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表題作片想いとパレード (前編)

松尾鷹也,19歳,幼馴染の教育学部生
百瀬東馬,19歳,幼馴染の経済学部生

その他の収録作品

  • 米沢なつきの心情
  • あとがき
  • カバー下表紙1【表】:初期設定ラフ
  • カバー下表紙4【裏】:連載前&単行本化前裏話

あらすじ

幼なじみの親友・鷹也に、長く、こじらせた片想いをしている東馬。
「あいつのお姫様になりたい」「俺のヒーローはあいつ」乱暴な性格で口が悪いくせに、乙女思考回路な東馬は、好きといえず自分の恋心を自虐し卑屈な考えに傷つく毎日だった。
しかも、大学に入って、鷹也には彼女が出来た。鷹也の世話焼きと親密な親友としての接触は相変わらず。サークルの先輩・米沢や謎の女も東馬に接近。
とある変化が生まれ、片恋は、手酷く東馬を傷つけ始める――。
「それでも俺の世界は、お前の一言で満ちる」

作品情報

作品名
片想いとパレード (前編)
著者
みよしあやと 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
シリーズ
片想いとパレード
発売日
ISBN
9784799713501
3.6

(74)

(19)

萌々

(22)

(21)

中立

(9)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
13
得点
255
評価数
74
平均
3.6 / 5
神率
25.7%

レビュー投稿数13

切ない片想い

幼馴染同士の恋を描いた作品です。
同級生の鷹也に恋する東馬の視点で物語は進んでいきます。
小さい頃からずっと一緒の2人ですが、大学生になり鷹也に彼女ができる。
鷹也は東馬のヒーローであり、東馬は鷹也のお姫様になりたかった…
高くなる背・大きい手・低い声…変わってしまった体さえ受け入れ難い日々…

それほどまでに、どうしようもなく鷹也を思う東馬が切ない。
そんな東馬の気持ちに全く気付かず、彼女とのほほんと一緒にいる鷹也に怒りさえ覚えます。
彼女との生活を大切にしながらも、東馬の隣に居られることも当たり前だと思っている鷹也の側を離れようとする東馬。
大学の先輩・米沢とその妹も巻き込んで、鷹也を忘れようとするが、些細な鷹也の言動で心満たされてしまう東馬。
東馬の辛さが伝わってきて、こちらまで苦しくなりました。

ずっと隠してきた気持ちが鷹也にバレ、これからどうなる?というところで後編に続きます…
後編、早速読みます!

0

切ない片想い

東馬が切ないですね!

鷹也のヒロインになれず。片想いはどうしてもどうやっても続く。
鷹也に彼女が出来て彼女のサンドイッチを食べて吐く所とか辛かった。

いっそ先輩とくっつけばいいのにと何度思ったか。
なのにいつもここぞという時に鷹也は東馬の前に現れて。まだ東馬のヒーローのつもりなのか、親友だからなのか。先輩に嫉妬したり。

人の媚びに鈍感で無自覚なノンケな鷹也。東馬は鷹也を見つめて辛くて傷ついてばかり。こっちも辛いよー。

鷹也より大きくなってしまって、手を切ろうとか。声変わりしてショックを受けたりとか。ヒロインからかけ離れていく自分にも傷ついていく東馬。

後編ではどんな展開が?そして展開したら受け攻めはどうなる?気になります。

0

幼馴染の鈍感ノンケ男に恋してしまった不毛さ

自分がたてた「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#ans_71862
でおすすめ頂いたこちらの作品。

はぁ〜来ましたわ、これ。
まず登場人物男性3人(攻めの鷹也・受けの百瀬・サークルの先輩・米沢)がイケメンってところが麗しくて素敵。
特に受けの百瀬が、吊り眉垂れ目のハーフイケメンなんですよ。しかも目元に二つのエロいホクロありと最強ルックス。
私の好きな顔のタイプだから受けへの思い入れが自然と2割増ししちゃいました。

ハーフというルックス故に虐められて泣いていたところを攻めの鷹也に助けられて以来、百瀬にとって彼は「ヒーロー」で、百瀬は「お姫様」。
「俺はヒーローだからお姫様を守ってやる」と言われて仲良く育ってきた二人。

ところが思春期を迎え背も攻めより2cm大きくなってもはやお姫様とは程遠い格好となったうえ、攻めには彼女が出来てしまいます。
自分の大きな手を見れば否応なしに男である現実を突きつけられている受けは、手でも小さくしてみるか、切りゃいいし・・なんて事も考えてる。

そんなある日、大学で属しているサークル・通称「何でも屋」の依頼ボックスに何でも書いて投函してもいいんだよと言われてしたためた内容が・・・

「何でも屋へ
俺を女の子にして下さい。」

なんて切実な願いなの・・・泣けます。結局投函する事はなく丸めて捨ててしまうのですが・・・

攻めに触れられるだけで攻めが彼女とキスする様子を思い出してしまって吐き気を催すほどに・・・(思春期の声変わり時期も心因性起因で一週間ほど声が出なくなった通常の人より繊細仕様)

一方、片想い相手の攻めは、自分の彼女が大きなお弁当箱を入れた紙袋を抱えて集まりにきても気づきもしない鈍い男なので、当然、受けの気持ちなんかこれっぽっちも気付いていない。
「お前が女だったらいい奥さんになれんのになぁ」
なんて事を言っちゃう男なので、こりゃあ前途多難だなぁ・・・と正直思いました。

ノンケである攻めに男である自分(受けはゲイ)が告白するなんてことはこれっぽっちも考えておらず、かといってどうやっても諦めきれず・・・
幼馴染のノンケ男・しかも彼女有りに恋してしまった心情がとにかく丁寧に描いているので、読んでいて苦しくなるほどです。

やがて再び受けが依頼するべくしたためた内容が
「何でも屋さんへ
鷹也の事を忘れさせて下さい。」
と変化します。

それを偶然、攻めが見てしまい・・・・
はぁ下巻が楽しみです。

そういえばBLでは珍しく女性キャラが登場するのですが、これが受けとは対照的な性格でいい味出しています。
サークルの先輩・米田の妹で、お兄ちゃんのことが本気で好きなんです。
義妹とかではなくガチ兄妹なんだけど、裸でお兄ちゃんのうえに跨っちゃうくらいの行動派で
「血が繋がっている以外ただの人間同士」と言う。
毎日ぶつかっていかなくちゃととにかく前向き。
私的にはガチ兄弟は地雷ですけど、応援したくなるキャラでした。








3

片想いは辛い

東馬は乙女思考回路らしいんですが、特にそんな感じもなかったです。

可愛い物が好きってわけじゃないし、東馬はハーフで幼い頃に鷹也に言われた「緑の瞳はお姫様なんだよ」が心に残っていて、鷹也のお姫様でいたいとか思ってますけど乙女思考回路とは違うなと思いました。
好きだったら、性別関係なく好きな人のためにこうでありたいと思うんじゃないでしょうか。

手を小さくするために、切っちゃえば良いしには本気?と思いました。

東馬と鷹也の距離がどんどん離れていくようで切ないです。

気持ちに気付かない鷹也。逃げる東馬。グルグルしてて終わりが見えない。
みんな、何かしら抱えて生きている。思い通りにはならないもんですね。

辛すぎる片想いにちょっと、泣きそうになりました。

0

守られなくても平気なんだから!(ツンデレ)

幼馴染の親友・鷹也に、長くこじらせた片想いをしている東馬。
乱暴な性格の割に思考回路が乙女な東馬は、
ノンケ鷹也に彼女ができて傷つく日々…

と、私の好きな路線、「友情こじらせ系」なので割と楽しく読めました。
東馬が乙女思考なのは自分の好きなタイプではないのですが、
世の中斜に構えている割に根が真面目っていうところは、
わしわし構いたくなる感じで結構好きキャラでした。

あと応援してるんだか邪魔してるんだか?の、
ヨネ先輩というキャラが好きでした。

それにしても、
みよしあやとさんの絵柄は「しっかり男らしい、ガタイの良い絵」をお描きになられるのですが、
ご本人が描きたい方向性は「乙女寄り、少女漫画寄り」のかたで、
その絵柄が与える男らしい雰囲気と、
内容が与える乙女ちっくさとのミスマッチが、
毎度のことながらどうも違和感です。
まぁそこまで変に思っているわけじゃないんですけどね。
でも感じる人は感じるだろうと思われます。
言葉にならない違和感を…

絵柄はもう少しソフトなほうが読者には分りやすい印象を与えそうなんだけどなぁ…と思ったり。

幼いころの話なんか、
お姫さまと王子様的な感じで、
女子力高い話ですわぁ。

多分ここが自分的についていけないところなんだと思う。
越えられない女子力の高さがあるんだ。

ってもそこまで「え~」とか思ってるわけじゃないけど。
元来辛党な人なのでねぇ。

これが不思議と古典童話みたいな王子様とお姫様ならあんまり気にならないんですけどね。

1

前編

きゅぅん・゜・(ノД`)・゜・
可愛すぎて泣けるわ。
結構、BL設定だと、男の子でも全然大きくならないで
可愛いままな設定も多いんだけど、やっぱり大きくなっちゃうっていうのは
なんともだよね。
大きくなるなと願っても、大きく育ってしまう。
外国の血が入ってれば尚更なのか否か。

昔、「お姫様」と王子様のような男の子に言われた。
王子様は、すくすく大きな王子になった。
それなのに、可愛く小さかったお姫様は・・・・
好きの気持ちだけは変わらないのに、体だけはお姫様からかけ離れていってしまうもどかしさ。
好きな相手に好きだと言えるわけもなく。
彼女ができたと喜ぶ王子様の恋を応援し、応援している表面とはうらはらに
王子が彼女とキスをしている姿をみて勝手に傷ついてしまう。
好きな相手なのに触れられるだけで嘔吐してしまう

苦しい苦しい苦しい
そのもどかしさに思わず泣けてしまった
えが可愛らしいのもまたマル

2

表紙とっても綺麗

現在大学生。学部が違えど同じ大学に通っている。
2人は幼馴染。
受けはハーフ。小さい頃はその容姿からいじめられて泣いていた
そんな泣き虫受けをお前はお姫様だから俺が守ってやるよと
登場したのが攻め。
俺ヒーローなんだと力強い笑顔で宣言されてその差し出された手を握ってから、今でもなお
彼にとって彼はヒーローそのものだ。

攻めは彼女がいて普通につきあっている。そんな攻めを切ない思いで見守っている受け。

そんな2人の様子をすべてお見通しな先輩米沢。

このお話で1番輝いていたのは
米沢だろうなぁ。

攻めはごくごくどこにでもいる
野郎だと思う。
受けもありがちなメソメソくんだと思う。

そんなありきたりなお話を
何でも屋サークルだといいながら巻き込んで動かしているのは
米沢があってのことだ。

むしろ主役級。
彼がいることにより
面白いなと思えた。

そしてその妹。突然の登場に厄介を感じたが、ブラコンこえる
兄への思い告白に
ちょっと違いを感じた。

米沢の先輩の十和子さん・・
主役以外のキャラの方が
しっかりしているのが
不思議。今後の展開見越しての
導入作品なのだろうかとさえ
思った。

3

パレードはまだ遠く

目に飛び込む表紙がとても印象的で手に取りました。前編の方は後編にくらべ、コバルトブルーの海です。海が見える丘にある大学に通うふたりならではの表紙だと思います。

可愛い男の子だった頃の東馬を「お姫さま」と言った鷹也は罪つくりな男ですね。
その時点で鷹也に対して恋心を抱くあたり、東馬は根っからのゲイだったのでしょう。
声が変わることを嫌がったり、鷹也よりも背が高いことを憂いたり…東馬自身とてもきれいな顔立ちをしているから(垂れ目でホクロって、すてきです)もっとヨソに目を向けても…と思うのですがきっと鷹也じゃなくっちゃ駄目なんですよね。彼の、お姫さまになりたいんだと。
鷹也が東馬を特別扱いしたり、守るような発言をするたびに東馬が嬉しそうにしていることが、虚しくなります。なぜなら鷹也にはお姫さまがふたりいて、そのうちのひとりなだけだから。絶対的じゃ、ないですもの。

ツンデレ的な東馬を、可愛いと思えるかどうか。
また鷹也の彼女持ちであるから時折東馬にとって酷な描写がある、というあたりが大丈夫かどうか、が鍵になってくるかと思います。
あと、少し鷹也彼女が可哀想だなと思ってしまいました。これが私にはやや引っ掛かりこの評価となっております。彼氏の友人のことを褒めることや、試合のときにお弁当を作ってくることは“媚び”ではないんじゃないかな…。これらは東馬からそう見えるなら仕方ないかなと(だって東馬は鷹也が好きだから)思うのですが、【怖い男】で米沢先輩までそう語るか、と。

街子ちゃんのことも、そして米沢先輩のことも含め不毛な恋愛が詰められており、ああ知らないって残酷だ…と爽やかなお話だろうはずなのに物悲しくなりました。
後編への繋がりで、鷹也からついに、という展開ですが奈々ちゃんのことが頭をよぎります。不義理なことは、してほしくないなぁというのが本音です。不誠実さが良いときもあるのですが、おそらく鷹也が【ヒーロー】だからか、ちゃんとしていて欲しいなぁ、と。

7

好きな設定

タレ目も好き。

幼なじみのノンケ相手に初恋をこじらせるお話は、大好物!
ウジウジグルグル、ドンと来い!

ツリ眉タレ目、オマケに目元のエロぼくろ!
ノンケの子に思いをこじらせている受けのこの方が体格よかったりするのも好みの設定。

絵も、可愛すぎず、オシャレ過ぎず、プロポーションの破綻もなく、チビキャラに逃げたりもせず、とっても好感もてる。

脇を固める当て馬キャラの兄妹もキャラ立っていていいよね。

多分、このストーリー、小説で読んだら、もっともっと萌えたかも。
確かに、ツリ眉タレ目のエロぼくろは好きで、それぞれのキャラを単独で見れば全然問題はないんだけど、全体の人物相関からだと微妙に萌えきれないものがあって、
それが、このお話の根幹に関わる部分で、
東馬の方が鷹也より「ちょっとだけ」背が高いっていう、この「ちょっとだけ」が絵になった時にわかりにくい。
ぱっと見に同じような体格で、系統の違うイケメン二人、幼なじみで親友で、
でも、子どもの頃の、お姫様とヒーローという役付けに縛られた東馬にすれば、自分の、鷹也より高い身長も、ごつい手も、低くなってしまった声も許せなくて、
そして、鷹也が小さくてふわふわした女の子と付き合っているのを黙ってみているしかなくて、
この一番重要な【本人がコンプレックスに思っているような体格差は、まわりから見ると、本人が思うほど体格差ではない】事が、ほんとに、そのまま絵にされちゃうと、微妙すぎる二人の体格差は全く見分けが付かなくて、絵の表現としては正しくても、読みながら一々東馬の方が大きいのを自分で気にしている設定を頭の中で確認しなきゃならなくて、東馬が端から見ると取るに足りないようなことで、あまりにもグズグズしすぎって、じれったくて、八つ当たりしたくなってしまった。
そんなわけで、ちょっと萎えたので、萌一つマイナス。

5

裏表なし

片想いの波紋が干渉し合っている様に見えて実は
同時多発しているだけと思わせるこの作品。
誰か一人いけ好かない人間がいたら多分そこに
落とし所を求めてしまうんでしょうけど、困った事に
主役陣がそれなりの癖はあるにせよ善良な人間しか
いないのでただ見守る事しか出来ないでいます。
仮初の予定調和でも構築してしまえばそれなりに
晴らせる欲もあるだろうに、まあこの人達は頑なに
悪意を発動させない。
それ故にきらめきは褪せないのでしょうけど。

6

幼なじみへの片思いが苦しい

幼なじみ同士の恋愛を描いた作品の1作目、上下巻同時発売なので
1冊目でじれったさを感じても直ぐに次が読めるのは嬉しいかも知れない。

そして内容は幼なじみ同士で同い年、小さな頃はお姫様なんて言われて
守られていた小さなハーフの男の子は、守ってくれていた大好きな幼なじみより
身長もちょっと高くなり、乱暴でガサツだけど、実は片思いの相手に苦しい恋をしてる

そのお姫様を守っているのが幼なじみの鷹也で百瀬のことを過保護に守ってる。
でもその百瀬の恋心にはまるで気がついていない、鈍感男だったりします。
鷹也には恋人がいて、それを間近で見ている百瀬の苦しさがお労しい。
好きだけれど今の関係が壊れるのも怖い、でもこれ以上傍にいるのも苦しくて…
そんな切なくも苦しい片思いを背景に大学サークルの活動や百瀬を気に掛ける先輩
その先輩に本気の恋をしている実の妹、様々な想いが交錯するお話です。

4

苦しい片想い。

みよしあやとさんの本は、1st・2ndコミックが既読です。
ロマンチックなエピソードが印象的で、
個性的な脇役が光る本だったと記憶しています。
でも正直、絵柄はちょっとバラつきがあって雑めに感じて、
それを初々しさでカバー…だったんですが、
今回の新刊は初々しさを感じなくなった分、個人的には…う~~~ん(-_-;)

ひとつひとつの絵は上手いかもと思うのですが、
通しで見るとなんだか滑らかじゃなくて、
表面的にキレイ&格好イイだけで心情が溢れ出てくる感じがしない…。
要は、好みなのかなぁ。
コミカルな方向に走らないで、真っ直ぐに “真剣な片想い” について描いているので、
求めるものが高くなってしまって…なのかもしれません。
あと、
ヒーローという言葉が繰り返し出てくるのが、ちょっと恥ずかしかったデス。


キレイな顔をした主人公の大学生(受け)は、幼馴染みの親友に恋をしている。
小さい頃から事あるごとに守ってくれたヒーロー、そんな親友の鷹也に。
女の子に生まれればよかったんだーー…
ごっつい手、指とかちょん切ったら小さく…
そんなことをマジメに考えてしまうほど、おかしいくらいに親友の鷹也の事が好き。

悶々としているそんな受けに影響を与えるのは、
鷹也への気持ちを見抜きつつ誘ってくる、ゲイだという大学の先輩。
そして、
そんなゲイの先輩のことが「本気で好き」という先輩の実の妹の、美人女子高生。
実の兄が好きなことも、
「ただの人間同士…おかしくないわ」
そう言い切る、この先輩の妹がインパクト大で、一番印象的なキャラかも。


彼女ができて幸せそうな親友の鷹也。
無神経で、わけわかんなくて、自己中な男。
でも昔からずっと、いつでも明るく優しいヒーローだった。
彼に敵わぬ想いを寄せて、その言動で一喜一憂する主人公。
見ていてとても切なくなる…。

片想い…それはとても苦しくしんどい、ままならぬ想いの連続…そんな恋。
それを強く感じる前編でした。

6

ヒーローとお姫様

作者さんががっつり取り組んだのかな~と思える、この作家さんの過去作品と比較してもダントツに良い作品と思われました。
小さい頃からの幼馴染への片想いのお話。
設定は王道なんですが、さすが2冊の連載で展開するだけあって、二人で完結しないところが、
主人公以外の登場人物の絡ませ方がいい具合に働いて、それが読み応えに繋がるのです。
人物設定がしっかり作られている感じがします。

父親がドイツ人、母親が日本人のハーフの為に苛められて泣いている東馬を助けてくれたのが鷹也。
その日から鷹也は東馬のヒーローに、東馬の願いはお姫様になることでした。
だけど、成長するにつれてお姫様とは程遠い第二次性徴の兆しが現れ、落ち込んだり拗ねてみたりもしましたが、鷹也は東馬のヒーローであると同時に好きな人になっていたのです。

東馬がお姫様にこだわるのは決して女子になりたい願望ではないと思います。
ヒーローが守るのはお姫様と決まっていて、守られるというより、特別な唯一無二の存在という意味なのかな?その象徴のように思えました。
親友として好きなのではなく、恋人としての好きの感情を抱えてしまった東馬にとっていつもと変わらない鷹也の存在に戸惑ってなやむのですよね。
おまけに鷹也は彼女がいても親友を両立させている。
確かに切ない片想いです。

彼等は表向き園芸部と銘打った院生のヨネ先輩の主催する何でも屋に所属させられているのですが、このヨネ先輩の絡みがいい具合なのです。
東馬の気持ちを理解する人。
そして、ヨネ先輩の実妹でヨネ先輩を好きと公言しておいかけてくる妹の街子が途中で登場してくるのですが、
彼女もまた許されない恋を一方的に抱いている存在として、東馬にいい具合に絡んでくるのです。
この兄弟あればこその独自の展開で、中々進展しない恋にじれったく思うというより、青春漫画という面も強調されて、それが読み応えに繋がるのかな~と、人物の奥行きがかんじられるのですよ。

くっついてくる鷹也に吐き気を催してしまうほど、嫌悪ではなく自分の中の葛藤と緊張を持って精神的な重圧になってしまっている東馬なのに、それに全然気がつかない鷹也。
でも、心乱される出来事に思わずしてしまった行為の続きは?
無神経で鈍感で自分勝手な鷹也がどうやって変わるのか、自覚するのか?
後編への期待が否応なく高まります!

東馬の目元のほくろと少しタレ気味の目が色っぽいです♪

6

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