裏切られても、愛してしまう。

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表題作硝子のギムナジウム

ロジオン,編入生,ロシア亡命貴族の末裔,21歳
奏斗,学院高等部の優等生,伯爵家の息子,18歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

貴族の子弟らが通う全寮制学院には、暗黙のヒエラルキーが存在する。日本人の血を引く奏斗は、模範生として一目置かれることで、コンプレックスを隠し生きてきた。その孤独な心を、東欧から来た美貌の編入生・ロジオンに容易く見抜かれてしまう。魅惑的な彼との触れ合いは甘美で切なく、生まれて初めて人を愛する意味を知る奏斗。だが、ロジオンの真の目的は奏斗を脅かすもので――。熱情と破滅に揺れる、危険な恋の結末は!?

作品情報

作品名
硝子のギムナジウム
著者
華藤えれな 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048658393
3.6

(25)

(7)

萌々

(8)

(4)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
84
評価数
25
平均
3.6 / 5
神率
28%

レビュー投稿数7

萌え萌えな舞台設定

ヨーロッパの全寮制男子高、ギムナジウム、貴族の子弟、敗退的な香りに萌え萌えな舞台設定です。

泰斗は継母にいじめられるかわいそうなシンデレラ…かと思ったら王子様を見初めた人魚姫のように思えました。
中盤から終盤までロジオンは本当に泰斗を陥れて何もかも奪う詐欺師なのではないかと本気で心配してしまいました。
でも実は人魚姫はロジオンの方だったのかもという展開に意外性を感じました。愛する人を守るため泡になる覚悟だなんて。

泰斗は幼い頃に事故で母を亡くし、継母にいじめられ濡れ衣を着せられ全寮制の学校に追いやられて以来生きることに執着せず将来を悲観しているような少年です。
理由があったとはいえその憎しみを泰斗にぶつけた継母の言動は空恐ろしく、父親からも疑いの目で見られ『茨の冠と重い十字架を背負い優等生を演じている』健気で不憫な子です。
蛇に噛まれたときにこのまま死んでしまったらみんな喜ぶだろうと思ったり、初めて愛した人の裏切りを知っても『君にために消えてあげる』と本心から言えてしまう少しも自分を大切にしないのが歯がゆかったです。
何一つ幸せでない人生の中でたった一つ得た恋する感情だけを大事にして他は何を失ってもいいなんて切なすぎて泣けてしまいます。

ロジオンの姉の泰斗に対する非道な策略や行為には、何の罰も与えられず地位も財産も得て将来安泰という結末には納得いかなかった。

3

華藤先生らしい気がする

華藤さんって、ロシアとか雪とか好きなんでしょうか?
なんとなくそんな印象が。
当本はサマミヤ先生の挿絵狙いでget。相変わらず美麗。

ザルツブルグが舞台。
おかしいなーもちょっと音楽音楽した(少し明るめなワルツの印象)街だった気がするけど
当本を読んでると、なんかめっちゃドロドロしい街な印象を受けました。

そんな厳然たる社交界がちゃんと残ってる街で 
ルックス東洋人まんまな受けが立ち位置確保するのは
すげー困難だと思うー。
そんな立ち位置確保のすったもんだ話。

しかもどうなってんだ って感じで敵味方入れ込んでる印象で
うーん、気分転換に読む って軽い読み物でなかった。
登場人物の家系図とか、情報をメモとってかないと 途中でわかんなくなっちゃたよん。
(私がバカだからか・・・?)
全体として、温度10度未満 なトーンだったので あんまりきゅんできなかったです。
故にすいません、中立。

1

青く透き通っていて冷たい

硝子の城、貴族社会、仮面舞踏会、ワーグナーの曲、人魚姫・・・もうね、これでもかってくらい耽美にして退廃的です。
ヨーロッパのギムナジウムが舞台の話なので、それはそれは華美に装飾された雰囲気ではありますが、ストーリーとしてはBLにしては寒々しかった気がします。
と、いうのも二人ともまだ二十歳そこそこだというのに、妙に人生を達観してて感情が分かりにくいのなんの。
義母や同級生に虐められ、初めて好きになった相手が自分を裏切ったと知っても平然とした態度の奏人と、好きな相手を守りたいが為汚れ役を演じたロジオン。
中盤辺りで身体を重ねた二人ですが、正直その時点ではロジオンの奏人に対する想いを疑っていました。繰り返し口にする「愛人になりたい」というセリフにも疑問がわきました。“恋人”ではなくなぜ愛人なのかと。
このままもしかしたら、二人は心中でもしてしまうんではないかとヒヤヒヤしながらよみましたが、終盤には漸く甘さが加わってホッとしました。

4

あっさり

表紙がきれいだったので、手に取りました
華藤さんを読むのはひさしぶり
異国情緒あふれる外国物だったんだけど、閉鎖的は寄宿学校が中心だと、こんなものかな、と淡々とはじまり、中盤以降、どとうの展開?
終始、一歩引き気味で読み終えてしまいました
愛とか幸せとか、若い子たちが言い合ってると、本人はどんなに真剣でも薄いなあ、とか思ってしまったのは、読み手であるこちらが醒めすぎてるせいかもしれませんが、華藤さんは読みやすい平易な文章できれいでそつがないせいか、引っかかりなく読めてしまうから、あっさり読み終わってしまったいんしょう
楽しみそこねてしまいました

4

「硝子」で「ギナジウム」!

ギナジウム
この言葉だけでも、お耽美なキラキラが降り注いで来る感じなのに、その上更に「硝子のギナジウム」
「硝子」よッ!
「ガラス」じゃなくて「硝子」
それに、また、サマミヤさんの先端細い系の幸薄げなイラストが似合っているったら!

ヨーロッパで、貴族で、寄宿舎!
おまけに、バレエに、乗馬に、ロシアマフィア!
こういう、お耽美の盛り合わせと華藤えれなさんって、ほとんど伝統芸能の域で、たまに触れるとすごくほっとするし、やっぱり定期的に補給したくなる。
ただ、難を言えば、こってりたっぷり盛り込んであるのは有り難いけど、文庫1冊の読み切りサイズだと最後の方がだんだん駆け足になっちゃってもったいない。
まあ、あんまり長くて厚い本だと手を出すのが億劫になったりするから、この位の分量でサクッと読んで、もうちょっと欲しかったって、多少の飢餓感が残るくらいの方がいいのかな。

6

雀影

セルフツッコミ
えれな先生、結構、対面座位、多くない?
このお話も、意外としれっとエチシーン多くて、文章だとそんなに激しく感じないけど、これコミックにしたら、相当ねちこく激しくなるよね。
まあ、個人的には対面座位に限らず、座位好きなので、もっとやって!って感じで。

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