表題作COUNT DOWN

玖上禪・傭兵/
篠宮犬姫・《犬》/石凪信乃・《犬》

その他の収録作品

  • STAY-999
  • あなたとディナー
  • 彼とタンデム
  • あとがき

あらすじ

『しもべと犬』『茨姫は犬の夢を見るか』番外編

作品情報

作品名
COUNT DOWN
著者
玄上八絹 
媒体
小説
サークル
27000Hz〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
しもべと犬
発売日
3.5

(2)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
6
評価数
2
平均
3.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数2

禪の犬姫に対する愛を確認できる一冊♪

「茨姫は犬の夢を見るか」の番外編同人誌。
禪×犬姫を中心に5つの掌編が収録されています。

こちらは、犬姫の健気な愛だけでなく、
禪の犬姫に対する愛の深さを確認できる
禪から犬姫へのラブレターのような素晴らしい一冊です♪

【STAY-999-】約15P
戦場で禪が大怪我をして帰国するお話。
治療のために緊急搬送され、研究所に運び込まれる禪。
それを知った犬姫は取り乱します。

犬姫は禪の輸血用にと、自分の血液を抜き、
それでも足りない分は人工血液を輸血してもらい
自分の体で濾してから採血するという無茶を続け、
命がけで禪の回復を願います。
必死の犬姫はいつも通り健気なのですが、
禪だって、生きてるのが不思議なくらいの怪我を負いながら、
犬姫のことを想っています。

昔は惜しいと思わなかった自分の命なのに、
今は、犬姫のために生き延びようと思ってるし、
手術後も、第一に犬姫のために自分の回復に努めるけれど、
このまま死んでしまうなら、最後に会ってやりたいし会いたい、
と考えています。
そしてとどめに、犬姫のいる場所こそ自分が帰る場所だと言っています。
二人は相思相愛なんですよね。
早く幸せになってほしい・・・。

【あなたとディナー。】約6P
犬姫が、禪の帰国を祝って何か特別なことをしたい、
と信乃に相談をもちかけます。
結果、わんこ二人で協力して食事を作って、
主二人をもてなそうということになります。
・・・が、不器用なわんこ二人。
予想通り、出来上がったのはとんでもない料理でしたが…。

【COUNT DOWN】約16P
身体のありとあらゆる数値が悪化し
更にデータを書き換えたばかりで非常に体調の悪い犬姫が、
研究所に禁止されたにも関わらず、禪のエマージェンシーに応えます。

自分の身体も顧みず、最後まで禪のための分析を続ける犬姫。
いつも健気です。

でも、何よりも作戦終了後の禪視点にやられました。
禪も遠く離れた戦場から、犬姫のことを思います。
『犬姫に強いる不幸を謝りたい。
 抱き寄せて甘やかし、腕に抱いて眠らせてやりたい』
ここまではよく知っています。でも更に続きます。

『あのしなやかな腕に抱かれて眠りたい。
 胸一杯で自分を呼ぶ、愛しいあの声をいますぐ聞きたい』

犬姫の愛に応えてるだけじゃない、禪も犬姫を求めてるんです……!

犬姫の元に帰りたいけど、これだけ犬姫を苦しめておいて
結果も出さずに帰れないと自嘲する禪。
ほんとに早く幸せになってください…。(/_<。)

【彼とタンデム】約7P
禪が帰国して、二人で夜中の海に出かけます。
ささやかな日常SS?と思っていたのですが、
帰宅後の禪視点の濡れ場(非常に珍しい)での
禪のモノローグ&独り言にやられました……。

禪が犬姫をどう思ってるのかが語られるのですが、
100%理性で作られてると思っていた禪のびっくり発言に
雷直撃です…。

禪の独白に感動して、大泣きさせられました。
強い強い禪の、普段は見せない弱さにやられた!

【桜】約6P
禪と一緒に満開の桜が見たいけど、
桜が咲いてる僅かな期間に禪が帰ってくる可能性は低く、
諦めモードで、世間の浮かれっぷりを呪う犬姫。
ところが、禪から帰国を知らせる電話が入ります!

禪に誘われ、家の近くの桜並木まで歩いて夜桜を見にいくのですが、
ゆっくりしか歩けない犬姫を見かねて、禪が犬姫を背負います。

禪は犬姫を背負って走った戦場での日々を思い出し、
『懐かしいな。お前を背負って何時間も……』と笑い、
『あの時はこれ以上の地獄はねえと思ったが、こういうのなら、いいな』
と夜空を見上げながら呟きます。

禪も、日本で犬姫と静かに過ごせる日々を大切に思ってるんだな……
と、伝わって来る優しいお話でした。



2

犬姫の限界は・・・

商業誌『しもべと犬』『茨姫は犬の夢を見るか』の番外編同人誌です。

私は、こちらもそうですが基本的に『(犬姫中心の)犬姫本』は苦手です。


1編目『STAY-999』

戦場で重傷を負い、帰国した禪。
犬姫は激しく取り乱し、禪の無事を祈る。

研究所で大手術を受け、一命を取り止めた禪ですが・・・

それでもやっぱり、回復したらまた犬姫を置いて戦場へ戻って行ってしまうんですね。


2編目『あなたとディナー』

読む前は、タイトル通りしっとり落ち着いた・あるいはあまあまほのぼののストーリーかと思ったんですけどね・・・

禪が帰国したので、それを祝いたい・どうすればいいかと犬姫に相談された信乃。

結果的に、信乃と犬姫で料理して主2人(智重と禪)をもてなすことになりました。

《犬》と主2組・4人に、強引に割り込んだ閑院(5係の解剖医)で、(閑院曰く)『わんこの夕食会』です。

信乃と犬姫の、見聞きしているだけで恐ろしくなるほどの悲鳴混じりの奮闘(調理)の結果、(一見)豪華な料理が並べられた食卓ではありましたが・・・


3編目が表題作。

検査結果に警告が並ぶ危険な状態でも、禪のために役に立とうと無理を重ねる犬姫。

・・・私は結局のところ、禪に共感できるポイントが皆無なんです。特に、戦場に身を置く理由に関しては。

だから、個人的に禪が生理的にダメなタイプだというのもありますが、この2人のストーリーは閉塞感のみでひたすらに苦痛なんですよ。


4編目『 彼とタンデム 』と5編目『桜』は、禪×犬姫のちょっとした日常のSS。


う~ん、決して悪くはないんです。イヤ、とても読み応えのある作品集だと思います。ホントに。

ただ、ゴメンナサイ。徹底的に私の好みに合わないんです。

とにかく、禪と犬姫のCPは基本的に無理です。本筋(と言うのか、こちらでは表題作のような)のストーリーも、Hも。

とりあえず、こちらもそれ一色じゃない(ワンクッションのSS『あなたとディナー』
が挟まれている)のでなんとか読めました。
これが完全に『禪×犬姫』本だったら、途中で挫折したかもしれません。

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