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表題作月下の涙~鬼と獲物の恋~

鬼, 美しく優しい半人前の鬼
柳谷潮, 鬼が見える高校生 18歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

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★★★★★★

鬼が見える柳谷潮と、人を食べられない優しい鬼。幼い頃に出会い一度離れ離れになった二人だったが、潮が18の年に再会を果たす。深く慕い合い、身も心も相手に溺れきる傍ら、近づく8年ぶりの伝統の祭り――豊穣祭。大祭の満月の夜、潮は大好きな鬼とずっと共にいられるよう篝火に願う。しかし、運命は残酷だった。なぜか鬼が急激に痩せ衰え始めたのだ。詰め寄った潮に鬼は答えた。潮の息の根を止める、その衝撃の事実を。新月までに潮を食べなければ、鬼は霧となって消える……。
己の命か相手の命か――迫られる究極の選択。和風幻想シリーズ第2弾!!

作品情報

作品名
月下の涙~鬼と獲物の恋~
著者
月東湊 
イラスト
陸裕千景子 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
シリーズ
青龍の涙 ~神は生贄を恋う~
発売日
ISBN
9784592851233
4.1

(49)

(27)

萌々

(10)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
11
得点
194
評価数
49
平均
4.1 / 5
神率
55.1%

レビュー投稿数11

今までで一番泣いた作品

この作品の一番の魅力は二人の葛藤にあると思います。

以下大きなネタバレあります。

ずっと人間を食べられなかった優しい鬼とそんな鬼と関わって行く中で想いを寄せるようになる潮。
幸せな日々を送っていたのに、タイトルにもある通り、彼らは「鬼」と「獲物」という関係にならざるを得ない状況に陥ってしまいます。

自分を食べて欲しい潮と彼を食べたくない鬼。
この作品では彼らの葛藤が鮮烈に、そして鮮やかに描かれています。

色々な事情が重なり、鬼は潮を食べることを決断します。
その場面がまたなかなか生々しい。
グロテスクな描写が苦手な方は強い忌避感を示されるかもしれません。

でもそんなグロテスクな場面こそが、鬼が潮を愛し、潮が鬼を愛した事実を深く深く表しています。
この場面がなければこんなに感動しなかっただろうなと思います。

お互いを想うあまり、間違った選択をしてしまったと後悔する潮と鬼。
その事実を二人が理解したとき、再び幸せは訪れます。

私のつたない言葉ではこの作品の素晴らしさは伝え切れません。
この作品が少しでも気になった方がいらっしゃれば、是非読むことをオススメします。
夜明け作品がお好みの姐さん方は是非。

0

痛いの地雷な人は注意

陸裕先生に惹かれて購入。
今回も美しいイラストにときめきました。

人間と鬼のお話。
昔馴染みの鬼にボディーガードを頼んだところから物語が進みます。
一般人にはまず見えないので、お家でも一緒。
学校にもついてきてくれる!
自転車の荷台に鬼を乗せての二人で通学は大変可愛らしかったです。

受けの人間はうっかりして言いつけをきちんと守らないから危険な目にあうし、よかれと思ってしたことが想像以上の激しさでヒーヒーしたり(笑)
結構余計なことしがちでは?と萌えきれていなかったのですが、お話は想像以上の深刻さで進んだので驚きました。
BLアルアルの約束されしハピエンへの道が見えない…!?

シリアス好きなので不穏な展開はウェルカムなのですが、皆さんの言う例のグロシーンはなかなかに新鮮でした。
このネタ、好きではないのですが耐性があるので平気でしたが、思ったよりも描写があってよくやったな!と驚きが大きかったです。

出会いからその後の人生をかけてまで相手を想い結ばれ続けようと頑張った姿をたっぷり見せていただきました。
個人的にはストライクなキャラではなかったので昂りませんでしたが、内容的にも読み応えあるストーリーではないのでしょうか。

0

グロ駄目な方は要注意

青龍の涙のスピンオフです。
前作の攻である竜神様がちょろっと登場、それと受の弟分の息子くんも。
お話としてはこちらがより好きでした。
人が大好きで、人のことを食べられない泣き虫で優しい鬼と、そんな鬼のことが小さい時から大好きな人間の話です。

鬼と交流を持ったことで、人間を食べようともくろんでいる他の鬼に目を付けられてしまった受。
そんな受を祭の当日まで守ると約束した鬼との日々が描かれているのですが、もう何でしょうね、この鬼の魅力!
無口、でも優しくて強い鬼さん。鬼の世界では半人前でヘタレ認定されてるけど、受に対しては本当に情深くて優しくって、鬼であることがもったいないと思うくらい神々しい。

祭りの本番が終わってからの後半から、ギアが一気に上がってってきます。
鬼と受が背負う宿命のあまりの惨さと切なさに、読んでて涙がほろほろと……。
お互いを思うが故の行動にしても、それ以外の方法はなかったのかよ~! と思わず声を上げてしまうほど辛かったです。
でもその辛い部分を描写してくれたからこそ、その後の幸せが倍返しになってるわけで。
離れ離れになってからの展開は前作と被る感じではありますが、この安心安全ハッピーエンドに胸をなで下ろす感。この幸福感。満たされる感じ!
寿命問題とか色々ありますが、前作の竜神と彰が幸せそうな暮らしをしていることも伺い見ることができましたし、このふたりも末永く幸せに添い遂げられたらいいなと思いました。

でも正直一番泣いちゃったのは、鬼ばばあさんのエピソード。
贖罪だったのかもしれないけど、自分の魂が消滅するまで鬼のために尽くしてくれてありがとうと言いたいです。

1

コレ!という印象が残らなかった

あれー?私は別の作品を読んだのかな…。というほど皆さんのレビューとは違う感想になりました。

最後まで鬼を「あんた」って呼ぶ潮をどうも可愛いと思えず…。う~ん。なんと言えばいいのか。小さなアップダウンが沢山ありすぎてコレ!という印象が残りませんでした。精気を食うためという初エッチも唐突だし、神様が見える同級生とか、竜神とか、鬼が消えるって話も、腫瘍のことも、何もかもが唐突でツギハギな気が。

ホラーでグロちっくなシーンは、個人的にはそこまでショッキングではなかったです。

4

グロ注意!そして、ネタバレ注意!

涙が止まりませんでした。
前作『青龍の涙』のスピンオフということですが、竜神が出てくるだけで続編というわけではないみたいなので、これだけでも楽しめます。

グロやエロはありますけど、夏○友人帳や蛍○の杜へなんかと似た雰囲気で、切なくて心温まる物語でした。しかも、露神様が出てくるんですよ!残念ながらこの作品の露神様も消えてしまうのですが、鬼と潮の幸せを守ってくれていた優しい神様です。

残酷な描写が苦手な方には申し訳ありませんが、鬼が潮を食べてしまう場面は、必要な描写だと感じました。
愛する人を泣きながら引き裂き「美味しい」と食べる鬼の姿と、自分が食べられるのを意識を失わず眺める潮の姿は衝撃的で、本当に胸が痛くてボロボロ泣きました。
でも、このシーンがあったからこそ遺していく側の辛さより、遺される側の辛さの方が圧倒的に大きいんだな、と思い知らされました。
今回彰は出てきませんでしたが、竜神はまだ彰と共にいることを匂わせるセリフがあったので安心しました。
彰と潮が長生きできる方法をみつける続編とかないのかなぁ。

4

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