お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
どこかで再版されないかなぁ~の願いを込めての評価です。
京都を舞台にした作品が大好きなので、”いとし、いとしという心”、”君と僕と夜の猫”、他の先生の作品も読みましたが、、これが一番好きかも、一番京都の雰囲気感じるなぁ~と思いました。
有名な芸妓を母と姉に持つ美貌の受(光希)と幼なじみ?というより元・ご近所の無口なイケメン・吉澤が、ふとしたきっかけで再会し徐々に距離を縮めていく…という話です。受視点なので、正直吉澤の気持ちがわかりづらいというか、出会いの場面が唐突(あの女性は一体…?)とか、吉澤まわりの状況が若干消化不良かなぁと思ったのですが、”今宵逢う人”によってやや補完されます。吉澤みたいな、表情筋をあまり使わないけど、さりげなく受けに尽くす、行動で示すタイプの渋い攻が好きなので、性癖ど真ん中でした。いや、板前服ってこんなに妄想膨らむ制服だったっけ?っていうくらい、なんだかエロス…。お料理上手(っていうかプロ)って、なんだかエロス!って思ってしまいました。光希の京都弁もエロスでした。
美味しそうな料理、京都の名物がたくさん登場するんですよね。それがもう本格的に描写されているのでワクワクしました。特に、手作り市でデートする2人が印象的でした。”朧小路”は架空ということですが、薄暗い路地裏のカフェバーや手作り市、蛍を見に行く花脊etc、現実の場所とリンクして情景を容易に思い浮かべてしまいます。(だから妄想捗る)
吉澤と出会ってから、光希が徐々に初々しい雰囲気になっていくのが面白かったです。刹那的な日々(と快楽)に身を委ねていた受が、ストイックで堅実な攻の影響で、地に足のついた人生を意識し、2人の将来を考えているという希望に満ちたラストがとても心地良い読了感をもたらしてくれました。
かわい先生の過去作品探索中。2014年作ですが、hollyさんなので電子も新しい紙本も多分ないです、すいません。京都弁ばりばりのはんなりしっとりおだやかな恋物語で、私には久しぶりのビッチ受け!よろしおすなあ・・・と京都気分にどっぷり浸れたので萌2より萌にしました。本編220P弱+攻め視点の後日談20Pほど+あとがき。ビッチ受け好きな方でしたら是非探してください。
高校卒業して飲食業に勤めだし、中学以降、母替わりに面倒みてくれた姉のカフェバーでバーテンとなった光希(みつき)。芸妓やった母の美貌を受け継ぎ、綺麗な顔して愛想よく、店はぼちぼちというところ。ある日、生まれ育った祇園の街で時間をつぶすためにぶらぶらしていたら、女につっかかられている板前に出くわし・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
美代春(受けの姉、芸͡妓)、相賀(受けに入れ込んでいる女性客)、見澤(受けの店の客)等客少々。接客業は大変どす。
++良かったところ
受けがえらいビッチでして。久しぶりのビッチやったんで、最初はめちゃドキドキしました。ゲイやバイかどうかもわからん男を、誘ってその気にさせるなんて、どんだけ色気あるんじゃ!親から受け継いだ天性のものらしいんですが、さすがやわーと唸る気持ちです。
で、恋愛に慣れとるんかと思ったら、なんや可愛らしい表情を最後の方には見せてましてですね、あかんこれは堕ちると、ほんまに思いました。攻めさん、最初は全く気持ちが分らず、なんかよう分からんのに受けを抱いてはるし、ご飯作って胃袋掴んではるし、どういうつもりやねん?と思ってたんです。
そしたらクライマックスでは危ない目に遭った受けにエラい怒ってまして。仲直りしようと不器用ながら一生懸命になってまして、なんや惚れてんのかいな、あんたもうちょっと早くに言葉にしたれよ・・と思いました。
不器用な二人ですが、ちょっとずつお互いに慣れて、お互い素直になってきたみたいです。最後の攻め視点の番外編では、攻めの気持ちがもうちょっと踏み込んで分かって、良かったです。光希も番外編では特に可愛らしいので、読んでいるこちらもニマニマでした。ビッチ受けがお好きな方に良いと思います。
全体的に物足りなさもありますが、現代物のせいか妙にリアルで印象に残りました。いつまでも物語が続いていくような・・。京都の四季や風物詩の移り変わりと共に祇園カフェ店員の光希と高級料亭の板前の吉澤との恋模様が展開されていきます。京都を意識しているのか柔らかめの文調で読みやすかったです。高級料亭の板前の世界の話は新鮮で面白かったです。
主人公の光希が祇園で評判名高い人気芸妓の美形の弟という設定は、上手く活かせば物語に華を添えてもっと面白くなった筈なのに、どこか活かしきれていない部分がありました。光希の小悪魔ぶりも安っぽく見えました。せっかくイラストは素敵なのに、人物像が俗っぽくて違和感を感じました。後半に素の姿に戻ってからの方が良かったです。色々あって吉澤が光希に苦言を呈する場面では、姉と弟が助け合って今まで生きてきた事情を考えると、光希に同情し、やるせなかったです。
恋愛描写も今一歩盛り上がりに欠けているよう感じました。京都弁も気になりました。京都出身の友達が何人がいますが、こんな話し方だったかな??
それでもキャラクターの一人一人が生き生きしていた印象はあるので、手軽に京都の雰囲気を味わうにはいいかと思います。小説を読むというより、ドラマを見ている感じでした。
以前読んで、評価も去年に入れていたものです。
接客上手な美人受けと男らしい板前の物語で、割とサラリと読んだのですが、何だか忘れられずに無性に読み返したくなってきました。
受けの光希はカフェバー「桜月夜」を一人で切り盛りしています。このお店は姉で売れっ子芸者の美代春のもの。攻めの吉澤は高級料亭の板前さん。
京都、祇園を舞台にさらさらと流れるように進む、再会ラブです。
改めて見ると、光希と吉澤のキャラクターの印象がやや薄い感じもあるのですが、コーヒーや料理の描写が丁寧でとてもお洒落で、また読みたくなってくるんですよね。
物語の序盤にもう、二人はエッチに至りまして、カラダの関係を持ってから互いに理解を深めていきます。
そこからの知恩寺の手作り市で初デートをして、光希は吉澤にソーイングセットを買ってもらう。ここが一番好きです。
かわい先生の作品は他にも「甘い水」とか「猫の遊ぶ庭」とか読んでますが、どれもお洒落なのです。
ちょっとした文章から、丁寧に暮らしている方なんだろうと感じられて。
それに脇キャラも魅力的なんですよね、この作品では美代春姉さんが良かった。
人たらしの一面もある光希は思い込みの激しい女性に好かれ、クライマックスではその女性が微妙に絡んだ男のストーカーに刺されてしまいますが、そこも光希の魅力故ですね。
全体的にあっさりとしてますが、良作だと思います。
うー…評価の難しい作品でした。京都には数回訪れたことがある以上の縁のない身ゆえでしょうが、府外の人がやっかみを込めて言うところの「京都(人)のちょっと鼻に付く感じ」がそのまま反映されているような印象を受けました。
で…なんでそんな印象を受けたのかなぁと考えるに、二人が恋人になる展開よりも、その過程で描かれる「京都とは」みたいな描写ーー京の花街のお作法的な話や、攻の職業である京料理のことや、受の姉がいかに芸妓として素敵かというくだり、二人が出掛けるフリマの説明などーーに重きが置かれていたせいかなと思いました。
ご当地BLに対しては不当な評価になるのかもしれませんが、京都に関連する部分を除くとちょっと物語が粗い気がします。攻の葛藤が無さすぎるし、なんの苦もなく恋人同士になっちゃったな…と思いました。
とはいえ、京都観光をしている気分になれる描写の数々についつい「そうだ京都、行こう」な気分になったのと(チョロい)、作中で出てきた与謝野晶子の歌が素敵だったので評価は「萌」です。