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なんだろうこの衝撃。いや衝撃って感じのお話じゃないからもうちょっと静かな驚きというべきなんでしょうけど、これは本当にもう一度日の目を見てくれてよかったなと思える作品でしたね。
今はなきリーフ出版から出てたようですけど、悪いけどレーターレベルがこちらの方が素晴らしいのでこちらで読んでよかったと思いました。すみません…。
茅島氏の静かで浮世離れをしていつつも、こと情事に関してだけは恐ろしく激しい物語です。
普段の茅島氏の生活や、行動、言動が静かで予定調和的であまりに「静」なだけに、庭師に向ける情熱と情欲が対比的にとても激しく「動」に感じるのです。
それだけ「動」であってもどこか浮世離れしていて上品で、でも取りすましてなくて、淫乱でも下卑てない、すごく不思議な描写につながるんでしょうね。
正直このレベルの富豪が出てくる話は、BLではなぜかもう「良くある話」になってる所がありますけど、このお話の茅島氏は絶対あり得なくお金持ちな上に浮世離れしてるのに何だか血肉を感じるんですよ。
ああ、そんな人いるかもしれないね、日本のどこかにはという感じで。
茅島氏はとても性格的に偏ってるのに、結局誰も彼に酷い事が出来ない状況になり、茅島氏の思惑どおりに事が運ぶのが、ご都合主義でなく「ああ、そうなるよね」と不思議に納得させられる。
ある意味少し狂った世界にいるのに、それすらも心地よい感じになる。なんとも不思議な魅力のある人です。
庭師はそんな茅島氏に最初はいらだちながらも結局は落ちるように惹かれて行ってしまう。
そこにあらがう気持ちになるのは何となく感覚としてわかります。
でも結局はそこへ落ちることを選んだ庭師の気持ちもわかる。
これだけ真摯に思われるというのは稀有な事だよなと思わせられるんですよね、読んでて自然に。
言葉でその辺を「解説」する小説が多い中、これだけ読んでて感覚で感じさせられるってのはすごいなと感心してしまいました。
私もすっかり茅島氏のとりこなのかもしれません!
時系列が前後しながらも、ストーリー展開は無理がなくとてもよくわかります。
わからないのはなぜ茅島氏が庭師にそこまで惚れ込んだのかという事くらいでしょうか。
しかし、恋とはそういうものという言葉で収まってしまい、それでいいような気がしてしまうのが茅島氏なのかもしれないですね。
あと、イラストがとてもマッチしてて素晴らしかったです。
茅島氏の雰囲気を描くだけで空気で感じさせてくれる感じがしました。
10年前に発刊されたノベルズの文庫版とは思えないほど、新鮮な印象でした。
文庫化されていなければ私もこの作品のことを読むことは無かったと思うので、文庫化には本当に感謝です。
いつまでも手元において読み返したいと思える作品に出会えるのって、とっても幸せ。
物語は茅島氏の優雅な生活について追っていくことで進められていきますが、冒頭の「彼」とのただ事ではない雰囲気のやり取りはひとまず放置されてしまいます。
澄ましているかと思いきや不思議な魅力を放つ茅島氏にときめきを感じ始めるころ、ようやく「彼」が登場、茅島氏と読者のハートを奪いにやって来るのです(笑)
秘密の関係ゆえに、いつ忍んでくるかもわからない彼を待つ茅島氏と、そんな茅島氏を翻弄して楽しんでいるかのような彼。
彼に抱かれて幸せで涙してしまう茅島氏は健気で、切なくて胸がぎゅっとなります。
すべてが時系列順に語られていないので、二人のなれ初めである嵐の夜の出来事や、茅島氏が彼に惹かれるようになったきっかけなど、物語を読み進めるうちに徐々に疑問だった部分が明らかになっていきます。
欠けていたパーツがそろっていく感覚がたまらなく好きです。
読み進めていくうちに茅島氏という人物を知り、読者も彼同様に茅島氏を愛さずにはいられなくなるのではないでしょうか?
高貴で何者にも囚われない茅島氏が、彼だけを一途に思う姿は素敵です。
この1巻では、片思いだと思っている茅島氏と、身分の差を思い彼に惹かれていく気持ちを抑えようとする彼が噛みあわないのがまた切ない。
傍から見たらどんなに熱い二人でも、一線引いている姿がもどかしく、またそれがたまらないのです。
普段の様子からは想像できないくらい、彼の前で淫らになる茅島氏、本当に可愛い・・・
彼のSっ気満載のエロスシーンは、エロいのに切なくて綺麗なのです。
それにしても茅島氏の高貴っぷりはファンタジックに壮大です。
茅島邸や英国式庭園の描写は、私の想像力と知識では脳内に再現しきれないのですが・・・
この雰囲気はとてもツボです。
BLにはロマンチックがなくちゃ!(笑)
茅島氏シリーズ1作目。
茅島氏の浮世離れした言動や、自分にも人にも嘘をつけない真直ぐさが可愛いです。
お坊ちゃまだけどそれを鼻にかけず、むしろ不器用なところに好感がもてます。
そして、お相手の庭師のツンデレな感じも大好きです。
二人になると雇い主と雇われ側の立場が逆転し、
茅島氏に対して上から目線の強気な口調になるのが最高です。
この二人いいコンビです。
そして茅島氏の優雅な生活は、羨ましくなる優雅さでした。
社交パーティーやら骨董収集やら、資産家たちの優雅な世界観も
読んでいて面白かったです。
続きが早く読みたい。
リーフ出版のCDで大好きになり原作も読んでみました。
CD同様の感想です、とても最高…!!!
小説ならではな情報量の多さにも大満足です。
流れを知っていても、新たな魅力に惚れていく。
茅島氏はやっぱり可愛いなぁ。
かやしま すみと って流れるようなフルネームからしてもう全部素晴らしい。
感情の起伏が少ないかと思いきや庭師に見せる情熱的な愛には読者側もドキドキさせられます。
こんな大金持ちに好かれたら私だったら堕落しきってしまうと思うのに(笑)ストイックに付き合いを続けつつも庭師側がなだらかに妥協し二人の時間が増えていくのにはニコニコでした。
好かれた側の特権というか(笑)高貴な雇い主にも動じず主導権を握っている初期の庭師も凄く好きでした。
好きだとたくさん伝える主人に反してよくぞあそこまで…!
BLで見飽きた様な典型的なカップルにはならず、二人を眺める時間がとても楽しかったです。
早く次巻も読むぞー!!!
ほんとです、読むタイミングってありますー
(すいません。前のお姐さまのレビューを受けて書いてしまいました)
私は違法行為(笑)ついコミックから入ってしまって。
麻々原先生の可愛いめ茅島様の印象がぬぐいきれず、しばし放置してました。
今回、ようやく読めましたー。
コミックは萌2でしたが、小説は神ー。
1.庭師を好きだという気持ちにじんわり気が付いて、行動にうつすまでの
心情がとってもよく分かったから。
コミックだと 今一つ好きになった理由がぴんとこず。
今回じわじわじわーーーっと茅島さんの心情が伝わってきて、
すっごくよかった!
2.庭師側の気持ちも、文字になるとじっくり伝わってきて
コミックもいいけど、小説もいいじゃーーーーーーーーん と
とても嬉しくなりました!
「こんなに完敗していることには気づいていなかった」なんて
もうメロメロじゃん!私も完敗ー
3.コミックでは出てこなかった聖司(きれいなお医者さん)が、
どう関わっているのかがわかって、なんだか納得ー。
このキレイなお医者さんで何か読みたいーーー
茅島様とも不思議に絡んでて、なんだかうっとりしちゃいました。
(同人誌に載せてたやつを大幅改稿して文庫化したそうです)
しかしまあ、今から思えば、コミック、すごい!
原作の雰囲気を忠実に忠実に再現しつつ、麻々原先生の味をちゃんと出し・・
恐るべし。