電子限定おまけ付き
すっごく楽しみにしていました。そして期待の上をいく満足度!です。
やっぱり種くんなんですよね。そもそもの二人の出会い、それ以前の、豊は覚えていなかった出会いも、種くんがきっかけを作ってくれてたわけです。種くんあっての二人の関係。
そして、穣がいないと種はできない、みのらないんですよね。おとんも頑張っているけれど、種くんの毎日にはまだまだ兄ちゃんがいないと。健やかに成長していけないんだ。だって、ずっとずっと一緒に生きてきたんだから。種くんにとっては母親的な側面も大きい兄ちゃんなのだろうから。
種くん視点での豊は、兄ちゃんの仲良しの友達であり、頻繁にお家に来て遊んでくれる人。クリスマスや初詣、お花見に海水浴などなど家族の行事を一緒に過ごすことが種くんにとっても自然なことで特別感のある人。
でもやっぱり兄ちゃんとは違うんだよね、まだまだ。お母さんが亡くなって豊と出会うまで、穣も種くんも日々を積み重ね、精一杯生きてきたんだなぁって、丁寧で優しい表現が心に染みてきました。豊との出会いで毎日が明るくひらいていった穣の想いがより伝わってきました。二人で住むことを考えていたけれど、種くんが泣いてしまったことで豊も大粒の涙、とても好きなシーンです。
「僕らの食卓」の終わりに中学生の種くんが登場しています。稔が出張から帰ってきても、兄ちゃんいなくても大丈夫、むしろもう少し豊かと二人でいたかった的な、種くんの気持ちが表現されています。そこに至るこれからの展開、すなわちただ種がみのっていくのではなくて、豊かにみのっていくお話が楽しみです。
素直に優しい気持ちに浸れる世界、安心して読めました!
一番最初の巻を読んだときにここまでシリーズ化するとは思ってなかったんですけど、こういう温もり欲しくなりますよね(猛暑でも…)
今回は豊の大学時代の友人の登場に少しだけざわっとするものの、そこでちょっとギクシャクしても大丈夫っていうくらい発展したふたりの関係性、そしてさらに発展して未来へと繋がる可能性が読み取れる展開でした。
おとんって40代なんだぁ…っていまさら新鮮な気分にw(おとんにもうひと花の可能性あるやん…)。種くんがいつまでも可愛い可愛い種くんじゃなくて、だんだんしっかりしてきてるところに、時間の経過が一番感じられます。頼もしい男の子になったなぁ(遠い目)。また、今まで庇護していたと思っていた存在に、実は支えられていたんだと気づく穣君も素敵な青年になって、それぞれがその年齢なりに、それぞれのペースで成長しているっていう日常の営みに愛のあふれる作品なので、ずっと読んでいられるような気がしました。
今巻も優しい空気にほっとしたり、泣きそうになったり、
三田織先生が紡がれる温かな世界観に浸らせていただきました。
ストーリーは前巻からのつづきで、
春になったら二人暮らしをしようと約束していた豊と穣。
けれど、穣が出ていくことを知った弟の種が
「にいちゃんいなくならないで」と泣き出してしまい…。
ああ、こういう子供の涙、ほんと辛い…。
穣と種の絆の強さを知っているからこそ、
離れ離れになってしまうことが種にとって
どれ程悲しいことかわかってしまって辛いのです。
そんな種の涙に二人暮らし計画も保留になってしまいます。
その後も豊の大学時代の同級生の神崎の登場により
穣が嫉妬してしまったり、小さいながらも問題が勃発しています。
穣の不安から2人がプチ喧嘩みたいになってしまう場面では
珍しく豊が怒ってしまって息苦しくなってしまったりも。
けれど、ちょっとしたことをきっかけに仲直りできてしまうのも
そのきっかけがごはん関連というのもこの2人らしくて微笑ましかったです。
そして、タイトルにふさわしく、今巻でも
キャンプ飯やおうちごはん、ローストビーフに手作りピザなどなど、
おいしそうなごはんもいっぱいで就寝前に読んでしまうと危険でした。
今巻のラストでは穣の就職が決まり、職場の研修のために穣が
豊や種たちに見送られながら九州に旅立ってしまうところでおわりです。
まだ続くのかな?
これで完結でもおかしくはないけれど、できれば穣が帰ってきて
無事社会人になって豊と穣が念願の二人暮らしをするところも見てみたいなぁ。
小学生になってランドセルを背負った種くんも見てみたい!
おかわり2巻はみんなの成長が眩しくて、ちょっとせつなくて。読んでいて優しい気持ちになれました。
穣が焦りから空回った行動をしてしまうのも分かるなぁとなりましたし、
豊の気丈に振る舞っていたけど実は寂しいのが伝わってきたところは泣いちゃいます。
種くんが穣はもう飽きた〜と言いながら本当に困った時にはやっぱりお兄ちゃんじゃなきゃとなるのもすごくわかって三田織先生の描かれるキャラクターひとりひとりに共感しました。
好きなシリーズの続編うれしいです(この文言を書けるのがうれしい)。
今回ますますいい話だった〜。
感動です。特にラスト。すばらしい。
人の気持ちに丁寧でやさしくあたたかく理想的で、時々ファンタジーぽく感じてしまうほどでした。
種の描き方が大人が思うこうあってほしい子ども像では…となってしまう時があり、でもそんなひねくれた私の見方がふっとばされるほどの大きさとあたたかみ溢れる物語でした。
神崎がただの当て馬ではなくいいエピソードだったし。
チャーシューマダムの会社もステキ。
自信なさげな穰に響くものがあったとすごく伝わるし。
僕らの食卓〜家庭、家族、一緒に食事をすること、生きることのすばらしさを感じさせて頂きました。