り越えて、また就職もして、澄良が今後どんな大人になっていくのか楽しみでもあるし、義一との関係性も良い意味で変わっていきそうで期待が持てます。
もしも続編が出るようなことがあれば、寧ろ続編の方こそ楽しめるかも知れないと思いました。
軽いノリのタイトルですが、中身は決してコミカルなノリではなかったです。
というのも、受けの喜一は自己肯定感がかなり低いんですね。
思考回路が超後ろ向きで、諦念とともに生きているお人。
もーそこが読んでてめっっちゃくちゃもどかしくて。
勉強に励めという父の言葉通り、友達も作らず(そこ極端じゃない?と思った)せっせと勉学に邁進し、大学受験を目前に控えたある日、父が死んじゃうんですね。
そこにめちゃくちゃ罪悪感を抱いてしまい失意のまま15年過ごしている。
15年!!!
おまけに30代なのに、終活すら意識してる始末……。
あぁ……とーちゃん、泣くよって思ってしまって。
息子がそんな思いを抱いたまま生き続けてるなんて、私がとーちゃんだったら草葉の陰からおいおい泣くしかないわ……申し訳なさすぎて……。(どうしても親の立場で考えてしまうので)
だもんで、澄良から熱烈アプローチ攻撃されてもなかなかYESと言わないんですね。
こんな年下のしかも超絶イケメンが自分を好きだなんて、世界を知らないからだ……もっと成長して世界を知ったら自分よりももっと素敵な人は沢山いると知った時、離れていくだろう……もう俺は二度と喪失感を味わいたくないんだ……みたいなやつ。
臆病な受けも嫌いではないんですが、喜一の臆病さは個人的に好みではありませんでした。
澄良はいい攻めでしたね。
ただお祖父様の影響をモロ受けたせいで、ジジ臭い喋りをするのがどうしても違和感を感じてしまいました。
でもいい攻めです。
そして石のエピソードが素敵でした。
感動しました!!
タイトルとあらすじから、現代もののラブコメかなぁ?なんて思ってたのですが、攻めと受けの成長がしっかりと描かれた骨太な作品でした。
2人の出会いから付き合うまでがじっくり描かれていて、特に受けの心情の変化の描写が丁寧で、読み進めれば読み進めるほど、自然と受けを応援してしまいます。
受けは色んなことを諦めた、というか希望を持つこと(その希望を失うこと)を恐れている人で、だからこそイケメンの年下君にアプローチされても、自分の気持ちに気づいてからも中々彼の気持ちに応えることができません。
反対に攻めは色んな物を持っている若者で、受けにガンガンアプローチしてきます。この攻めが本当にかわいくって、大型ワンコにしか見えない…!かと思いきや、どっしりと構えて受けを包み込む包容力もあり、これはずるいな…と受けが惹かれる気持ちもわかります。
挿絵も素晴らしくって、攻めの美しさはもちろん、描写に忠実で、だけど凄く魅力的な受けがもう可愛くって!
本編を読み進めながら、挿絵まだかなぁとワクワクしてしまいました。
いやぁ、海野幸先生、本当にハズレがないなぁ…!
昨今貴重な現代日常もの、しかも海野先生の年下攻なんてもう神評価じゃ足りない・・・!
ゲームする方なら間違いなく全員主人公にシンクロしてしまう今作、天涯孤独で無趣味な喜一が後輩からゲーム機を押し付けられ、でもまあ年末年始だしと試しにやりはじめたところあっという間に廃人になっていくのですね。もうその様相が、初心者あるあるがほほえましくて笑ってしまうのです。
海野先生の攻めというとそのおおらかな包容力が魅力だと思います。が、今作のスミは当初かなり幼く感じられ「あれ?包容力はゲーム内だけ???」と心配になるのですが喜一に恋し自分に向き合うことで着実に成長していきます。
スミの成長、そしてオンラインで知り合い初めてできた仲間たちとのやりとりを通じて喜一の人生が色づきはじめるのをほのぼのと暖かい気持ちで見守れるお話でした!
