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あったかいお話。感情が揺さぶられる!とか、号泣!とかはないけれど、受けの芙蓉の心情に寄り添えるとても素敵なお話でした。
両片思いのお話なんですが、特に攻めの西澤の一途さが素敵です。そんな前から芙蓉のことを想ってたんだね、とわかるシーンがありまして、いいなーって。
受けの芙蓉も苦しい家庭環境を乗り越えて、健気だけれど決して流されない、自分を持った子で魅力的でした!
それからサブキャラのみんながすごく良い!これ、この本の結構大きいポイントだと思います。芙蓉のお祖母ちゃんも、西澤のお母さんも、田上君も、みんな優しい、ふたりの応援団って感じ!
とても読みやすかったですし、激しさよりも、あたたかいお話が好きな方にはオススメです。
母親にネグレクトされていた芙蓉の境遇。そしてその初恋の行方に、泣けて仕方ない作品でした( ; ; )
他の方のレビューにもありましたが、小学校時代、ぼろぼろの服を着て誰も触れようとしなかった芙蓉に西澤が手を差し出し、一緒にフォークダンスを踊るシーン…気付いたらぼろぼろ泣いてました。
たった2行程度の描写なのに鮮明にそのシーンがイメージできて、芙蓉のはちきれんばかりの喜び、羞恥や申し訳なさが伝わってきて……込み上げてくる思いはあるのですが、うまく文字で表現できずもどかしいです。(プロの小説家の先生方って本当にすごい)
優等生然とした西澤が、恋した人(芙蓉)の前では余裕をなくして嫉妬したり、思わず唇を奪ったりと、一人の恋する男になる様子もたまらなかった。
”芙蓉は不要”なんて呟いていた小学校時代の芙蓉。
そんな彼が西澤に情熱的に求められ、”大切な存在だ”と言葉でも態度でも余すことなくぶつけられ、満たされていく過程に、じんわりじんわり込み上げるものがあり、読後しばらく放心してしまいました。
一番最初に載っている、金子みすゞさんの詩「草の名」。
本編読了後にもう一度読むと、読む前とはまた違った思いが沁みてきます。
草間さかえ先生のイラストも、繊細な作品の雰囲気にぴったりで、、
大切に、何度も読み返したくなる作品。
今まで読んできた月村先生の小説の中で、個人的に一番好きで記憶に残るものでした。
作者&挿絵買いです。
タイトルもほのぼのとしてて、絶対甘キュンなやつだろうと見当をつけ購入しました。
主人公の芙蓉はかなり壮絶な過去持ちですが、どこか達観しているようで、繊細そうなんだけど芯の強さを感じさせます。
そんな芙蓉の初恋の王子様、西澤と6年ぶりに再会し…というお話でした。
健気な薄幸受けが無条件に愛される、そんな作品ですのでハッピーしか求めてないという姐様にも安心設定です。
終始キュンの嵐ですし、すれ違いもありますがそこまで拗れないので読んでいて悲しくなるような事は無かったです。
幼少期に全くいい思い出がなかったという記憶を西澤がいることで、生まれてよかったという希望に変えてくれる設定にホッとさせられます。
素っ気ないような態度の祖母にも実は愛されていたって所で涙が滲んだりしました。
本編が終わり、あとがきの文字が見えた時にエッもう終わり?って残念に思ってしまうほど、もっと2人のお話を読んでいたかったです。
「うん。毎朝、そこの窓から下を見ると、大町が膝をかかえて俯いてるのが見えて、いったい何を落ち込んでるんだろうと思って。一緒に昼飯でも食べながら、訊いてみようと思ってたんだけど、単なる植物観察だったんだな。」
家族に恵まれず施設で育った主人公と、隣にいて手を繋ぎ話しかけてくれていた転校生との再会のお話。派手な出来事の起こらない、食事や季節や植物など日常に恋が展開していくのを落ち着いて読む一冊でした。
無口な芙蓉が叔母に同じ遺伝子を感じて安心したり、西澤から借りた本の知識だけを頼りに雑草を愛でたり、西澤だけにお弁当のおかずをおまけしたり。すごく良い・・・
読んでいくと、周囲にはいじめていた人以外に芙蓉を見守っていた人、見えないところで心を砕いていた人がいると分かってくる。西澤の優しさも、ずっと優等生然とした性格や正義感がそうさせると思っていたけれど、実は芙蓉を思ってくれていたからこそのもの。
人は生きてきた中で視野と考え方が固まり、こんなにも人がしてくれた行動と自分で感じたものが違って見えることがあるのだと再確認するような話でした。素直に受け取らないことは、こんなに相手が見えていなくて勿体ない。僻みや自己嫌悪が強過ぎるのは良くないですね。
叔母や周囲の優しさ、相談できる相手がいて話す事で自分の出来事を再確認すること、何かあったときに飛び込める場所(叔母の真意を知って西澤の胸に飛び込んだ芙蓉の、その変化が愛しい!)があるっていいなぁとじんわりしました。
タイトルの「すみれ」は、野草の和スミレの事。
踏むと、はんなり薫る、道端に咲く花。
別名 「墨入れ」「相撲取草」「マンジュリカ」
花言葉は 「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」
そして、この本の紹介文は、「初恋は実らない。花すら咲かない。だから再会なんてしたくなかった――。」
・・どうして、タイトルに「すみれ」を入れたのかな・・と興味を持って購読。
冒頭は、金子みすずの詩 「草の名」・・
・・人が知っている草の名は わたしはちっとも知らないの・・
★登場人物
西澤浩一郎:
芙蓉の小6時の同級生。大学1年生、祖母の下宿の住人。
大町芙蓉:不要の芙蓉?
実母に育児放棄。祖母に引き取られて、祖母の営む下宿屋で働く18歳
1 すみれびより:すみれのエレイオソーム・・芙蓉は、雑草に詳しい、草好きな子だった。
2 あじさいびより:色変わりする花
3 ふようびより:酔芙蓉のことで、色変わりする
そういえば、「すみれ香水/村下孝蔵」という曲があったな、と読みながら思いだした。