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シリーズ3冊目。
裏表紙の解説で「記憶障害」ってあったから覚悟はしてたんだけど。
記憶喪失と勘違いしていて、自分が思っていた展開と全く違っていて。
1作目、2作目と繋がってはいるんだけど、どれも全然違う方向性で精神持ってかれました。
ようやく、ようやくまとまって、はぁ良かった…本編からの、SS。
あとがきで凪良先生も書いてらしたけど、意見はわかれるでしょうね。
単にハッピーでは済まないけど、確実に心に残る一冊となりました。
読んで良かった。
読みながら、静かに涙がポタポタ落ちてきてしまう…そんな作品でした。
作者様が、最後のSSには賛否両論あった…というようなことを書かれていましたが、個人的にはこのストーリーあってこそ作品が完成するのではないか、と感じました。。
恋は一時のものかもしれないけれど、愛は二人で時間をかけて育てていくもの。
つぐみと朔太郎が、互いを深く想い合いながら愛と年齢を重ねていったのだなという感動、そして抗えない別れの悲しみ……心に深く深く沁み入って、余韻の残る作品です。
読み返したいんだけど、絶対また泣いてしまうと分かっているのでなかなか再読できないのが辛い。。
ずっとずっと本棚に置いて大切にしておきたい一冊です・:*+.
「美しい彼」シリーズで名前は知っていたけど未読の作家先生、凪良ゆう先生
重めの泣ける小説読みたいけど、シリーズみたいに長いのは手を出しにくいし、メリバとかは好きじゃないしなあ……と思いつつちるちるをあさっていたら不朽の名作○○選みたいなところに本作品が載っておりまして。
わりと気軽な気持ちで読んでみたところ、予想外のビッグテーマで頭の芯にドーンと来ました。
駄文ですが感想を書きたいと思います。
ストーリー紹介にもある通り、記憶障害の青年×ゲイの作家先生の純愛ストーリーなんですが……なんですが!!!孤独という、現代人の最終問題の一つを扱っているような気すらしました。
攻め様である記憶障害の青年・朔太郎さんは、責任感が強いから、避けられない孤独の道(=記憶という自己の喪失)に耐えられない恐怖を感じながらも、自分が忘れてしまう苦痛を近しい人に味わわせまいと恋人や伴侶は作らないと決めてしまっています。症状が出てきて絶望のどん底にいるときに出会ったのが受け様・つぐみさんの小説で、ひょんなことから作者のつぐみさんと出会い、一緒に過ごすうちに互いに好きになるわけなんですね。
凪良先生の文章が、情景が脳裏に浮かびやすく、登場人物の心情もするすると流れてくるようでとても読み入ってしまったのですが、ひきつけられたポイントはそこだけではないように思います。
朔太郎さんとつぐみさんが各々恐怖している”孤独”が大きなポイントだったのかなと思います。
朔太郎さんの方は記憶障害という後遺症ですが、じわじわと記憶がなくなって自分が自分じゃなくなる、他人と関係が持てなくなる恐怖というのは、高齢者の認知症とかボケが身近にある現代では想像に難くない”孤独”かと思います。
つぐみさんの方も、自分の身近な人がいなくなったり、関係が切れたりしたら一人で生きていかなければならないという、想像しやすい”孤独”です。
主につぐみさんの視点からにはなりますが、これらの孤独に恐怖する情景が自分の肌感覚につながるような文章で至る所に書かれているものですから、それでも生きていこうとする(生きていかねばならない)二人を見届けたくて引き込まれました。
好みが分かれる、とレビューなどにも書かれいたとは思いますが、ふたりともがそれぞれ”孤独”への恐怖がある中、一度は一緒に生きる覚悟ができず2年の離れた期間を経ましたが、もがいてもがいて最後は互いの孤独に寄り添いながら生涯を過ごすことができた、幸せエンドの温かいお話だったのかなと思います。私はすごく好きです。
私はまだ学生で実家暮らしですが、結婚願望もなく一人で生きる可能性が十分にある身としては、孤独なつぐみさんの”生への無気力さ”は自分でもわかるなぁという感じで、特に一度朔太郎さんと離れる部分、めちゃくちゃつらかったです。こういう描写に関しては、もう少し人生経験を積んでから読んだ方が刺さって泣けるかもしれないですね。
泣けたのは、やはり最後のSSの部分です。涙ダラッダラでした。途中までは朔太郎さんの記憶障害を穏やかに受け入れている二人の、温かい日常でこちらも心温まる雰囲気なのです。その雰囲気のまま、さらにその先が朔太郎さん視点で描かれています。それはそれは平穏に(些細な険悪はあったかもしれませんが)日々が過ぎたのだろうなと想像できる流れでした。朔太郎さんの脳内では、温かい穏やかな日常が続いているとはわかっているのですが、そこはすごくハッピーなエンドなのですが、私は涙を流しながら読みました。
穏やかに、最後まで幸せに二人が生きることができてよかったね、それしか出てこないです。。。冥土で笑顔で再会できるといいね。
この辺りは作者様があとがきで好みが分かれる、と書いてらっしゃったのですが、私はこの部分が読めて良かったと思います。「ここが書きたくて~~」とおっしゃってたの、納得です。私、再読するならここが読みたくて読むと思います。
なんかもうちょっと書きたいことがあったのですが……書けば書くほどわからなくなってくる笑
BLなのですが、BLというジャンルを超えた純愛ストーリーを読んだ気分です。
これからも数年に一度読み返したい作品でした。
すごくあったかいお話しだった。どこまでもお互いを想い合っての行動と、だからこその我慢。
途中もしかしてこのまま…?とページをめくる速度が早くなってしまった、、最後まで2人にとっての幸せが確約されなくて、とてもいい意味でハラハラして読めました。
けどとても幸せな形の結末で安心しました。ss含めて。つぐみじゃない、と気づいた時ははっとしたけど。賛否分かれると作者さんも後書きで書かれてたけど、たしかに考えてしまう話ではあるなぁ、と。私はとってもよかった!あたたかかった!
おやすみなさい、また明日。
他の方もおっしゃっていたように思いますが、最後のSSがなければ普通のBL小説ですね。
作者様自身もSSについて「意見が分かれそう」とおっしゃってます。
正直に言うと、私は読みたくなかったな、と思いました。
ハピエンの普通のBLで終わってくれてよかったんですが…
○ネタだとわかって、読む手が止まりました。
他の方のレビューで、どうやらSSこそが最も読むべき部分であると感じていたので、残り数ページと思い、なんとか読み切りました。
人の一生を描ききるという意図はわかります。
愛に満ちた人生なのですからハピエンですよね。
でも、伴侶と○別した80代の日常は私の読みたいものではありませんでした。
読みたくないと思うのは私の好みの問題で、作者様およびそれを支持する読者の皆さんを批判するものではありません。
これが地雷か…