「俺の彼女になってください!!」

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表題作その好きの行方

室戸光
高校教諭,女性恐怖症
出雲晃
高校の非常勤講師,灯台オタク

その他の収録作品

  • カバー下:あとがき漫画・裏設定など

あらすじ

高校で社会科の非常勤講師をしている出雲は、女子人気の高い美形物理教師・室戸に片思いをしていた。
室戸に彼女ができれば、諦められると思っていたのに…。
卒業式が近づいたある日、女子を撒きたい室戸から「彼女」になって欲しいとお願いされて引き受けてしまった出雲。
でも近所に住む生徒の友ヶ島はどうやら出雲の事が好きみたいで…?
恋のジンクスがある灯台を舞台に繰り広げられる三角関係の結末は!?

作品情報

作品名
その好きの行方
著者
三月えみ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
日本文芸社
レーベル
KAREN COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784537134599
3.6

(85)

(30)

萌々

(18)

(22)

中立

(10)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
10
得点
298
評価数
85
平均
3.6 / 5
神率
35.3%

レビュー投稿数10

しなかった事に後悔した方がいい事もある

「灯台のふもとの海に一緒に写った写真を流すとずっと一緒にいられる」そんなジンクスがある海の街。
地味な高校教師・出雲は自分を偽るのに疲れすべてを捨ててこの街にきて、同僚のイケメン教師・室戸に憧れのような想いを抱いている。室戸は女性恐怖症なのに女子生徒につきまとわれるのにウンザリして、室戸に彼女のフリを頼む。でも室戸には、出雲に想いを寄せる担任生徒・友ヶ島に出雲を諦めさせ東京へ進学させたいというもう一つの思惑もあり。

出雲はゲイだとカミングアウトしてきた友ヶ島に初めて出来た仲間意識を感じ、室戸への気持ちを伝えていた。室戸と友ヶ島の会話から友ヶ島が好きなのは室戸と勘違いして「想いは伝えた方が良い」とアドバイスする。
友ヶ島は出雲の孤独を理解し、東京へ行った後のことを心配して、室戸に出雲を託そうとしたけれど、女装させる室戸より自分の方が出雲を幸せにできると主張しだす。

出雲はいざ気持ちを向けられると、保身から友ヶ島を遠ざけようとすることしかできない。
室戸は出雲との性的な行為をバラし「出雲先生は男に抱かれたい男だ。お前の気持ちは同情でしかない。」と友ヶ島の本心を指摘し「しなくていい後悔をする位なら、しなかった事に後悔した方がいい事もある」と諭す。
友ヶ島も出雲のことはとても大切に想っているけれど恋愛じゃないことに気付く。

室戸は、友ヶ島には出雲を好きだと言ってたようだけど、女装も彼女役も打算的だし、手を出しても愛情感じないし、すごく勝手に思える。でも室戸の過去が明らかになっていくと、友ヶ島の本心を指摘できたのは過去の自分と同じで同じ過ちを犯して欲しくなかったからで、友ヶ島を諭した「しなくていい後悔をする位なら、しなかった事に後悔した方がいい事もある」って言葉が重く重くのしかかってくる…
孤独への同情を愛情と勘違いして相手を追い詰めたのは罪かもしれない。でも灯台のジンクスの起源には純粋に一緒にいたいって祈りに近い想いがこもっているように感じられるから「罪」だと思わなくても良いのに…
出雲を彼女にした理由も、ある意味、過去の人が残した想いに誠実であろうとしたから。勝手に見える室戸が抱えてきた後悔の重さに泣けてきます。

ラストに向けて、出雲の行動力が男前でかっこよくて、それにどれだけ室戸が救われたか…ごうごう泣きました。

地味教師、イケメン教師、高校生の三角関係。
出雲は憧れのような恋心に見えて実は肉欲をすごく求めていた、友ヶ島は一途に想ってるようで肉欲をつきつけられると逃げ腰になる。利己的に見えた室戸が罪の意識を抱えてきたこと。
純粋に見えたものにエゴが隠され、利己的に見えたものに純粋な気持ちが隠れている、そんなパラドックスも詰まってる深い作品だと思います。

5

⭐︎はあまくて4つ

ずいぶん前に⭐︎を5個付けていました。
でも何度目かの再読でやっぱり5個じゃあないだろうという自分がいます。
もやもやが晴れない。
三月先生のお話はだいたい凝っていて、へぇこうきたか!
と思って感心納得する事も多いんだけど、
「家庭の事情で襲われてます」などはなんだこりゃとしか思えませんでした。
この「その好きの行方」は大好きなんだけど再読する度になんだこりゃ感が否めません。

1番の原因はやはり室戸と最後の灯台守の関係。
灯台守が髭や髪型外見で異様に老けていたとしても
室戸が中学生から18になるまでの何年かは2人は一緒だった、はっきり言うとどうも肉体関係があった、と推定されます。
わたしも最近はショタコンに慣れてきたとはいえやはり引きます。
灯台守の言動も結末も怖いです。
彼によって呪縛された室戸は女装にいそしみ、好みの男性である出雲にも女装を強要したのでしょう。
つまり灯台守への罪の意識に囚われたまま大人になってしまったのですね。
大学に進学する友ヶ島に
「オレや出雲先生みたいな大人になるな」と室戸は言います。
ここの意味がキツいです。

他の箇所もわざわざややこしく意味ありげに作り込まれており、なんだかなあという感じです。
家族愛と恋愛がどーたらこーたら、、、
友ヶ島の気持ちの分類はそんなに必要でしたか。
そうそう、孫と祖父の苗字が違う??
と登場人物たちが混乱していましたが、2人いるうちの1人の祖父は孫と苗字が普通違いますけど。

でもまあ室戸先生のイケメンぶりと出雲の女装、この2人のえちシーンがなかなか良かったです。
わたし、女装男子って好きみたいなんで!

0

そのこたえは謎解きの最後に❤︎


絡み合う人間関係と謎が解かれた後、
目の前で胸の内を打ち明けるように語られる
誰かの想いが、毎回予想もしない
いじらしさと切なさで
ハテナだらけだった頭の中を一気に
甘い空気で充してくれる❤︎
今回もめちゃめちゃ良かったです!

その好きがどんな好きになるのか?
のタイトルの問いかけに、
最高のシチュエーションで応えるラスト❤︎
たまりません❤︎ふふふ

私の中で、三月先生の作品ベスト3?
いやもっと他にも好きなのあって
正直選べないんですけど、
大好きな作品です。

0

拭えないモヤモヤ感

初読のときに評価だけ入れて、レビューは書けませんでした。
自分の感じたことをまとめるには、モヤモヤし過ぎてしまって。
今回、数年ぶりに再読して、やっぱりモヤモヤしてますが、モヤモヤの正体を突き止めてみようかと。

高校で非常勤講師をしている出雲は、元公立高校教諭。
ある事情から仕事を辞めて、灯台のある街へやって来た。
間近に迫った卒業式に湧く生徒たちの中で、同じ高校に勤めるイケメン教師・室戸への気持ちをひっそり抱いていたが…。

イケメンは存在自体が宝です。
そんな宝を我が物にしたい!と願う人はたくさんいるわけで、卒業を機に室戸に群がる女子に男子。烏合の衆から逃れるべく、室戸が出雲にしてきたお願いが「彼女のフリ」という…。

途中まで室戸がよく分からないんですよ。
出雲の顔が好きと言いながら、熱を一切感じない。
室戸に迫りながらも、突然ばっさり線を引くようなことを言う。
一瞬「何だ、相思相愛なのに回りくどいことをするなあ」って感じるのですが、どうも何かが違うぞ?という違和感を醸し出してくるんです。
出雲の方は女装してでも「交際相手」になれることに浮き足だったりしてるから、その熱量の差が余計に目について、室戸の魂胆が気になってしまいます。

2人ともが何かを抱えています。
「ふつう」を偽装することに疲れて、誰も知らない街へやってきた出雲は、男に抱かれたい自分を。
イケメンで人生イージーモードに見える室戸の抱えた大きな心の傷を。
メインとなるのは室戸の方の傷で、その詳細がだんだんと明かされていくのですが…。

重すぎやしませんか。
中学生の頃から室戸が付き合っていた灯台守。
「4年」という期間から、おそらく大学進学でこの街を離れなければならなくなったときに、恋人は病に冒されて弱気になって…。
重い。
中学生と肉体関係を結べるおっさんにも、ちょっといろいろ考えてしまう。
さらに2人の体格的なもの、年齢的なものを考慮すると、絶対室戸が受け。
添い遂げることができなかった過去の恋の傷が深く残って、前へ進めなかった室戸を引き上げてくれたのが出雲だった、と考えると、すごく良い話に感じるんです。

だけど、何か違う。
攻め受け問題だけでも、室戸も抱かれたい方に思えるんだよなあ。
食い下がる出雲を抱いたとき、室戸が泣いた理由が、つい自分と灯台守を重ねているように思えてしまうのは、深読み癖のせいなのか。
あの人にもこんな温かさを自分は与えることが出来ていたのかなという感傷に思えてしまうんだよなあ。

「女性」に拘るのもよく分からない。
「ちゃんと女の子と付き合いなさい」っていう灯台守の言葉の呪い?
でも結局男しか好きになれないから、出雲に女装させるわけだけど、うーん…。
何だろう、ここに拘る心理がうまく伝わって来ないんだよなあ。
何度も読み返して、読み落としがないか、深読みもできる限りしてみたけど分からない。
なのにこの心理が理解できないと、この作品が一番伝えたいことが理解できないっていうすごく大事なところに思えるほど、この件が占める割合が大きい。
これだ!モヤモヤの正体は!!
「女装していない出雲には手を出さない」とか「俺が作った彼女」とか、とにかく最後まで「女性」こだわるのに、その根拠が全く説明されてないからだ!
モヤる。モヤりすぎる。

もっとシンプルで良かったんじゃないかと思うんです。
その昔、灯台守と生涯に一度だけと思えるほどの恋をした少年が、自分の愛を証明するためにやったことが、「恋が叶う」という言い伝えになって、その言い伝えに興味を持ったある教師が、調べていくうちに少年の正体に気付く。
ここだけに集中して描いてくれたら、ものっすごく萌えた。
なのに、そもそも出雲が言い伝えについて調べているという情報が小出し。
むしろ単なる灯台マニアというだけで、後半に入るまでは言い伝えにそこまで拘っているように見えない描き方。
そこへ女装という特殊な要素を出してきたことで、目眩しを喰らってしまう。
出雲に恋した男子生徒の気持ちが、当時の室戸少年と重なるというのなら、なぜ片方は情愛で、片方は家族愛という描き方をしたのか。
「見つけた」という言葉が印象的に使われているけど、横道が多すぎるせいと、片手間にちょっと調べてみてるだけっていう雰囲気と、匂わせが少なすぎるせいで「見つけた!」「見つけてくれた!」感が伝わってこないんだよなあ。

長々と書きましたが、1つの大きなテーマを最初から最後まで1番前に押し出して描いてくれたら!!!と思わざるを得ない作品でした。
もったいないなあ。

3

絵がキレイですね。

男性ツーショットの表紙を開くと男性がなんと女性の肩を抱いていた。
え!女の人が出張ってくる話なの?と思ったら違いました。

複雑な人間関係と灯台にまつわる言い伝えと室戸と出雲の過去。

正直なんでそんなに灯台の言い伝えにこだわるのか不思議でした。
しかし室戸に繋がり。

室戸を好きだと思っていた生徒は本当は出雲が好きだけどそれは家族愛だった!
なんか色々絡めてややこしくなってますね。

出雲は室戸が好きで、それを生徒が室戸に話しちゃってて。

モテすぎて困っている女性恐怖症の室戸の偽彼女の役をする出雲。

なぜ室戸は女性恐怖症?モテすぎるから?
元々ゲイだから?

出雲が室戸を救いだしてくれますね。
しかし高校に上がる前から室戸は孫と間違われる程のおじさんと!ひえー。
その元恋人との間に色々抱えて捕らわれていましたがやっと自由になれたのかな?

なんかややこしくて、なんでそこにこだわるの?ばかりでお話に入り込めなかった。

2

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