ボタンを押すと即立ち読みできます!
裕福な家庭に生まれながら体が弱く親から愛されず、幼い頃に1人田舎へ療養に出された鼎。そこで出会った庭師の息子の瑞季と親友になり、彼だけが鼎の全てになっていき…。
孤独と不安、愛惜と執着。瑞季の背中には鼎を助けようと庇った時に出来た大きな傷跡があり、それも2人を縛る鎖のよう。
どんどん膨らんで暴走していく鼎の瑞季への想いは止められなくなるけど、悩みながらも逃げずに受け止めた瑞季もまた出会った時から鼎に恋をしていて。
木陰で静かに発酵していった欲望と愛しさ。苦しんだ末に辿り着いた2人の明るい未来に癒された。
「つむぎくんのさきっぽ」に登場した、宇喜田家の五男坊・鼎。病弱で病気療養の名目で田舎に追いやられた、都落ちだと使用人の間で噂になっていた彼が主人公のお話。
刊行はこちらの方が先なんですね。鼎と庭師の末息子である瑞季のなれそめ話です。
中心になっているのは高校生の時の話で、過去エピソードとして子供時代が描かれます。
瑞季の方が攻めだと思ってましたが、左右反対でした。考えてみたら、「つむぎくん」の方も煌成が攻めでした。
尊大な宇喜田家が精神的にも身体的にも人に屈服するわけないのでした。
幼馴染み同士で、鼎の拗らせがキーになっています。
鼎には瑞季さえ居ればよくて、二人で居られれば他はどうでもいいと思っている。瑞季の方はいわゆる健全な普通の男の子なので、鼎の薄暗い感情にも気が付かないし自分も抱いていない。この辺りが無自覚の罪というか、読んでいるこちら側は結構どきどきします。
鼎の恋が実るといいと思いながら読んでいるのに、瑞季があまりに健全過ぎて思いを受け止めきれるのかが心配なのです。
でも同じ地平には立っていなかったかもしれないけど、二人で歩んできた年数分だけ、鈍感な瑞季の方にも鼎を護ろうと思う気持ちはあって、だからこその結末なのだなと。
正直最終話は私にとっては急展開でした。時間と距離を置いている間の瑞季の気持ちの変化を、もう少しじっくり知りたかったです。
巻末描き下ろしの後日談「夜明けの先に」は、熟年夫婦感もあってほっこりします。落ち着くべきところに落ち着いて本当によかった。尤も二人のその後は先に「つむぎくん」で見て知っているのですが。よかったです。
表紙も素敵ですが、中の扉も庭の木陰なのがおしゃれと思いました。
「つむぎくんのさきっぽ」を読んで、こちらが関連作品だと知り、読んでみました。
あの煌成の義母兄、鼎と庭師の瑞季のお話です。
鼎が田舎に越して出会った瑞季と幼少期からの交友を経て恋愛関係になるのですが、一筋縄ではいかない拗らせた感情と執着心が見え隠れするところが良きでした。
特に鼎の瑞季さえ居ればそれでいい的感情が偏執的でたまらんでした。
だからといって、無理矢理やっちゃうのはいかがなものかと。せめて切れないようにして欲しかった←ソコ?
そんな不器用さもまたイイのだけど、流石にもう少しお灸をすえても良かったかなと思いました。
作家様買いです。
『つむぎくんのさきっぽ』の7話に出てくる鼎と瑞季のお話です。
『つむぎくんのさきっぽ』を先に読んでいたので、少しびっくりしました。
マキネ先生の執着攻めが好きなのですが、
鼎もかなりの執着攻めですごく良かったです。
でも、無理矢理する描写があるので、
もしかしたら無理な人もいるかもしれないです。
お互いがお互いのことを好きなのに
こうもねじれるのか…と思ったこの作品。
気持ちを素直に言葉にすることって大事だな…と
この作品を読んで改めて思いました。
こういう経緯があったから、
『つむぎくんのさきっぽ』でのあの対応なのかなって。
そう考えるとすべてが繋がっていて
マキネ先生すごい…!と思いました。
タイトルは、友人くんのセリフをお借りしています。まさにその通りな2人です。
暮田マキネ先生の描く少し不穏な共依存カップルが大好きで作者買いです。
病弱な故田舎に厄介払いされた名家の息子・鼎(かなえ)と庭師の息子で鼎の幼馴染の瑞季(みずき)。
とくに鼎はもともと病弱なのも相まって「瑞季がいればいい」と依存しており、常に捨てられることを恐れています。そしてとうとう抑えきれなくなり......。
暮田マキネ先生らしい作品で、すれ違い続ける共依存と執着具合いが最高でした!