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2008年刊、電子書籍にて購入、挿絵なし。
軒並み攻めキャラのDV率が高い水原さん作品。
今回も非情な新興暴力団の組長・鷲谷のインパクトが強烈だった。
重傷を負ったところに鉢合わせした縁で気弱な大学生・史也を気に入ったはいいが、独裁的な性格を発揮して無理矢理レイプした末に自身の愛人に据える…
といった痛さ満載な展開はいつも通りだった。
一応史也には同郷で友人未満の邦彦って知り合いがいるのだが、ヤクザ者の鷲谷にはてんで歯が立たない。
この手の哀れな受けキャラの側には大抵人当たりのいい男がいても、救済の当てにもならないんもんだなぁ…だから"当て馬"って言葉がしっくりくるのか。
たとえ史也が気弱でも、内に何かしら意志を秘めていて…って片鱗が見受けられたならまだしも、暴力的で独裁的な鷲谷との力関係の偏りが目立つ。
う~ん、この手の展開をBLに括るって無理じゃね?って事で"中立"判定を下したものの、水原さん作品の人物の性格付け(背景)には一目置いているので一概に切り落とせないのだよなぁ。
ヤクザ攻めでも妙にインテリで博学なキャラが多いってのもあるし。
鷲谷の場合は、年老いても恐らく存命している父親の関係が拗れてしまったのが切なかった。
そんな複雑な気持ちで読了したら、作者あとがきで『BL(ボーズラブ)というよりもVL(バイオレンスラブ)状態』と書かれていて超納得!!だった。
そうか、VLですか!!
読了後の最大の収穫がこの一言ってのが何とも言えない(^_^;)
古い作品のせいか、電子版には挿絵無し。
夏陰 -cain- 2003年
箍冬 -cotoh- 2004年
夏陰や箍冬とよく似たキャラと展開。
M気質の美青年が、たまたま助けた横暴な君主タイプの組長のお気に入りとなって、振り回されつつも愛していく。
夏陰より、攻の組長の気持ちがわかりやすいので、読んで楽だった。
だけど、受の鈍感さは、こちらの主人公のほうが上。
超鈍感。 分かってもよさそうなのに、
長年片思いだった相手にちょろちょろと浮気をしたりするから、組長が暴走。
あんまり受が鈍いので、コメディのようだった。
俺様系でインテリでやくざってそろい過ぎの攻め様ですねぇ~ それに比べて受け様のひ弱なことひ弱なこと もっとしっかりしてもらわないと困りますよってまぁ~出会いが出会いなだけに素直に好きですにはなれないでしょうね!どちらかというとちょっとした犯罪に巻き込まれた感がありますものね!でも攻め様のかっこよさと強引さに引っ張られてあれよあれよという間に危ない世界に足を踏み入れてしまった受けがちょっと可哀想ですが今後守り続けてくれる攻め様に期待です。題名の「午前一時の純真」がピッタリです。
安定の水原さん節です!
内気な大学生、史也はうっかりヤクザの鷲谷を助けちゃったのだけれど
それに乗じて鷲谷は慮辱、強姦まがい…
鷲谷は最初から史也が気になる存在なのですが
愛情表現はうまくない。
とりあえず、洋服など沢山プレゼントするしかなくって
でも、あんまり喜んでいないから
欲しがっていたパソコンのソフトをプレゼント
それはありがたく頂いた
史也でした。
そんなこんなで史也はほだされて
最後はらぶらぶなのですが
私的にはあまり甘くないラブでした。
イラストは小山田あみさんで
本当に素晴らしいです!
狭く薄暗い中で描かれる人間関係。今作はヤクザにレイプされるいたいけな大学生。後半につれて少しずつ甘くなっていきます。
けが人を助けたことから、ヤクザに脅されレイプされる日々が始まる。心では拒絶しているのに体は反応してしまう。そのうちヤクザ(攻め)の執着愛に少しずつはまっていく、という感じ。
ほぼ受けのぐるぐる思考で構成される。そういう意味では繰り返しが多いのでやや中だるみした印象。当て馬くんも絡みますが、基本のストーリーは執着愛なので、そういう意味では分かりやすい。
エロはほぼ陵辱ですが描写はあっさりめ。
攻めが国立大学で哲学やっててすごく切れ者とか、受けが大学の生物学科でまじめに修学中っていう味付けはよかった。それから、攻めは高価なプレゼント攻勢をするけどもらった本人あんまり使ってないという、唯一かもしれない攻めのかわいいポイントもよい。
最終的に、受けは大学に通いながらバイトも続けて、ヤクザに囲われてはいるけど生活は自分で成り立たせているようなのもよいです。
とことん痛いわけでもないし、ちょっと雰囲気シリアスなBLとして楽しめました。若干単調だったのでこの評価。