「俺の彼女になってください!!」

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表題作その好きの行方

室戸光
高校教諭,女性恐怖症
出雲晃
高校の非常勤講師,灯台オタク

その他の収録作品

  • カバー下:あとがき漫画・裏設定など

あらすじ

高校で社会科の非常勤講師をしている出雲は、女子人気の高い美形物理教師・室戸に片思いをしていた。
室戸に彼女ができれば、諦められると思っていたのに…。
卒業式が近づいたある日、女子を撒きたい室戸から「彼女」になって欲しいとお願いされて引き受けてしまった出雲。
でも近所に住む生徒の友ヶ島はどうやら出雲の事が好きみたいで…?
恋のジンクスがある灯台を舞台に繰り広げられる三角関係の結末は!?

作品情報

作品名
その好きの行方
著者
三月えみ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
日本文芸社
レーベル
KAREN COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784537134599
3.6

(85)

(30)

萌々

(18)

(22)

中立

(10)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
10
得点
298
評価数
85
平均
3.6 / 5
神率
35.3%

レビュー投稿数10

⭐︎はあまくて4つ

ずいぶん前に⭐︎を5個付けていました。
でも何度目かの再読でやっぱり5個じゃあないだろうという自分がいます。
もやもやが晴れない。
三月先生のお話はだいたい凝っていて、へぇこうきたか!
と思って感心納得する事も多いんだけど、
「家庭の事情で襲われてます」などはなんだこりゃとしか思えませんでした。
この「その好きの行方」は大好きなんだけど再読する度になんだこりゃ感が否めません。

1番の原因はやはり室戸と最後の灯台守の関係。
灯台守が髭や髪型外見で異様に老けていたとしても
室戸が中学生から18になるまでの何年かは2人は一緒だった、はっきり言うとどうも肉体関係があった、と推定されます。
わたしも最近はショタコンに慣れてきたとはいえやはり引きます。
灯台守の言動も結末も怖いです。
彼によって呪縛された室戸は女装にいそしみ、好みの男性である出雲にも女装を強要したのでしょう。
つまり灯台守への罪の意識に囚われたまま大人になってしまったのですね。
大学に進学する友ヶ島に
「オレや出雲先生みたいな大人になるな」と室戸は言います。
ここの意味がキツいです。

他の箇所もわざわざややこしく意味ありげに作り込まれており、なんだかなあという感じです。
家族愛と恋愛がどーたらこーたら、、、
友ヶ島の気持ちの分類はそんなに必要でしたか。
そうそう、孫と祖父の苗字が違う??
と登場人物たちが混乱していましたが、2人いるうちの1人の祖父は孫と苗字が普通違いますけど。

でもまあ室戸先生のイケメンぶりと出雲の女装、この2人のえちシーンがなかなか良かったです。
わたし、女装男子って好きみたいなんで!

0

そのこたえは謎解きの最後に❤︎


絡み合う人間関係と謎が解かれた後、
目の前で胸の内を打ち明けるように語られる
誰かの想いが、毎回予想もしない
いじらしさと切なさで
ハテナだらけだった頭の中を一気に
甘い空気で充してくれる❤︎
今回もめちゃめちゃ良かったです!

その好きがどんな好きになるのか?
のタイトルの問いかけに、
最高のシチュエーションで応えるラスト❤︎
たまりません❤︎ふふふ

私の中で、三月先生の作品ベスト3?
いやもっと他にも好きなのあって
正直選べないんですけど、
大好きな作品です。

0

あなたの気持ちは何が基盤?

 三月先生独特の雰囲気の作品でした。三月先生の描く田舎が舞台の物語、好きだなぁ。主要キャラである室戸と出雲、友ヶ島の三角関係はかなり歪。途中までは単純に、室戸と友ヶ島が共に出雲を好きで取り合っているように見えるのですが、それぞれの感情を紐解いていくとそんな単純な話ではないことが見えてきます。

 過去に随分年上の男性を好きになったけれど、年齢差や性別、病気などの理由から相手に引かれ、気持ちの良い別れ方ができなかったことを引きずる室戸。根っからのお人好しなのか、正義感に満ちた性格なのか、出雲の孤独を埋めたいがために彼を好きだと思い込んでいた友ヶ島。2人の出雲への気持ちは複雑です。出雲の室戸への気持ちも、雰囲気や容姿への憧れといった域を出ているのか否かは曖昧。三者三様、エゴを抱えた恋。ある意味とてもリアルな気持ちだと思います。並のBL作品とは一味違った、自分本位な恋愛に共感できるような作品だったのではないでしょうか。

0

室戸の過去関連がピンとこなかったけど

私は女装萌えはしないんですけど、出雲先生の女装姿はかわいかった。
女性恐怖症なのに女装姿の出雲先生としかできない室戸先生がよくわからなかったけどw
出雲先生が男性のままでも室戸先生とちゃんとお付き合い続けられるようになってよかった。

灯台の言い伝えと室戸先生の過去との関連が途中よくわからなくて、室戸先生のトラウマや涙を流す理由もピンとこず(三月先生作品で私はこういうことが結構あるw)そこは流してしまいましたw
なのでずっと出雲先生目線で読んでいました。

出雲先生に片思いしていたDK生徒がかわいそうだったけどいい奴だった。

0

拭えないモヤモヤ感

初読のときに評価だけ入れて、レビューは書けませんでした。
自分の感じたことをまとめるには、モヤモヤし過ぎてしまって。
今回、数年ぶりに再読して、やっぱりモヤモヤしてますが、モヤモヤの正体を突き止めてみようかと。

高校で非常勤講師をしている出雲は、元公立高校教諭。
ある事情から仕事を辞めて、灯台のある街へやって来た。
間近に迫った卒業式に湧く生徒たちの中で、同じ高校に勤めるイケメン教師・室戸への気持ちをひっそり抱いていたが…。

イケメンは存在自体が宝です。
そんな宝を我が物にしたい!と願う人はたくさんいるわけで、卒業を機に室戸に群がる女子に男子。烏合の衆から逃れるべく、室戸が出雲にしてきたお願いが「彼女のフリ」という…。

途中まで室戸がよく分からないんですよ。
出雲の顔が好きと言いながら、熱を一切感じない。
室戸に迫りながらも、突然ばっさり線を引くようなことを言う。
一瞬「何だ、相思相愛なのに回りくどいことをするなあ」って感じるのですが、どうも何かが違うぞ?という違和感を醸し出してくるんです。
出雲の方は女装してでも「交際相手」になれることに浮き足だったりしてるから、その熱量の差が余計に目について、室戸の魂胆が気になってしまいます。

2人ともが何かを抱えています。
「ふつう」を偽装することに疲れて、誰も知らない街へやってきた出雲は、男に抱かれたい自分を。
イケメンで人生イージーモードに見える室戸の抱えた大きな心の傷を。
メインとなるのは室戸の方の傷で、その詳細がだんだんと明かされていくのですが…。

重すぎやしませんか。
中学生の頃から室戸が付き合っていた灯台守。
「4年」という期間から、おそらく大学進学でこの街を離れなければならなくなったときに、恋人は病に冒されて弱気になって…。
重い。
中学生と肉体関係を結べるおっさんにも、ちょっといろいろ考えてしまう。
さらに2人の体格的なもの、年齢的なものを考慮すると、絶対室戸が受け。
添い遂げることができなかった過去の恋の傷が深く残って、前へ進めなかった室戸を引き上げてくれたのが出雲だった、と考えると、すごく良い話に感じるんです。

だけど、何か違う。
攻め受け問題だけでも、室戸も抱かれたい方に思えるんだよなあ。
食い下がる出雲を抱いたとき、室戸が泣いた理由が、つい自分と灯台守を重ねているように思えてしまうのは、深読み癖のせいなのか。
あの人にもこんな温かさを自分は与えることが出来ていたのかなという感傷に思えてしまうんだよなあ。

「女性」に拘るのもよく分からない。
「ちゃんと女の子と付き合いなさい」っていう灯台守の言葉の呪い?
でも結局男しか好きになれないから、出雲に女装させるわけだけど、うーん…。
何だろう、ここに拘る心理がうまく伝わって来ないんだよなあ。
何度も読み返して、読み落としがないか、深読みもできる限りしてみたけど分からない。
なのにこの心理が理解できないと、この作品が一番伝えたいことが理解できないっていうすごく大事なところに思えるほど、この件が占める割合が大きい。
これだ!モヤモヤの正体は!!
「女装していない出雲には手を出さない」とか「俺が作った彼女」とか、とにかく最後まで「女性」こだわるのに、その根拠が全く説明されてないからだ!
モヤる。モヤりすぎる。

もっとシンプルで良かったんじゃないかと思うんです。
その昔、灯台守と生涯に一度だけと思えるほどの恋をした少年が、自分の愛を証明するためにやったことが、「恋が叶う」という言い伝えになって、その言い伝えに興味を持ったある教師が、調べていくうちに少年の正体に気付く。
ここだけに集中して描いてくれたら、ものっすごく萌えた。
なのに、そもそも出雲が言い伝えについて調べているという情報が小出し。
むしろ単なる灯台マニアというだけで、後半に入るまでは言い伝えにそこまで拘っているように見えない描き方。
そこへ女装という特殊な要素を出してきたことで、目眩しを喰らってしまう。
出雲に恋した男子生徒の気持ちが、当時の室戸少年と重なるというのなら、なぜ片方は情愛で、片方は家族愛という描き方をしたのか。
「見つけた」という言葉が印象的に使われているけど、横道が多すぎるせいと、片手間にちょっと調べてみてるだけっていう雰囲気と、匂わせが少なすぎるせいで「見つけた!」「見つけてくれた!」感が伝わってこないんだよなあ。

長々と書きましたが、1つの大きなテーマを最初から最後まで1番前に押し出して描いてくれたら!!!と思わざるを得ない作品でした。
もったいないなあ。

3

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