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「その男、取扱注意!」の続編です。
取扱注意!は大好きで何回も読み直してるんです。
でもこちらはね、続編らしくすれ違い誤解思い込みのオンパレードで。
主人公カップルがほとんどなかなか会えない一冊じゃないかな?会えなさすぎでしょ?
お付き合い3ヶ月な二人。緒方の仕事の都合でなかなか会えずに今だに緊張してしまう佐伯。
う〜ん、緒方もなあ。いくつの設定か忘れたけど嫉妬が激しすぎ!ずっと年上なのに高橋に簡単に煽られて。正直なぜそこまで?お仕置きも激しすぎて。
佐伯に逃げられたらどうするの?
連絡する時間もないし仕事内容も言えないのもわかるんだけど…。
佐伯がひたすら待つ乙女というか忍ぶ女なようで。色々事件があったのに事件内容もなんだったっけ?というくらい佐伯がとにかく辛かったです。
前作「その男、取り扱い注意!」が、かなりツボに入ったので、こちらも読まねば、と。
前は、敬介が助けた過去の事件が発端で、瑞稀と出来上がるわけですが、敬介のはじめての恋で思い入れちゃった辛さというか、瑞稀を忘れられない想いとか、キュンキュン来てたのですが、今回はそれに加えて瑞稀の余裕を持って構えたふうに見えて、実は嫉妬心、独占欲でかわいがりたい!という気持ちがすれ違うところが読み応えありました。
まぁ事件は起こるんですが、どちらかと言うと、そこに絡んで二人の関係が進展どころか後退してしまう状況になりつつ、お互いに嫉妬によるすれ違いや諦め、でも緒形は緒形で色々大変な状況で。敬介が本心じゃないのに、思わず「嫌い!」と言ってしまう子供のような初心な気持ちがこれまたかわいい訳で。
無理矢理に抱いてしまうシーンはちょっと辛いですが、最後にはちゃんとまとまると信じてたんで、敬介、耐えろ、もっと甘えろ、ちゃんと気持ちを話してー!と応援しちゃいました。
最後には一緒に住むことになって、きっと敬介は瑞樹に離してもらえないんだろうな。良かったね。
瑞稀は敬介のことを「あなた」って呼ぶんですよね。これがまた大人の男っぽくて物語の瑞稀に合っているので、良いなぁって思いました。書き方によっては、他人行儀に思えるんですが、文章にするとなぜか色気を感じるというか。
成宮さんの他の作品も読もうと思いました。
一巻のようなハラハラするようなスリリングさはなく、二巻は恋人同士になった二人のすれ違いが描かれていて焦れ焦れしました。
敬介の元バリタチゆえの戸惑いがすごくいいです。
ほんの数ヶ月前には男に抱かれるようになるとは思ってもいなかった敬介。
それまで知らなかったネコの快感を覚えていく自分の身体に戸惑いつつも、緒方に抱かれたいと思うようになってしまうとか、女みたいに喘ぎたくないと思っているのに、弄られて自分も聞いたことがないような声が出てしまうとか、萌えます。
背も高くて肉体労働をしているからガッチリとした男の身体で、顔も強面(だけどイケメン)な事を自覚している敬介は、緒方から「かわいい」と言われる事にとても抵抗があって素直に受け止められなかった。
だけどこんな自分ですら緒方が「かわいい」と言ってくれるうちは、隣にいることを許されているような気がするからと、自分から「かわいい」と言って欲しいと思うように変化するところがいいです。
そういうところがかわいい。
だけど、恋人同士になった彼らのすれ違いに関してはイマイチしっくりこず、共感ができませんでした。
敬介は、緒方の仕事がただのお遊びなんかではなく、命懸けの潜入捜査をする事があるというのを当事者としてよーーーーーく知ってると思うんです。
「今夜は仕事」と言われていたのに、女連れの緒方を見て不安に揺れる気持ちもわからなくはないけど、仕事の一貫として女といるんだな位は、思えないのかなぁと。
そして、緒方も詳細は明かせないのはわかるけど「今度の仕事は女絡みだけど、絶対に心配するな。」位は、明かしておいても支障はないと思うんですよね。
不必要なすれ違いを盛大にしてるなぁ……というのを思ってしまうのは、神の視点を持つ読者だからかしら。
一巻がとても面白かっただけに、こちらの二巻は残念ながら、正直蛇足ぎみだと思ってしまいました。
電子書籍で読了。挿絵もあとがきもありました。
昨日、前作の『その男、取扱注意!』を読み終わり、そのあまりの面白さに矢も楯もたまらず、間髪を入れずにポチってしまいました。自分の堪え性のなさに呆れておりますが、面白かったのでとても満足。
大変レビューが多いので、感想のみ書かせていただきます。
続編は得てしてボルテージが落ちる場合があるのですが、このお話がそうならないのは前作と同じ土俵で勝負していないからではないかと思いました。前作が『推理サスペンス』の色合いが濃いのに対して、今作は『仕事が忙しくてすれ違う、お互いを好きで好きでたまらない恋人同士』のお話(おまけにその仕事の内容を相手に話すことが出来ないという、なかなか難しいケース)。これは結構、似た様な感情を持ったことがあるので非常に共感しやすかったです。そういう意味では「あー、恋愛もの読んだなー」という感じの満足感でした。
敬介が「私と仕事のどっちが大切なのよっ!(あ、すみません。敬介はこんな喋り方をしないのに女言葉で書いちゃった)」って怒鳴り散らせる様な人だったら、こんなに共感出来なかっただろうなと思います。
好きな相手だから、仕事の邪魔はしたくない(多分これ、自分も邪魔されたくないからなんじゃないかと思うのですが)。でも、相手のことを全部知りたい。隠し事をされると傷つくし、騙されたんじゃないかと思うと猛烈に腹が立つ。だけど、その嵐の様な感情が落ち着くと、やっぱり好きだと思う。そんな敬介の心の揺れ動きに完全に同調して「わかる!分かるよ、ホントにそうだよねー」と、心を揺り動かされた続けた約2時間。
成宮さん、上手いです。完全に物語世界に持って行かれていました。
もうひとつ、このお話で私が打ち抜かれてしまった部分があるのです。
敬介が緒方を好きになった理由について聞かれるシーンがあるのですが、その答えですよ。
これが素晴らしい!
全ての恋がこうであって欲しいと思っちゃった位、素晴らしい!
引用しませんので、是非ご覧になっていただければと。
前作が緩急を付けた技巧派のお話であったとすると、こちらは直球ど真ん中ストレートのお話です。
とんでもない剛速球に胸がすきました。
追記
「いつか『元ヤクザの八百屋店主の話が書きたい』とこっそり思っています」とあとがきにあるのですが、これ、高橋の話ですよね?!
読みたいなぁ……読みたいなぁ……
続編。すっごい年下なのに敬語攻めな緒形に萌えます。そして、成宮さんの作品の特徴かも知れないけど、受けが人生に前向きで恋におぼれるバカじゃないのがいい。
恋人になってあまあまかと思いきや、仕事ですれ違う二人。続編って、ストーリーを作るために無理矢理当て馬登場とか事件に巻き込まれとか、好かれてないかもとうじうじしたりと、無駄だなあという話も多々見受けられるなか、こちらは本当に面白かった。
土方をしながら建築を勉強しようと大学受験に向けてがんばる受け、敬介。仕事で緒形とはなかなか逢瀬を持てず、寂しく思いながらも前向きに努力する日々。
そんな中、親友で今はヤクザの高橋が、当て馬かつ事件のキーパーソンとして絡んでくる。高橋は警視である緒形との取引のため、敬介に近づいたのだが、緒形の気を引くため、敬介にキスをしかけるー
筋だけ書くとありがちに思えてしまいますが、読ませてくれました。健気とかツンデレっていうよりは、実は男前受けだと思います。敬介。