電子限定おまけ付き&イラスト収録
小説
小中大豆先生といえば、自分の中では安心安全の男メイン作品。オメガバは男のみにバース性があったり、この作品で言えば男同士での結婚が当然で、女は神殿に隔離されてるといった感じで、ほぼ男キャラしか出てこないのですごく安心して読めます。
受けのタヌキは序盤、「自分も貴方も男なのに結婚とは?」と疑問に思ってはいますが。
前世がタヌキの受けが、生前ずっと一緒に暮らしていたフトシ君の女孫が書いたBL漫画の世界に転生した話。
転生した体の持ち主はジルといい、フトシ君が試験的に色んな浮遊霊を憑依させていた。
前に入っていた霊達がワガママなうえに不精で、受けがその体に入った時には周りからの評判印象が最悪。そして見た目も軽くデブ。
もちろん攻め含め周りの人間も、ジルの中身が変わってることなんて知らないから、攻めは受けに冷たく当たるし、使用人たちも食事を届けなかったりと嫌がらせの嵐。
実際は裏で、受けがタヌキの姿で食べ物を貰っていたから状況は過酷では無い。
そこから受けの健気な努力で、攻めも使用人たちも受け本人もお互いに好意を抱いていく(絆されていく?)過程がじんわり沁みる。
序盤の攻めが、人間姿の受けには冷たいけど、タヌキ姿の受け(中身が受けだとは知らない)には甘いのもかわいいです。
ちなみに二人の子供は、双子男子です!
直前まで女だったらどうしようとハラハラしましたがさすが小中先生。
やっぱりメインの登場人物が男のみだと、陰湿な嫌がらせでも嫌な気にならなくて良いですね。
※ネタバレあります
始めはトンデモ設定に驚きましたが、
タヌキの可愛さのおかげもあって一気に読み切れました。
・受けの前世はタヌキ→化けタヌキ
・人間に転生しましたが、タヌキに変化できます
・お腹に超大容量の収納ポケットがあります
・この世界は人口はほとんどが男で、男同士の結婚が当たり前
・子供はかなり不思議なシステムでできます
ジル(受け)の魂が入る前にこの体に入っていた人達のせいで、最初は散々です。
仕方ないのですが皆から嫌われて使用人から扱いも酷く、
夫アシュリー(攻め)からも最低限の礼儀はあるものの冷たくされて可哀想でした。
そんな逆境の中でも目標を定めて努力する姿は応援したくなりました。
タヌキ気質で食べ物のことではしっかり仕返しもするのも良かったです。
人間/タヌキどちらの姿でもジルがすごく可愛いです。
次第に認められていく様子にはジーンとしました。
両視点でアシュリーがジルに惹かれていく様子が分かるのが嬉しいです。
ジルに触れたい時きちんと許可を取るのが紳士的で好感が持てます。
執事のローマンさんが優しい人で癒しでした。
アシュリーはいつかジルに大きい鞄をプレゼントしてあげてほしいです。
設定は予想以上にコミカルですが、起伏のある楽しい一冊でした。
買ってよかったです。
面白かった〜!前世で日本のタヌキだったジローが転生して、評判、性格、素行も最悪なジルになるところから始まります。自分から迫って政略結婚したアシュリーには憎まれてる
ジロー、出来るᐢ⓿ᴥ⓿ᐢタヌ……。家中の人間から憎まれている、役立たずとも思われている状態からの行動力がすごかったうちの会社にも来てほしいw
アシュリーへの気持ちを自覚する姿も可愛かったね☺️とんでもないジルを嫁にしたアシュリーですが……彼の変化も読んでいて楽しい部分でした♡
小中大豆先生の意表を突く異世界転生もの。
楽しく読ませていただきました。
受様は、異世界転生しちゃったジル。
前世は主のフトシくんと一緒に過ごしていた化け狸ジロー。
気付けば結婚式直前で、目の前にはお約束の「お前を愛することはない」と怒り心頭でのたまう新郎が。
この新郎こそが攻様であるアシュリー。
ジローが覚醒する前のジルが好き放題してくれてたおかげで、四面楚歌スタートの新婚生活。
放置されても大丈夫、四次元ポケット付きの狸に化けて、館の探検&情報収集。
覚醒前のジルが自分勝手な暴君でも、今私が知っているのはたジローのジルなので、ジルを毛嫌いしてるアシュリーをはじめ周囲の人達に( ゚д゚)、ケッと思いつつ読んでましたよ。
え!?それは仕事放棄で給料ドロボーなのでは?こちらではどんな教育をされてらっしゃるの?
なんて、脳内で悪役令嬢ばりに嫌味があふれるあふれる(゚⊿゚)
最初のアシュリーとの会話もいちいちめんどくせぇやっちゃなぁ、と( ̄ω ̄;)
ごめんよ~私は受様贔屓なのだよ~。
なので、愛し愛される家族が欲しい、と離婚を目指すジルと、それを引き止めたいアシュリーに、ほほっざまぁ(≧▽≦)なのでした。
円満離婚のため、領地運営の黒字に向け奮闘するジル。
少しずつ認めてくれる人が現れ、うんうん、よかったね、と嬉しく見守りました。
ハートフルで元気をもらえたお話で、安心して楽しめる1冊でした(*^^*)
ファンタジーですが難しい設定はなく、現代もののように読みやすかったです。
タヌキのジローは化け狸となりBL漫画の世界に転生し、人間になりたいという夢が叶います。手違いによりジローの魂が入る前に何人かの魂がジルに入り、ワガママで下品な行いをたくさんします。関わると酷い目にあうので嫌われ者になったジルにやっとジローの魂が入り覚醒した時には、結婚相手のアシュリーには目を合わせるのも嫌がるほど嫌われてしまってました。
今はニュージルで前とは違うんだから早くホントのジルを知って優しくしてあげて欲しいと冷たいアシュリーにジリジリした気持ちを感じました。
屋敷内の様子を知りたいジルがタヌキに変身して歩き回り最初は使用人達に可愛いがられ、途中からはアシュリーの膝に乗って撫でてもらえるくらいに愛されます。
前世の経験を生かしスピア家の問題点を改善し、実力を発揮し生き生きとしていくジル。そんな真面目で優秀なジルをだんだん信頼し妻として気になっていくアシュリー。
あまりお仕事のことを詳しく書きすぎず、仮の婚姻が本物になるまでに注力した甘い雰囲気のお話でした。
とんでもない設定にどう理由づけて話を広げていくのか、タイトルとあらすじではまったく予想出来ませんでしたが、さすがは小中先生。渋滞している情報がきちんと整理されていて面白かったです。