表題作されどしっぽの日々

颯太 凜の恋人
凜 《きつね》

同時収録作品きつね火

征士郎・神主
鞘・《きつね》

同時収録作品銀の墓標

その他の収録作品

  • セントエルモのきつね
  • お礼参り
  • 架空の風車
  • あとがき

あらすじ

商業誌『千流のねがい』番外編

作品情報

作品名
されどしっぽの日々
著者
玄上八絹 
媒体
小説
サークル
27000Hz〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
しもべと犬
発売日
3

(2)

(0)

萌々

(1)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
5
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

涙なくしては読めない征士郎と鞘。

「千流のねがい」の番外編同人誌。
6つの掌編が入っています。

凛の話と鞘の話が半々(?)で、
後日談もあれば前日譚もあり、犬姫までゲスト出演します。
凛の話は可愛らしくほっこり♪
鞘と征士郎の話は涙なくしては読めません。


【セントエルモのきつね】約4P
サイト再録の征士郎視点の後日談。
ハロウィンの夜に征士郎の和菓子をねだりにやってきた凛と颯太。
『昼間に来いとあれほど言っておいたのに…(怒)』
と、しばらく知らん顔をした征士郎ですが、
モニターに映った凛の姿を見て、慌てて玄関にすっ飛んで行きます。
そこには、狐火を纏い付かせた凛が…。

以前、鞘も狐火を出したことがあり、そのときの引き金はしゃっくり。
凛の場合はくしゃみで、
くしゃみをする度に狐火が出たり引っ込んだりします。
うんざりする大人(征士郎と一水)を尻目に、
テレビでセントエルモの火を見て『セントエルモのきつね!』
とはしゃぐ、凛と颯太なのでした。


【きつね火】約12P
征士郎視点で、昔、鞘が狐火を出した時の話。
しゃっくりでオンオフする狐火が消えず、しゃっくりも止まらない鞘。
征士郎と一緒に研究所に連れて行かれて、
狐火の分析を散々されるのですが、結果何も分からず…。

鞘の体は弱っており、薬で無理やりしゃっくりを止めるのも危険なので
諦めてそのまま自宅に返してもらった晩、
しゃっくりが止まらないかと、征士郎が鞘にキスをし、
二人はそのままエッチします。
『終わりの予感を打ち払う熱い口づけがほしい』
とか、切ないよ〜(涙)

エッチの翌朝、鞘のしゃっくりが止まっていました……(汗)
『一水に報告しなきゃいけないけど、報告しづらい』
と悩む征士郎が可笑しくて、悲しい気持ちが少し癒されました。


【銀の墓標】約10P
一水→征士郎で視点交代する後日談。
商業本編の後、とり壊される神社の荷物を抱えての慌ただしい引越しや
研究所住まいに慣れない凛の世話を通いで行うなど、
忙しくしていた征士郎が過労のため倒れます。

凛のために研究所に通ってくる度に、
必ず鞘の遺骸が収められた地下の部屋で数時間を過ごし、
鞘を想い続ける征士郎。

一水は征士郎に
『もう一匹《きつね》を育てられるとしたらどうする?』
と問いかけますが、征士郎は断ります。
『何匹出来ても鞘は鞘だけ』
姿形が同じでも、魂が違う、心が違う。
凛を見てその確信を強めた征士郎の鞘への愛が静かで力強いです。

その後、自宅に戻る征士郎に一水が、
鞘が残したビデオレターがあると教えます。
けれど征士郎はそれは見ないと答えます。
どうせ鞘はビデオごときに本音は言わない、
鞘の本当の気持ちは一緒に暮らしてる間に全部聞いた…と。

だけどね〜、ビデオレターの鞘はめっちゃ素直なんですよ!
ツンデレがデフォの鞘でしたが、
一水せんせをして
『こんなに素直な鞘なんて初めて見るけどな』
と言わしめるほど…。

自分がいなくなった後の征士郎の幸せを祈って
『ちゃんと眠ってご飯をゆっくり食べて、泣くのは二回まで…』
など、山ほどの言いつけを残しています。
『どんぐりを沢山杜に埋めたので、どんぐりが採れたら私を思い出して…』
なんて、愛おしくて泣くしかないだろーっ。。・゚゚・(>д<;)・゚゚・。

これを征士郎が見ないのは可哀想だけど、
見ても恋しさが増してしまう。
一水せんせの言うことはご尤もです……。(/_<。)


【されどしっぽの日々】約4P
征士郎視点の後日談。
研究所で暮らしてる凛が、颯太と同じになりたいと
しっぽを切り落そうとします。
昔、鞘も耳を切ろうとしたと颯太に教える征士郎。
きつねの彼氏の先輩が後輩に与えるアドバイスのお話です。


【お礼参り】約4P
凛のカウンセリングに犬姫がやってきます。
つっけんどん&上からな物言いで
『禪を返して』『あの男を見つけて』。
神さまと名のつくものなら、偽物にだって縋りたい犬姫ですが、
丁寧にお願いするという考えは無いようです(笑)
でも、偶然禪が帰ってきたら、
賽銭を入れにやってきて、お礼を言って帰りましたよ♪


【架空の風車】約1P
野島視点、鞘はまだ死んでないと思う。
この掌編難しい…(悩)
神さまという架空の風車に挑むドンキホーテに一水をなぞらえる野島。
一水が探してる物は何なのか?
野島が『そんなものは無い』と知っている、
『凛と鞘が別人である限り存在しない』という一水の探し物。

一水の探してるのは、魂の器の在り処なの?
体のどこかにある訳でもなく、
その個体の記憶にある訳ですらない。
(この世界では記憶は個体から個体へ移せるからね)
魂の器を見つけて、鞘そのものをもう一度生まれさせてあげたいの?
難しい…。

あとがきで、【架空の風車】に触れて
このあとお話が少し進みます…ってあるけど
どっちに進むんですか!?
商業誌や同人誌が一冊完結じゃなく繋がりが出てくる…てありますけど
五係と公安ときつねが合流…??
先生の復活を切に望んでおります。(>人<;)

1

きつね歳時記③

『千流のねがい』の番外編同人誌です。

『金の歳時記』第三弾の短編集ですね。


1編目『セントエルモのきつね』

ハロウィンです。
また征士郎のもとに『トリックオアトリート』とやって来たのは、ハロウィンの仮装でシーツを被った颯太と、狐火を纏い付かせた凜だったんです。


2編目『きつね火』

鞘の狐火です。


3編目『銀の墓標』

鞘を想う征士郎。タイトルは、研究所の地下冷凍庫に眠る鞘の遺体の入った銀の筒を指します。

征士郎はずっと鞘を想って生きて行くんでしょう。


4編目・表題作。

人間ではないことを厭う凜が、人間になりたいとしっぽを・・・


5編目『お礼参り』

凜のカウンセリングルームに犬姫(『茨姫は犬の夢を見るか』)がやって来て・・・

うん、相変わらず犬姫は犬姫でした。


6編目『架空の風車』

今後の前振りになるんでしょうか。これだけではなんとも言えません。

とりあえず、作家さんの中には続きの構想があるようです。


もともと『あれこれ詰め合わせ』的なシリーズではあるんですが、こちらは特に散漫な印象を受けました。もともと(本編)は颯太×凜のストーリーのはずだよね?と確認したくなるくらいになんか遠くに行っちゃってる感じ。

う~ん、まあつまらなくはないんですけどね。
おそらく、私が鞘(と征士郎×鞘)がまったく好みじゃない・興味がないから余計にそう感じるんでしょう。

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