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表題作恋愛小説は書けない

甲斐幸正・受様の小説が好きな大ファンな新しい担当者
神野透哉・奇行で担当泣かせの気ミステリー作家31

その他の収録作品

  • おこた活用法

あらすじ

思い込みが激しく変人として有名な売れっ子ミステリー作家・神野透哉は、新しく担当になったコワモテの男・甲斐に夢中。その思いを伝えるべく飲み物に薬を混ぜ、甲斐を眠らせて同衾するが……!?
(出版社より)

作品情報

作品名
恋愛小説は書けない
著者
雨月夜道 
イラスト
本間アキラ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784592876472
3.5

(46)

(12)

萌々

(15)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
17
得点
158
評価数
46
平均
3.5 / 5
神率
26.1%

レビュー投稿数17

変人奇人好きな方には超オススメ!!!

雨月先生の初めての本とのこと。初めてでこれ?うそーーーーーー?? と驚愕の大爆笑ものでした。
変人奇人がお好きな方、上下をめぐって少々バトルありなんだけど、読者には上下決定済というお話が好きな方、ドタバタではないコメディが好きな方には本当にオススメしたいー と思う一冊。地雷はあんまり思いつきません。本編210Pほど+あとがき+後日談22Pほど で、あまりの変人奇人ぶりに神をつけるのは少し躊躇われたので萌2です。

登場人物は、強面編集者、変人売れっ子ミステリー作家、ちょっと可哀想に思えてくる精神科医、前の担当編集者、飼い犬ゆずしお(表紙の子、しゃべりません)です。

お話はあらすじにある通りで、とにかく、この作家がぶっ飛んでる!正直、よく通報されなかったなと思います。他人事としては笑えますが、自分の身近にいたら、申し訳ないけど対応できる自信はないです、はい。
そんな尋常ではない性格になった理由はちゃんとあって、そこはせつないのですが、とにかくぶっ飛びすぎて、そんなせつなさなんて、微塵も残りません。ひたすら笑って、きゅーんしました。
そして一言もしゃべりませんが、ゆずしおがさりげなく会話に参加する箇所もあり、めちゃくちゃキュートです。中の挿絵10枚のうち1枚ゆずしおが描かれていて、そのシーンは受けもめちゃくちゃ可愛くて、超癒されます♡
挿絵の先生は初めましての先生だったんですが、強面がめちゃ良かったです。1枚色っぽいシーンは強面さんが頑張ってるところなんですが、すんごく色っぽい!強面がお好きな人には一見の価値ありなんではと思うんですけどね・・・

******以下はめっちゃ 内容に触れる感想

実は上下でもめる話ってあまり手に取ったことがなかったので、むっちゃぶっ飛びました。どう考えてもアンタ下でしょ、と何回突っ込んだことか(爆)。唯一気の毒でしょうがなかったのが、尋常ではない作家を担当する精神科医さん。ノンケなのにこのぶっ飛び作家の上下相談等に巻き込まれて、胃潰瘍になってしまうんです。この精神科医さんだけは深く同情するなあ。こんなに通常の会話が成立しない患者さんが担当にいたら、そりゃ病気なるよ(笑)

なにかのトピでこの本を教えていただいたのですが、自分だけではまず手に取らなかったと思います。
教えてくださった皆様に超絶感謝!ああ、面白かった。気分転換に最高です!

1

コメディだったのか!

雨月さんは初読みかと思います。
どうやらこの作品は初文庫らしいですね。
けっこう難しい漢字を使われるなあというのが第一印象。偏に(ひとえに)とか燻らせ(くゆらせ)とかね。
ただ、地の文で使われる表現がとても豊富で面白いのです。例え方が。
他の作品を読んでいないのでわからないのですが、こういう感じの作家さんなのかしら。
だとしたら他も読んでみたいなと思わされました。
ちなみにこの作品、『僕』受けです。
僕呼びは攻め受け共に大好き要素。
そして神視点(作家視点)の三人称かと出だしは思ったのですが、どうやら受け視点と攻め視点が交互にある三人称でした。

**********************
受けの神野は、売れっ子ミステリー作家でゲイの31歳。
整った顔立ちとスタイルはモデル顔負けでありながら、内面は残念なタイプ。

攻めは27歳とはとても見えない、雄臭くヤクザ顔負けの強面でガタイの良い編集者、甲斐。
神野の担当で、昔からの神野ファン。
**********************

序盤、『今まで一度も性格を肯定されることがなかった神野』という下りがあるのですが、もうその一文でどんな人ですか??と興味津々になりました。
まあ、性欲度外視で人を好きになったことがないってだけでね…うん(苦笑
困ったちゃんだねえ。

強面で愛想のない甲斐を、最初は苦手だと思っていた神野。
しかし一緒に仕事をするうちに徐々に好きになっていたらしいのですが、これまた初恋風味です。
神野はゲイで相手にも事欠かないモテ男なわけですが、いつも体の欲求発散のための付き合いばかりだったということで、慣れない恋に悶えております。ジタバタと(苦笑
物語がスタートした時にはもう好きになった後からなので、序盤から一人で舞い上がっているさまを読めます。

そして恋慕相手の甲斐ですが。
彼は正真正銘のノーマルなので、神野の行動がいちいち理解不能なわけです。
まあ神野相手でしたら、ノーマルだからとかは関係なく理解不能でしょうが。
時折、そんな神野へ甲斐のチョロっとでる毒台詞がなんともツボ。
本当にわけがわからないといった感じが良く出てるんです。
そしてえっちの時だけ敬語がなくなる甲斐。
萌えますよー。

サブキャラには神野のかかりつけ精神科医の田山が登場するのですが、この人も甲斐同様神野の斜め上を行く思考の被害者です。
うーん、こんな患者さんいたら大変だろうなあ、胃に穴が開いても不思議でない。
そんな不思議系な神野は好きな相手には何も求めない無欲なお方で、自分が他人から打算抜きで求められるような人間だとは思っていないし、そういうこと自体をもう期待していないんです。
作為ゼロなのに甲斐を翻弄し、田山を振り回し、でも振り向いて欲しいだとかは思わない。
だから甲斐とも先生とも話が噛み合わないわけです。(だから先生の胃に穴が)
そんな神野に食いついて、彼の内面を理解し、それを可愛いとさえ思い、さらにいわゆる一般的な恋愛の考え方を押し込んだ甲斐はあっぱれでしたね。
まあ、最後の一押しは先生のお陰でもあるかな?(苦笑

挿絵は本間アキラさん。
やー、しかし本間さんは動物を描くのがお上手ですよね。
ご自身のコミックでも描かれているからなのか、とても慣れた風で。
表紙にドキュンとさせられました。挿絵にちっさくしかなかったのが残念なくらい。
このゴールデンは神野の愛犬ゆずしおです。
可愛いかったー!

それから最後になりましたが、後書きの後にSSがありますので、ご注意を!

5

ギャグ作品

丸ごと一冊ひとつのストーリー。

笑える作品・・・と色々な所に書かれているので
そう思って読んだのですが・・・予想以上にギャグ作品でしたw

小説家の神野先生が、ここまでひねくれた・・・と言っていいのか
変わった考え方というか・・・読んでいて
「ナンデそう考えるのさ!?」と言いたくなるほど。
でもそれが、笑えるんですよね~。

ぎゃはは・・・と笑ってスッキリしたい時には
もってこいの作品。
でも恋愛的な要素でキュンキュンしたい・・・なぁんて時には
物足りない気がしてしまうかもしれないので
読む時の気分に注意して読むといい作品だと思いますw

2

羨ましい!

実はものすごいネガティブな下地があるのに、ものすごいポジティブな神野が羨ましくなった。
個性的な神野と精神科医の会話に、何度も声を出して笑ってしまった。
コメディとして、かなり面白く読めた。
オススメです♥︎

3

ゆずしお可愛いーwww



大好きな本間アキラ先生のイラストに大好きなモフモフわんこ!そして小説家の話!
いちかばちかで買ってみたら大当たりでした(笑)

雨月夜道先生の作品は初めてなんですが,笑いました。
私の笑いのツボを刺激しまくりの作品でした。
予想を裏切る斜め上の言動,二人のやり取りが面白かったです!
脇役の精神科医の先生のやり取りも最高でした。
先生かわいそうなんだけどね(笑)

最後のおこた活用法の話良かったですねー!

雨月夜道先生のデビュー作品なんですね!びっくりしました。
こんなに面白いコメディー小説を書く作家さんなかなかいないですからね!

次も期待して『神』評価です!

3

宇宙人にもセオリーがある

奇人・変人な攻め/受けキャラは多いけど、そんなキャラ本人の視点の話で、自分の思考回路を理路整然と説明している話ってなかなか珍しいんじゃないでしょうか?

モデル並みの容姿でゲイの人気小説家・透哉。
その奇怪な言動故に編集からも煙たがられ、愛犬・ゆずしお相手にひとりごとを言うのが日常の彼ですが、彼視点で行動を追っていくと、突飛な行動にもちゃんと意味があるのです。

女性キャラの上手い台詞が浮かばない!ーーーーーーー→死体になりきってみよう!
好きな相手(ノンケ)に下心がないと信じて欲しいーーー→裸で同衾しよう!

こんな感じで、A→Bの結論に行き着くまでの過程が、彼なりの論理で説明してあって。
「なるほど分からん」って感じもあるけど、透哉なりに合理性を考え、また周りのことを最大限思いやった結果、ちょっと斜め上の行動に出てしまうのです。

そして、透哉は過去の辛い失恋体験から、自分の性癖や性格が人に馬鹿にされたり、気持ち悪がられたりすることもある程度分かっていて、なるべく不快感を他人に与えないよう振舞っている一面もあり、遠慮がないようで実はすごく健気でいい人です。

そんな透哉の小説の大ファンで、Vシネに出てくる悪役のような出で立ちの編集・甲斐。
透哉が、好みとは正反対の容姿なのに好きになってしまった人物です。
彼は、自分が透哉に本気で惚れられているとは思ってもおらず、透哉の色んな気遣い・アプローチに対して、時に苛立ち、時に心配してひたすら突っ込みまくる。
キレ突っ込みが過ぎて、キックが炸裂することもあり、漫画だとギャグ場面などで普通に見られるシーンなんだろうけど、小説でまともに書かれると少し引いてしまうところもありました。(実は、透哉に痛みを与えないよう配慮している…というフォローが後で入るんですが、透哉が色々と健気なので少々可哀想に思えてしまって。)

すれ違いに次ぐすれ違いが続き、甲斐が透哉の内面や可愛さに少しづつ気づき、ありのままの透哉を好きだと言うシーンにたどり着いたときはホッとしました。
個人的に甲斐の態度は上から目線に思えて、あまり好きではないものの、不器用で言葉は乱暴だけど甲斐なりに透哉を大事に思っていることが端々に分かるし、
くっついた後の「おこた活用法」はほっこりしていいエピでした。

個人的に脇役で好きだったのは、透哉のぶっ飛んだ相談の聞き役にされている精神科医・田山。キレ突っ込みの甲斐と違い、透哉の思考回路に疲労困憊して力無く諭す感じがツボでした。今後も、透哉の相談(ノロケ)相手として偏頭痛と胃痛に悩ませられる日々を
送るんだろうなー…。憐れすぎるけど、ナイス脇役でしたw

7

頓珍漢かと思いきや

こちらでオススメして頂いた小説の内の1冊です。

ベストセラー作家でバリタチの神野と、神野が恋した年下でヤクザな風貌が否めない担当作家の甲斐のお話。

一見神野の見た目は中性的な魅力がありますが、中身はオトコマエ。
というのも、据え膳食わずに我慢しまくり(笑)
元々据え膳に仕立て上げたのも神野の力量ですが、それでも我慢出来た彼はエライ(笑)


とにかく面白かったです!
話の流れや会話、モノローグがいちいち良い意味で裏切ってくれる!
するとこちらは「おぉ!」って思うし、途端に思わず笑ってしまいます。
「脳内妄想は許して欲しい」とか突然言われても、相手は困ると思います(笑)

それに、神野はダメダメな変人かと思いきや。
甲斐に対して怒鳴りつける所とか、凄く筋が通っている。
自分の過去の経験から、自分自身で縛りつけてきた過程。
それがあるから、甲斐に対して憤りを感じたのでしょう。神野は全く間違えていない。
神野が彼に怒るという事は、余程の事だったのだと。


甲斐が自分の気持ちに気付き、神野の傍にいきたいと思う流れも好きでした。
あの途端の執着とか死ぬほど好きです(笑)
「神野が甘えてくれない!何も言ってくれない!」なんてモヤモヤする甲斐。
でも神野いわく、「甘えさせてくれてそれに喜ぶのに精一杯」だったとか…
……めっちゃギュンときちゃったんですけどっ!(ハアハア)
甲斐は好きになったら一気に加速しちゃって、自分こそ彼を求めまくっていたんですね。


笑えるし、その上キュンとすることも出来て大満足でした♪

ただ、あの精神科医だけは不憫きわまりないですね(笑)

5

ポジティブすぎる!

いや~面白かった!神野ポジティブすぎる!
田山先生とのテンポの良い会話が好きすぎる。先生の適切な例え話が笑えます。
神野との会話の時は冷静にあしらってるように見えたのですが、実は胃潰瘍になるほどストレスを抱えていたとは…お気の毒です(笑)

強面の編集、甲斐に恋をする作家の神野はゲイ。好みと全く外れているのにも関わらず甲斐に惹かれて、抱きたいという欲望を持ってしまいます。
でも相手はノンケだから…と悩むのかと思いきや、この神野は普通という文字からはかけ離れた男です。甲斐に吸いかけの煙草を強請り、思わず胸の内を明かしてしまいます。
もう最初っから飛ばしすぎ!そこから神野の暴走は止まりません。でも手は出さないんですよね。
神野は甲斐に付き合って欲しいなどと望んでいるわけではなく、一緒に過ごせることに一番幸せを感じているんですよ。
甲斐の買った花火に喜んだり、お弁当を欲しがったり。甲斐にケーキを食べさせたくて嫌な取材に行ったり。実はかなり健気な神野が可愛くて!

後半の展開は良かった~。それまでとは逆に今度は甲斐が神野を追う側に!
エッチの時にどちらが上になるかでちょっと揉めますが、最終的には神野が折れます。
というか甲斐にあんな覚悟示されたらバージン捧げるしかないですよね。
俺は嫉妬深い、と言っちゃう甲斐に萌えました。

想像のつかない神野の言動、行動に始終楽しませられました!

2

笑えました

売れっ子作家である神野と編集者の甲斐の話なんですが、この神野がとにかく変人。甲斐にどんなひどいことを言われてもプラスに受けとるあのポジティブシンキング…もうぶっとんでます。
だからこそ、ある女性作家と甲斐の仲を誤解した神野が気をきかせて喫茶店から去ろうとしたときに、甲斐に言われた「この状況を嫌がればいい。」というセリフに対して激怒したことが意外でした。たしかに自分に応える気もないくせに嫉妬しろ、と言われたらむかつきますよね。でも、神野は普通の感覚ではないので、怒って当たり前のところで怒っているのがびっくりというか。まぁ過去のトラウマから怒っていたわけですが、たとえ変人でも傷つくことはありますよね。神野は変人で怒らないから、ひどいことを言っても傷つかないと思っていろいろ言われてきたんだと思うとちょっと不憫になりました。
不憫といえば精神科医の田山ですね。神野にふりまわされ、胃に穴があき入院。かわいそうすぎる(笑)
話はちがいますが、この話みたいに受と攻の視点が交互に入れ替わる話が好きです。どっちの気持ちも知りたいので。もっとこういう感じの話があったらいいなぁ。

3

おススメ!!

強面の編集者・甲斐〔攻〕と、天然気質な人気小説家・神野〔受〕
全体的にコミカルタッチで書かれてるんですが、それがもうおもろいの何の!
神野のもはや思考回路の繋がりがどっか壊れてるんじゃないかと思う位の変人っぷりと寄行がつきぬけちゃってます。

BLジャンルにとどまらず小説家が変人に書かれてるって事はよくありますが、神野の場合は変人さがたまらなくおもろいです。
彼はゲイでそれを恥じてはいません、そしてタチで美青年タイプがお好み。
思考はとことんネガティブ。
そんな彼が、なぜか自分の好みとは正反対な甲斐に心魅かれてしまう。
甲斐と神野の会話もおもろいんですが、神野の担当精神科医である田山とのおもいっきりかみ合っていないカウンセリングにも笑いました。
文章の表現自体も笑いツボを得ているというかともかくいちいちおもろいです。
作品ファンでもあった神野の行動に呆れながらも、次第にそれを好ましいと感じ始める甲斐。
最後まで神野がタチ気質なのもこれは将来的にはリバも有りかーーって想像させる楽しい終わり方でした。
あと神野の飼い犬のうずしおちゃんがもっそい可愛いです。

凄くツボを抑えていて展開も上手いコミカル系作品だと思います。
これ読むとツボる人って多いと思いますよ、これは評判になって欲しいなあ。
かなり自分的には押します!!

3

噛みあわなさが楽しい

今回は受様の小説が好きな大ファンな新しい担当者と
奇行で担当泣かせな売れっ子ミステリー作家のお話です。

ゲイの受様に好かれた攻様が
戸惑いながらも彼を受入れていくまでの本編に
オマケでその後の2人の続編を収録。

受様は
スラリとした長身で品のある顔立ちで
というモデル並な外見と

ベストセラー作を数多く生みだす才能に
恵まれたミステリー作家です。

但、受様は
その美貌も才能も霞むほどの
ぶっ飛んだ性格と筋禁入りのゲイという
マイナス要素で

黙っていれば良い男なのにと
嘆かれてしまう人物でした。

それでも受様本人は
コレが自分と完全に開き直っていて
自分が周囲から浮いていても気にせず
金と美貌に寄ってくるセフレとの関係を
楽しんでいたのです…が、

最近担当になったある男性が
受様の性格を肯定してくれて
受様は彼に夢中になってしまいます。

この担当こそが今回の攻様ですね♪

攻様は強面で無愛想でつっけんどんで
受様好みとは大きく外れていた上

攻様の方でも受様の作品は好きでも
受様自身を好いてはいない様子だったのです。

それでも(それだから?)
受様がのびのびと創作する為には
受様がありのままの姿でいる事が一番と
言ってくれたのです。

奇人変人と言われ続けて
自身を否定され続けてきた受様には
青天の霹靂な出来事で

それ以来
受様は攻様といるだけで嬉しくて
手が触れただけでも舞い上がる位
攻様に傾倒していたのです。

攻様にキスして押し倒したいと思いつつも
ノーマルな攻様に引かれない様にと
一生懸命自分を抑える受様ですが

実をいうと攻様は受様の作品の大ファンで
尊敬する作家である受様と作品を創れる事を
大嬉びしていたのです。

ゲイ疑惑やぶっ飛んだ性格だという事さえも
無問題だと思っていたのですが
受様は想像以上というよりも全く理解不能で
苦悩の毎日を送っていたのです(苦笑)

突然吸っていた煙草をくれと言われて
吸わないのになぜと問えば
君の下の味が知りたいなんて!!

編集者として必死な自分を
一次的な欲望をみたす軽い存在と
思っているらしい受様に
腹が立ってたまりません。

それでも憧れは消えない攻様は
自分の気持ちを正直に話すのですが
勢いで受様の告白まで受けてしまいます。

しかも自分を抱きたいとまで言われては
攻様は頭を整理するどころか
更なるカオスに引きこれてしまいます。

果たして受様の想いは通じるのか?!

雨月さんのデビュー作は
はちゃめちゃ笑えるラブコメディです♪

奇人変人な相手に振り回される常識人という
カップリングは有りますが

自身が変だと思っていても
ソレが自分だから仕方がないと思う受様なので
自分のどの辺がどう変わっているかは無自覚♪

なのでお相手である攻様は
受様を理解しようと頑張っても
常識とか普通とかは無縁な受様には
攻様の言葉が通じないのですよ。

その上、
攻様は言葉も足りないので
2人の話は全く噛みあわない(笑)

コレがどうやったら噛みあうのかと
最後までドキドキで読んだのですが

結局、噛みあわないままに
それぞれが突っ走ったのに
ちゃんとゴールインしたのはスゴイ♪

攻様がもうちょっと押せ押せなら
もっと早くゴールイン出来ていたので
開き直ったに等しい今後は
もうラブラブ一直線しかない?!

受様のはちゃめちゃな言動を
ソレも有りかもと笑って楽しめない方は
ご注意の上、ご賞味くださいね。

本作はあと書きの中に
オマケで続編があります。
あとがき内で23頁って
オマケの域を出ていると思いますけど。

本編で出来あがって開き直った分、
本編以上に笑えますよ♪

今回は本作同様
担当編集×作家のカップリングで
結城瑛朱さん『恋愛小説家の初恋』はいかが?

3

ユーモアたっぷり

ぶっ飛んだ話で、すごく面白かったです。
常人では想像もできないようなヘンテコな思考回路の持ち主の受け。
でも、受けのなかではしっかりと辻褄があっていて、読んでくうちにこの思考回路に違和感がなくなっていく。不思議な感覚を味わいました。
プロフィール上の変人設定ってよくあるんだけど、実際の描写はたいして変人じゃないってパターンのお話は多いんですよね。もしくは途中から不自然なほどマトモな人になっちゃうパターンとか。
でもこの受けは違います。最後の最後まで変人思考のまんまです。この貫きっぷりが良かったなァ。

で、この受けに読者以上に振り回されるのが攻め。
噛み合わない。とにかく、何もかもが噛み合わない。
私たち読者は神の視点から見てるから分かるんですが、そんな視点のまったくない攻めはひたすら受けの謎思考回路にアタフタさせられるばかりで。これがもう気の毒やら面白いやら。
いい加減気づけばいいのに、攻めもなかなかに強情で、最後の最後まで噛み合ってないのがこれまた良かったです。
でも、噛み合ってないなりにちゃんとお互いを好きなんだよね。それが違和感なく納得できるストーリー運びは本当にGJでした。

あと、ワクテカが持続し続けた理由のひとつに、受けはタチ専門だったことがありますね。
濡れ場への期待が否応なしに高まるのですよ!
そのわりに濡れ場描写はアッサリだったのはちょっと残念ではありましたが。

ユーモアたっぷりの作品です。
変わり種のBL小説をお探しのかたにオススメ。

4

いままで見たことのない宇宙人的思考の受け!

面白かったです。
けど、この作品は、読むときのHP次第な気がしないでもないです。
私は若干吸い取られました;

とにかく受けが宇宙人過ぎる!!!(笑)
なにあの思考回路!
前向きなのか後ろ向きなのかわからない!
常に自分の思考の中でグルグルしてるんだけど、かと言って悲劇の主人公でもない。
「ストレートの男が自分を好きになるわけがない」ってセリフはBLでは読み飽きたってくらい出てくるけど、次にくる行動は意味不明。いや、ある意味筋は通ってんだけど(笑)
いずれにしても、天然空まわりなのは間違いないですけど。

最初はそのあまりのぶっ飛びぶりに、ぐったりとくたびれてしまって、途中で読むのが辛くなってきました。
けど読みすすめるうちに、妙に病みつきになるんですよね、この受けの思考回路。
「あ~、そこでそっちに行っちゃうの?」「次はどっちに行っちゃうの?」と、彼の繰り出してくる突飛な言動を、ワクワクして待っちゃうんですよね。

だから中盤からは楽しく読んだんですが、いかんせん攻めが残念さんでした。
こういう性格の受けに、カッコよくて仕事も出来て完璧な男が陥落されると面白かったんだけどなぁ。
というか、そういう設定の攻めだったのに、実際はとても駄目な男だったのが残念でした。
気は短いし短絡的だし感情的だし、自分勝手で思い込みが激しいし、なんでも責任転嫁しすぎ。
途中からは受けがまともに見えてくるくらい、攻めの言うことや行動がすべて独りよがりでした。

いや、いっそ攻めもお馬鹿な設定なんだったらそれはそれで「馬鹿VS馬鹿」を純粋に楽しめたんですが、無駄に攻めが出来るヤツみたいに描かれていたので、実際とのギャップに「ん~…?」と首をかしげてしまいました。
残念っ!

全体的に文章や表現が拙い印象を受けましたが、他の本の情報がないから新人さん?なのかな?
だとすると、今後楽しみな方ではあります。

あ、精神科医のヤブ医者もイイ味だしてました。
あの精神科医としてはありえないカウンセリングのヤブっぷりも酷かったけど、それにしても胃に穴があくような患者にあってしまった彼はお気の毒でした(笑)

2

神、来たぁーっ!

絶賛です!
雨月先生と本間先生のmixed upの面白くて可愛くて切ない本作は、今の自分の1番です!
「答えて姐さん!!」でギャグ作品を問うてたのですが、お答え頂いたタイトルを捜している中の大幸運!巡り合えた事に感謝です!

主人公「神野透哉」は、遠めからは、美貌・金・才に恵まれた売れっ子作家。でもその実態は、奇人変人で、美人好きなバリタチ。
その神野に対するは、超強面で生真面目な「甲斐幸正」。
担当編集者になる前からの神野作品の大ファンで、今も困惑しながらも真摯に神野に向き合っている。

ネタバレ注意
執筆中の神野、クライマックスの決め科白がどうも自分ではないと、
「あああぁぁ・・・」とかれこれ20分も奇声を発しながら、畳に何度も突っ伏している。
そこに、愛犬「ゆずしお」が散歩を催促。
愛犬と目が合い神野が叫ぶ。
「見るな!お前と目を合わせられない程、僕は恥ずかしい!」
羞恥に顔を赤らめ、手で顔を覆いゴロゴロと転げまわる神野。
ふと、冷静になろうと「頭に掛けるもの」を思い浮かべる。
そして口にする。
「えっと、トマトジュースかケチャップ・・」(血糊の代わりだ)
「また・・死体ごっこですか?」(諦)
そこに、無愛想極まりないドスの利いた低い声。
「!」「ゆずしおが喋ったーっ!」(神野・仰天)
そんな訳はない。
※本文ではありません。

もう、最初からダメ・・苦ゝゝ、苦しい!
何度腹筋に力が入ったか、鼻口から吹いたか、声出して笑ったか!
文章が色々と修飾されて長いのだけど、目で追う事がが全然苦にならないし、次はどんな言い回しでくるのか期待してる程。
(特に甲斐が主語の時は怒濤の修飾!)
神野の、この人何言っているの?何処行っちゃうの?的な会話も、くるくる回りながらちゃんと答えになって帰ってくる。
その巧さに思わず二ヤリとするんです。

そして、シリアス部分。
神野は、自分が奇人変人でゲイで、他人から好かれない事を十分承知している。
親からも好きになった友人からも悲しい思いを経験した。
だけど自分を変えられない。だから好かれないのは仕方が無い。
甲斐くんがこんな自分から離れていかないのは、ただ小説の為。
だから、想うだけなら良いよね・・・体現しないから・・・
普通ならこれでもOKなのに、いや~もっと複雑なんです!
混迷しまくりですから!
でも言っちゃダメだよね?
神野を迷わし神野に悩まされる精神科医も、ゆずしおの主人思いの判断も、良い味だしています!

思うに、この小説の面白さの1%も表せていません。ゴメンナサイ。
自分の力が及ばず悔しいです!
なので、是非、手にとってみて下さい!お勧めです!

4

楽しかった!

言動が理解不能で、ぶっとんでいて、はた迷惑な受け君は
苦手なはずなんですが、
こちらのレビューを読んでうっかり手を出してしまいました。
そうしたら…

私の本来の好みからすると180度真反対の受け君が、
あら不思議
読み終わるころにはぐるっと360度回ってツボってました(笑)
たぶん、いつのまにか攻め君視点で読むうちに…なんでしょうね。

受け君はゲイで性格が残念といわれる不思議さんな作家。
対する攻め君はガチガチにノンケで生真面目、しかも
仕事を依頼する立場の編集者です。
初っ端から立ち位置が銀河系と太陽系ほども違うし、
おまけにふたりの思いのベクトルがあさってのほうを向いていて
さらに受け君は持ち前の変人ぶりで妄想たくましく暴走するし。
そこへ持ってきて、受け君が頼る精神科医がとんちんかんな
(ある意味まともな)忠告をするものだから
とことん迷走していきます。

このむちゃくちゃな二人をよくぞ、最終的にらぶに着地させたものだと
作者さんに感服しました。

あー楽しかった。
暗めでクールなものばかり読んでいたので
とってもいい息抜きになりました。

3

カウンセラーが胃に穴が空いてしまう気持ちがわかる!!

なんだこれ~!!
爆笑っていうか、不思議っていうか、迷路に迷った見たいっていうか、簡単な足し算引き算を小難しい因数分解とか微積分にして解いているような・・・
多分、気持ちは同じ方向だと思うんだけど、表現というか方向があっちいってしまっている主人公?
宇宙人的ぶっとび思考回路に、ガチゴチのカタブツ(いや、まっとうと言うのか?)の組み合わせの会話が始まるたびに、頭の中が混乱を起こしますーーー!!
もし作者が無意識のうちにこのキャラをしゃべらせているとしたら、いや、彼等の性格設定が出来た時点で勝手にしゃべりだしたに違いない!と思うほどのフリーダムさに、、、、
面白い!面白いです!!

めっさラブコメで、小林典雅ほどの単純明快さはないけど、それに近いものが・・・!?
イラストが本間アキラさんなんですが、表紙の装丁とかカラー使いとか、虎オトコ~とかに似ていて、動物もついてるしww
でも、このイラストがすごくあっていて、魅力倍増してました。
今月の花丸文庫は大当たりみたいです♪♪♪

主人公・作家の神野の発言をあげつらっていると、きりがない!
彼は確かに担当編集の甲斐が好きなのだ。
全然、タイプじゃないのに!!
過去の教訓で、ノンケはゲイを嫌うという頭があるから、ただでさえ宇宙人思考なのに、余計思考が飛んでしまって甲斐とドタバタを繰り広げるのです。
神野のその思考、間違ってはいないと思うのよ。
ただ、野球に例えるなら一塁にキャッチできるゆるい球を投げればいいのを、相手にぶつけるような剛速球を投げるような会話をしてしまうんですよ、、しかもカーブとかシュートとか、、うんうん、、
そりゃまともに受け取れませんわなww
しかし、神野はネガティブなんだけど、ポジティブなんですよね~
甲斐に拒否られても、めげない、都合のいい解釈をする(?)
甲斐は自分を嫌っているけれど作品は愛しているから性欲は切り離して云々、云々、、
自分がそういう目で見てないって証明がどうして薬で眠らせてスッポンッポンにして隣で寝かせて、「ほら、何もしてませんよ」なんだよーー!!
それで甲斐に蹴り飛ばされてもめげない神野。
神野が今まで体験したことのない気持ちに精神科医にカウンセリングに通うんですが、その田辺先生の与える言葉をうのみにして・・・
先生も神野の宇宙人思考に苦しめられて、例えで大雑把に回答すれば、それを鵜呑みで実行しては、また甲斐に迷惑をかけてみたり。。
神野がもう勘弁してよ、な患者なんで、先生は胃に穴が空いたらしいですww

そんな全然噛み合わない二人なんですが、神野の宇宙人的言動が、カワイイんだ!!
自分のことより相手の事ばかり考えて、よかれと思ってしてることばっかりなんですよv(裏目に出ることも多いが)
実は、健気なんですよ。
それを甲斐は、神野は優しいからといい、神野は否定してますが、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの逆バージョン?
とにかく、神野がかわいく見えたらもう負けです!

ところがですね!!
その美麗な外見に反してバリタチだったらしいです、神野v
で、強面の甲斐を押し倒したかったらしいですが・・・
野獣となった甲斐の前に、神野はバージンを捧げることになりましたねww
「俺が何ももかも投げ捨ててホモになってやるんだから、お前はバージンくらい捧げろ!」
いや~いいですねぇぇぇぇ(爆!)
自分の頭もぶっとぶ面白いラブコメでした☆☆☆

『おこた活用法』もなんかある意味ラブラブバカップルでした♪

小林典雅にピンと来た人は読んだ方がイイですよww

6

2010年ラブコメbest1です。

一見、作家と編集者というベタで凡庸な設定をここまで新鮮に描き出してくれるとは感動です。キャラクターも抜群に良いし、何よりも恋に必要不可欠の擦れ違い勘違いを巧く取り入れてるのは感嘆ものでした。真正ゲイでバリタチで美貌と才能の持ち主の神野は、趣味の悪いVシネのヤクザ顔の甲斐に出会い恋に落ちるんです。恋したらタイプなんて関係ない、自分を理解してくれ、その人といると居心地が良いというこれまでにない思いを抱くのはよくある事です。よくある事をストレートに描くのではなく、ノーマルな指向の甲斐に対しての神野の無垢な純粋さ故に距離が出来ます。恋の相談に応じるカウンセラーの先生とのやり取りもまたこの小説の大きな要。会話のやり取りが面白い、この会話が全編に渡り生き生きしてるのも魅力なのでしょう。甲斐も大変に悩みますが振り回されてる様も魅力にハマる様も面白い。そして甲斐のおかげで(受)になった神野がよりパワーアップしてばく進してる様は萌えました。こんなに充実度の濃ゆい作品に出会えて良かったです。

4

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