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BLコミックスとしては珍しい設定。
「長唄教室」です。
ふじむすめ、とは長唄の曲名なんです。
主人公は、偶然長唄を習うことになったど真面目なサラリーマン・杉森(29)。
教室の仲間は全員杉森より年下で、年寄りの趣味、という雰囲気は全くありません。
先生は、竜市(26)。
先輩生徒は、竜市の年下の幼馴染み・斗馬(20)と、作家だという楓(26)。
彼らは杉森が今までに出会ったことのない自由さに溢れていて、「ご縁」という感覚と共に彼らと交流していく杉森の姿。
前半は、生真面目な杉森と居心地の良い緩さを持つ彼らとの友情、的な。
とはいえ、BLとしての舞台装置はあります。
杉森と斗馬はゲイ、という設定。
斗馬は本作においてのイケメン担当なんだけど、竜市の事が好きなのかなぁと何となく匂わせておいての。
「俺としてみる? セックス」。斗馬が杉森に爆弾発言。
斗馬は杉森の事が好きなんです。
これが読者的にかなり唐突で、杉森と一緒になって驚き、嘘でしょ?イヤだめでしょ?と慌てたりする感覚。
クールで無愛想で低温に見える斗馬は、実はとても一生懸命で熱烈。
そのギャップというか意外性にやられる。
仲間になったから色恋は避けたい、身近な人は対象にしない、という杉森。
近くても遠くても同じだ、という斗馬。
どっちが正しいかなんてわかんないし、多分どっちもその通りで、だから殻を破って一歩踏み出す杉森にエールを贈りたい。
強引に勧誘された長唄教室に参加したのとおんなじだね。
ほだされでも流されでも、その先を歩むのは自分。
楓や竜市にいちいちご報告するのは…なんか恥ずい。
お稽古一周年の発表会、成功を祈る!
歩田川先生の作風が改めて好きだなぁと感じました。長唄で繋がる大人達というのも、風情がありますよね。歩田川先生のタッチにも合っている。メインである斗馬と杉森の関係性も、じわじわ距離が近くなっていく焦れったさが魅力的でした。特に、淡々としていて普段はあまり熱が感じられないタイプの斗馬が、根は誠実で、好きになったら積極的に迫るタイプなのがたまらなかったです。2人の関係性にもっと浸りたかったのですが、主な登場人物や場面転換が多いため、少し煩雑な印象を受けたところが唯一残念な点でした。ただ、他のキャラ達のおかげで、人と人との繋がりの温かみも感じることができたので、全体的には満足です。
自分が知らない世界とか、持ってない感覚の話は面白いです。
知らない世界は、この1冊の縦軸になっている長唄というもの。三味線以上に長唄が何かよく分からないまま読みました。次に自分が長唄と出会うときに必ずこの作品を思い出すのだろう。
そして持ってない感覚。誰か選ぶならば、自分は杉森の感覚に一番共感できる一方、斗馬にはほぼ共感できない。同じ作者の手から生み出されているのに、先生にしろ楓にしろ、別個の人格だと感じさせるのがうまい。
作品全体ほぼ4人の男、途中からは5人の男…が喋ってるだけなんですけど、なんだか心地良いです。そう、歩田川先生の作品は心地良いんですよ自分には。激情はないけれど、じわじわ染み渡るような、揚げ物じゃなくて煮物みたいな(わかりづらい)。
BLと三味線?と意外な組み合わせに興味を持ち、
手に取りました。
タイトルの『ふじむすめ』は、長唄の曲名です。
始まり方は唐突で、まるで宗教の勧誘?と思うほど、
強引に言いくるめられる……
そう、この作品は会話劇なのです。
とても多いセリフに不思議な吹き出し、少ない登場人物。
主な登場人物は4人(+1人)。
三味線教室に半ば強引に誘われ、
流されるように始まる関係。
本気で、なんなの?
この人たちなんなの?
と思いながら読み進めました(笑)
だけど、誰も悪い人はいません。
とても愛情に溢れた人たちばかりでした。
主人公は、ゲイの杉森(29歳)
そこにアプローチをかけるのが、同じくゲイの斗馬(20歳)
斗馬が唐突なんですよね^^;
杉森に、セックスしない?って……
でも、よくよく聞いてみると、
杉森のことが好きなんだってよく分かります。
杉森は優しくて、人の感情を読み取ろうとしてくれるいい男です。
ちゃんと内面をみてくれる。
ちょっと絆され、流された感はあるけど、
面倒くさい斗馬を分かってくれて、
好きだと言ってくれたのは嬉しかったです。
大人ぶってるけど、斗馬は本当は寂しがりやの甘えんぼ。
それを分かって付き合ってくれる杉森さんは、
とても大人だと思いました。
とにかく、三味線教室の仲間たちが味があってとても良かった!
ストーリーもあるような無いような……
でも、とても面白かったです^^
心に残る一冊になりました。
先生の既刊も読んでみようと思います。
初読み作家さんです。
絵柄がとても独特で個性的ですね。好みが分かれるかもしれませんが、私は嫌いではありませんでした。むしろ味があって好きかも。
お話はごくごく日常的な出来事が描かれているんですが、主要人物がみんな性格が違って中々魅力的な人達ばかりでした。
小さい頃から家族のようによく知っている3人の三味線をやっている仲間の中に、主人公の受け様が強引に誘われて三味線を始めるのですが、あまりに熱心な勧誘に3人を疑ってしまうとか…うんうん、分かる。普通、そうだよね~(笑)。
台詞の部分がとても多いのですが、それは私たちが普段普通に会話している内容が省略されずに書かれているから。
挨拶の受け答えとか、誰かの意見に同意する相槌とか、やたら丁寧に書きこまれてる。でもそれが自然な会話の流れに感じられます。
こういう台詞の使い方も個性的だと思いました。
この作品で一番印象強かったのは、一見クールでカッコイイ攻め様が、どうにかして受け様を落とそうと迫るシーン。
30ページに及ぶ2人の会話がまるで問答を聞いているみたいでスリリングでした。色々攻める角度を変えて(台詞でですよw)受け様を言い含めようとする年下の攻め様が頑張ってました(笑)。
あんなクールな仮面の下に意外な執着というか情熱を潜めていた攻め様が可愛かったです。